
最近のニュースなどで良く聞くようになった単位ベクレルとシーベルト。
ベクレルは物質が放射線を「出す」量。1秒間に1個の核分裂が起きて放射線が出る量が1ベクレル。
これに対し、放射線を「受ける」量(吸収エネルギー)はグレイという単位が使われるが、
人体への影響をはかるためには、単に受けるエネルギー量ではなく、放射線の種類ごとに、その量をはかる必要がある。種類により体に与える影響が違うからだ。
それを加味し、「体への影響」を数値化したものがシーベルトだ。例えば、原発事故などで多く発生するベータ線やガンマ線では、1グレイ=1シーベルトだが、アルファ線ならば1グレイ=20シーベルトである。アルファ線は飛ぶ粒子の質量が大きいなどの理由で、1つの放射線が人体に与えるダメージが大きいからである。
ただし、アルファ線は紙1枚で防げるのであまり心配はいらない。
ベータ線は身体の皮膚で止まる。万一被曝しても表面だけで済む。とはいっても、かなりヤバい状況にはなることは確かですが。特に目をやられると大変です。このベータ線も数ミリ厚のアルミ板で防げる。問題はガンマ線コンクリートだと50センチ、鉛板で10センチ程度の遮蔽が必要。ガンマ線は電磁波であることからX線に酷似している。工業用のX線写真などはこのガンマ線を利用している。食品などのガンマ線滅菌等にも使われるように、殺菌作用もあるが、基本的に人の細胞を壊すことはない。
とは言え、ガンマ線のもつ電離作用がDNAを傷つけることも知られている。
原発事故で、私たちがいま最も知りたいのは、食品や水、空気がどれくらい危険なのかだろう。
今回、各地で検出された食品の放射線量のうち、特に高かったのが茨城県日立市のホウレンソウで、54100ベクレル/キログラムのヨウ素131。
では、これを摂取したらどれくらい被曝することになるのか。ベクレルとは物質が放射線を出す量である。人間が被曝で被害を受ける量はシーベルトで表わされる。ベクレルをシーベルトに換算するには、摂取量と、放射性物質ごとに設定された「実効線量係数」という数値を掛ける。
この係数は、それぞれの放射性物質が体に取り込まれた際に、どんな放射線が、どれだけ体内に留まり、どれくらい放射線を人体に与えるか、などを考慮して決められたものである。
ホウレンソウの日本人の平均摂取量は年間6.8キログラム。ヨウ素131の実効線量係数(経口摂取)は0.000022(単位はミリシーベルト)。よって、このホウレンソウを1年間食べ続けると、約8.1ミリシーベルトの被曝量となる。
よく枝野幸男官房長官が使う「CTスキャン○回分」でいえば、胸部CTがだいたい6.9ミリシーベルトだから、その1.2倍弱になる。
これは単純に「安全」とはいえない。というのも、人間が自然に被曝する量は世界平均で年間2.4ミリシーベルト。国際放射線防護委員会(ICRP)は、これとは別に人工的な放射線は年間1ミリシーベルト以下にすることが望ましいとの基準を設けている。実際には、CTのように1回でこれを超えてしまうものもあり、この基準には「医療用を除く」という但し書きがついているが、これは医療用放射線が安全だからではない。
当然、食品からCT1回分もの被曝をするというのは避けたいことだ。
そもそも、CTの放射線被曝の影響は、論理的に立証されていない。CTを受ける人はそもそも、何らかの異常がある人が多くその点で統計的な数値は成立しないし、臨床的にデータをとることは倫理上
好ましくないので行われていないからである。そのような曖昧な数値を引き合いに出す方が問題だと思っている。
ただし、ほうれん草の数値は原発事故直後、近隣地域で、放射性物質が付着しやすい「葉もの野菜」の数値である。このレベルの食品を食べ続けることは地元の人でもまずない。その意味で、「ただちに健康被害があるとはいえない」という評価は、まあ妥当と思われる。
そして、ヨウ素の半減期は8日、この点と被曝している原因が、空気中に拡散した放射性物質と言うことを考えれば、ほうれん草の表面にヨウ素が付着しているだけという点も考え合わせると洗って摂取することとすれば被曝量はミリからマイクロに一気に落ちるのである。よって、直ちにどころかほぼ安全と言えるのである。
また、水道水から965ベクレル/キログラムの値も検出された。この水を1年間に700リットル(1日2リットル弱)飲めば、15ミリシーベルトの被曝量になり、これはかなり高い。
が、これも特殊な仮定を重ねた試算であり、「念のため飲用を控えてほしい」という対策も妥当ではないかと思うのである。原発から放射性物質が高濃度で出続けているわけではないし、ヨウ素131の放射能は8日で半減するので、いずれ数値は下がる。そうすれば、飲用として使えるようになる。
また、東京で乳児の安全基準を超える水が見つかったが、乳児の基準が厳しいのは、小児甲状腺がんのリスクが高いからであり、成人はこの水でも問題はない。もちろん、基準値を超えている間は乳児に飲ませないほうがよいことは間違いない。これから成長する子供たちに甲状腺の機能は重要であり、できるだけ傷つけないことが良いのは当たり前だからである。
ここで重要なデマをお知らせしなければならないと思う。
「放射能を浴びると遺伝的障害を受ける」という考えは“常識”のように語られるが、これはデータから否定されている。
原爆投下を受けた広島、長崎で医療機関や政府機関が実施した調査によると、被曝者から生まれた子供の小児死亡率、染色体異常の発生率、身長・体重などの異常は「全く認められない」という結論が出ている(放射線影響研究所調査)ことを、なぜ、マスコミはもっと報じないのであろうか。
そんなことをすれば、面白おかしく番組を作ることができないからに決まっていますよね。
そもそも、「ゴジラ」が否定されてしまいますからね。
放射線によって遺伝子異常が生じることは、理科などでもハエやマウスの実験で紹介されるため、そう思っている人が多いが、人間の場合、遺伝子異常があると受精卵が着床しないなどの防御機能があり、遺伝的障害は起きないというのが科学的常識なのです。それで子供が生まれにくくなるというデータもない(もともと大半の卵子は着床しないため)。
こんなところでも、報道や偽善者の発言には疑ってかかることを忘れないでください。
あっ。東京電力からいっぱい資金提供されている、東京大学の学者様の意見にも要注意ですよ。
スポンサーを悪く言えるわけがないですからね。
相変わらず、画像は何の関係もありません。
Posted at 2011/04/10 22:55:32 | |
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