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ひでじゅのブログ一覧

2024年11月23日 イイね!

レッツ4に関するメモ やらかしていた可能性・きわめて大(※追記あり)

みんカラをご利用の皆様方、また、このようなブログなどをご閲覧くださっている皆様方に、お知らせ。

過去に投稿したスズキのレッツ4のマイナーチェンジに関するブログ記事のなかにおいて一点、「見過ごすことのできない誤りがあるかも」といった懸念が、ここにきて急浮上。その正否が明らかになり次第、記事および図表などの修正・訂正を行う予定(※)ではあるものの、まずは、この長期間にわたり「やらかしていた」かも知れない失態を、この場にてお詫びすると共に、ご報告を、させていただきたく。
(※2024年11月26日:追記:修正済)

――で、肝心の「どこの何が間違っていたの?」となるわけだが、ズバリそれは、モデルL0(JBH-CA46A・MODEL UZ50L0)の発売時期

・誤:
2009年04月 5型 K9 CA45A UZ50D
2009年11月 6型 L0 CA46A UZ50
2010年11月 7型 L1 CA45A UZ50D(L1前期)
2011年05月 8型 L1 CA45A UZ50D(L1後期)

・正:
2009年04月 5型 K9 CA45A UZ50D
2009年11月 5型 K9 CA45A UZ50D(K9後期出荷分 ・ガラスコスミックダークブルー)
2010年03月 6型 L0 CA46A UZ50
2010年11月 7型 L1 CA45A UZ50D(L1前期)
2011年05月 8型 L1 CA45A UZ50D(L1後期)

おわかりいただけるだろうか。
2009年の11月にモデルL0が発売された、と投稿していた部分が、誤り。
正しい出荷時期は翌春、2010年の3月。
2009年の11月にスズキ公式が発売をアナウンスした車両は何か、と言うと、それはボディーカラーがダークブルーのK9後期出荷分。
これらの情報は前述の通り、事実確認の後、修正・訂正させていただく所存(※)。
(※2024年11月26日:追記:修正済)

ちなみに、この事実が分かった原因は、L0に関する資料(スズキ純正パーツリストおよびサービスマニュアル)の中古品の流通量が昨今、一気に増えたため(※L0の資料のUSED品は10年ほど前なら滅多になかったorあっても高額だった)。

恐らくは需要の変化によるものと考えるが、この類の専門資料が増える傾向は、ぶっちゃけ「もう必要ない(から処分する、処分した)」という現実の現れでもあるため、どこか切なく、寂しくもあったり。

最後に、余談的な豆知識。
スズキの車体色であるグラスコスミックダークブルー(YGT)は、スズキ二輪的には「ガラス」コスミックダークブルー(YGT)、と表記される。
メディアを介する公式発表などでの表記は、グラスコスミック~。
パーツカタログなどでの取り扱い名は、「ガラス」コスミック~。
表記ゆれなどではなく、確実に使い分けれらているところが、面白い。




■追記(2024年11月26日)
情報の確定、および追加で別の話を仕入れてきたので、ご報告。

・2010年当時のレッツ4のメーカー出荷販売状況
UZ50DK9とUZ50L0の2種で、確定。
50㏄クラスゆえ年式の概念は無いのだが、スズキ二輪の認識は「2010年度(≒2010年モデル)のレッツ4は、K9とL0(浜松出荷のCA45Aと中国出荷のCA46A)の2機種」で、間違いない。
この情報をもって、『スズキ レッツ4 マイナーチェンジの歩み UZ50/G/D BA-CA41A JBH-CA45A/46A 改訂版』は、修正済みとさせていただく。

・CA46Aのレッツ4G?CA46Aのレッツ4パレット??
こちらは、いつか出そうと思っていたL0関連のマニアックな小ネタ。
2010年度に出荷されたCA46A・UZ50L0に付属した取扱説明書には、幻の2車種が案内されている。


それが、こちら。

おそろしくどうでもいい表記
オレでなきゃ見逃しちゃうね(C)HUNTER × HUNTER

念のために解説しておくと、この取扱説明書の見どころは「CA46A-から始まる車体番号(フレームナンバー)をもつ車両」として、レッツ4、レッツ4G、そしてレッツ4パレットの3車種が案内されている、というところ。

これは予備知識を要する話題であるため、もう少し踏み込んで書いておく。
「CA46A」は2010年の3月に日本で発売されたモデルで、20年近い歴史を誇るレッツ4シリーズのなかで唯一「中国にて生産された車両」としてファンの間で広く知られているのだが、中国工場にて生産された機種は「レッツ4のみ」であり、レッツ4Gやレッツ4パレットなどの姉妹車種は、国内生産のみとなっている。

ところが、その「存在していないCA46Aの2種類」がメーカー公式の説明書のなかで案内されている――?うん?それおかしくない?――、というのが上の画像に含まれている要点。

この点については、以前より公式の取り扱い説明書の表紙および各所で3車種の案内がされていることから、「本当のところはどうなのか」と、興味関心を抱いていたのだが――、とあるところで質問をさせていただいたところ、ズバリ「説明書が誤っている」という事実が、確認できた次第。

補足。
この説明書に関しては誤記の類などでは無く、シンプルに「(歴代のレッツ4シリーズが)取扱説明書を3車種で共有していた時代の名残」によって、このような表記になった、とのこと。オタク目線で書かせていただくと「本来の予定であれば実施されるはずだったレッツ4のGとパレットの中国生産が(CA46A系取扱説明書の作成後に)キャンセルされた名残」と言われた方が納得できたのだが――、そんなことはなかった。うん。

なお、レッツ4の取扱説明書に絡むネタといえば、もうひとつマニアックなものがあるのだが、それはまた別の機会に。
Posted at 2024/11/23 16:43:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | スクーター | 日記
2021年03月13日 イイね!

バイク動画ネタ:台湾の総合スーパー・マーケット『カルフール林口』での日常

今回の投稿は、「これは見たことある?」系のもの。
お暇つぶしにでもなれば、幸い。

なぜ急に、そのような記事の投稿を――?と、いぶかしがっておいでのお方も、おられるかとは存じるが、強いて言うと今週になって低気圧の影響により、花粉症が一気に悪化してしまい、何か考えていないとor何か手を動かしていないと、ツラくてツラくて仕方なく。そんな、情けない動機。



場所は台湾の北部・新台北市にある、林口区(リンコウ-く)。
巨大な集合住宅が隣接する区画の一棟――、その地下にあるのは、世界的に有名なフランス発のハイパー・マーケットである『カルフール』の林口店。

ネタとして紹介されているのは、当該店舗が提供している地下駐輪場へ続く、その通路。

台北市在住の方をはじめ、「要考摩托車駕照,先来林口家楽福(※意訳:バイクの運転免許のテストをするのでしたら、まずはカルフール林口に来てください)」などと言われていたりするのだが…うん…うん?

◆参考動画:20160422林口家樂福機車道 2016/04/22 eyes chang



もう少しこう、何というか、手心というか…。

ちなみに、動画の題名と公開日時(2016年4月)からも分かる通り、このネタ自体は5年ほど前のもの。もっと言ってしまうと、この通路は建立当時からの構造だそうで、知る人ぞ知る通路として、そこから更に数年前から一部のライダーには知られていたそう(※Youtube上だけでも~2013年頃の古い動画が確認されている)。
それが2016年当時の台湾のライダーの投稿を機に、ネット・ユーザーの一部で盛り上がりを見せ、その様子が台湾メディアに伝わり、結果『“7秒直線”よりも難しい…女性ライダー泣かせのカルフール林口オートバイ通路』などといった記事で、あちこちへと伝播した――っぽい。

◆参考記事:ETtoday新聞雲 > 地方新聞(ローカル・ニュース)2016年04月22日 00:20
比「7秒直線」還難 林口家樂福機車道讓女生騎到哭
https://www.ettoday.net/news/20160422/684987.htm


自分は台湾ヘルメットの話題を掘っていたところで偶然、過去動画&過去記事に遭遇したのだが、web検索にかけたら、今年になって日本のまとめサイトでも拾われていた。もしかすると、自分が考えている以上にマイナー・メジャーなネタなのかも。

当該通路について補足しておくと、実際の道幅は約150cm(※上記・新聞記事内に画像あり)もあるとのことで、正直なところを申せば、それほど絶望的な環境というわけでもない。裏付けと言っては失礼かも知れないが、現に、標準的な250㏄クラスのサイズであるネイキッド・モデル・SYMのT2で、この通路を走行する動画も存在する。
何より映像上のインパクトの強さは、アクション・カム(ウェアラブル・カメラ)特有のレンズの影響(※広角・狭角レンズによる効果によって距離感が変化してしまう現象、ドラレコ映像で車間が近くor遠く感じる要因のひとつ)によるものなので、念のため…などと書いてしまったら、興醒めになってしまうだろうか。



◆知ったかうんちく:7秒直線

“7秒直線”とは、台湾における自動二輪車の運転免許(普通重型機車:50cc〜250cc以下の2輪・3輪)の実技試験項目の初っ端に設定されている、幅40cmの15メートル直線走行のこと。いわゆる『一本橋』に相当するもので、日本の教習所や試験場のような段差は存在せず、路面上のペイントで表示されているところが特徴。

呼び名の由来は、その既定。「“7秒”間以上を満たしたうえで“直線”を無事に通過する」、から。
台湾では、初心者殺し――悪魔的な項目として広く知られており、様々な“コツ”を伝授するwebコンテンツが、いくつも存在する。




◆知ったかうんちく:カルフール

カルフール(英文字表記:Carrefour)とは、総合スーパー・マーケットのチェーン店展開で知られる、フランス発の小売業を営む企業。台湾公式表記は、『家楽福』。グループの慣習として、地域名に対して『〇〇店』という呼称を用いないというものがある(※〇〇店とは表記せずカルフール○○、となる。台湾の林口の場合、店舗名は『林口家楽福』)。

世界30数か国以上への店舗展開を誇ったこともある、大手総合小売企業の一角で、競合する同業のライバルとしては、かの有名なコストコ(アメリカ)が存在する。

日本においては、コストコ(1999年~)に次いで上陸(2000年)を果たしたことでも知られる――が、グループの真骨頂たる「店舗の展開先における国内メーカーとの直の取引」を日本の各社から拒絶されてしまうという大失策により、開幕スタート・ダッシュに失敗。本国での経営不振などといった状況の悪化も手伝い、目標店舗数13に対して実現した開業店数8(幕張、南町田、光明池、狭山、箕面、尼崎、東大阪、明石とのこと、Wiki参照)、わずか5年足らず(2005年)で事実上の日本撤退を余儀なくされたという、手痛いエピソードが残されている(※手痛さ加減で言えば、かつて存在した同社の中国法人も相当、酷い目に遭っている)。

なお、そんなカルフールの日本法人を買い取り、ライセンス契約の満了を機に自社店舗へと切り替えたのが、日本のイオン。あなたの街の、そのイオンは、かつてカルフールだったかも?

Posted at 2021/03/13 22:23:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | スクーター | 日記
2015年03月27日 イイね!

スズキ レッツ4 マイナーチェンジの歩み UZ50/G/D BA-CA41A JBH-CA45A/46A 改訂版

スズキ レッツ4 マイナーチェンジの歩み UZ50/G/D BA-CA41A JBH-CA45A/46A 改訂版スズキの50ccスクーター・レッツ4のマイナーチェンジの内容を備忘録として投稿する。

レッツ4は、2004年の発売から2015年の生産終了までの間に、大小あわせて、およそ9度にわたって手直しが施された。本記事および表中においては、それぞれの違いを明確にする事を目的に、部品の変更や手直しを受けた順に、レッツ4を10種類の型(1型~10型)に分けて、区別する。




■スズキ レッツ4 マイナーチェンジの歩み 最終版・改


(※表中の価格表示は消費税を含まないメーカー希望小売価格)

メーカーのモデル名に準拠しない独自の区別となるが、ここではレッツ4を次の14種類で区別する。
・通常モデル → 10種類
・上位モデル(レッツ4G) → 4種類
※共に車体色の違い(含む特別色)は除く

記事の内容について、スズキ販売店やスズキ二輪で確認が取れる部分については、確認済み。
しかし、記事の内容および記事に起因する全てを補償するものではないので、念のため。

因みに、文中に登場する独自の便宜名や括り(くくり)の全ては自分自身が勝手に表現しているものであるため、公(おおやけ)の場で意味が通じる事は無い。うっかりどこかで「レッツ4の○型なんですが――」といった発言・投稿をしたならば恐らくは、恥をかく。この点は、ご理解頂きたく。

■レッツ4の価格の推移について


価格表記は発売当時の税込み価格だが、メーカー希望価格とは別に消費税における税率の引き上げが生じている。
・2013年度までの車両価格 → 税率 5%
・2014年以降の車両価格 → 税率 8%
一見して2014年以降のレッツ4の車両価格が(理由もなく)上昇しているように見える点には、注意が必要。



■1型 UZ50/UZ50G K5(CA41A)
2004年10月:104,790円
2004年10月:124,950円(G)



最初期の販売分、初期型中の初期型。
UZ50・レッツ4、そして上位モデルとしてUZ50G・レッツ4Gの2種類が発売された。



主な特徴は図の通り。

モデル名(UZ50/UZ50G)の後に続く英数『K5』は、『2005年度の製品』であることを示すもの。以降のモデルも、2009年まではK○といった表記で、また、2010年以降はL○の表記で括られる。詳しくは、インターネット上で公開されている様々な記事を参照のこと。

レッツ4の大きな見分け方としては、やはりメーターパネルのデザインの違いに着目する方法が挙げられる。速度計の0km/hを示す位置の線画に凹み(へこみ)が設けられている点が、レッツ4の初期モデルの特徴。加えて、距離計(オドメーター)の文字盤が四桁すべて白文字となっているのは、この1型のみ(※詳しくは後述)。

バックミラーの取り付け方法が従来式かつネジ径が8mm(どちらも詳しくは後述)である点もポイントのひとつだが、こちらに関しては後述の3型同様、外見からの判別が難しい。

なお、上位モデルであるGは、次の要素が異なる。
・ボディ左右の装飾ステッカー(レッツ4Gの、「4」の文字が水色、「G」の文字が銀色)
・ボディ前面の装飾ステッカー(進行方向左側に貼付)
・メーターパネルのデザインと燃料計の有無(指針表示式のガソリンメーターを装備)
・ハンドルグリップ(ブラウンカラー)
・シート(ブラウンカラー)
・純正リアキャリア装備
・盗難抑止装置を搭載(施錠状態の車体に傾斜が生じると鳴動するアラームを内臓)

Gと通常モデルとの差額は、19,200円(税別)。



■2型 UZ50/UZ50G K6(CA41A)
2005年11月:104,790円
2005年11月:124,950円(G)



発売から間もなくマイナーチェンジが施された2型。
初期型のバリエーションとしては、判別が困難なモデル。変更内容は以下の4点。

・オドメーターの千の位の文字の色分け化(0~9の文字が白・橙・赤の3色)
・シート下の収納スペースにクッション性のある中敷きを追加
・上位モデルGの装飾ステッカーの「4」の文字の色を銀色に変更し通常モデルと差別化

距離計の色分けは、「メーターの(距離数の)文字の色が変わったらお店に来て(エンジンオイルを交換して)ください」といった、整備の必要性を視覚的に訴求する新装備。具体的な仕組みは、次の通り。

・白:0 (0,000.0km~0,999.9km)
・橙:1 (1,000.0km~1,999.9km)新車時 → 初回点検・初回エンジンオイルの交換時期の到来を知らせる
・赤:2 (2,000.0km~2,999.9km)
・白:3 (3,000.0km~3,999.9km)
・橙:4 (4,000.0km~4,999.9km)新車時 → 2回目のエンジンオイル交換時期の到来を知らせる
・赤:5 (5,000.0km~5,999.9km)
・白:6 (6,000.0km~6,999.9km)
・橙:7 (7,000.0km~7,999.9km)新車時 → 3回目のエンジンオイル交換時期の到来を知らせる
・赤:8 (8,000.0km~8,999.9km)
・白:9 (9,000.0km~9,999.9km)
・白:0 (0,000.0km~0,999.9km)新車時 → 4回目のエンジンオイル交換時期の到来を知らせる
・橙:1 (1,000.0km~1,999.9km)
・赤:2 (2,000.0km~2,999.9km)
・白:3 (3,000.0km~3,999.9km)新車時 → 5回目のエンジンオイル交換時期の到来を知らせる
・橙:4 (4,000.0km~4,999.9km)
 ・
 ・
 ・

当該機能は、車両の受け渡しの際、次のように案内されることがある。
・納車時 → 「メーターの文字の色がオレンジ色になったらお店に来てください」
・1回目のオイル交換時 → 「メーターの色が変わりますので、またオレンジ色になったら来て下さい」
・7,000km走行達成時のオイル交換 → 「次からはメーターの文字が白くなったら来てください」
中古車においては、販売する車両の状態によってエンジンオイルの交換時期も異なるため、上記の目安を根拠とせず、販売時のオドメーターの文字盤の色を基準とした個別の説明が行われる。

収納スペース用の中敷きは「荷物の傷つき防止」を目的として追加された物だったが、実質的にはヘルメット(の収納)を前提とした保護布。後年、この中敷はコストカットの観点から削除されてしまう。

上位モデルGは、この販売分からステッカーの「4」の文字色が銀色に変更されている。素材もメタリック調で、通常モデルの水色と明確な差別化が図られている。



■3型 UZ50/UZ50G K7(CA41A)
2007年1月:104,790円
2007年1月:124,950円(G)



地味ながらも明確な変更が施された車両が、3型に相当するK7。

・バックミラーの変更(8mmから10mmネジ径のターナー付きミラーへ変更)
・速度計の0km/h表示位置のデザイン変更(凹み部分が無くなり、グルリと円形の線画に変更)
・マフラーおよびエキゾーストガードの形状変更(後部取り付けボルトの方向が真上 → 真横に変更)

K7は、2007(平成19)年の新保安基準に対応すべく、10mmネジ径のターナー付きバックミラーを先行して採用したモデル。ミラー取り付け基部のターナーを覆う軟質カバーが特徴的で、既存の車両と比較した場合、ハンドル周辺の雰囲気は大きく異なる。因みに「ターナー」とは衝撃緩和装置、噛み砕いて言うと回転アダプターのことであり、転じて進行方向からの入力を受ける事でミラーの基部が車体後方に向けて回転する仕組みを意味する。

そして見逃しがちな変更箇所が、スピードメーターの0km/h表示のデザイン刷新。



一見すると違いが無いかのような両者だが、それまであった0km/hを示す部分の線画のへこみ(凹み)状のデザインが廃止され、K7からのスピードメーターは速度計の目盛りを描く白いラインが0km/hの位置から途切れる事なく円を描くデザインに変更された。この変更は通常モデルと、燃料計を装備する上位モデルGにも実施されている。

もう一点、まるで間違い探しのような新型32G20マフラーの構造変更は、エキゾーストガードの固定方向。取り付けボルトの位置と方向が改善され、ガードの着脱が容易となった。後のマイナーチェンジで用意された新型マフラー・32G21のエキゾーストガードも、この形状を踏襲する。



■4型 UZ50/UZ50G K8(CA45A)
2007年9月:124,950円
2007年9月:140,700円(G)※ファイナルモデル
2007年12月:124,950円
2008年4月:124,950円



一部の物質について80%減という脅威の削減を強いられた新しい排ガス規制に対応すべく、CDIからフルトランジスタへと点火方式が変更された新排ガス規制モデルが、このCA45A・モデルK8。この型からは排出ガス識別記号の表記がBAからJBHへと更新されているため、書類だけで、そのエンジンがCDI点火かフルトランジスタ点火か、見分けることが出来る。

BA-CA41A

JBH-CA45A

新規制への適合で知られたK8だが、そのエンジンは前年度に市場へ先行投入された最新型(当時)の姉妹車種・レッツ4バスケット(UZ50B)モデルK7のもの。自己主張である触媒内包型キャタリストマフラー・32G21も、厳密に言えばバスケット由来の部品。なお、この新規制向けエンジンの真骨頂は11.7gというウェイトローラーの設定で、翌年度のモデル統合までの期間に生産されたレッツ4/G、およびパレットとバスケットは、11.7g仕様の駆動系調整(※)が施されたエンジンを積んで出荷されている。

車体側面のステッカーの4の文字が水色である初期型モデル達は、毎年のように行われたマイナーチェンジの頻度の割に「見た目の違い」が乏しいのだが、こと、バスケットエンジンを搭載することとなった当該K8は、(1)新型バックミラー、(2)マフラーの排気管に新造された円筒状のO2センサー、(3)上下2つの排気口となった新型ベルト・クーリングダクトという3つのポイントがあり、旧型の中では判別しやすいモデル、と言う事が出来る。

車両価格は、従来の設定から19,200円(税別)の引き上げ。元々の価格帯の低さとカタログスペックの低下が災いしたのだろうか、発売当時は少なからずの批難の声が上がっていたように思う。同時に上位グレードのGも134,000円(税別)という価格変更となったが、こちらに関しては事実上の値下げであり、従来のGよりも価格差は4,000円以上も引き下げられていた。

K5とGK5の価格差=19,200円(税別)
K8とGK8の価格差=15,000円(税別)

この年を最後にレッツ4Gの販売は中止となり、GK8はGのファイナルモデルとなった。以降、“レッツ”という名称と“G”というグレード呼称の組み合わせは、2014年冬の“レッツG”の登場まで待つ事となる。

※11.7g仕様の駆動系調整…
ムーバブルドライブスペーサー&ムーバブルドライブプレート&ムーバブルドライブローラーの組み合わせによる、スズキ純正チューン(プーリーボス&ランプレ&WR)。因みに「約11.7g」というウェイトについて細かく書くと、実はバスケットの前年から新発売となったアドレスV50FI(UZ50X/XG K6~K7)のエンジンが初採用で、2006年のV50(FI) → 2007年のバスケット → 2008年~2009年のレッツ4&パレット&V50(FI)の順で採用されていった。唯一の例外が2008年に新発売となったUZ50Y/YG K8・レッツ5/Gで、このモデルのみレッツ4系のド初期型と同じ約11.3gの設定で出荷されている。



■5型 UZ50D K9(CA45A)
2009年4月:130,200円(初期出荷分)
2009年11月:130,200円(後期出荷分)



レッツ4の転換期がふたつあったとするならば、ひとつは上述のK8における平成19年9月の新排気ガス規制への対応、そして、もうひとつが、この2009年に行われた車種の統合、言うことが出来るかも知れない。

5番目の型に相当する当該K9は、上位グレード「レッツ4 G」と通常グレード「レッツ4」の統合が行われたレッツ4であり、モデル名は「UZ50」でも「UZ50G」でもない新たな呼称、「UZ50D」へと刷新された。

特筆点は、指針式の燃料メーターの標準装備化。この変更は5,250円(税込※2009年当時)に及ぶ車両価格の引き上げを伴ったが、普及モデルとしての利便性は大きく向上している。半面、Gに装着されていたリアキャリアは標準装備化されず、純正オプション設定が継続された。

このK9は、「無改造である」という前提さえ守られるのであれば、初期モデルのなかでも判別・特定が容易なレッツ4のひとつ、として挙げることができる。
・車体両脇のステッカー → 「4」の文字が水色
・メーターパネル → ガソリンメーターが「ある」
この2つが揃うと、K9で確定する。

なお、「グレードの統合を行う際、モデル名にDが付く」という手法は、かつて同社が販売していた50ccスクーター・レッツIIシリーズのモデル統合の際にも見られたもの。
・レッツⅡ → AZ50/AZ50U/AZ50L → 統合 → AZ50UD
・レッツ4 → UZ50/UZ50G → 統合 → UZ50D
恐らく『二重の~』を意味する「dual(デュアル)」もしくは「duable(ダブル)」の「D」を由来とする符号ではないかと考えるが、正式な理由や意味合いなどは不明。



■6型 UZ50 L0(CA46A)
2010年3月:130,200円



レッツ4において唯一の中国生産車両。
形としては中期型に属するモデルだが、前モデル(統合D型)からは更に仕様が異なっている。

この点に関しメーカーは、生産国以外の差異は無いと案内する。しかし同時に、中国生産車両のみを「別物」として取り扱っていたことは、事実として確かにある。具体的には、型番にJBH-CA46Aという単独のものを与えていること、また、パーツカタログなどを「CA46A」として区別していたこと、などが挙げられる。また、モデル名も直近のUZ50「D」を継いでおらず、旧型番(UZ50)が用いられている。

このモデルは細かなマイナーチェンジの多い歴代レッツ4の中にあって、その判別が、とても容易な車両と言える。その理由のひとつが、純正タイヤの銘柄。



6型のみ、独自に中国タイヤのCST(チェンシンタイヤ)C6025を装着し、工場から出荷されている。

それよりも前の時代の車両のタイヤは、IRC(井上ゴム工業)MB38指定であり、中国メーカーのタイヤを装着した記録は無い。チェンシンタイヤの溝とMB38のそれとは互いの格好が大きく異なり、加えて側面にはメーカー名も存在するため、意識さえしてしまえば、例え素人であってもタイヤの銘柄の識別は容易に可能。

更に中国生産車両固有の要素としては、車輪のエアバルブキャップの形状を挙げることができる。



この独特なバルブキャップで出荷された車両は、中国産の6型のみ、となっている。

タイヤもバルブキャップも交換されてしまった時点で識別要素として成立しなくなる事に変わりは無いが、その他にも、6型・CA46Aのみが有する固有の要素が存在する。フレームの塗装、そしてスピードメーターパネルのデザインが、それにあたる。これらは交換される事が無い部分であることから、より効果的かつ確実に判別可能なチェックポイントだと言える。

モデルL0特有の艶有りブラックフレームは、一目で違いが分かる何よりの特徴。前輪の奥や車体とエンジンの連結部など、外装から露出している部分を見るだけで判断する事が可能。

文房具の分度器のような独特の線画が施された速度計パネルも、ムギ球のように飛び出した形状の速度警告ランプも、このモデルにだけ使用されている部品。前述のK9と同じような外観のL0だが、メーターの意匠が異なるという点で、互いの差異は、はっきりとしている。

なお、黒メーターパネルのデザインの遷移は、次の通りとなる。



L1後期出荷分以降は、刷新された新型のホワイトメーターパネルとなる(後述)。

ちなみに、この中国生産モデルには、他にもいくつかの謎がある。
素朴なところで思いつくままに、いくつか書き出してみる。

謎1:完成状態の車体重量(装備重量)が70kgと公表されている。通常仕様のレッツ4は68kgとされているので、その差は2kg。おおよそ通常のレッツ4に満タンの大型ペットボトル飲料を1本積んでいるような状態にも関わらず、スズキからは、その原因や理由が説明される事は無かった。恐らくはチェンシンタイヤ前後2本および各種L0専用の樹脂部品による僅かずつの重量増が、車両1台分の総合計となった時点で2.0kgほどの差を生む結果に繋がったのではないか、という推測が妥当なところに思うが、実際に当該部品類が他モデルよりも重いのか否かまでは、確認できていない。

謎2:シート高が690mmと公表されている。レッツ4の座席の高さと言えば685mmという数字が有名だと思うが、L0は690mm。たかが5mm、されど5mm。宇宙じゃ5mmで命を落とす。こちらも原因や理由は、全く分からない。

謎3:やはり気になる4.5psエンジン。マフラーヒートガードなどはレッツ4の物に相違ないのだが、最大出力や最大トルクの発生回転数といった情報を読む限り、エンジンそのものは翌年登場の新型のそれを連想せざるを得ない。使用されている部品についても共有するものが目立ち、ウェイトローラーに至っては、後の統合エンジンの代名詞である12.25g(資料によっては12.29gとも)を内臓。見えているところだけを掻い摘んだ場合、それは先行量産車両のように思える。

謎4:個体差なのか仕様なのか、ハンドルカバーなどに用いられているグレーの無塗装樹脂のシボ加工が他モデルよりも荒めの質感の車体が存在する。確認し直したところ、当時のスズキの公式画像でも明らかに見た目が異なっている。



画像については拡大などは加えたものの、細工などは行っていない。
実車(中古車)についても画像と同様の車体が存在するが、全車に及ぶ仕様か否かは不明(※)。

※継続して観察を続けているが、どの車体もシボは大きい(荒い)。L0固有の仕様だと考える。



■7型 UZ50D L1 (前期)(CA45A)
2010年11月:134,400円



従来のものから細かく様変わりしたモデルが、この2010年冬に発売となった7型。
公式に案内された変更点と、実車で確認できる変更点は次のとおり。

・搭載エンジンを、シリーズ全車で部品の共用化・統合(※)
・純正オプションのリヤキャリアを標準装備化
・車体の装飾の意匠を変更(※)
・ブレーキレバーをバフ仕上げのものに変更(※)
・シート下収納スペースのインナーマット中敷きを廃止(※)
・シート表皮を側面に継ぎ目の無いものへ変更(※)
・シートベース(座席の基礎部分)を白い樹脂に変更(※)

※…UZ50レッツ4シリーズ共通の変更(部品統合)

搭載エンジンの統合は2010年のレッツ4シリーズすべてのモデルに実施されたもので、この時をもってバスケット、パレット、そしてレッツ4(および姉妹車種のレッツ5/GおよびアドレスV50のFIモデルを含む)シリーズ全車が、同じ仕様のエンジン搭載となった。インジェクションやマフラーを含む機関一式丸ごとが共用化された影響で、丸みを帯びたシルエットとマッチしていた楕円形のマフラーヒートガード(やけど防止の樹脂カバー)は姿を消し、レッツ5の特徴でもあった鋭角なパーツへと更新されている。このヒートガードの変更は良くも悪くも、統合前後のレッツ4の分かり易い見分けポイントとなっている。

変速の要となるウェイトに関しては、新たな規制への対応により、11.7gから12.25g(約12g)への重量増という、細かな再調整が施される事となった。レッツ4/G、パレット、V50(FI)、バスケット、そしてレッツ5/Gと、ここにきてモデルUZ50シリーズのウェイトローラーの更新履歴は相当に複雑な状況と化しており、もはやパーツカタログなしで仕様を判断する事が困難な領域に達している。

・参考メモ:UZ50シリーズのウェイトローラーの歩み



画像引用:デイトナ2013カタログ(低解像度)

装備面の更新としては、純正オプションのリアキャリアが標準装備に変更された点も挙げられる。実用的な観点からは待望と言えるが、後述する再度の変更を鑑みる(かんがみる)に7型のキャリアは事実上の在庫処分と解釈する事も出来なくは無く、ある種、残念なものとも言える。

外観上の変更点としては、車体側面の装飾のデザインの変更が著しく目立つ。従来の水色から一転、Let's『4』の文字を彩り豊かな黄色とし、車名の下に添えられていた「Fuel Injection」の部分を線画ごと削除したことで、よりシンプルなものとなっている。この新エンブレムの登場でレッツ4バスケット/パレットの専用装飾は廃止され、以降は全モデルに『Let's4』エンブレムが貼付される。

その他の変更は、ブレーキレバーをバフ仕上げによる鏡面のものへと変更した点、シート表皮を側面に継ぎ目・縫い目の無い新しいものへと変更した点、シートベースの樹脂の色の変更、そしてシート下収納スペースに収められていた中敷きの削除となっているが、上述の新エンブレムの統一と同様、それらは2010年に施されたレッツ4シリーズ全モデル共通のマイナーチェンジであり、部品統合によるものとなっている。

既存モデルからの価格の引き上げは4,000円(税別)。当時の純正オプションのリアキャリアの価格は2,000円(税別)であったため、引き上げの半分程度はキャリアの代金と解釈する事が出来る。



■8型 UZ50D L1 (後期)(CA45A)
2011年5月:134,400円



モデルL1発売から半年後の2011年5月、同じモデル名称(UZ50DL1)のままマイナーチェンジと呼ぶに相応しい仕様の変更が行われた。その内容は歴代のモデルの中でも目立つものだが公式に発表された形跡が無く、果たしてスズキ・ニュースリリースの二輪製品ニュースでは該当情報が欠落している(※)。当然の事かも知れないが、販売店の従業員も把握できていない様子がうかがえる。

※該当情報が欠落
スズキ・ニュースリリースの二輪製品ニュースは、全てのモデルの全てのマイナーチェンジが記録されている訳では無い。型式の変更などが伴わない仕様変更は情報として発表される事が無く、果たして該当記録が掲載される事も無い。これは同社小排気量モデルに散見するもので、具体的にはレッツII(レッツ2)シリーズ、そしてレッツ4シリーズが挙げられる。この種の記録は自動車専門誌及び出版社の提供するポータルサイトが詳しく、閲覧や確認も可能。閑話休題。

以下に、モデルL1後期の変更点を列記する。

(1)グリップ付きリアキャリア
センタースタンドをかける際に手で掴む事が出来るフックの付いたリアキャリア。源流はUZ50B・レッツ4バスケットの標準装備品で、マイナーチェンジによりレッツ4パレット及びレッツ4も部品統合される事に。結果、レッツ4シリーズ3種のリアキャリアは全てフック付きリアキャリアに統一された。

(2)ホワイトメーターパネル
こちらも基礎はレッツ4バスケットの装備。線画の刷新などを経て部品統合に用いられている。色調、書体、文字の大きさや配置などの変更により視認性が向上しているが、一見してロマンチックで女性的なその雰囲気は、正に主婦向けのバスケットに由来する。このメーター統合は兄弟車種のUZ50X・アドレスV50FIにも及んでいるが、どちらかと言えば男性的で、よりスポーティーなデザインだった既存のV50FIのメーターパネルと新型のホワイトパネルは趣が大きく異なり、果たして浮き気味な印象。

(3)ウインカーインジケーター
上述のメーターパネルの変更に合わせて、ウインカーインジケーターがメーターパネルに搭載された。ウインカーに合わせて明滅するランプのおかげでウインカーの動作が分かりやすく、消し忘れの防止にも貢献する。

(4)固定式バックミラーターナーカバー
構造上の都合で固定ができず、位置がずれてしまうなどといった扱い難さの目立った従来型のターナーカバー(※切り株のような形のもの)を廃止。新しいものは肉厚があり、丈も充分にあるため、ターナー&ナットをしっかりと包むように固定できる。

L1後期販売分は、これだけの変更が及んでいても販売価格は変更されていなかった。恐らくは部品の統合による恩恵、むしろ実質的なコストダウンの一環と解釈するのが妥当に思う。



■9型 UZ50D L2 (前期)(CA45A)
2011年11月:134,400円 黄色を追加 (黄・銀・黒・白)
2012年4月:134,400円 桃色・橙色を限定発売
2012年12月:134,400円 赤色メタリックを追加・白を廃止 (赤メタリック・黄・銀・黒)
2013年4月:134,400円 茶色・赤色を限定発売
2013年12月:134,400円 象牙色を追加・黄を廃止 (象牙・赤メタリック・銀・黒)



ボディーカラーの追加・変更を行いつつ、増産が続けられた型。各種媒体の紹介記事において「車体色の変更のみ」という明確な記述が確認できる事からも分かるとおり、2012年~2014年にメーカー出荷された販売分は、モデルL2となっている。



■9型改 UZ50D L2 レッツ4低シート(ローシート)仕様(CA45A)
2012年12月:152,280円~ (参考価格)



ごく一部の店舗にて販売されている、特別仕様扱いのレッツ4。その正体は、スズキビジネス/オートリメッサの提供する低シートを装着した車両であり、メーカーからの公式発表は行われていない。

元来、低シート高を自己主張としてきたレッツ4ではあるが、身長140cm~150cm台の女性や小柄な青年達にとっては例え地上高が685mmであっても、その幅広シートは決して足付きが良いとは言い切れず、十分な訴求に達しきれていない面は否めなかった。果たしてオートリメッサの低シートは着座位置を純正よりも13mm低くすると共に、大腿部(ふともも)の内側部分が接触する部分を削り込む事で、足付き性能の向上と、672mmという低着座位置を実現している。



(画像引用:スズキ二輪 販売店向けフライヤーより)

この低シートの商品価格は、税抜きで13,000円(消費税込14,040円)と設定されているが、特別仕様とうたわれる物件はシート交換工賃の無償化などを含めた金額的優遇が行われている様子もうかがえる(参考価格参照)。同様の販売手法は、アナザースタイル・アドレス(オートリメッサ提供のリアスポイラーを装着した状態で店頭に陳列されているアドレスV50・FIの俗称)の販促にも見る事ができる。



■10型 UZ50D L2 (後期) カウリングファン・カバー仕様 (CA45A最終モデル)
2014年-月:134,400円
2014年4月:138,240円 (消費税率変更8%・税抜価格128,000円は据え置き)



UZ50D/CA45A、レッツ4の最終生産品。
趣味性の高い乗用車や二輪車で言うところの『ファイナル・モデル』『ファイナル・エディション』などに相当するが、モデルイヤーコードが2011年秋に登録された “L2” のままである事からも分かるとおり、この時に施された手直しも、また、公式発表が行われる事は無かった。

L2後期の最終出荷分に施された変更点は他でも無い、カウリングファン・カバー(純正部品名:カバー カウリングファン)の追加装着。2014年の早春頃から全国の販売店に納入された出荷分の内、最終生産分の各色全てが、カウリングファン・カバー仕様に更新されている。

・メモ:カウリングファン・カバー
スズキ純正部品(SGP)から提供されている正規オプションパーツの一種。噛み砕いた表現をするならば「エンジンオイルの温度を短時間のうちに上昇させるための仕切り板」。

短距離走行・短時間走行というシビア・コンディションへの配慮を具現化したもので、このパーツを装着することにより(中略)空冷4ストローク小排気量エンジン搭載モデル特有のマイナートラブルの発生を抑制(※あくまで抑制。これはGなどに採用されていた「盗難抑止アラーム」におけ”抑止”と同様の概念)する。


カバー カウリングファンは税込価格1,350円相当の純正部品だが、L2後期の車両販売価格に、その金額は反映されていない。いわゆる「お値段据え置き」での提供である。



・2015年12月11日追記
カウリングファンカバーに関するメーカー公式発表に関するメモ



スズキ株式会社 > リコール等情報 > サービスキャンペーン > 二輪車 > 2015年12月10日
アドレスV50/レッツ4/レッツ5のサービスキャンペーンについて
http://www.suzuki.co.jp/about/recall/2015/1210/index.html

この公式発表によって、以降、対象通知が手元に届いた購入者の車両のうち、エンジンの暖機が不十分な状態での走行を繰り返したことによって生じたエンジン・ストール、もしくはエンジンの始動不良であると認められたものは、メーカーによる(≒車両購入店舗による)無償での対応を受けることが可能となった。

もっとも、正しく暖機を済ませられている車両、および十分な熱がエンジンに加わる程度の連続走行を繰り返すような乗り方を実現している車両には、ファンカバーは必須な部品ではなく、購入時の状態のままでも問題は無い。意識すべきはファンカバーの有無よりも、その車両の乗り方・使い方(※)にある。

※…極端な話、そこが寒冷地であっても、十分な暖機もしくは連続走行時間が確保されるという条件が満たされるのであれば、ファンカバーが無くても、問題は無い。

なお、「レッツ4のリコールでハガキが―」「レッツ4のリコールでファンカバーが―」といった発言や投稿を耳にする/目にすることもあるが、当該ファンカバー(およびVベルト)に関する対応はサービスキャンペーンによるもので、リコールでは、ない。



■追記(1) レッツ4と同型のエンジンを搭載する姉妹車種への対応


レッツ4と同型式のエンジンを搭載するモデルのうち、2014年の春以降に出荷されている製品については、レッツ4のL2後期出荷分と同様にカウリング・ファン・カバーの装着が標準仕様となっており、実際に全国各地の販売店へと納品されている。

具体的にはレッツ4バスケット、レッツ5、そしてアドレスV50(FI)の三品目の最終出荷モデルが、店頭在庫として日本各地に存在する(注:2015年秋現在)。ファンカバーの増設に関する公式な紹介や案内などはされていないが、UZ50BL2・レッツ4バスケットに限っては、2014年4月モデルにおける公式ウェブサイト上の紹介画像から、当該カバーの装着を確認する事が可能。



(参考:レッツ4バスケットL2後期出荷モデルの公式画像 引用:スズキニ輪)

なお、UZ50FL2・レッツ4パレットに限ってはカウリングファン・カバーを標準装備するモデルが存在しない。非公式な情報を根拠としても良いのであれば、レッツ4パレットのみがL2前期仕様のまま、2013年の時点で出荷を終えていたことになる。

■追記(1)補足メモ ※2015年12月加筆


2015年に発表されたスズキ公式の情報を噛み砕くと、ファンカバーを有していないレッツ4(9型)の生産は、2014年2月が最終であったと考えることが出来る。同時にUZ50FL2・レッツ4パレットの生産も、このときをもって中止(終了)した、と考えられる。

そのほか、レッツ4バスケットの中期型(※便宜的な区別)の生産がパレットに先立ち、同年1月の時点で切り上げられている様子があるのだが、こちらに限っては事前に得ていた話と合致するため、間違いないものと考える(※以降のレッツ4バスケットは最終型仕様で生産・出荷され、翌2015年に生産終了を迎えている)。


■追記(2) 低シート(ローシート)仕様について


このモデルにも、販売店提供の低シート(ローシート)仕様が存在する。そもそもレッツ4の低シートは単品で販売されているオプションパーツなので、言ってしまえば、どのレッツ4であっても(販売店が対応してくれる限りは)低シート仕様での購入が可能であり、それほど気に留める必要性は無いのだが、例えそうだとしても、あらかじめ特別仕様としてパッケージングされた物件は店頭在庫の中でも相応の説得力と訴求力をもつ。何よりも、実際に触れる事が出来る(足付き性を確かめる事ができる)という点は、大きい。小柄で足付きに不安のある方には、ぜひ低シート仕様の在庫をもつ店舗で実車に触れてみる事を、おすすめしたい。



発売から約10年を経て、生産の終了を迎えたレッツ4。既に最新設計のSEPエンジンを搭載したCA4AA・新型レッツが市場に登場し、CA46Aをはじめとするレッツ4シリーズは、商品的にも製品的にも、文字通り過去のモデルとなってしまったが、必要な機能・性能が揃っていて、なおデザイン・見た目・好み・予算と合致していると判断したのであれば、新型レッツではなく、あえてレッツ4を選ぶというのも、良い選択だと思う。




■2013年2月10日 推敲版 投稿
■2013年2月11日 一部訂正 表現修正
■2013年2月11日 図表入れ替え 本文加筆修正
■2013年2月12日 上位グレードGに関する補完 図表入れ替え
■2013年2月12日 本文大幅に加筆修正
■2013年2月17日 0型・1型に関して加筆修正 図表入れ替え
■2013年3月05日 全面的に加筆修正 図表入れ替え 参考画像追加
■2013年3月06日 表現修正 UZ50 L0のタイヤについて言及 参考画像編集
■2013年3月07日 一部訂正 表現修正
■2013年3月23日 一部訂正 表現修正 L0及びL1後期に記述と画像を追加
■2013年3月28日 一部表現修正 誤字訂正
■2013年4月14日 一部表現修正 誤字訂正
■2013年4月28日 一部表現修正 参考画像差し替え
■2013年9月2日 L0について記述を一部追加
■2014年6月4日 消費税率についての補足を追記 一部追記改訂 誤字修正
■2014年9月10日 L0におけるタイヤ銘柄に関する記述を見直し
■2014年10月21日 一部改訂
■2014年11月26日 図版変更 L0に関する記述の修正・追記
■2014年11月27日 一部表現変更 誤字修正 レッツ4低シートに関する記述を追加(暫定)
■2014年12月4日 タイヤの記述について修正
■2014年12月4日 ウェイトローラーに関する記述と引用画像を追加 各所改訂
■2015年3月7日 走行距離数計の表示に関する記述を修正
■2015年3月16日 L2後期 カウリングファン・カバーに関する記述を追加 各所改訂
■2015年3月17日 低シート(ローシート)仕様に関する記述の追記
■2015年3月27日 カウリング・ファン・カバーに関する記述の修正
■2015年4月5日 2ちゃんねる スズキ50cc原付総合スレへの書き込みに対するおことわりを追加
■2015年4月30日 一部改訂
■2015年6月8日 2ちゃんねるに関するおことわり 掲載終了
■2015年7月26日 一部表現変更
■2015年11月12日 カウリングファン・カバーに関する記述を修正
■2015年12月12日 サービスキャンペーンに関する記述を追加
■2015年12月16日 レッツ4、パレットおよびバスケットの最終型への移行に関する補足メモを追加
■2016年3月21日 K8(バスケット・エンジン)の記述を修正
■2016年3月22日 K8、K9、L0の記述を修正
■2016年4月3日 排出ガス識別記号の表記について一部加筆
■2017年1月12日 一部改訂
■2018年11月12日 一部改訂
■2021年3月7日 文字色や行間などを編集
■2022年10月22日 ウェイトローラーや部品の共用化などに関して加筆修正
■2024年11月20日 誤字修正(UZ50D L2 誤:CA46A → 正:CA45A)
■2024年11月26日 UZ50DK9/UZ50L0の出荷時期を修正・図を差し替え(6.0版 → 7.0版)
Posted at 2015/04/05 14:50:23 | コメント(3) | トラックバック(0) | スクーター | 日記
2013年05月02日 イイね!

スズキ レッツⅡ(レッツ2) マイナーチェンジの歩み 改訂版 AZ50/G/S/L/D/U/UD/GS/SS/UDS BB-CA1KA/KB BB-CA1PA/PC

今回は、スズキの50ccメットインスクーター、レッツⅡ(レッツ2)についての備忘録を投稿。
2016年1月追記:「Ⅱ」は環境依存文字のため、以降は「2」と表記。




■レッツ2の生い立ち 
「レッツ2」の初登場は、1996年。
新発売されたばかりの当時のスズキ最新型50ccメットイン・スクーター「レッツ」の姉妹車(廉価版)としてデビュー。

・スズキ レッツ 型式:CA1KA 1996年2月発売
機種名:AS50T 標準価格(税抜):144,000円

・スズキ レッツ2 型式:CA1KA 1996年5月発売
機種名:AZ50T 標準価格(税抜):99,800円

真骨頂は、最新型にも関わらず10万円を下回った車両価格(※)。これは「9・9・8(きゅう・きゅっ・ぱ)」というキャッチコピーにも用いられ、人気女性タレントを起用したコマーシャルフィルムなどで一般客層、特に女性への強い訴求を実現。発売直後から評判を呼び、一躍、スズキ原付スクーターのスタンダードという立場へと躍り出た。

■参考画像:スズキ レッツ2 コマーシャルフィルム

引用:スズキ二輪

※10万円以下…
厳密に言えば、CA1KA・レッツ2の新発売当時の販売価格は消費税抜きで、99,800円。上図CMキャプチャー画像下端のテロップ「保険料・税金(消費税を含む)・登録などに伴う諸費用は別途申し受けます」にもある通り。なお、1996年5月時点での日本の消費税は、3%。


■レッツ2のメカニズム
横置きシリンダーの空冷単気筒2ストローク50ccエンジン、テレスコピック式のグリース封入式フロントサスペンション、前後リーディングドラム式ブレーキなど、基本的なメカニズムはベースモデルのレッツを踏襲。外観的に全くの別物とも思えるレッツとレッツ2ではあるが、その基礎となる重要部分が同一(乗り物としての仕組みが同じもの)であるため、国土交通省に申請・受理された両者の『型式』は共に同じ、『CA1KA』のままとなっている。



搭載エンジンも基本的にAS50・レッツと同じものゆえ、6.8psの最高出力やトルクなどのスペック面における差異は無いが、実は構成部品に細かな変更が施されており、外からは見えない(スペック上に現れない)部分での違いが存在する。代表的な例がウェイトローラーで、レッツ2のウェイトは1個あたりの重量をレッツの2倍相当にすることで部品点数の削減に貢献している。

・メモ 初期型レッツ/レッツ2のウェイトローラー
初期型レッツ → 外径17mm 6.5g * 6個 = 39g
初期型レッツ2 → 外径17mm 14.0g * 3個 = 42g


■レッツ2のデザイン
レッツとレッツ2とのルックスの違いはヘッドライトの搭載位置と、その形状の違いによるところが大きいのだが、実はレッツ2に採用されたハンドルマウントのヘッドライトやウインカーなどの主要部品の大半は、かつて同社が製造・販売した50ccスクーター・セピア(N型)からの流用であり、レッツ2のために新造したものでは無かった。


■参考画像:CA1EA スズキ セピア AF50N (1992年) 引用:スズキ二輪

新発売となる最新型の「顔」に相当する重要部分にあえて生産中止モデルの部品を用いるという手法は斬新、かつ非常に稀なもの。いかにAZ50・レッツ2の開発コストが抑えられたものだったのか、その様子がうかがえる。

・メモ セピア系とのパーツ互換
上述のとおり、初期型レッツ2のヘッドライト周辺は、旧型セピアの後期生産車両・AF50N型からの流用。フロント側のサスペンション(フォークセット)やホイールなどは、新型セピアの後期生産車両(AJ50P/R型)のパーツが使用されている(一部のパーツ群は、レッツ2の生産途中で更に更新されている)。





■レッツ2の車体の大別
スズキ・レッツ2は、その生産時期と車体の仕様を根拠に、初期型、中期型、後期型の3つに大別される。更に踏み込むと、採用されている部品の違いにより、初期型は3種類、中期型が3種類、後期型を2種類に区別する事が出来る。

それぞれの判別は、車両の製造時に付与された車体番号、いわゆるフレーム・ナンバーを根拠とする方法が確実(※)だが、「工場出荷状態のままである」という確かな前提が約束されるのであれば、外観から見分けることも不可能では無い。以下に、それぞれの特徴を列記する。

※エンジンと電装部品一式まで交換されているような改造車両の場合は、この限りではない



・初期型 CA1KA/KB
(1型) 1996年販売。6.8psエンジン搭載。
(2型) 1997年販売。6.8ps。インナーラック新装備。
(3型) 1998年販売。騒音規制対応6.3psエンジン搭載。全車キーシャッター・燃料計装備。

・中期型 CA1PA
(4型) 1999年販売。排ガス規制対応6.1psエンジン搭載。前後別色ウインカー。燃料計装備。
(5型) 2000年販売開始。6.1ps。前後クリアレンズウインカー。燃料計装備。
(6型) 2002年2月販売。6.1ps。前後オレンジウインカー。燃料計は削除。

・後期型 CA1PA/PC
(7型) 2002年9月販売開始。6.1ps。給油口シート下。5.3リットル燃料タンク搭載。
(8型) 2007年販売。6.1ps。10mmターナー付きバックミラー装備。ファイナルモデル。

因みに、これら「何々型~」という表現は、このブログ内に限る便宜的なものなので、念のため。




■あれこれ出てくる意味不明な英文字について
本文中で使われている表現のうち、機種名・AZ50の後ろに付くアルファベットの意味は、次のうちのどちらか、もしくは、その両方とする。

・バリエーションモデルのコード
頭文字となる英文字(1~2文字)で、そのモデルの種類を表す。
(G) → ジー。盗難抑止装置を搭載した上級仕様車。
(L) → エル。ローシートに加えリアキャリアなどを取り付けた女性向けの上級仕様車。
(S) → エス。フロントにオイルダンパーフォークとディスクブレーキを装備したスポーツ仕様車。
(D) → デラックス(DX)。リアキャリアと専用ステッカーがおごられた特別仕様車。
(U)(UD) → コンビネーションブレーキを搭載しない廉価仕様車。
( ) → 英文字が何も無い=基本的には標準グレードを意味する。生産年によって例外あり。

・イヤーコード(年番号)
スズキのスクーターやモーターサイクルの機種名に付与される、生産開始年度を示す英文字、ないし英数文字の組み合わせによる文字列のこと。
スズキ二輪における50㏄スクーターへのイヤーコードの導入は、1989年のKから(※公式情報未確認)。当初はVINのVIS(※詳しくはweb検索をどうぞ)に則ったコード進行を続けていたが、21世紀への到達を機にローマ字一文字の形式にアラビア数字を加えた計2文字での表現に更新されている。レッツ2系では、1996年から2007年までの文字が、機種名の最後に付く。

1989年:K
1990年:L
1991年:M
1992年:N
1993年:P
1994年:R
1995年:S
1996年:T ← レッツ/レッツ2 新発売
1997年:V
1998年:W
1999年:X
2000年:Y
2001年:K1
2002年:K2
2003年:K3
2004年:K4
2005年:K5
2006年:K6
2007年:K7 ← レッツ2 生産中止(終了)

2008年:K8
2009年:K9
2010年:L0
2011年:L1
……


『AZ50GT』と表記された場合、それはレッツ2 Gの1996年販売車両(モデルT)、という意味になる。

注意:各種コードには半角スペースが含まれることがあるが、これは、いわゆる「表記ゆれ」。公式記録上でも、スペースの有無は統一されていない。




■レッツ2の初期型について

【CA1KA/KB】

※モデル例(画像引用:スズキ二輪)

最も初期に製造・販売されたレッツ2が、このCA1KA/KB。
飽きのこないオーソドックスな、角形ヘッドライトとハンドルカバーが特徴。

型式(モデルコード)は、通常のレッツ2シリーズがCA1KA、レッツ2SのみがCA1KB。

Sの型式が「KB」という個別のものである理由は、フロント側の懸架装置と制動装置が、ノーマルと全く異なるオイルダンパー&油圧ディスクブレーキ方式であるため。
「かなり見た目が違う割に型式は同一」というレッツとレッツ2の関係性については前述した通りだが、レッツ2とレッツ2Sは正に、その逆で「見た目は大して変わらないのに(肝心なところが違うので)型式が違う」という関係にある。

ちなみに、この「~A」「~B」といった区別はスズキ50㏄スクーターの伝統的な取り扱いで、後年のレッツ2には「C」も加わる(CA1PA、CA1PB、CA1PC)。

なお、上の図表中の「コンビブレーキ」とはコンビネーションブレーキの意味。左手で後輪ブレーキを操作すると(連結された鋼線により)前輪にもブレーキがかかる仕組みの事を指す。厳密なところを言えば、本来 “ コンビブレーキ ” という呼び名はホンダ独自の呼称であり、スズキ車には当てはまらない。念のため(表中スペースの都合で略した次第)。

・メモ スズキ50㏄スクーターにおけるモデルコードの末尾
型式の区別に用いられるA・B・Cのローマ字は発売順で与えられるとは限らず、また「ドラムブレーキ車がA」といった基準がある訳でも無い。顕著な例として、1987年~1988年に販売が開始された初代アドレス・シリーズが挙げられる。
・CA1CB アドレス/Address (AD50 1987年11月 トレーディングサス&ドラムブレーキ)
・CA1CC アドレスウェイ/Address Way (AD50W 1988年4月 テレスコピックサス&ドラム)
・CA1CA アドレスチューン/Address Tune (AD50T 1988年4月 ト(中略)サス&油圧ディスク)


・メモ モデル呼称「U」について
1998年に出荷された前後ブレーキが個々に作動する(一般的なブレーキ構造の)レッツ2は、その生産台数が少なく、事実上の限定車の取り扱いとなっていた。この「コンビネーションブレーキ装置が付いていないレッツ2=AZ50U」という図式は、以降のモデル(CA1PA~)へ継続される。


■初期型(1) AZ50T/GT 1996年販売
6.8psエンジンを搭載する、最も初期のレッツ2。
普及モデルのAZ50と、センタースタンドロック機構を装備するAZ50Gが、同時に発売された。
ほどなく水面下でキャブレターが変更されるが、外からの判別は難しい。

■初期型(2) AZ50T/GTの後期出荷分と、AZ50SV、およびAZ50LV 1997年販売
全車にフロントのインナーラックを新採用した、中期出荷分。
バリエーションモデルのS、およびLが市場に流通するのは、この年から。
この時期に新発売となったインナーポケット付きの後期GとLは併売の体勢が取られ、販売店では専用カタログも配布されたが、Gの出荷はここまでとなる。

■初期型(3) AZ50UW/W/LW/SW/DW 1998年販売
新たな騒音規制に対応すべく専用のチューニングが施された、6.3psエンジンを搭載したモデル。
盗難抑止装置として機能するスライド式キーシャッターを、全車に採用。逆説的にはシャッターキー付きの初期型イコールW型のみであり、特に判別しやすい存在となっている。

・メモ 初期型レッツ2の乗車シートの仕様の違い
最終W型を含むCA1KA/KBには、全部で三種類の乗車シートが存在する。
その内の二種類はローシートであり、かつ、ローシートの代名詞的モデルである「L」以外のレッツ2にも使用された経緯がある。
・通常シート(シート高710㎜)ブラック表皮 → レッツ2、レッツ2G、レッツ2S、レッツ2DX
・ローシート(シート高685㎜)ブラック表皮 → レッツ2コンビネーションブレーキ(AZ50W)
・ローシート(シート高685㎜)グレー表皮 → レッツ2L、レッツ2Lコンビネーションブレーキ


・メモ 初期型レッツ2のウェイトローラーの仕様の違い
通常モデルの14.0g * 3個に対し、レッツ2Lのウェイトは、15.0g * 3個を用いる事で変速が微調整されている。モデルごとに変速装置の調整を行う手法は後年発売のレッツ4バスケットや、アドレスV50(FI)でも見る事が出来る。


・メモ AZ50GTとAZ50LWとの関係
盗難抑止仕様のGはカタログ落ちしているが、実は、その自己主張たるセンタースタンドロック機構のパーツ群は丸ごとLW(初期型レッツ2Lの後期出荷分)に使用されている(※その影響で価格が跳ね上がっている)。この事から、LWは事実上のG統合モデルであったと考える事も出来る。


・メモ 6.8psエンジンと6.3psエンジンの見分け方
加速騒音規制への対応により、数値上の馬力が6.3psへと減少したW型のチューニングエンジンは、クラッチケースカバーを固定するボルトに一般的な六角頭が採用されている。元々の6.8psエンジンのケースボルトは丸い頭のプラスネジであったため、ボルトが交換されていない限りは、プラスネジ=6.8psエンジン、六角ボルト=6.3psエンジン、と区別する事が出来る。


・メモ 初期型レッツ2のサイドスタンド
全てのCA1KA/KBの中で、スズキ純正パーキングサイドスタンドが標準装備となったモデルは、LWのみ(1998年のレッツ2Lのみ)となっている。


それぞれの特徴を図にまとめると、次のようになる。


前述の通りレッツ2Gは途中で販売を終えており、コンビネーションブレーキ仕様の時代には生産が行われていない。そのため、“Gコンビネーションブレーキ”というレッツ2は、公式では存在しない。また、後年発売されるCA1PAの後期型にて『レッツ2G』という名前が再び登場するが、この時代の車体とは様々な部分で仕様が異なっている。

・メモ CA1KA 「AZ50UT」という謎の存在
株式会社デイトナが発行する 『デイトナカタログ(※1981年から30年以上、毎年欠かさず発刊される用品カタログ)』の適合一覧には、謎のレッツ2を意味する『AZ50UT CA1KA-131220~』という型式が掲載されている(※2017年度版では、881ページ目)。
前述のとおりコンビネーションブレーキの有無(AZ50/AZ50U)が設定されたのは、1998年・モデルWから。それ以前(1996年~1997年)のモデルTに「U」が設定されていたという事実は無く、更に言うならば「AZ50UT」という文字列はメーカー提供のパーツリスト上に存在すらしない。どうして?
ちなみにフレームナンバーの範囲は無印、および当該Gを含む最初期出荷モデルに該当する。





初期型における装備面に関する違いは以下のとおり。

レッツ2 AZ50T ¥99,800-(税抜) 1996年
・装備 なし

レッツ2 AZ50UT ¥**,***-(税抜) 199*年
・概要/詳細 共に不明

レッツ2 G AZ50GT ¥129,000-(税抜) 1996年
・メットインランプ ○
・センタースタンドロック ○
・リアフック あり

レッツ2 AZ50UW ¥119,000-(税抜) 1998年
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・リアフック あり

レッツ2 コンビネーションブレーキ AZ50W ¥129,000-(税抜) 1998年
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・前後連動ブレーキ ○
・ローシート(710mm → 685mm)※ブラック表皮
・リアフック あり

レッツ2 L AZ50LV ¥119,000-(税抜) 1997年
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・ローシート(710mm → 685mm)※グレー表皮
・リアキャリア ○

レッツ2 L コンビネーションブレーキ  AZ50LW ¥139,000-(税抜) 1998年
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・センタースタンドロック ○
・サイドスタンド ○
・前後連動ブレーキ ○
・ローシート(710mm → 685mm)※グレー表皮
・リアキャリア ○

レッツ2 DX(デラックス) AZ50DW ¥134,000-(税抜) 1998年
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・前後連動ブレーキ ○
・リアキャリア ○

レッツ2 S AZ50SV/AZ50SW ¥149,000-(税抜) 1997年~1998年
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・センタースタンドロック ○
・リアキャリア ○
・前輪油圧式ディスクブレーキ ○(Sのみの特別装備)
・オイルダンパー式フロントフォーク ○(Sのみの特別装備)




■レッツ2の中期型について

【中期型 CA1PA】

※モデル例(画像引用:スズキ二輪)

マイナーチェンジにより、イメージが刷新された新型レッツ2。一部の特別装備車を除き、以降の型式はCA1PAとなる。
この時期のモデルはマイナーチェンジの歴史の半ばに位置することから、「レッツ2の中期型」という大きな括りで扱われることがあるが、細かく見た場合、このCA1PAにも「前期」「中期」「後期」が存在する。詳しくは後述。

販売当初から展開されたG(盗難抑止)、L(ローシート)、S(油圧ディスクブレーキ&オイルダンパーフォーク)といったバリエーション設定は、ここで一旦、仕切り直しとなる。

旧型スクーターからのヘッドライトパーツの流用という豪快な手法は終了し、新型レッツ2には現代的な外観と印象を備える新規造形のヘッドライトとメーターカバーを採用。『スズキ・レッツ2』として、この時期のデザインが連想される機会は、決して少なくない。

特記事項は、大きく2点。
ひとつは、排気ガス規制への対応。
仕様の違いこそあれど、以降のモデルに搭載されるエンジンの出力は、全て6.1psとなる。
もうひとつは、エンジンオイルをクランクケースに供給するオイルポンプの作動方式の変更、および、その給油経路の増設。
どちらもファンの間では広く知られており、特に後者は、熱心な愛好家の間で有名な変更点。

その他、この代において『呼称が変わる』という珍事が発生。PA中期の最終モデルとして登場したUD(イヤーコードK2)からは車名が『レッツ2 スタンダード』へと変更され、以降、その姿と内容が変化する。

なお、上の図表のモデル名においてコンビブレーキとは、コンビネーションブレーキの意味。

■中期型(4) AZ50UX/X/LX 1999年3月販売
マイナーチェンジモデルとして市場に投入された最初の販売分。
姉妹車種が当初から設定されていたが、これが非常にややこしい存在となった。

・AZ50U 廉価モデル 税抜13万9千円
最も低い価格設定で提案された、新型レッツ2。
前後のブレーキがそれぞれ独立しているオーソドックスなドラムブレーキを採用。
1998年に発売されたレッツ2同様、モデル呼称にはUの文字が付与される。

・AZ50 標準モデル 税抜14万9千円(※AZ50、の後ろに文字が無い)
前後連動式のコンビネーションブレーキを搭載。車名にも、その名が付く。
センタースタンドロック、サイドスタンド、メットインランプ、リアキャリアの追加装備を誇るが、これだけ部品と機能に差があっても、廉価モデル(AZ50U)との差は、わずか1万円であった。

・AZ50L 低シートモデル 税抜14万9千円
標準モデルに専用シートを採用した女性向けモデル。
従来のコンセプトを継承し、シート高が710mm → 685mmにダウンしている。
装備の内容は、標準モデルに準拠。価格は、標準モデルから据え置き。

念のために繰り返しておくと、モデル呼称に何も付かない(単なるAZ50)ものが標準モデル。
廉価車が、AZ50Uとして扱われる。

外観の刷新に目を奪われがちな99年モデルは、エンジンの機能面にも多数の変更が施された事でも知られる。そのひとつが、オイルポンプの作動方式の変更。電磁弁を用いたソレノイド・バルブ方式から、機械式オイルポンプへと更新されている。
更に、生産途中の変更点としてはオイルポンプのオイルラインの経路数の変更なども挙げられる。こちらに関してはクランクケース上面を覗き込む事でオイルホースおよびオイルホースの付け根に設置されるオイルホースニップルを数えることが出来るため、確認・判別は容易に行えると言える。

・メモ オイルポンプ周りの違い
改良前は、オイルポンプの吐出口が1つのみ。これは、電磁弁式も機械式も、共通。
機械式への更新直後に改良された新型は、吐出口が2つに増設されている。
この新型は、ポンプの吐出こそ2経路ではあるが、実は、その片方のホースの先が途中で2本に分岐する構造。果たして、1+(1+1)=3であり、合計、3経路となっている。


参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(1999年2月1日)
50ccスクーター「レッツ2」シリーズをマイナーチェンジ
スズキ株式会社は、「乗りやすさ」と「安心感」が特長の50ccスクーター「レッツ2」シリーズ(「レッツ2」「レッツ2コンビネーションブレーキ」)を(1999年)3月5日より全国一斉に発売する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b990201.htm

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(1999年9月22日)
低めのシートが特長の50ccスクーター
「レッツ2L コンビネーションブレーキ」新発売
スズキ株式会社は、「乗りやすさ」と「安心感」が特長の50ccスクーター「レッツ2」シリーズに、シート高を低くし乗りやすさを一層向上させた「レッツ2L コンビネーションブレーキ」を追加設定し、(1999年)9月22日より全国一斉に発売する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b990922.htm

■中期型(5)
AZ50UX/X/LX 2000年3月販売 (※1999年モデル後期出荷分)
AZ50UY/Y/LY 2000年7月販売 
AZ50UK2/K2 2001年4月販売 (※2002年モデル前期出荷分)

ウインカーレンズが前後共に透明となったPA中期型。
直前まで出荷されていたAZ50Xシリーズと同じXのイヤーコードを持つモデルであるが、わずかな出荷時期の違いにも関わらず車体の仕様は異なっており、全国各地の販売店では「見た目も値段も見分けがつかないが中身が違う」という在庫の混在が発生した。

後期モデルX出荷分以降のレッツ2で注目すべきは、デザイン面ではなく機能面の変更、オイルポンプ周辺の改善の部分に尽きる。

【スズキ・レッツ2におけるオイルポンプ周辺の度重なる仕様変更について】
1999年モデルで改良された新型のオイルポンプとオイルラインに、更なる手直しを加えたものが、この時期に登場した改善型。エンジンオイルの供給経路が見直され、注油箇所および注油目的が変更されている。

TYPE① 従来型:
初期型(1)から中期型(4)の途中までが搭載する旧式のもの。
 オイルポンプ → キャブレターへ

TYPE② 改良型:
中期型(4)の生産途中から採用された3経路分岐式のもの。
 オイルポンプ → キャブレターへ
     |
(ここで2つに分岐) → 一方はクランクシャフト右側へ
     ↓
  クランクシャフト左(オイルポンプギア)側へ

TYPE③ 改善型:
中期型(5)から以降の全てのモデルに搭載された新3経路分岐式。取り回しが改善されている。
 オイルポンプ → キャブレターを中継せずインテークマニホールドへ
     |
(ここで2つに分岐) → 一方はクランクシャフト右側へ
     ↓
  クランクシャフト左(オイルポンプギア)側へ



後述する姉妹車種を含め、この形態が、レッツ2系エンジンの完成形だと解釈することも出来る。

・メモ スズキスクーターにおける2ストロークエンジンのオイル供給経路の歩み
スズキは、このレッツ2以前の旧世代の製品において、複数経路オイル供給の実績がある。
(例:1992年にリリースされたAJ50・セピアのP型に搭載されたオイルポンプ)
しかしながら後年発売のAS50・レッツの新型エンジン設計のタイミングで、これらの豪華装備がカットされてしまった事実は、冒頭に記載した通り。
余談ながら、2経路での供給はセピアよりも更に過去のモデルの時点で、既に達成されている。
(例:1980年代に人気を博したAD50・ADDRESS/アドレス)




・メモ バッテリーの変更
2000年秋から販売されたY型以降、搭載バッテリーが2.5Ah → 2.3Ahへ変更されている。

・メモ レッツ2Lのファイナルモデル
レッツ2Lコンビネーションブレーキのファイナルモデルは、この時期に販売されたAZ50LY。
つまり、『レッツ2L』と名の付くスクーターは、どれほど新しくとも、この2007年7月以前の型。
ちなみに中期型Lに使用されたローシートは、CA1KA・初期型レッツ2コンビネーションブレーキのものだった(ブラック表皮の685mm仕様)。

・メモ 特殊な大型リアキャリア
全バリエーション中、特に異彩を放つ存在が、この時期の最後を飾ったUK2/K2。
1996年の発売以来、右肩上がりに価格上昇の一途を辿ったレッツ2の上位モデルはUK2/K2の時点で15万円台にまで値上がりしてしまったが、そんな2002年モデルの特徴はズバリ、複合素材を用いた大型リアキャリア(※)。後にも先にも、この特殊キャリアを搭載したレッツ2は当代・K2のみとなっている。

※複合素材を用いた大型リアキャリア…鉄パイプで構成された従来式のリアキャリア(荷台)を、特製の樹脂カバーで覆ったもの。『ロシア極東に代表される寒冷地での運用においてスチール・キャリアはヒトのヒフが張り付くなどといった事故の原因になり兼ねないため外殻に温度変化の少ない樹脂を用いた』、という説をバイク販売店某(※既に廃業)にて聞いた記憶があるのだが、本当のところは分からない。


■中期型(6) AZ50UDK2 2002年2月販売
CA1PA中期型の最後を飾る事となったモデルが、このUDK2。
3種類あったモデルを統合した結果、コンビネーションブレーキ設定は消滅。
機種名は「AZ50・AZ50U・AZ50L」の三種から「AZ50UD」へと一本化され、あわせて車両の通称名は『レッツ2スタンダード』にあらためられた。

このモデルは、従来比20%以上(※公式発表値)という凄まじいコストカットが施された車両。最も大胆な変更を受けたのは各部のカバー類で、構造・形状の調整によって部品点数と樹脂の面積(=材料の使用量)を削減。レッグカバーやハンドルカバーに至っては、素材自体に色が付いている着色樹脂材料を使用する事によって、塗装の行程を省略。結果、車体そのものが持つ雰囲気を大きく変える事無く、全体で2割以上のコストダウン(公式案内より引用)を実現させている。

・メモ 中期型レッツ2のウェイトローラーの仕様の違い
UDK2のコストカットは内部にも及んでおり、それまでレッツ2向けの部品で構成されていた駆動系変速装置には、この型のみCA1PB・AZ50Rインチアップスポーツ・ZZの部品が丸ごと流用されている。そのため、UDK2のウェイトローラー設定は、8.5g (注:厳密には8.6g)* 6個。駆動系消耗部品の適合においてUDK2用のみがインチアップスポーツ・ZZと共通とされる理由は、ここにある。なお、これら部品の仕様は直後のマイナーチェンジで再度、変更される。





■補足 CA1PA・レッツ2の顔の違い
CA1PAには、大きく分けてふたつの顔(ヘッドライト&ハンドルカバー)が存在する。
見分け方は実にシンプルで、ZZの顔か否か、の一言に尽きる。

丸顔……CA1PAの最初期生産分(No.143952まで)と、UDK3以降のもの。
ZZ顔……CA1PAの中期生産車両。No.143953から、UDK2のラストまで。

■参考画像:CA1PA初期出荷モデル(左)と中期出荷モデル(右)の例 引用:スズキ二輪

ZZ顔では無い仕様(便宜的に”丸顔”と呼称)は、1999年夏モデルに採用されていた、丸みのあるライトとハンドルカバーの組み合わせ。強いて例えると、どこか優しげな造形。
対するZZ顔は、2000年春に新発売となったCA1PB・インチアップスポーツ・ZZのヘッドライト&ハンドルカバーの流用で、より精悍な印象の顔つきに仕上がっている点が特徴。2000年7月発売のモデルX後期出荷分から2002年のUDK2までのレッツ2シリーズは、このZZ顔での製造が行われている。

その後、安価路線への回帰が実現した着色樹脂外装のUDK3で、丸顔が復活。一瞬で姿を消した1999年モデルとは比較にならない生産台数となり、「レッツ2スタンダードの顔」として、広く知られる事となった。

なお、本家ZZとレッツ2のZZ顔は、ライトのレンズとライトカウル(ハンドルカバー)、およびメーターカバー(リアハンドルカバー)と配線ソケット&バルブが共有部品。ライト本体ケース(ヘッドランプユニット)のみ別物の扱いで、部品番号が異なる。部品の検索や注文の際は、注意が必要。

■補足 丸顔とZZ顔の違い
インターネット上の画像や動画では判別が困難だが、同じ「CA1PA」同士であっても、丸顔のレッツ2と、ZZ顔のレッツ2のヘッドライトとカウルは、両者で形が異なる。
具体的にはライトの上下の高さ(立幅)が違っており、それにあわせて、ライトカウル(ハンドルカバー)の形状も違っている。

これを知らずにZZ顔のCA1PA(当該ページで言うところの5型・6型)に丸顔用の外装を組もうとすると、前後幅が足りず、まるでズレたカツラを被っているかのような隙間がライトの上に出来てしまう。修理やレストアで外装類を入手しようとする際は、この点に注意。

ちなみに「給油口がメットインの外にあるタイプ」「CA1PA前期型用」などといった説明でインターネット通信販売や業者向けの販路で流通する非純正の「レッツ2外装5点セット」のなかには、ご丁寧に、生産台数の少ない丸顔版で整形されたハンドルカバーが入っている商品が存在する。確かに「CA1PAの前期」には違いないため、適合案内は「合っている」わけだが、いくらなんでも、それは不親切と言わざるを得ない。

参考までに、もう少し突っ込んで書いておくと、インチアップアップスポーツ・ZZ(スズキZZ・スズキジーツー・AZ50R・CA1PB)向けの非純正外装6点セットなどは更に酷く、「ZZ用」と書いておきながら丸顔版のレッツ2のハンドルカバーが同梱されているという、悪夢のような粗悪品も存在する。

・補足メモ レッツ2のヘッドライトバルブ
レッツ2の中期型は、全モデルが12V 40/40Wのヘッドライトバルブを使用する。
「この時期のスタンダード」であるUDK2も、例に漏れず40Wバルブ。
対して、K3以降の「後から出た方のスタンダード」は、全モデルに30/30Wの電球を使用する。
「レッツ2スタンダードの電球」で一括りにすると間違え兼ねないので、注意が必要。

CA1KA前期:25/25W T/GTのみ(※セピアN型と共通)
CA1KA中期:30/30W V/LV
CA1KA後期:30/30W W/UW/LW/DW
CA1KB全種:30/30W SV/SW

CA1PA前期:40/40W 丸顔のX/UX/LX
CA1PA中期:40/40W ZZ顔のX/UX/LX、Y/UY/LY、K2/UK2、UDK2
CA1PA後期:30/30W UD/UDS全種(K3/K5/K6K7)、G/GS全種(K4/K5/K6/K7)
CA1PB全種:40/40W AZ50Rシリーズすべて(AZ50R・RR・SR・RS・RZの各年式)
CA1PC全種:30/30W SK3/SSK3

中期型ヘッドライトのベースとなったインチアップスポーツ・ZZのヘッドライトバルブは、全年式を通じて40/40W。
CA1KAの初期生産車両のみ25/25W電球だが、これは元になった旧型セピア(N型)のパーツ流用が原因。時代に合わせたのだろうか、発売から間もなく30/30Wに更新されている。

(※「丸顔」「ZZ顔」はこのブログ内でのみ通用する便宜的な呼び方なので、念のため)





参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2002年1月25日)
国内生産で低価格を実現した
機能版スクーター「レッツ2 スタンダード」発売
スズキ株式会社は、通勤や通学、買い物など日常の足として使われる50ccスクーターに必要な機能を絞り込み、価格を11万円台に抑えたベーシックなスクーター「レッツ2 スタンダード」を(2002年)2月23日より全国一斉に発売する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b020125.htm

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2002年6月21日)
50cc スクーター「レッツ2 スタンダード」に車体色追加
スズキ株式会社は、国内生産で低価格を実現した機能版50ccスクーター「レッツ2スタンダード」に、青と黒の車体色を追加し、(2002年)7月8日より全国一斉に発売する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b020621.htm

それぞれの特徴を図にまとめると、次のようになる。


手軽で判り易い見分け方は、やはりウインカーの仕様の違い。
前後のレンズの組み合わせで、PAは前期/中期&後期/最終が明確に区別される。

中期型(4)PA前期販売分 → フロントがクリア・リアがアンバー
中期型(5)PA中期販売分 → フロントもリアもクリア
中期型(6)PA中期最終販売分 → フロントもリアもアンバー (※以降の全モデルがこの仕様)




中期型における装備面に関する違いは以下のとおり。

レッツ2 AZ50UX/AZ50UY ¥139,000-(税抜) 1999年~2000年販売
レッツ2 AZ50UK2 ¥144,000-(税抜) 2001年販売

・燃料計 ○
・メットインランプ ×/○ 2001年販売分に装備
・センタースタンドロック ×/○ 2001年販売分に装備
・サイドスタンド ×/○ 2001年販売分に装備
・リアキャリア ×(リアフック装備)/○ 2001年販売分に樹脂カバー付きリアキャリア装備

レッツ2 コンビネーションブレーキ AZ50X/AZ50Y ¥149,000-(税抜) 1999年~2000年販売
レッツ2 AZ50K2 ¥154,000-(税抜) 2001年販売

・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・センタースタンドロック ○
・サイドスタンド ○
・前後連動ブレーキ ○
・リアキャリア ○/○ 2001年販売分に樹脂カバー付きリアキャリア装備

レッツ2 L コンビネーションブレーキ AZ50LX/AZ50LY ¥129,000-(税抜) 1999年~2000年販売
・燃料計 ○
・メットインランプ ○
・センタースタンドロック ○
・サイドスタンド ○
・前後連動ブレーキ ○
・ローシート(710mm → 685mm)
・リアキャリア ○

レッツ2 スタンダード AZ50UDK2 ¥112,000-(税抜) 2002年販売
・リアキャリアもリアフックも何も付いていない
補足:初期型および中期型において「リアキャリアが無いレッツ2」の公式画像が広く出回っているが、1999年までに実際に出荷・販売された車両にはリアフックが取り付けられている(当該パーツリストにも記載あり)。しかし上記UDK2は、公式画像のとおり「キャリアもフックも無い状態」が、正解。

■参考画像 web上で見かける機会の少ないAZ50UK2の公式写真について

2001年の前半に販売されたK2/UK2に限っては、通常仕様にもコンビネーションブレーキ仕様にも樹脂製のカバーで覆われた専用リアキャリアが付属しており、加えて、販促向けの画像にも、そのリアキャリアがしっかりと写っているのだが、その画像はweb上にほとんど出回っておらず、果たして専用リアキャリアの姿と共にK2/UK2の存在自体も、あまり知られていない。

こちらが、そのUK2の姿を収めた公式の画像(引用:スズキ二輪)。歴代のSやDXほどではないにせよ、レッツ2としては珍しい車体のひとつとなっている。

・メモ リアキャリアとリアフックの違い
後年発売のAZ50UDK3(レッツ2 スタンダード)からは、新造形の(新型レッツ2 スタンダード専用の)リアフックが装備される。
「レッツ2 スタンダードにリアキャリアは付いてないよ」
「あれ?自分が買ったスタンダードにはキャリアみたいな取っ手が付いてたけど?」

といった主張の食い違いが生じる原因は、この新旧レッツ2 スタンダードの仕様違いにある。





■レッツ2の後期型について

【後期型 CA1PA/PC】

※モデル例(画像引用:スズキ二輪)

レッツ2の長く複雑な遍歴の中で、特にシンプルな存在となっている後期型。

直前に販売されていたレッツ2 スタンダードから、更に徹底したコストカットが施されている。
その徹底ぶりは部品点数の見直しどころか、外装各部の形状を変更して樹脂の面積(=使用する樹脂の量)自体を減らすという、文字通りの「身を削る」手法にまで発展しており、正に「手段を選ばない」といった印象。外装の樹脂素材の選定と塗装の省略にまで及んだ独自のコストカット論は、当時の経済情報番組(テレビ東京系・ワールドビジネスサテライト)で、取り上げられたほど。

・メモ スペシャルカラーの設定
この時代のレッツ2は、メタリック塗装モデルを「スペシャルカラー」という特別グレードとして設定、通常車両価格に対して4,000円高で提案する、といった手法が取られている(※実際のところは、前述の通り「ソリッドカラーモデルが(メタリックカラーに対して)4,000円も安く売られていた」、というのが正解)。
なおスペシャルカラーモデルを表す文字は、「S」。ディスクブレーキ仕様の「S」と同じであったことから、この時期のレッツ2の型式は、かなり紛らわしい。
・AZ50UDK3のスペシャルカラーモデル → AZ50UD S K3
・AZ50USK3のスペシャルカラーモデル → AZ50US S K3


機能面では、「座席の下に給油口がある」という要素も、この型以降にのみ存在する特徴。
後期型はシートロックを外して座席を上げないと給油口が露出しない仕組みであり、給油の際にはシートを開ける必要がある。現行のスズキ小排気量スクーターの多くが同様の構造となっているが、CA1PA・レッツ2の後期生産車両の構造は、その造詣のルーツに近いものを感じさせる。

型式は、CA1PAがレッツ2 スタンダードおよびGシリーズ、CA1PCがレッツ2Sシリーズを示す。

・メモ 後期型レッツ2Sの型式について
後期型レッツ2 スタンダードのCA1PAという型式に対し、後期型レッツ2Sの型式はCA1PC。何故、AとCの間である「CA1PB」が抜けているか?と言うと、その理由は他でもないレッツ2の兄弟モデル、インチアップスポーツ・ZZの型式として、CA1PBが既に使用済みであったから。(CA1PB AZ50R)。

・メモ K3以降のレッツ2スタンダード/S/Gの違い
CA1PAモデルK3以降のレッツ2では、コンビネーション・ブレーキ・システムの廃止と入れ替わるように、初期型にのみ存在したバリエーション設定、SとGが復活した。旧型のSおよびGとの細かな違いはあるが、おおよそ意味するものは同じであり、Sはディスクブレーキ+センタースタンドロック機構付き、Gは盗難抑止装置(センタースタンドロック機構)付きを、それぞれ意味する。

・メモ ローシート仕様のLの消滅と、標準座席のローシート化
前項でも触れた通り、ローシート仕様のL設定は、廃止。後期型はシート造形が見直されており、全車標準で5mmのローダウン&ナローシート化を実現した新型の乗車シートを装備している。


なお、上の図表のモデル名においてSTDとは、スタンダードの意味。
STD SPカラーとは、スタンダードスペシャルカラーを意味する。

その他に特筆すべきは、そのモデル遷移の少なさ。2002年から2007年までの4年半もの間、主だった変更が僅か1度のみという点は、非常にレッツ2らしからぬものとなっている。

ただし、その代わりと言っては難だがリコールは発生している。

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2004年3月25日)
レッツ2/レッツ2Sのリコールについて(平成16年3月25日届出)
平成16年3月25日、国土交通省にレッツ2/レッツ2Sのリコールを届け出致しました。
http://www.suzuki.co.jp/about/recall/2004/0325.htm

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2009年5月25日)
レッツシリーズ、アドレスV50、アドレスV125のリコールについて
スズキ株式会社は、レッツシリーズ、アドレスV50、アドレスV125について、下記のリコールを国土交通省に届け出いたしました。
http://www.suzuki.co.jp/about/recall/2009/0525b/

■後期型(7)
AZ50UDK3/5/6 ※K4の販売は無い 2002年~2006年販売
AZ50UDSK3/5/6 ※K4の販売は無い 2002年~2006年販売
AZ50SK3/SSK3 2003年販売
AZ50GK4/5/6 2004年~2006年販売
AZ50GSK4/5/6  2004年~2006年販売

『スタンダード』という車名こそ前モデルから引き継いだ格好となっているものの、ガソリンタンクをはじめとする機能部品の構成には大きな変更が施されており、また、長らく標準装備となっていた車体前方のインナーラックやシート左脇のスタンドグリップも廃止されている。大きな変化のない外観や呼称から受ける印象に比べ、刷新された部分は意外なほど、多い。

・メモ 新旧スタンダード同士の相違点
前の項でも取り上げたが、同じ『レッツ2 スタンダード』同士でも、新旧で次の相違点がある。
①リアフック → 新型に装備。旧型は何も付いていない。ボルトだけ締めてある。
②ガソリン給油口 → 新型はシート下。旧型は車体の後部にフタが付いている。
③シート脇のグリップ → 新型はグリップが無い。旧型はグリップが付いている。
④ウェイトローラー → 新型は10.0g(注:厳密には9.8g)。旧型はインチアップスポーツ・ZZと同じ8.5g(注:厳密には8.6g)。
⑤ガソリンタンク → 新型は5.3リットルタンク。旧型の容量は5.5リットルで、若干多く入る。
⑥シート高 → 新型は、旧型より5mmシートが低い。


新スタンダードの変速装置には、直近のUDK2の仕様(※インチアップスポーツ・ZZの流用)は反映されていない。大部分は、レッツ2シリーズ本来の仕様(ふたつ前のモデル・UK2/K2までの構成)をベースに更なる変更を施した内容となっている。ただし、従来から大きく異なる部分も存在する。UDK3以降のレッツ2には、10.0g (注:厳密には9.8g)* 6個のウェイトローラーが新たに採用されている。

・メモ レッツ2のウェイトローラーの個数
上記の通り、シリーズ後期に出荷されたUDK3~7のレッツ2のエンジンに搭載されるウエイトは、全車6個が正しい。その長い販売期間のなかで、14g * 3個、15g * 3個、8.6g * 6個、そして9.8g * 6個という仕様変更を経たAZ50・レッツ2は、その整備の話題において「WRは3個が正しい」「いや6個が正解」といった主張の食い違いを引き起こす事が稀にある。

・メモ 後期型レッツ2のウェイトローラー
外径17mm 10.0g(9.8g)のウェイト部品は、あっという間にメーカーカタログから姿を消した事でファンに知られるCA1NA・UG50アドレス(※1998年に発売されたアドレス110の50cc版的な車両)の系譜以外に使われる機会が無かった、不遇の部品のひとつ。シリーズと縁が無かった特殊な重量のウェイトが急に採用された背景には、コストカットを名目とした在庫処分の目的があったのではないかと邪推したくもなるのだが、本当のところは分からない。


復活したディスクブレーキ&フロントオイルダンパー仕様のSの販売は、2003年早春の1度のみ。祖先と共にレアなモデルとなっている。特別装備のフロント周りは今も愛好家の間で語り草となっているが、この2003年発売のSに搭載されるフォーク/ステム/ホイール/アクスルといった主要パーツは、実のところ祖先となる1998年版のSV/SWと共通。こちらも、長らくメーカー側で死蔵の状態に陥っていたであろうS専用部品の放出が目的だったのではないか、と勘繰りたくもなるのだが、こちらも本当の所は不明。

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2002年9月19日)
50cc スクーター「レッツ2 スタンダード」を一部改良し発売
スズキ株式会社は、国内生産で低価格を実現した機能版50ccスクーター「レッツ2スタンダード」を一部改良し、価格を7千円引き下げ10万5千円の新価格で(2002年)10月8日より発売する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b020919.htm

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2003年1月28日)
50ccスクーター「レッツ2 S」を発売
スズキ株式会社は、50ccスクーターの人気車種「レッツ2」シリーズに、フロントディスクブレーキやオイルダンパー式フロントフォーク等、走行機能を高める装備を標準装着とした「レッツ2 S」を追加設定し、(2003年)2月5日より全国一斉に発売する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b030128.htm

参考情報:スズキ二輪ニュースリリース(2003年2月21日)
「レッツ2」シリーズに新色を追加
スズキ株式会社は、50ccスクーター「レッツ2スタンダード」および「レッツ2S」の車体色に新色を追加する。
http://www.suzuki.co.jp/release/b/b030221.htm

■後期型(8)
AZ50UDK7/UDSK7 2007年2月販売
AZ50GK7/GSK7 2007年2月販売

CA1PA後期型の最終販売分、レッツ2のファイナルモデルが、このモデルK7。
知る人ぞ知る最後の変更点はバックミラーであり、レッツ2は最終販売分にのみターナー(衝撃緩和装置)式10mm取り付け軸のバックミラーを搭載する。この最終モデルは、同じく派生モデルとして活躍したインチアップスポーツ・ZZと共にスズキ2サイクル50ccエンジンメットインスクーターの最後を飾る事となった。

・メモ ターナー式のバックミラー
誤解を恐れず一言で表すのならば「10mmネジのバックミラー」のこと。
真面目に表現するならば、これは「道路運送車両法による新たな保安基準に適合するために設計された衝撃緩和装置の付きバックミラー」のことで、歩行者や他の車両などとミラーが接触した場合、その衝撃や応力によってミラーの取り付け基部が(進行方向とは逆の向きに転回する事により)緩む仕組みになっている。
古くからヤマハ発動機の車両に採用されている右側の逆ネジミラーと基礎を同じくする発想だが、ターナー式ミラーは、それよりも(歩行者に当たった時点で確実に緩むように機能させる必要があるため)緩みやすく締め辛い傾向にあり、慣れるまでは案外、取り扱いが面倒。

・メモ AZ50RZ K7
インチアップスポーツZZの最後を飾ったのは、リミテッドカラー・ファントムブラックメタリック(※)。全国限定1,000台販売。ブラックのアルミキャストホイールを含め車体全体を暗色調に仕上げた硬派モデルで、グレー/ブラックの2トーンシートを装備していた。
ZZにはテレフォニカ・モビスターカラーや3,000台限定のマットブラックメタリック、そして梁明(りょう-あきら)選手の全日本ロードレース選手権スーパーバイク・クラス総合優勝を記念して生産されたスズキ・ワークスカラーといった様々な限定カラーバリエーションが存在したが、ことモデルK7リミテッドは2サイクルの最後を飾ったという意味で、より特別な車体となっている。

※ファントムブラックメタリックに関するおまけメモ
1. 実際の印象は、グレー風味の効いたガンメタリック(灰色がかった黒鉄色)。
2. 実際の書類にはファントム(幽霊)ブラックではなく、ファトムブラックと表記されたものがある。
 (そのためメーカー情報を基にするデイトナのカタログには、今もファトム~と掲載されている)


「予備知識が無いとどれがどれだか分からない」というのがレッツ2シリーズの真骨頂だが、給油口の移設とインナーポケットの有無という大きな差異にさえ気付いてしまえば、後期型自体は他モデルとの見分けがつけやすいモデルだと言える。

後期型の特徴を図にまとめると、次のようになる。


外観上の差異で目立つポイントは、フロントカバーのホーンスリットと車体側面のサイドロアカバーの形状。特にサイドロアカバーは、その形を覚えてしまえば遠目で(細かいところを観察せずに)大体の年式を判別できるため、覚えておいて損は無い。

・メモ レッツ2のキックペダル
後期型か否かを判別する要素のひとつとして頼りになるのが、何を隠そう「キックペダル」。歴代モデルの中でK3以降の後期型向けエンジンにのみ、長いアームが途中で折れ曲がっているキックペダル(部品番号:26300-43E30)が使用されている。
それとは異なり、短い棒状のキックペダルが付いているものは、K2以前の旧式レッツ/レッツ2シリーズ、もしくはインチアップスポーツZZを含む派生エンジン(※)となる。
※……AZ50RのZZエンジンには、全年式に旧式ペダル(26300-43E11)が使用されている。





後期型における装備面に関する違いは以下のとおり。
全グレードに4,000円高でスペシャルカラーが設定されていた。
なお、このモデルに関しては生産時期が長いため、イヤーコードの表記は省略する。

レッツ2 AZ50UD/UDS ¥105,000-/¥109,000-(税抜)
・リアフック装備:荷物の積載は事実上不可能

レッツ2 S AZ50S/SS ¥144,000-/¥148,000-(税抜)
・燃料計 ○
・センタースタンドロック ○
・サイドスタンド ○
・リアキャリア ○
・前輪油圧式ディスクブレーキ ○(Sのみの特別装備)
・オイルダンパー式フロントフォーク ○(Sのみの特別装備)

レッツ2 G AZ50G/GS ¥113,000-/¥117,000-(税抜)
・燃料計 ○
・センタースタンドロック ○
・リアフック装備:荷物の積載は事実上不可能

補足:後期型におけるリアフックの存在について
後期・最終型の普及グレードは専用のリアフックを装備する。これは純然たる取っ手であり、初期型のような簡易キャリアといった使い方は事実上不可能だが、そもそもPA後期・最終型はコストカットでスタンドグリップ(シートの左脇にある樹脂製のくぼみグリップ)が廃止されているため、いかに簡略化された構造であろうとも、リアフックの必要性は高いものとなっている。




かつて乗っていたレッツ2は、あらためて思い返してみても軽く小さく扱い易く、気軽に乗れる良いスクーターだったと感じる。よほどの事が無い限り自分が再び2サイクルエンジンのスクーターに乗る機会は巡って来ない訳だが、今現在、正にレッツ2を所有しているという方々には、ぜひ楽しく末永く乗り続けて頂きたいと、素直に思う次第。

とりあえずは、この備忘録の投稿が、何かしらのお役に立てば幸い。




■2013年5月2日 記事作成
■2013年5月5日 記事投稿
■2013年5月6日 図表一部修正 本文加筆修正
■2013年5月6日 図表修正 本文加筆修正 オイルポンプ変更内容詳細追記
■2013年5月7日 参考画像追加 本文修正
■2013年5月11日 本文追記
■2013年6月30日 モデル例 画像追記(引用:スズキ二輪)
■2013年6月30日 3分岐オイル供給エンジンを搭載する車体について追記
■2013年7月3日 ヴェルデ(初期型 モデルW)の判別要素に関する記述を修正
■2013年7月9日 本文加筆修正
■2013年7月29日 表現(説明)を一部見直し
■2013年8月9日 表現(説明)を一部変更
■2013年8月10日 型式とモデル名について追記
■2013年8月11日 誤字修正 一部余談を追加 
■2013年8月20日 一部余談を追加 
■2013年8月24日 モデルの大別について追記 画像追加 
■2013年9月11日 CA1KAに関する紹介を一部変更 画像追加
■2014年1月3日 文字数を減らした改訂版Aを投稿
■2014年1月3日 誤字脱字修正
■2014年1月5日 一部修正
■2014年1月8日 一部修正
■2014年2月13日 一部修正
■2014年2月15日 全面的に改訂
■2014年2月16日 中期型のヘッドライトバルブについて追記
■2014年2月18日 ウェイトローラー、バックミラーについて追記
■2014年3月9日 一部修正
■2014年4月19日 CA1KA発売当時の販売価格に関する記述と画像を追加
■2014年5月18日 文字を置き換え II → 2(ローマ数字2 大)
■2014年5月18日 ウェイトローラー(WR)に関する補足 改訂
■2014年5月25日 脱字修正、一部表現変更
■2014年6月29日 一部修正、表現変更
■2014年9月24日 オイルポンプの歩み AF50セピアM/N型エンジンについて追記
■2014年10月21日 一部改訂
■2014年12月5日 一部表現変更
■2015年5月24日 ターナー式バックミラーに関する部分など一部の表現を編集
■2015年9月21日 一部修正 暫定的に文字の色分けを実施
■2015年11月11日 ウェイトローラーに関する記述を改訂・追記
■2016年1月9日 オイルポンプに関する記述を改訂・追記
■2016年1月12日 オイルポンプに関する記述を改訂・ストリートマジックに関するメモを追記
■2016年7月22日 一部修正
■2017年1月11日 一部修正
■2017年3月12日 AZ50Uおよび同Dに関わる記述を編集 キックペダルのメモ等を追記
■2017年3月13日 一部追記 CA1KA/KBのサイドスタンドに関する記述を修正
■2017年3月15日 イヤーコードに関する記述 ほか一部を改訂
■2017年3月16日 モデルコードに関する記述を追記
■2017年4月2日 表修正 AZ50UTに関するメモを追加 ※文字数超過により本文一部削除
■2017年4月9日 CA1PAに関する案内を追加 文字数確保のために一部文章を削除
■2019年3月28日 CA1KA、およびAZ50UTなどに関するメモ他を編集
■2020年2月16日 CA1PBヘッドライト修正漏れ(誤30W → 正40W)
■2024年7月2日 スペシャルカラーモデルについて追記
■2024年12月4日 一部文章を手直し(内容に影響なし)
Posted at 2013/05/02 18:53:06 | コメント(1) | トラックバック(0) | スクーター | 日記
2012年01月15日 イイね!

スズキ UZ50D レッツ4 ややこしい仕様変更

スズキ UZ50D レッツ4 ややこしい仕様変更備忘録として投稿。

スズキの50ccスクーター、レッツ4。
モデル名:UZ50DL1、
型式:CA45Aについて、あれこれと書いておく。

内容はスズキ公式のサイト上の表記、
及びweb上の記事(web雑誌など)を元に記載。
一部に自分勝手な解釈や便宜的な表現が交じっている。

--------------------------------------------------

■レッツ4について
デビューは2004年。
その後、車体色の変更や数度のマイナーチェンジを受けつつ、
現在も販売されているスズキのスクーター。

発売当初のモデル名は、UZ50。
バリエーションモデルの廃止を機に、2009年からUZ50D(※)へと変更されている。

レッツ4もスズキのオートバイの例に漏れず、
モデル名の後に実質的な販売年を示す英数文字が付与される。
2009年までは~K9、2010年モデルからはL0~となる。

モデル名の確認方法は後述するが、
昨今はスズキ公式サイトでも個別のモデル名が確認が出来るようになっている。

(※)2010年モデルのみDが付与されない(UZ50L0・中国生産)。

--------------------------------------------------

■UZ50DL1のモデル違いについて
UZ50DL1(以下DL1)は、おおよそレッツ4の2011年モデルとして扱われているが、
実は販売時期により、前期と後期の2種類に分けられる。

2010年の冬に発売されたモデルと、2011年の初夏に発売されたモデルとの差異は、
大きく分けると次のとおり。

(1) メーターパネルのデザインおよびターンシグナルインジケーター
(2) リアキャリア

--------------------------------------------------

■画像で見る相違点
両者の差異を画像で確認すると、次のようになる。

・DL1前期のメーターパネル(当時のスズキwebサイトから引用)


・DL1後期のメーターパネル(当時のスズキwebサイトから引用)



・DL1前期のキャリア(当時のスズキwebサイトから引用)



DL1後期のリアキャリア(当時のスズキwebサイトから引用)



メーターパネルのデザインは、レッツ4バスケットを踏襲するかたちになっている。
大型グリップ付きリアキャリアも同様で、バスケットのリアキャリアが元となっている。

--------------------------------------------------

■DL1前後のレッツ4の差異について
上記のような細かいマイナーチェンジを受けた2010年~2011年のレッツ4だが、
実はDL1に限らず、DL1の前後にマイナーチェンジを受けたレッツ4の車体には、
更に細かく、しかも外観からの判別が困難という厄介な差異が存在し、
極端な解釈をすると、約2年の間に4種類のレッツ4が存在した事になる。

その4種類の特徴は次のとおり。

2009年4月~9月
 ■DK9
 5.0馬力、77km/Lを誇ったレッツ4の事実上の最終モデル。

2010年※詳細不明
 ■L0
 4.5馬力、73km/Lの中国生産モデル。lets4china(レッツ4チャイナ※)。
 67kg~68kgであった車重が何故か70kgとなった他、
 出力や燃費などの仕様にレッツ5と同じ数値が散見される事から、
 先行してレッツ5のエンジンを搭載していたのでは無いかと疑う事が出来る。

2010年11月
 ■DL1前期
 4.5馬力、73km/Lの国内生産モデル。
 搭載されるエンジンがレッツ5のものと統合された事が正式に発表された。
 車体はレッツ4だがエンジンはレッツ5、そして4.5馬力という事から、
 ある意味で『レッツ4.5(よんてんご)』といった印象を受ける。

2011年5月
 ■DL1後期
 DL1からのマイナーチェンジだが、モデル名は同一で、DL1のまま。
 新型メーターパネル、大型グリップ付きリアキャリアを新採用。

異彩を放つのは、やはり2010年製造販売のL0だろうか。
※lets4china(レッツ4チャイナ)という呼称は、スズキ公式サイトのファイル名からの引用。

--------------------------------------------------

■販売店の在庫と対応について
ここまで細かい差異があると、販売店も全てを把握しきれていない事が考えられる。

自分の経験談になってしまい恐縮だが、自分がレッツ4を契約した際は、
DL1(の後期型)で契約をしたつもりが、
DL1(の前期型)で契約が成立しており、
結果、在庫として店の車庫に保管されていた古い車両が納車される事となった。

このようなトラブルは、そうそう起こらないものかも知れないが、
古い型の在庫に対して現行型のカタログで商談をするという混乱は、
絶対に起こらないかと言うと、そうも限らないのではないか、と感じて止まない。

今でも販売店によっては古いレッツ4(~UZ50DL1)の在庫を保有しているところが
あるかも知れない(2012年夏現在、実際にある)ので、
これからレッツ4を買おうとしている人は、頭のどこかで注意しておいた方が良いかも知れない。

因みに自分のレッツ4の契約はどうなったか?というと、
・リアキャリアを当時の現行(DL1後期)のグリップ付きのものへと交換
・メーターパネル(とターンシグナルインジケーター)は諦める
というところを着地点としてこちらから提示し、ほぼ即決のかたちで話は収まり、
無事に納車される事となった。

--------------------------------------------------

アドレス110の時もUG110SYという同一のモデル名で仕様の異なる前期と後期が存在したが、
使っている部品どころか仕様が違ってくるのであれば、モデル名は、変えてもらいたい。



レッツ4のモデル表記シールの貼付位置。
このシールはシート裏面に貼付されている事が多く、そのため、
シートがassy交換されてしまうとモデルそのものの判別が困難になる事が
少なくなかったが、こうして車体側に貼付されていれば、
それほど困る事も無さそうな予感。

Posted at 2012/01/15 21:39:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | スクーター | 日記

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