モラルハザード

三菱自動車の燃費不正問題とVWの排ガス不正問題とは原因が良く似ている。

VWの場合はトヨタを抜いて世界一となる経営陣の野望が不正を生んだ。陰には、トヨタのハイブリッドに対抗する上で、ディーゼルの燃費を向上させる為には排ガス規制が障害であったと報じられる。

三菱自動車は他社からの出遅れを取り返す為に経営陣が燃費向上を要求し続けた事が原因とされるが、過去の度重なる不正を教訓として改善されなかった企業体質に根幹がある。

三菱自動車の記者会見をご覧になって皆さんはどう思われたでしょうか。

先には東芝の社長三代に渡る粉飾決算の悪しき伝統が明るみに出たばかり。

何れもモラルハザードが引き起こした事件である。

企業体質というのは簡単に変わらない。それは身近で嫌というほど体感している。

経営戦略の舵取りを間違うとどんな大企業でも命取りとなる。幾多の企業が消え去り、外資の軍門に下った。

社員は危うさを感じていても身を賭してそれを正すことは難しい。そうするうちに、何処かの部門で危惧していた事件が発覚する…いつ自分の身に降りかかるか分からない。

経営戦略の甘さだけでなくモラルハザードがもたらす経営危機と社会への影響を改めて企業人は考えるべきなのではないでしょうか。

成果は上げなけれならない、利益は追及しなければならない、しかし何をしても許される訳ではない。

得てして善人は悪人に淘汰される。