
スカイラインはV35から路線が変わったわけだが、一時期は買い替え候補の筆頭にあったくらいV35の乗り心地とハンドリングのバランスは良く出来ていたと思う。
サスはなかなか凝った作りになっていて、フロントはロワアームを分割して仮想転舵軸を持たしている割に変なフリクション感も無く、アウディA4と並んで上手くこの4アームを使いこなしていると思う。
ベンツのCクラスはW203からこのフロントサスにしたが、変なフリクション感が残ったのと、低速でハンドルを切りながら段差を超えるとブッシュのコンプライアンスが甘く、異音が出る現象はついに改善されなかった。
BMW3シリーズもE90でこのタイプを採用し、ベンツよりは上手く使いこなしていたがフリクション感が増えて、E46のようなシャープさが消えてしまったと言う点では退化だと思う。
このようにV35では上手く使いこなしていたフロントサスだが、V36ではこの分割ロワアームを止めてきっちりとハブの位置決めが出来るように設計を戻してきた。
サス形式は、ダブルウィッシュボーンが良いとかストラットだからダメだとか言う話ではなく、どのように上手く使いこなすかが重要なので、位置決めが正確で剛性が高くサスの動きによるアライメント変化が小さく、フリクションが小さい方が良い。
それなのに、どうしてロワアームを分割して仮想転舵軸を持たせるかと言えば、過去にはキングピンオフセットを小さくしようと試行錯誤したように、路面の状況やアライメントの変化の影響を小さくして自然なハンドリングを出すためだ。
それで、試乗車は250GTに乗ったが、ハンドリングは高速でクイック過ぎる感じがするが足回りはは素晴らしいと思う。レガシィよりも上質な感じで、リアの接地感が高い。
W203系の足回りはカーブではロールをさせて足もストロークを大きくとって、しなやかに路面を舐めるタイプで、あのボディサイズにしてあの滑らかな乗り味は一つの到達点だと思っている。
それに対してV36(250の標準)の足は、W203に比べると硬くスポーティと言えるものであるが、欧州車に乗っている人には十分快適と言えるレベルに収まっている。
おそらくダンパーは同じくらいの堅さでもバネが強い物を使っていると思う。そして、ダンパーはトキコがデュアルフローを作り慣れてきたのか、非常に接地感が高くボディを揺らさずに足を動かして走る。
ボディ剛性が高いためうねった道を走るとそれぞれのサスが動くのをイメージすることが出来る。このあたりはISよりも質感が高く、走りに重きを置く人には量車を比較してスカイラインを選択しても不思議ではない。
V35の時には、リアサスは接地感が無く失敗作と書いていた雑誌も、今回は素晴らしい足だと書いている!
リアサスは予算的制約もあり基本的に変わっていないと日産の技術者も明言しているが相変わらず雑誌の記事は信用出来ない。
個人的には、
雑誌における評価の違いとはの時から評価していたこのリアマルチリンクサスは、E90より先に作られているがサブフレーム構成や外力に対する各アームのコンプライアンスの取り方が非常に良く似ている。
Posted at 2007/06/05 22:45:36 | |
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