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2010年06月15日 イイね!

[MOVIE] 告白 / 真夜中のカーボーイ

暗い映画を2本立て続けに観てしまった(注:以下ネタバレあり)。

告白」は興行成績が絶好調らしい最新作。この監督の映画はハズレがない。でも正直言えばちょっと苦手な監督でもある。なぜか。演出と編集がくどい。舞台でのそれのような俳優の演技や,凝った映像処理はどこまでも喜劇的な映画にこそハマりそうな気がする。実際,この映画でもおそらくそれが意識されたパートがわずかだが後半にあって,その他が重苦しいだけに観客に良い意味で力を抜かせる役目を果たしていたと思う。

テーマの選択は悪くない。原作の貢献もあるだろうが「あぁ,そういうテーマを選んでくれたの」と感謝の念を抱くくらい。自分の勘違いでなければ,「命の大切さ」みたいなものを説教くさく悟らせようとしている映画ではなく,現在の日本人の悲哀とその原因(のようなもの)が静かに上手く描き出している映画だと思う。だけど,出口がない。悲惨さや哀しさだけを強調する戦争映画みたいに。出口があるとしたら,最後の「なーんてね」が映画全体をシャレにしているときだろうか。

でももしかしたらそいうことがテーマではないのかもしれない。だけど復讐劇としては,復讐する人の立場になってみれば当然思いつきそうなことばかりで「そこまでするか」というべきほどの内容ではない。ミステリーや猟奇ものとしては演出や編集が中途半端だし,学園ものや社会派(?)ドラマとしても理屈的に「ありえない」ことが多すぎる。それぞれの「告白」はなんとなく「火曜サスペンス」の世界で,様々な表現や真実の相違は刑事とか検察官とか心療内科医なんかには日常でしかないだろう。

究極の感想としては,「いまどきのガッコのセンセってタイヘンだよね」「いまどきの子供って気の毒だよね」といったところである。みんながみんな,自分にはどうしようもないストレスややりきれない思いで狂っていく。いつの時代もタイヘンだったり気の毒だったりするに違いないのだが,今回の「いまどき」もすぐに古くなってしまうのだろうか。松たか子には清純派的なイメージは自分にはない一方で,舞台のできる人だというイメージが何となくあるので,ハマリ役だと思った。





「告白」を劇場で観た週末の深夜にNHKのラジオでダスティン・ホフマンのことが長い時間をかけて語られていた。その中で彼の代表作の一つである「真夜中のカーボーイ」のすばらしさ,作品もそうだが彼の演技の,が強調されていた。

数日後,BSのNHKでまさに「真夜中のカーボーイ」が放送されていた。ラジオとタイアップして番宣に努めていたのかは自分は知らない。有名な作品だと思うが,自分は観たことがなかったので途中からだったが観てみた。さすがに映像と演技がすばらしい。一部の表現は60年代末という「サイケ」な時代を感じさせるが,引き込まれた。

この映画も見方によっては救いようがない内容なのだが,男同士の友情や主人公たちの生き方,相手を気遣ったり夢を追いながらも意地を張ったり状況にほんろうされながら素直にも器用になれずにダメになっていく・・・といったような世界がなんとなく心地いい。この映画の主役はやはり「カウボーイ」であり,ダスティン・ホフマンの演じる男は脇役なのだと思う。しかし,ダスティンの役作りは鬼気迫るものがあり,草臥れきった男を見事に演じていながら,それにしてはきっちりとギラギラや色気を醸し出しているのだから恐れ入る。

ラストシーンはハッピーエンドのように思えた。ダスティン演じる男はあのまま夢の地で生きながらえても,荒んだ過去や不自由で病気がちな身体と向き合いながら生きていくことの方が現実的には辛いことのように思えるし,「カウボーイ」にとっても,墜ちかけた(いちど墜ちきった?)過去と決別し自分を見つめ直しながら身の丈に合った新しい人生を歩んでいくきっかけを得られたように感じられるからだ。



二つの映画の受け止め方の違いから「自分も歳をとった」と感じてしまった。「真夜中のカーボーイ」にどこか懐かしさを感じたり共感してしまう自分の感性や感覚は,もう古くなっているのかもしれない。
Posted at 2010/06/16 23:29:59 | コメント(2) | トラックバック(0) | MOVIE | 音楽/映画/テレビ

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何シテル?   09/08 19:29
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