耳からうどん

同じ部署で一緒に仕事してる新人君、30歳。
入社して10ヵ月、まだ仕事に粗さも残るが、指示しなくても何でもするし十分な戦力として頑張っている。

朝、私がロッカールームで着替えてると彼はやって来る。
最初は挨拶も出来ないような子だったが、最近は小声で挨拶するようになった。

彼はイヤホンをしている。
いわゆる「耳からうどん」である。



猫の手　「なぁN君はいつもイヤホンしてるね。運転中もしてるのか？」

新人君　「運転中はしてないですよ、違反でしょ」

猫の手　「朝も昼食時もいつもイヤホンしてるけど何聴いてるの？」

新人君　「音楽とかラジオとか・・。」

猫の手　「あ～ラジオか、ということはRadiko(ラジコ）か。」

新人君　「えっ！ラジコって何ですか？」

猫の手　「ラジコ知らないの？一週間以内の番組を無料で自由にいつでも聞けるだよ。知らないのか・・。俺なんか風呂掃除とか庭の草取りなんかする時にはいつもオールナイトニッポンなんか聴きながらやってるんだよ」

新人君　「ポッドキャストなんですけど・・。」

猫の手　「あ～ポッドキャストか！（実はよく知らない・恥）」

新人君　「オールナイトニッポンって何ですか？誰がやってるんですか？」

もう30歳も歳が離れてるとぜんぜん話が通じない（笑
彼はいつもスマホを見てる、そしていじってる、今の若者は皆こうなんでしょうな。スマホ依存症だ。

彼にスマホ依存症だなって言ったら、否定しなかった。
スマホが無くなると何をして過ごせばいいかわからなくなる、そわそわする、きっとそうだ。

彼からみれば私は相当なジジィに見られてるんだろうなぁ・・。