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2016年03月18日 イイね!

青い自動車






僕はスージーを救う男になりたいのだろうか

スージーになりたいのだろうか

Posted at 2016/03/18 00:22:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | MOVIE | クルマ
2013年09月12日 イイね!

[MOVIE] 風立ちぬ

[MOVIE] 風立ちぬ宮崎駿監督の映画を観るのは辛い。彼の夢や理想が鼻につくからだ。それらを旨くエンターテイメント性で覆い隠す術を「旨い」と感じる。そのことに小憎らしさを感じたり,それ以上に彼の才能と努力に嫉妬してしまうのかもしれない。

数週間前に宮崎駿監督の最新作である「風立ちぬ」を観た。あまり予備知識を持たないでいたが,普通に生活しているだけでも情報は見聞きする。それで十分だった。



劇場で「風立ちぬ」を観ながら,この作品こそ制作当初から最後の作品のつもりで作ったであろうことを感じた。同時に,宮崎監督がなぜ老体に鞭打ってまで(失礼)「風立ちぬ」を作ったかも理解できた。

何よりも,「風立ちぬ」を観ながら,やはり私は辛くなった。相変わらず,ヒロインは男の理想(むしろ宮崎監督の妄想)を具体化し過ぎている。私にはもう一度この作品を見る勇気はない。最大の理由は,作品の主人公に「これは俺のことじゃないだろうか?」と感じてしまったからだ。



観劇後に「風立ちぬ」の批評や感想の情報を得てみると,「よく分からない」とか「主人公やヒロインの内面を描ききれていない」という内容が多いのに驚いた。驚きつつもそれが当然かもしれないとも思う。「分かる人には分かる」作品だと思ったが,私が分かり過ぎるつもりになっているだけな気もしているからだ。



作中の飛行機造りのための物理則は,世の中の全てを乗り越える真理がどこかにあることを暗示しているかのように受けとめられる。その探究に没頭しようとする態度に余計な説明は要らない。説明すればするほど,理想と現実の違いに直面してしまうし,様々な対立も生じがちになってしまうからだ。説得力があるのは具体的な行動と,誰もが認めざるを得ない結果であろう。その結果を出すことに恵まれた者が,人として大切なことを忘れたり慢心してはならない。

そう考える私にとって,「風立ちぬ」の背景説明や心理描写の省略はとても心地よかった。ヒロインはハンデを背負い短い余命を自覚しても愚痴も泣き言も言わない。主人公は自分が造るものが武器にされることに迷いを見せたり,人々の命とともに無情に散っていくことを嘆くこともない。私にとってはその姿こそ美しい。



私は主人公やヒロインの境遇を自分の経験に重ね合わせる一方で,「あのとき俺はあそこまでできなかった」という後悔や,「今の俺はあそこまでできていない」という焦りを覚える。それと同時に「あの人は俺にあそこまでしてくれなかった」「あの人は俺にあそこまでしてくれるだろうか」という呪いにとらわれる。私が宮崎作品を純粋に楽しめるようになるのは,彼に責められないですむ生き方ができたときなのかもしれない。



私の観劇の直後に,宮崎監督は引退宣言をしたものの,それは長編作品の制作からという意味であるようだ。おそらく彼は今後も何らかの「作品」をしぶとく輩出していくに違いない。彼の肉体がさらに衰えいつか滅びるからこそ。



Posted at 2013/09/12 01:39:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | MOVIE | 音楽/映画/テレビ
2013年02月17日 イイね!

[MOVIE] 東京家族

先日,「東京家族」を観た。「東京家族」は「東京物語」のリメイク。山田洋次監督が小津安二郎監督から影響を受けている(あるいは小津作品を強く意識していたり松竹の映画人として強い思い入れがある)ことは以前から感じていた。「東京家族」の公開を知ったとき「あぁ,やっぱりか」と思った。



私にとって「東京物語」は特別な作品である。以前も書いたことがあるが,20代の半ばにその表現手法に衝撃を覚えた。ただし,小津作品独特の構図や間合いではない。

「東京物語」に受けた衝撃と同じような衝撃は10代の頃にジョン・レノンの「イマジン」にも覚えた(ジョン・レノンを題材にした「イマジン」という映画があるが,映画ではなく曲の方である。ちなみに映画の「イマジン」は20代の頃に東京都心のどこかの古い映画館で昼間に観た。観客はまばらで,私の目の前に座ったカップルが映画そっちのけで濃厚なラブシーンを展開していた。そのせいで私も映画に集中できず,カップルが帰った後も同じ席で2回続けて観たのだった)。

「イマジン」の衝撃はその歌詞の内容であった。



こんなことを想像したことがないわけでもなかった私にとって,少ない言葉ながら情景が浮かぶような単語の積み重ねと,その内容が陳腐にならないスレスレのところでまとめあげたセンスに感心した。

一方,「イマジン」の世界と現実社会のギャップは,私が歳をとるほどに違和感を覚え,例えば私がイマジンを歌えるか?と問われたらとても気恥ずかしいものに過ぎなくなっていく。世界中が一つになるよりは,それぞれの土地や人に合った生き方や考え方,そして枠組みがたくさんあった方がいい。気恥ずかしさをかなぐり捨てて言うならば,それでも相互の理解と調和が保たれる社会が私の夢だ。

しかし,そこでまた現実とのギャップに遭遇する。それをどう受け入れるべきなのか,ある一つの回答を示してくれていたのが「東京物語」であった。私は「東京物語」は家族映画であって家族映画でないと思っている。

「東京物語」は家族のお互いが自分の事情や望みを相手に押しつけ合い,表面上は取り繕いながらもバラバラになっていく。有名なラストシーンで原節子がそういった現実を笑って受け入れようとし,取り残されていく笠智衆は諦めで受け入れようとする。諦めることで全てを許すことができるようになるというその描写に,他に代え難い真実味を感じるとともに,このような脚本と演出をまとめた小津監督に凄みを覚える。






「東京物語」以上に静かに(あたかもホームドラマのように)しかし力強く現実を諭すような映画はもう表れることはないだろう。それを思うと山本監督のリメイクは気概に溢れているが,無謀なことのようにも思えた。はたして,「東京家族」の予告編や公開後の評価からも「東京物語」以上の何かがあるとは感じられなかった。

それでも観ておかなければいけない気がして,私を含めて観客が2人しかいない平日の夜の劇場で「東京家族」を眺めた。タイトルの通り,それは家族映画中の家族映画だった。そこには「東京物語」の結末に感じる無性の寂しさはなく,静かなハッピーエンドが描かれていた。それはそれで山本監督の素晴らしさだと思う。
Posted at 2013/02/17 21:35:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | MOVIE | クルマ
2011年10月10日 イイね!

[MOVIE] 男はつらいよ・リリー四部作

妾の子として生まれ,15のときに父親と大喧嘩をして家出をし,フーテン暮らしを続けてきた寅。縛られることも縛ることもできない業のようなものを背負ってしまった寅。それでいて普通の暮らしと落ち着ける場所を求めてもいる寅。そんな寅を最も鋭く洞察し,最も強く糾弾し,最も長く想い続けたのは,同じような境遇で生きてきたリリーでした。

連作「男はつらいよ」のストーリー展開は松竹の興行を維持するためのご都合主義とは片付けられない,と思えるようになったのは最近のことです。寅次郎が自分の業を受けとめるのにリリーと出会ってから20年以上の年月が必要だったということに,じわじわとリアリティを感じています。




男はつらいよ・寅次郎忘れな草(第11作,1973年作品)

リリー「さっぱり売れないじゃないか」


寅「不景気だからな…お互い様じゃねえか?」



寅「故郷はどこなんだい?」

リリー「故郷?そうねえ… ないね、私…。生まれたのは東京らしいけどね、中学生の頃からホラ、家飛び出しちゃって、フーテンみたいになってたから…」

寅「へへーッ、ちょっとしたオレだね。流れ流れの渡り鳥か」




リリー「私達みたいみたいな生活ってさ、普通の人とは違うのよね。それもいいほうに違うんじゃなくて、なんてのかな…、あってもなくてもどうでもいいみたいな…つまりさ…アブクみたいなもんだね…」


寅「うん、アブクだよ…。それも上等なアブクじゃねえやな。風呂の中でこいた屁じゃないけども背中の方へ回ってパチン!だい」





リリー「兄さん。…兄さん何て名前?」


寅「え?…オレか?オレは葛飾柴又の車寅次郎って言うんだよ!」








リリーの母親「あんたんとこ 三べんも電話したんだよー。いつも留守ばっかりでさー。で、持って来てくれたのかい?」

母親「どうもありがとう。助かるよ。物入りでねー近頃は…。酒は上がるし、便所は壊れるし、歯医者は高いしさぁ。そうだ。お前この間そこのサクラメントで歌ってただろう。どうして寄ってくれないのさ。池田さんって不動産会社の社長さんだけどね。リリー松岡って私の娘だって言ったら、わざわざ見に行ってくれてさとっても褒めてたよ。帰りにたぶん寄ってくれるだろうって随分待っててくれたんだけどね。どうして寄ってくれなかったの?」

リリー「お店で私の名前なんか出さないでって言っただろう」

母親「だって親子なんだからいいだろう?」

リリー「親のつもりなの、それでも。はっきり言って、私あんたなんか大嫌いよ!いなくなればいいと思ってんの」

母親「…なんてこと、そんな…。私だってね!あんたに言えないようなつらい事情だってあるんだよ!なんだい!バカ!」










リリー「何もかも嫌になっちゃった~」

寅「ん、ま、まあ一杯飲みなよ」

リリー「今日もさ、キャバレーで歌うたってたのよ。誰も聞いてない歌をさ。いいけどね、聴いてくれなくたって。どうせ私の歌なんか下手くそだから。…でもね、邪魔すること無いじゃないか!あの酔っ払いめ。やな奴」

寅「そうか歌ってる時に酔っ払いに絡まれたか」

リリー「だから私パーンとひっぱたいてやったのよ」

寅「おーおー」

リリー「そしたらマネージャーのヤツが…」

寅「リリーよ、やなことは忘れてさ、俺と飲もう。な」

リリー「寅さん」

寅「んー?」

リリー「旅に出よう」

寅「んん、出よう出よう」

リリー「本当に?」

寅「ほんとほんと」

リリー「じゃ今すぐ行こう今!」

寅「えっ」

リリー「今行こう」

寅「いや、今すぐたってさ、今何時だと思ってんだよ」

リリー「いいじゃない行こうよ行こ」

寅「いや、それにさ夜汽車もありゃしないからって、ね?」

リリー「行きたあーーーーたい!」

寅「座って、リリーよ、な!今日はほら、静かに二人で飲もうな、ほら早く、ね」

リリー「何だ…嘘…」

寅「え?」

リリー「そうか…寅さんにはこんないいうちがあるんだもんね。あたしと違うもんね。幸せでしょ?」

寅「何言ってるんだよお前?」

リリー「あたしゃーみなし子ー街道暮らしー流れ―流れのー♪」(越後獅子の歌)

寅「おいリリー静かにしろよ。昼間みんな働いてな、疲れて寝てるんだから。ここは堅気の家なんだぜ。さ、」


リリー「あたし帰る。どうせあたしのような女が来るようなとこじゃないんだろここは!」

寅「馬鹿野郎!…だれもそんなこと言ってねぇじゃねぇか」

リリー「寅さんなんにも聞いてくれないじゃないか…。嫌いだよ!」










さくら「どっかでリリーさんに会えるといいね…」


寅「さくら、もし.。もしもだよ。俺のいないときにリリーがとらやへ訪ねて来るようなことがあったら、俺のいた部屋に下宿させてやってくれよ。家賃なんか取るなよ。まぁあいつは遠慮するかもしれねえけどよ、俺がそんなことに気い使うなって言ったっていってくれよ。リリーは可哀想な女なんだ。わかったか?










リリー「ねえ、さくらさん、あたしほんとはね、この人より寅さんのほうが好きだったの」


亭主「またそれ言う…」

リリー「だってほんとだもん」










男はつらいよ・寅次郎相合い傘(第15作,1975年作品)

謙次郎「僕って男は…、僕って男は、たった一人の女性すら幸せにしてやることもできないダメな男なんだ…」


リリー「キザったらしいね、言うことが。幸せにしてやる?大きなお世話だ。女が幸せになるには男の力を借りなきゃいけないとでも思ってるのかい?笑わせないでよ」

寅「でもよぉ、女の幸せは男次第だっていうんじゃないのか?」

リリー「へえ~、初耳だね、あたし今までに一度だってそんな風に考えたこと無いね。もし、あんたがたがそんなふうに思ってるんだとしたら、それは男の思い上がりってもんだよ」


寅「へえ~、おまえもなんだか可愛みのない女だな、おい」

リリー「女がどうして可愛くなくちゃ、いけないんだい。寅さん、あんたそんなふうだから、年がら年中、女に振られてばっかりいるんだよ」

寅「じゃあ、オレも言ってやるよ。なんだおめえ、亭主と別れてやったなんて体裁のいいこと言って。ほんとは、テメェ、捨てられたんだろう」


リリー「寅さん…あんたまでそんなことを…。あんただけは、そんなふうに考えないと思っていたんだけどね…」










さくら「お兄ちゃん大変よ」

寅「なんだ大変って?」

さくら「リリーさんがね」

寅「リリーがどうかしたのか?(リリーに)何だ?」

さくら「違うのよ、リリーさんがね、結婚してもいいって」

寅「結婚?…誰と?」

さくら「お兄ちゃんとよ!」

寅「オレとお…?」



寅「何言ってんだお前、真面目な顔して、ええ?あんちゃんのことからかおうってのかあ」

さくら「からかってるんじゃないわよ!お兄ちゃん」

寅「おい、リリーお前も悪い冗談やめろよ、え?まわりはほら素人だから、え?みんな真に受けちゃってるじゃねえかよ」

さくら「お兄ちゃん…」

博「兄さんあの…」


寅「いいから、ちょっと博、お前は黙ってろ。おい、リリー」

リリー「なに?」

寅「いいから、ちょっとこっち来いよ」


寅「お前本当に、じょ…冗談なんだろ?…え…?」

リリー「…そう、冗談に決まってるじゃない」










さくら「どうしたの?どうして追いかけていかないの?お兄ちゃんは、お兄ちゃんはリリーさんのことが好きなんでしょう?」


寅「もうよせよ、さくら。あいつは、頭のいい、気性の強いしっかりした女なんだい。俺みてえなバカとくっついて幸せになれるわけがねえだろ。あいつも俺とおなじ渡り鳥よ。腹すかせてさ、羽怪我してさ、しばらくこの家に休んだまでの事だ。いずれまた、パッと羽ばたいてあの青い空へ…。な、さくら、そういうことだろう?」


さくら「…そうかしら」










男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花(第25作,1980年作品)

リリー「もうお金ないの、どうやって食べてくの?」




寅「オレがなんとかしてやるよ」

リリー「嫌だね」


寅「どうして」

リリー「男に食わしてもらうなんて、私、まっびら」

寅「水くさいこと言うなよ、お前とオレとの仲じゃねえか」


リリー「でも…夫婦じゃないだろ。…あんたと私が夫婦だったら別よ」




寅「馬鹿だなあ、お前、お互いに、所帯なんか持つ柄かよ~。真面目な面して変なこと言うなよお前~…」


リリー「あんた女の気持なんか分かんないのね…」













寅「リリー、オレと所帯持つか…?」








寅「オレ、今、何か言ったかな…?」







リリー「ア、ハハハハハ・・・」


リリー「やあねえ寅さん変な冗談言って、みんな真に受けるわよぉ」






寅「フハハハ、そう、そうだよそうだよ、この家は堅気の家だからなあ」


リリー「そうよ」

寅「うん、こりゃまずかったよ、アハハハッ、ハーッ」












男はつらいよ・寅次郎紅の花(第48作,1995年作品。最終作)

寅「おまえ泉ちゃんのこと追っかけて、岡山県の津山まで行ったんだろ?」





寅「リリー、まるでガキだよこいつのしてる事は。ったく、えらい事をしてくれたな~」

満男「分かってるよ伯父さん、オレだって後悔してるんだよ」


寅「後悔するぐらいだったらどうしてじっと我慢できなかったんだ。男にはな、耐えなきゃいけない事がいっぱいあるんだぞ」


寅「『泉ちゃん、おめでとう。どうぞお幸せに』電報一本ポーンと打っといて、お前は柴又からはるか津山の空に向かって両手を合わせ、どうぞ、今日一日いいお天気でありますよう、無事結婚式が行われますようにと、それが男ってもんじゃないのか!?」


リリー「バカバカしくって聞いちゃいられないよ。それがかっこいいと思ってるんだろ?あんたは。だけどね、女から見たら滑稽なだけなんだよ。かっこなんて悪くたっていいから、男の気持ちをちゃんと伝えて欲しいんだよ女は!だいたい男と女の間って言うのはどこかみっともないもんなんだ。後で考えてみると、顔から火が出るような恥ずかしい事だって山ほどあるさ。だけど愛するっていうのはそういう事なんだろ!?奇麗事なんかじゃないんだろう?満男君のやった事は間違ってやなんかいないよ」」

寅「ちょっと待てよ、俺が言ってることはな、男は引き際が肝心だって事を言ってるの。それが悪いのか?」


リリー「悪いよ、バカにしか見えなよそんなのは。自分じゃかっこいいつもりだろうけど要するに卑怯なの。意気地が無いの、気が小さいの。体裁ばっかり考えてるエゴイストで口ほどにもない臆病もんで、つっ転ばして、グニャチンでトンチキチンのオタンコナスって言うんだよ!」









リリーの母親「あんた今どこにいるの?母親ほったらかしにして遠いところいっちゃって」

リリー「よく言うよほったらかされたのは娘の私のほうだよ。好きな男と遊び歩いてロクに家にも帰ってこないで、私はねえ、中学の時からお母ちゃんの世話になんかなってないの」

リリーの母親「一年に一度ここへ来てあたしをイジメんだお前は~(嗚咽)」


リリー「おかあちゃん?一緒に暮らしてもいいんだよ?」

リリーの母親「嫌だよ。あたしゃ遠いところ嫌いだよ」












さくら「お兄ちゃん、リリーさんは帰るのよ。こんな所で何してるの、お兄ちゃんも一緒に行くんじゃないの?」


寅「なんでオレがリリーと一緒に行かなきゃならねえんだよ。オレがリリーとどうなろうと大きなお世話じゃねえかさ。お前は満男の心配でもしてろよ」








リリー「それじゃ、さよなら寅さん…。元気でね」


リリー「あらあ?寅さんも乗るの?」


寅「か弱い女を一人淋しく、旅立たせるわけにもいかないだろ」

リリー「ねえ、寅さん、どこまで送っていただけるんですか?」


寅「男が女を送るって場合にはな、その女の玄関まで送るってことよ」









・リリーからの手紙

寅さんのことですが、一週間前、例によってお酒の上でちょっとした口げんかをした翌朝、置手紙をしていなくなってしまいました。


あの厄介なひとがいなくなって、ほっとしたりもしましたが、こうして独りで手紙を書いていると、ちょっぴり淋しくもあります。でもいつか、またひょっこり帰ってきてくれるかもしれません。





渥美清の逝去によって,この「寅次郎紅の花」がシリーズ最終話となりました。「紅の花」が残す余韻は,「寅は各地で待ってくれている人のいるところに旅を続け,その合間に『帰る』のは柴又ではなくリリーが暮らす土地になっていく。そしていつしかそこに隠居し,リリーと幸せに余生を過ごす」というものではないかと思います。しかし,「紅の花」の後に用意されていたとされる実際の最終話は「衰えた寅は旅先で幼稚園の用務員となり,子供たちとかくれんぼをして隠れている間にひっそりと息を引き取る」というものでした。

この作品の登場人物の多くが,家族と離別した過去や,自分は認められない存在であるというコンプレックスを抱えていたりします。平凡で「普通」な人生のどこかに,退屈さを感じていたりします。その根底にあるのは,よく言われる「人間のあたたかさ」「失われつつある日本人」「理屈抜きの泣き笑い」ではなく,「やさしさにの影に潜む心の傷やエゴ」「それらを押しつけ合うような人間関係」「それを回避するための自由と孤独」「自由への羨望や嫉妬」「それらを紛らわすための我が儘」「それが生み出す悲喜劇」だと思います。

この作品を肯定的にとらえるファンに対し残酷とも言える最終話の設定には,寅やその周囲の人々に対する山田洋次監督の強い批判と,彼らの人生に対する強い悲観を感じます。その一方で,もし寅が本当に自由と孤独しか愛せなかったというのなら,そんな最後こそが寅次郎にとって幸せな結末だったのかもしれません。




画像と台詞の出典: 男はつらいよ全作品覚え書きノート


Posted at 2011/10/10 02:01:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | MOVIE | 音楽/映画/テレビ
2011年08月01日 イイね!

[MOVIE] カーズ2 観てきました

[MOVIE] カーズ2 観てきました初3D体験です。


自分は不同視な(左右の視力差が大きい)ので,赤青フィルムメガネの時代に3D仕様画像が3Dに見えなくて気分が悪く(車酔いしたように)なったりしてたのでこれまでは避けていました。

この作品はほとんどの映画館で3D版しか上映していないようなので,やむなく観てみましたがなんとか大丈夫でした。ふつーのメガネの上に3D専用メガネを重ねて安定させるのにちょっと苦労しましたが,楽しめました。

エアコンに用心して上着を重ねていきましたが,下半身が寒かったです(夏風邪がぶりかえした&ひどくなったのはそのせいかも・・・ 冷汗)



第一作はアメリカンな開放感のある分かりやすいストーリーでしたが,一気にスケールアップしてSFアクションミステリー(?)っぽくなってました。クルマ好きにはニヤニヤしてしまう台詞が多かったです。裏テーマは深い気がします。ポリリズム,うまく使われてました。


クライマックスの舞台がイギリスなのですが,背景にモンデオフォーカスを発見し,そのことにかなりマンゾクして帰ってきました(笑)



Posted at 2011/08/01 02:11:58 | コメント(4) | トラックバック(0) | MOVIE | 音楽/映画/テレビ

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「@同行二人 しばらく休憩したらやる気が出たので調子に乗って右上と右フェンダーライナーの追加補修やっちゃました。

写真はないですが仕上げ前にヤスリかけてもう少し整形してます。」
何シテル?   08/02 17:59
クルマも好きですが運転が好きです。渋滞と加速してからの黄信号は苦手ですが… 生活や仕事のために毎日走りまわっていて,ロングドライブすることも多いです。そん...

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