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ひでじゅのブログ一覧

2021年04月21日 イイね!

冬物着衣のお手入れ・化繊インナー&アウターウェアの毛玉取り テスコム 毛だまトレタPRO KD901-W 毛玉クリーナー 改訂版

冬物着衣のお手入れ・化繊インナー&アウターウェアの毛玉取り テスコム 毛だまトレタPRO KD901-W 毛玉クリーナー 改訂版今回の投稿は、整備日誌にアップロードするには場違い感が甚だしい(はなはだ-しい)ネタゆえ、こちらのブログを選択することにした、着衣のお手入れの記録。

ぶっちゃけて表現すると、記事の内容は「冬物の毛玉処理」。ライダーはもちろんのこと、がっつり屋外作業に従事しておいでのお方や、屋内外を忙しく行き来するようなお方などに広く愛用されている化学繊維素材のウェアにおいて、何をどうやっても必ずついてまわってくる厄介な存在、『毛玉』のお手入れのお話。

タイトル画像に写っているのが、作業の主役である毛玉クリーナー・KD901-W。

このモデル900番台は、理美容・調理家電メーカーであるテスコムが提案する『毛だまトレタ』シリーズにおけるフラッグ・シップに相当するもので、商品名は『毛だまトレタPRO(プロ)』。メーカーによる価格設定は、税込4,378円。ネットショップなどを見る限り、実売価格は4,000円弱~3,000円台の半ば(※送料含まず)で、ポイント制の実店舗であれば、そのポイントの差し引きで実売3,000円強~相当あたりの価格帯が目立つが、その安さとは裏腹、秀逸な使い勝手や機能性の高さは、相当なもの。いざ所有してみると、割安感がすごい。

何はともあれ、使っているところをご紹介しないことには話にならないので、ここからは画像を連投。

(1)サンプルとして用意したポリエステル製の冬物着衣・3着

(2)劣化が激しい量販店(カインズ)PB品のジップ・シャツをチョイス※洗ってあって、この状態

(3)素材の確認・ポリエステル繊維100%※毛玉の発生しやすさ・S級

(4)作業前の様子※微グロ画像・お目汚し失礼

(5)作業開始・KD901-Wの通った道に毛玉は残らない――!(注:誇張)

(6)袖で見るビフォアー・アフター

(7)ひたすらジョリジョリジョリジョリと毛玉を刈り取っていく

(8)ここまでの所要時間、おおよそ10分間~15分間

――というわけで、テスコム KD901-Wが1台あれば、あんな着衣やこんな着衣の毛玉が、あっと言う間に処理できてしまう(※)――という、お話(注:誇張)。ちなみに当該900番台のモデルは、一般的な着衣から繊細なタイツなどの薄生地までの対応はもちろんのこと、布生地が用いられた様々な製品にも使用が可能――と、幅広い用途に向けた設計となっている。

ちなみに、やっていることは地道な髭剃りみたいなものなので、素材の表面積の広さ=実作業時間の長さに比例してしまうという現実から逃れる術は無く、手強い相手を処理する=長時間の作業となるのは、如何ともし難く。今回の作業サンプルに用いたような全身毛玉だらけ状態の着衣が相手だと、本当に――冗談抜きで、かなりの時間を要するので、その点は厳しめに考えていた方が無難。
具体的には、XLサイズのトレーナーで60分間~90分間程度が目安。もちろん、丁寧に、じっくりやるという前提で。そのため、スウェットやセットアップといった上下揃いの服となると――、うん。所要時間は、ご想像にお任せ。

率直なところを言わせてもらうと「徐々に飽きが来る」という点も含めて、そこまで現実は甘くも無い――という点は確かではあるのだが、やればやるほどキレイになる様子を目の当たりにするのは、とても楽しい。つきなみながら疲れも吹き飛ぶというもので、時間的な余裕と機械の冷却といった事情さえ許せば、延々と作業を続けることは可能だろう。

また、この類のクリーナーやカッターと言えば取り扱いを誤って生地に穴を開けてしまうというトラブルや失敗談がお約束のように付きまとうわけだが、この器具を使って穴が開く事態を招くことがあるとすれば、それは、すでに衣服の表面を構成する繊維素材が限界を迎えているときか、器具の動かし方が不適切なとき。自分としては、毛玉が「こより」のように成長しすぎた羊毛(ウール)生地の衣服にバンバン穴を開けてしまった思い出と、綿生地のカットソーのロンTの毛玉を除去している最中に余所見をしてしまい、ジャッ!と生地を噛ませた途端に穴を開けてしまった――といった思い出が、挙げられる。



最後に。
こちらの商品の最も大きなところは、やはり「二度と手に入らない服を、綺麗な状態に戻すことができる」という点。「節約」といった類のキーワードばかりが並べられがちな「毛玉取り」だが、お気に入りの着衣を自分の手で綺麗に出来るというのは、実に素晴らしい。何だかんだ言っても、数少ない「買っておいて損はない」と思える家電のひとつに、違いない。



※テスコム KD901-Wが1台あれば、あんな着衣やこんな着衣の毛玉が、あっと言う間に処理できてしまう
同シリーズには価格を抑えた下位モデル(700番台~500番台)が存在し、それらでも十分、毛玉クリーニングは可能。ただし、900番台には切れ味に優れる日本製のカッター刃が装備されていたり、素材の毛足の長さや強度に合わせてカットの高さなどを調整できるオプション・パーツが同梱されている(そのほか、コードレス使用を可能とするバッテリーの搭載)といった明確な差があるため、どうせ1台買うなら、奮発して900番台にしておいた方が……というのが、正直な気持ち。
Posted at 2021/04/21 22:42:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 防寒 | 日記
2021年03月13日 イイね!

バイク動画ネタ:台湾の総合スーパー・マーケット『カルフール林口』での日常

今回の投稿は、「これは見たことある?」系のもの。
お暇つぶしにでもなれば、幸い。

なぜ急に、そのような記事の投稿を――?と、いぶかしがっておいでのお方も、おられるかとは存じるが、強いて言うと今週になって低気圧の影響により、花粉症が一気に悪化してしまい、何か考えていないとor何か手を動かしていないと、ツラくてツラくて仕方なく。そんな、情けない動機。



場所は台湾の北部・新台北市にある、林口区(リンコウ-く)。
巨大な集合住宅が隣接する区画の一棟――、その地下にあるのは、世界的に有名なフランス発のハイパー・マーケットである『カルフール』の林口店。

ネタとして紹介されているのは、当該店舗が提供している地下駐輪場へ続く、その通路。

台北市在住の方をはじめ、「要考摩托車駕照,先来林口家楽福(※意訳:バイクの運転免許のテストをするのでしたら、まずはカルフール林口に来てください)」などと言われていたりするのだが…うん…うん?

◆参考動画:20160422林口家樂福機車道 2016/04/22 eyes chang



もう少しこう、何というか、手心というか…。

ちなみに、動画の題名と公開日時(2016年4月)からも分かる通り、このネタ自体は5年ほど前のもの。もっと言ってしまうと、この通路は建立当時からの構造だそうで、知る人ぞ知る通路として、そこから更に数年前から一部のライダーには知られていたそう(※Youtube上だけでも~2013年頃の古い動画が確認されている)。
それが2016年当時の台湾のライダーの投稿を機に、ネット・ユーザーの一部で盛り上がりを見せ、その様子が台湾メディアに伝わり、結果『“7秒直線”よりも難しい…女性ライダー泣かせのカルフール林口オートバイ通路』などといった記事で、あちこちへと伝播した――っぽい。

◆参考記事:ETtoday新聞雲 > 地方新聞(ローカル・ニュース)2016年04月22日 00:20
比「7秒直線」還難 林口家樂福機車道讓女生騎到哭
https://www.ettoday.net/news/20160422/684987.htm


自分は台湾ヘルメットの話題を掘っていたところで偶然、過去動画&過去記事に遭遇したのだが、web検索にかけたら、今年になって日本のまとめサイトでも拾われていた。もしかすると、自分が考えている以上にマイナー・メジャーなネタなのかも。

当該通路について補足しておくと、実際の道幅は約150cm(※上記・新聞記事内に画像あり)もあるとのことで、正直なところを申せば、それほど絶望的な環境というわけでもない。裏付けと言っては失礼かも知れないが、現に、標準的な250㏄クラスのサイズであるネイキッド・モデル・SYMのT2で、この通路を走行する動画も存在する。
何より映像上のインパクトの強さは、アクション・カム(ウェアラブル・カメラ)特有のレンズの影響(※広角・狭角レンズによる効果によって距離感が変化してしまう現象、ドラレコ映像で車間が近くor遠く感じる要因のひとつ)によるものなので、念のため…などと書いてしまったら、興醒めになってしまうだろうか。



◆知ったかうんちく:7秒直線

“7秒直線”とは、台湾における自動二輪車の運転免許(普通重型機車:50cc〜250cc以下の2輪・3輪)の実技試験項目の初っ端に設定されている、幅40cmの15メートル直線走行のこと。いわゆる『一本橋』に相当するもので、日本の教習所や試験場のような段差は存在せず、路面上のペイントで表示されているところが特徴。

呼び名の由来は、その既定。「“7秒”間以上を満たしたうえで“直線”を無事に通過する」、から。
台湾では、初心者殺し――悪魔的な項目として広く知られており、様々な“コツ”を伝授するwebコンテンツが、いくつも存在する。




◆知ったかうんちく:カルフール

カルフール(英文字表記:Carrefour)とは、総合スーパー・マーケットのチェーン店展開で知られる、フランス発の小売業を営む企業。台湾公式表記は、『家楽福』。グループの慣習として、地域名に対して『〇〇店』という呼称を用いないというものがある(※〇〇店とは表記せずカルフール○○、となる。台湾の林口の場合、店舗名は『林口家楽福』)。

世界30数か国以上への店舗展開を誇ったこともある、大手総合小売企業の一角で、競合する同業のライバルとしては、かの有名なコストコ(アメリカ)が存在する。

日本においては、コストコ(1999年~)に次いで上陸(2000年)を果たしたことでも知られる――が、グループの真骨頂たる「店舗の展開先における国内メーカーとの直の取引」を日本の各社から拒絶されてしまうという大失策により、開幕スタート・ダッシュに失敗。本国での経営不振などといった状況の悪化も手伝い、目標店舗数13に対して実現した開業店数8(幕張、南町田、光明池、狭山、箕面、尼崎、東大阪、明石とのこと、Wiki参照)、わずか5年足らず(2005年)で事実上の日本撤退を余儀なくされたという、手痛いエピソードが残されている(※手痛さ加減で言えば、かつて存在した同社の中国法人も相当、酷い目に遭っている)。

なお、そんなカルフールの日本法人を買い取り、ライセンス契約の満了を機に自社店舗へと切り替えたのが、日本のイオン。あなたの街の、そのイオンは、かつてカルフールだったかも?

Posted at 2021/03/13 22:23:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | スクーター | 日記
2021年03月08日 イイね!

ILM ILM-726X Dafima 726X系 ODMヘルメットのお話

ILM ILM-726X Dafima 726X系 ODMヘルメットのお話今回の投稿は前回から続く格好で、海外のマイナーなブランドのヘルメットの類、および購入品に関する知ったかぶりを披露する、自己満足のメモ。あらためて、その道のプロないし、セミプロレベルな諸先輩方を差し置いて、こんな知ったかぶりを披露する無礼をお許しいただきたく。

そして、この記事がインターネット通信販売、ないし海外ヘルメットのご注文をご検討中のライダーにとっての後学の種のようなものにでもなりましたら、幸い。

ちなみに今回ご紹介する例も、前回と同様、去年(2020年)以前の購入品。なぜ、そんな賞味期限が切れたような過去の出来事を投稿するのか――?、その理由は既にご説明した通り、単純に自己満足を満たすための自慢、と言うことで、どうか、ご容赦いただきたく。



◆全部同じじゃないですか(C)中川圭一

あらためて、コミネ最新モデルの一部と同型の既存モデルの、お話を。
2021年6月の発売を予定している、コミネ・HK-173 FLジェット・ヘルメットは、中国企業・ダフェイマ・オートパーツ・テクノロジー(Dafima Auto Parts Technology※)が展開するFASEED HELMETSのライン・ナップのひとつ、ハイブリッド・ヘルメトット・FS-726X "TROOPER(トルーパー)"と、かなり似た(共通点のある)内容のヘルメットとなっている。

※うんちく:中国企業・ダフェイマ・オートパーツ・テクノロジー(Dafima Auto Parts Technology)…江陰市(こういん-し/Jiangyin City/チャンイン・シティ)に拠点を置く、ODM系中国企業のひとつ。当該記事の作成から数ヶ月後に英字表現が変更(修正)された模様で、2022年秋現在の企業名は、『ダフェイマ・オートモバイル・テクノロジー(Dafeima Automobile Technology Co., Ltd.』となっている。

■参考画像:コミネ HK-173 FL ストリートジェットヘルメット



■参考画像:HK-173 FL ストリートジェットヘルメット マウスガード装着状態



■参考画像:FASEED HELMETS FS-726X TROOPER



ヨーロッパのブランド・FASEED HELMETSの「FASEED」はイタリア語で「段階的」といった意味合いをもつ言葉で、これは英語で言うところの「PHASE(フェイズ、変化における”段階”を意味する言葉で、Phase.1~Phase.2、などと用いられる)」に相当するものとなっている。

各種製品は『FS』から始まる製品の型番が特徴で、当該FS-726Xには、そのミリタリー感に富んだ外観に合わせて騎兵や落下傘(らっか-さん)部隊員を意味する『TROOPER(トルーパー)』という商品名が与えられている。

ブランド本来のヘルメットには磁力着脱式の最新ネック・ストラップなどは用いられていない(※)が、全体の構造がコミネ社の商品と共通である様子は、画像からも見て取れる。

■参考画像:HK-173 FLとFS-726X TROOPER



※うんちく:最新ネック・ストラップこそ装備されていない…ODMヘルメットにはシールド・バイザーやネック・ストラップのクロージャ―(留め具)といった部分で他銘柄との差別化が行われるケースが目立ち、今回のコミネ社の新商品も、その点で差別化が図られているものと推測。



ダフェイマ社供給の726X系ヘルメットは、南米、北米、欧州、極東――世界の各地に同型品が存在する。コミネの製品も、それらに加わる格好となるだろう。その点で、恐らくは現在、世界的に最も高い人気を博し、かつ高い知名度を有しているであろう同型モデルとしては、欧州方面で流通しているアストン・ヘルメットのエレクトロン(Astone Helmets Elektron)を挙げることができる。

■参考画像:Astone Helmets Elektron



FASEEDの726Xと比較し、AstoneのElektronヘルメットの情報は、web検索にヒットしやすい。そのうえで得られた印象としては、おおよそ酷評の類は見当たらず、どちらかと言えば、おおむね好評、好意的に迎え入れられている様子。しかし、本質を言ってしまうと726X系とは「廉価品」そのものであり、品質も機能性も、一般的なモーター・サイクル・ヘルメットと比較すると、(ウッ…!)と、悪い意味で唸らされるところが多々、存在する。詳しくは、後述。



◆アメリカでは存外マイナーな地位に甘んじている?ダフェイマ製品

ダフェイマという業者が製造しているODMヘルメットは、大手~中小規模のショップが提案するプライベート・ブランド品として、ちょこちょこ見かけることがある。そのうちのひとつが、アメリカのILM。

■参考画像:ILM Motor Cycle Helmet ILM-726X



こちらが、北米アマゾン(Amazon.com)の窓口にて提供されている、ILM(I Love Motorの略※)のストリート・ファイター・モデル、ILM-726X。

※ILM(アイ・エル・エム)…北米を中心に商品の提案を展開している、ヘルメット・ブランドのひとつ。「I Love Motorの略」としていたブランド名の由来を2022年頃に刷新し、現在は「Inspire to Live More(もっと生きるためのひらめき、的な言葉)の略」と表明している。

■参考画像:ILM-726X Amazon.com上での販売ページ(ILM)



――で、自身が購入した品物が他でもない、このILM-726X。この他、南米においてはAVXというブランドからFS-908という商品名にて同型のヘルメットが流通していたりもするが、南米の商品はweb検索が難しく、どこの会社が提供しているブランドなのかまでは確認できず。閑話休題。



◆ILM-726X モジュラー・ヘルメットの率直な感想

ここまで、長々と前置きやうんちくの垂れ流しにお付き合いいただき、恐縮。
肝心の、ヘルメットのお話をば。

第一印象は、「安っぽい」ではなく「確かに安い品物」という、身も蓋も無い現実。実売80USドル以下の典型的な100ドル・メット(※)なので、当たり前と言われてしまえば、当たり前。今夏に発売を控えているコミネ版はフル・セットで標準小売価格が税込19,000円を超える(13,500円+3,800円+消費税10%)のだが、SGおよびPSC、そして最新の磁力クロージャーといったコスト増を考えても、なお、その差は大きいように思えてならない。

※うんちく:100ドル・メット…その文字列の通り、100USドル以内、ないし100USドル前後にある廉価品を意味する言葉。726X系の相場は80USドル、1,500メキシコペソ(MXN、約8,000円)、9,000アルゼンチンペソ(ARS、約1万1千円)といった具合で、100ドル・メットの範疇にある。

■参考画像:ストリート・ファイター系ジェット(モジュラー)モデルとの比較



一番奥に置いてあるのが、726X。
既存のストリート・ファイター系モデルと比較し、サイズ感に大差はなく、むしろ若干は小ぶりかな?というのが、726Xの印象。その大きさに相応しく、確かに軽い、という特徴も。

■参考画像:ILM-726X 安物くさいのではなく、実際に安いヘルメット



この商品のカラーは、マットのメタリック・グリーン。アウトドア用品っぽい色味に対する興味・関心から、思い切って選んでみたのだが、予想に反して質感が低く、安っぽさが、きつい。素直にマット・ブラックにしておいた方が良かったかも。

■参考画像:ILM-726Xのエア・インレット&アウトレット(1)



頭頂部に設けられた、エア・インレットとアウトレットの様子。スイッチのあるスリットに設けらている刻印はOがオープン、Cがクローズ。

開口部が広く見える豪快な造形だが、帽体に空けられている換気口は小径かつ少数で、肝心の機能性は決して高いものではない。どちらかと言えば、デザイン優先。雨の日に上から雨水が侵入するであろう、おバカ構造は、昨今の海外ヘルメットに散見する一種のお約束。試してはいないが、きっと水が染みると信じている。

■参考画像:ILM-726Xのエアインレット・アウトレット(2)



フェイス・マスクの裏側には、換気口の開閉スイッチを装備。上下のスライドで、ON/OFF。この類のヘルメットで、ここの開閉が選択できる構造のフェイス・マスクというのは、正直、珍しいのでは。機能性は、ぼちぼち。

■参考画像:ILM-726Xのエアインレット・アウトレット(3)



726X系の購入&利用者としては、最も腹立たしく、最も忌々(いまいま)しい構造が、こちら。ベースとなったジェット・ヘルメット・726(無印)系から増設されたプラスチック・パーツが、帽体の両サイドに設けられている開口部――サイド・ベント(換気口)を覆っているのだが、この樹脂部品が、このヘルメットを被っていることがバカバカしくなるほどの、強烈な風切り音を発する

■参考画像:FASEED HELMETS FS-726(無印)ジェット・ヘルメット



画像の通り、姉妹品の726(無印)系の耳の外側には、当該パーツは存在せず、内部にメッシュを備えた開口部のみが口を開けた格好となっている。

■参考画像:726(無印)系と同型製品 Acerbis JET Aria



こちらは、ヨーロッパに流通する726系ODMヘルメットの一種・Aria(アリア)。紹介ページには、「Rear and side vents to increase the maximum ventilation.(最大通気性を高めるためのリアベントとサイドベント。)との商品説明が掲載されており、耳の両側に設けられている穴が換気口である事実が、明確に示されている。

問題の726X系の換気口カバーは、恐らくはドレス・アップ・パーツ、「純然たる飾り」として取り付けられたものと考えるが、それにしたって、この音の鳴りっぷりは余りに酷い。バイク用の耳栓をもってすれば、ある程度の騒音は抑制できるわけだが、街乗り用途のジェットヘルメットに耳栓を組み合わせるというのは、それはそれで辛い(※周囲の音まで抑えられてしまうため、危ない)。いっそ、カバーの奥に詰め物をして(穴を)塞いでしまう、というのも、ありかも知れない。



■おまけ参考画像:Astone Helmets Elektronのオプション・バイザー



否定や愚痴ばかりを羅列し続けるのも申し訳ないので、建設的というか、閲覧してくださった方に収穫がありそうなネタを、最後にひとつ。726/726X系のインナー・バイザーには、透明、スモーク、ミラー(複数カラー設定あり)が存在するのだが、供給先の商品によって、標準装備および付属品の内容に、差異がある。

・FASEED → スモーク・バイザーが取りけられた状態で梱包
・ILM → 同上
・Astone → シルバー・ミラーが取り付けられた状態で梱包+クリアーが付属

FASEED/ILM提供地域では、透明なインナー・バイザーが別売のオプション扱いで「transparent(トランスペアレント※ガラスのように透明、の意) Visor」として、設定されている。

「標準でスモーク?お得じゃないですか!」――などと思われるかも知れないが、そこを油断できないのが中華ODMヘルメット。標準スモークの濃さが常用バイザーとしての許容範囲を超えており、日常での使い勝手が、すこぶる悪い。もはや真夏の避暑地で着用する真っ黒なサングラスのような濃さ(暗さ)であり、夜間は言うまでもなく、薄暗い場所で難儀するレベル。

そこで急遽、取り寄せることとなったのが、上の画像のイリジウム・ミラー。その正体は、ヨーロッパで流通しているAstone Elektornのオプションである、リプレイス・バイザーの、レインボー。ここ最近のヨーロッパ地域では、クリアーにミラー・コート、ないし、ソフト・スモークにミラー・コートというリプレイス・バイザーが存在しており、これがまた、利便性の高いものとして重宝されている節がある。今回、取り寄せた商品は正に、その類。

■参考画像:透過率とは裏腹に、なかなかの光具合を見せるレインボー・ミラー



画像では綺麗に外光を反射しているが、実際は(良くも悪くも)光の透過率に優れているため、それほど視界に影響が及ぶことは無い。逆に言えば、日中の日差しなどは確実にサングラスの内側へと届いてしまうため、ライダーの目・鼻・顔・メガネなどは外から丸見え。早朝~夕暮れまでの風除け・水滴除け・軽い日差し除けとしてのサングラスとして考えれば機能性は十分に備わっているが、顔隠しの目的で手を出すのであれば、これは止めておくのが無難。純正スモークの方が、圧倒的に顔は隠れる。



◆ILM-726X モジュラー・ヘルメットのサイズ感

肝心なことが、後回しになってしまった。
海外ヘルメットで忘れてはならない、被り心地について。

コミネのHK-173が、どうなるのかは置いておくとして、既存の製品の状態を率直に申し上げると、726Xはスペイン人などに代表される、前後に長い頭に合ったタイプ。記載こそ見当たらないが、これはOval(楕円)寄り。具体的には、Natural/Intermidiate~Long Oval寄りのShape。昭和世代には「ショウエイ頭」といった比喩表現が、伝わりやすいかも。

※「ナチュラル」「インターミディエイト」とは自然な・普通寄りな楕円形状を表すもので、「ロング・オーバル」は、かなりきつめの(左右が潰れて縦長となった)楕円形状、という意味合いの表現。

普段、自分が選んでいる海外ヘルメットは、L size、59-60cm。
SharkやCabergといったRound Ovalのモデルが、ジャスト・サイズ。
その頭で726Xを被ったところ、横幅こそジャストながら、後頭部をフィットさせるようにアジャストすると、ひたい(オデコ)に手指が1~2本ほど入ってしまう状態。

自分がIntermidiate~Long Ovalのモデルを被ると、まず、そういった状態に陥る。直近ではLS2の現行品・OF599 Spitfireジェット・ヘルメットのLがきつく、ではXLは?と言うと、これが絵に描いたようなOvalで、オデコがスカスカになるという有り様だった。

自分の頭蓋骨は前後に長い形状だ――、との自覚をお持ちの方であれば、FASEED~ILMの帽体(EPS)との相性が良い可能性が、考えられる。そうでない場合、よほどデザインやスタイルが気に入ったとしても、購入は見送られた方が、よろしいのではないか、と考える。



◆ILM-726X モジュラー・ヘルメットの各部あれこれ

インナー・パッドは、そこそこの肉厚と弾力、適度な、もっちり感。
表皮素材は、ちょっと珍しい毛質。ビロード?ベルベット?例えが難しい。触りや質感は上々なのだが、冬物の着衣の表地のような、クマのぬいぐるみの表面のような……、言わば真夏の環境下では肌に密着させたくないような暑苦しさを、想像させるものとなっている(画像を用意するべきだった)。価格帯から予想される通り、内装類の生地には、抗菌や冷感といった機能素材は、用いられていない。

前述の通り、軽さは好印象。公称1,300g、プラスマイナス50g。フル装備状態での体感的な重さは、確かに1,400gのメットのそれくらい。一昔前は「安価なヘルメット=重たい」というのが定説だったが、昨今は「安物のABSメットこそ軽い」というケースも、少なくない。

100ドル・メットゆえのアラはある。具体的には、塗装の異物や荒れ、樹脂パーツの角部のバリ、接着剤のはみ出し、etc……、しかし各部の組立・接着、内装の裁断・縫製は、及第点に思う。総じて、80USドルのオートバイ用DOTヘルメットとしては、無難な感じ。

自分の場合は、送料込みで約120USドルでの入手となったが、それくらいなら、妥協できるかな。アメリカからの空輸料がお高かった点も、ちょっと離れた場所の専売ショップに出向くための往復の高速道路+出先の駐車場代+ガソリン代などの合計~5,000円くらいが一発で飛んだと考えれば、まあ、納得できるかな、と。



◆最後に。

記事内にて使用しているコミネ公式サイト、ならびに各ヘルメット・メーカーにおける製品ページのキャプチャは、引用の目的での記録と加工を施したJPG画像ファイルであり、企業サイトの警告する複製や無断転載の意図、および認識は無く。閲覧者の皆様におかれましては、ご理解をたまわりたく。

このような長々とした駄文、乱文に最後までお付き合いくださったご厚意に、心から御礼申し上げる次第。これに懲りずに、次回もご覧いただけましたら幸い。




■2025年11月1日:ILMのブランド名の由来に関する部分を編集(更新)。
Posted at 2021/03/09 00:40:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2021年03月01日 イイね!

中国ODMヘルメットメーカー・ダフェイマに関する知ったかぶりメモ

中国ODMヘルメットメーカー・ダフェイマに関する知ったかぶりメモ今回の投稿は、海外のマイナーなブランドのヘルメットの類、および購入品に関する知ったかぶりを披露する、自己満足のメモ。あらためて、その道のプロないし、セミプロレベルな諸先輩方を差し置いて、こんな知ったかぶりを披露する無礼をお許しいただきたく。

そして、この記事がインターネット通信販売、ないし海外ヘルメットのご注文をご検討中のライダーにとっての後学の種のようなものにでもなりましたら、幸い。

ちなみに今回ご紹介する例も、いつぞや同様、2020年以前の購入品。なぜ、そんな賞味期限が切れたような過去の出来事を投稿するのか――?、その理由は以下、本文にて。



◆コミネ、新商品を発表――!…あれ?海外メット?


まずは、今回のブログ投稿に至るまでの、経緯から。

さかのぼること数日前、2021年の2月某日、国内バイク用品メーカー・KOMINE(コミネ)が公式サイトにて新商品情報を発表したところに偶然、遭遇したところに端を発する。そこには、様々な新商品が掲載されていたのだが、ヘルメットのカテゴリーを見進めていくと、そこで、少なくともジェット(モジュール)、フルフェイス、フリップアップ・ヘルメットの計3点が、中国企業・ダフェイマ・オートパーツ・テクノロジー(※ → ダフェイマ・オートモバイル・テクノロジー/Jiangyin Dafeima Automobile Technology Co., Ltdに、英字表記を更新)のODMモデルと同型であるという事実に気付く。


■参考画像:KOMINE HK-170 FLとFASEED HELMETS FS-820(画像引用:コミネ・FASEED)




■参考画像:KOMINE HK-171 FLとFASEED HELMETS FS-908(画像引用:コミネ・FASEED)




■参考画像:KOMINE HK-173 FLとFASEED HELMETS FS-726X(画像引用:コミネ・FASEED)



こういったODMモデルの供給自体は、何も非難されるようなことではなく、むしろ海外ヘルメット好きとしては、それまで入手が困難だったモデル&別売品を日本にいながら(比較的容易に)購入できるようになるという発売予定は、むしろ歓迎するところ。なんせダフェイマのモデルと言えば、国際発送が可能な海外の二輪用品店、ないしAliexpressのセラーあたりから入手するしか、ほぼ選択肢が無かったのだから。

ところが、その直後となる2021年の3月1日に発信された続報――コミネ社による2021年春カタログ(webデジタルカタログ)を見るに至って、話が変わってくる。なんと、そこには、新型ヘルメットのすべてがコミネによる新開発商品であるかのような表現が(画像付きで)掲載されていたのだ。


■参考画像:2021年 コミネ春夏カタログ(2021.03.01)Page 130(画像引用:コミネ)



> since1947
> 60年前コミネはヘルメットの会社だった
> ただヘルメットを売っていただけではない
> 当時の最高の素材と最高の技術で
> 最高品質のヘルメットを自社製造していたメーカーだった
> いつしか忘れさられてしまったそのDNAが
> 現在の最新の技術に独創的なアイデアを加え
> 2021年遂に復活を遂げる
> 60年前と同じマークと共に


最新の技術に独創的なアイデアを加え――???

少なくとも今回のラインナップのうち、170・171・173の3種類に限って言えば、それはダフェイマ社が、あらかじめ、既にODM供給を前提として完成させていた仕事の成果物に他ならない。それらの商品価値として「現在の最新の技術と独創的なアイデア」といった言葉を並べるのであれば、そこはダフェイマ社の名前を表に出すべきだろう。製造元:ダフェイマ、生産国:中国、と、明確に示すべきだ。

しかしコミネ社は、そのようなことはしていない。
うん。この売り方は、どうなんだろう。

先にも記述した通りODMモデルで商売をしていただくのは結構な話で、歓迎もするのだが、それらの研究・設計・開発・製造・生産を担っているサプライヤーの存在を伏せ、あまつさえ、その手柄までもを「(自社の)最新の技術」「(自社の)独創的なアイデア」と吹聴していくスタイルは、どうにも許容し難く、好きにはなれない。

コミネというブランドや会社は嫌いではなく、どちらかと言えば好印象なところがあったのだが、今回の件も含め、少なからず、これまでとは見方は変わったかな。

余談ながらKOMINE HK-170 FL、KOMINE HK-171 FL、KOMINE HK-173 FLの三種と同様の外観を持つモデルは、台湾の『RYO』という二輪用品ブランド(RYO Racing Wear Enterprise Co., Ltd.)からもオリジナル・ヘルメットとして提案されている。RYO版は商品名・型名がFASEEDのそれと同じものであるが、これはODMヘルメット界隈では、珍しくない。その他にも欧州方面においてはヘルメット・ブランドとして比較的、知名度のある『ASTON』からもダフェイマのODMモデルが提案されていたりもするのだが、同社の製品は北米・南米・欧州・アジア――と世界中に出回っているため、探せば探すほどに様々な亜種が見つかるのではないか、と考える。



◆実は、ただ自慢したいだけだった――というオチ


――んで。そんなことを書くためだけに、この記事を投稿したの???となるわけだが、正直なところ、このブログをアップロードするに至った本当の動機には、もう一つ、発売予定のHK-173と同型のヘルメットである、ダフェイマ社供給のヘルメット・726X系を、実は自分が既に所有している(※去年購入済み)であることを、このタイミングで自慢したい――!というものが、あったりする(※露骨)。


■参考画像:ILM-726X ILM Open Face Motorcycle 3/4 Half Helmet



FASEED Helmets FS-726Xと同型のODMモデルである、ILMotorのILM-726X。北米公式webサイトにおける“Open Face Motorcycle 3/4 Half Helmet”という微妙に謎めいた表記が愉快なヘルメットなのだが――、詳しいお話は、また後日。
Posted at 2021/03/08 18:31:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2020年08月09日 イイね!

「海外ヘルメット好きかい?」「大好きさ!」 改訂版

「海外ヘルメット好きかい?」「大好きさ!」 改訂版今回の投稿は、海外ブランドのヘルメットの類、および購入品に関する知ったかぶりを披露する、自己満足のメモ。まずは、その道のプロないし、セミプロレベルな諸先輩方を差し置いて、こんな知ったかぶりを披露する無礼をお許しいただきたく。
そして、この記事がインターネット通信販売、ないし海外ヘルメットのご注文をご検討中のライダーにとっての後学の種のようなものにでもなりましたら、幸い。

ちなみに今回ご紹介する例の多くは、去年以前(~2019年)の購入品。
なぜ、そんな賞味期限が切れたような過去の出来事を投稿するのか――?、その理由は全く大したものではなく、実は、この度クラウドと外付けのドライブのトラブルを期に、供養的な意味合いで未使用のバックアップ画像を用いたブログをアップロードして、満足したくなっただけ。
閑話休題。

■FC-Motoでお買い物の巻
まずは、注文のお話から。
今回は一例として、いつの頃からか北米アマゾンと同じレベルで警戒心を持たずに利用するようになってしまったドイツの二輪用品販売店、FC-Moto(エフ・シー・モト、以下:FCモト)でのお買い物をご紹介。

FCモト――、それは数多(あまた)の言語と通貨への対応、各国への国際発送、そして確かな清算を実現させる信頼性の高いショッピング・サイトの運営で知られるドイツの二輪用品販売店。日本においても、外国の一流~三流どころのヘルメットをweb検索していると、かなり高めの頻度で商品情報が該当し、結果として店舗名が画面に抽出されることが多いため、知らず知らずのうちに視界に入っているというライダーは、決して少なくないはず。

そんなFCモトは、かの有名なオンライン決済サービス『ペイパル(PayPal)』、そして、知る人ぞ知るAmazon.comの提供する電子マネー決済サービス『アマゾンペイ(Amazon Pay)』に対応している。これが、先ほど触れた「確かな清算」のこと。

本来、ドイツに店舗があるFCモトのショッピングカートは、当然のようにドイッチュランド――つまりドイツアマゾン(Amazon.de)のアマゾンペイに対応しているのだが、実はこれ、北米アマゾン(Amazon.com)のアカウントがあれば(北米のアカウントを経由することにより)その清算(代金支払)方法として普通にアマゾンペイが選択可能であることを、意味している。



こちらは、FCモトの支払方法選択画面をキャプチャした様子。支払い方法としては、最もオーソドックスなクレジットカード情報を入力・送信するという選択肢も用意されてはいるのだが、見ず知らずの外国のwebサイトにカード番号を打ち込むのはちょっと――というのは、誰しもが意識し、そして不安を抱いて然る(しかる)べきところ。という訳で、ここで白羽の矢が立つのが、第三の選択肢・アマゾンペイだったりする(※ちなみに、わたしはAmazon PayもPaypalも利用可能)。



元々はダメ元での入力だったのだが、北米のアカウントを入力すると、これまた全自動でドイツのアマゾンに紐付けされて、登録完了。スゴいね、通信網(ハートマーク)。

そんなこんなで支払いを済ませ、しばらくすると、海を越えてヘルメットがやってくる。きた。では、その荷姿をご紹介。



ケイバーグ――と言うか、カバーグ(CABERG)のヘルメットを購入した際の、段ボール箱。なお、“ケイバーグ”は英語読みで、現地での呼称は、“カーベルグ”。



開梱すると、こう。別売のシールドバイザーは、そのまま(箱の中に)置かれているだけの状態。実は、FCモトには「梱包にエアパッキン(プチプチ)を用いる」という慣習が無く、複数まとめオーダーにおいては、小ぶりサイズの商品が荷物の上に置かれた状態で梱包される(下敷きに置かれていないだけ、まだマシでは、ある)。同時注文のヘルメットのオプション(バイザー)くらい、(対となるヘルメットの)商品の箱の中に収めてくれれば良いのに――と考えてしまう事も、ちらほら。



変わって、オリジネ(ORIGINE)とボゴット(BOGOTTO)のヘルメットを購入した際の、段ボール箱。『オリジネ』はヨーロッパ読みで、アメリカ読みだと『オリジン』となる。『ボゴット』は「ボガット」と表記している日本のショップがあったりもするのだが、ロシアでもドイツでもアメリカでも『ボゴット(ボゴトォ)』と発音している様子がうかがえるので、そのまま(アルファベット通りの)『ボゴット』と言った方が、合っていそうな予感。



オープン・ザ・ダンボール箱。商品同士の隙間に差し込まれているのは、スコーピオンEXO・カバート(コバート/欧州名コンバット)の別売品である、オプションパーツのスカルフェイスマスク(ヨーロッパ仕様)。FCモトでの取り扱いが始まったところで、がっちりゲット。この商品、北米版のグラフィックは非常に醜い豚鼻(ブタバナ)で、欧州版は草食動物を彷彿とさせるスマートな頭骨の図版になっているのが、特徴。

こちらのオーダーにおいては、同梱品の扱いに関して機械翻訳の英語で「プリーズ・インサート・クッション」的なコメントを送信したのだが、やっぱりガン無視。どうやら、箱詰めの仕方は固定されている模様。

■海外ヘルメットの品質・開梱編
海外ブランドのクオリティ――と言うよりも、海外生産品の品質チェックの質の違い、と考えた方が良いのだろうか、どうもヨーロッパの商品は、日本のそれと異なる管理の下で売買されているように思えるふしが、チラホラある。



カバーグのフリップアップヘルメット・ドロイドの内容物。ピンロック・バイザーが同梱されているのだが――、うん、これはちょっと。



近寄った様子が、こちら。キミらの倉庫は屋外に開放されているか、それとも農家の納屋のような環境なのか――などと、問い詰めたくなるレベルで砂埃だらけ。



変わって、オリジネとボゴットのヘルメットをバッグから取り出したところ。左右どちらのモデルも世界中にODM品が存在しており、北米においては、それぞれ左から順にSpeed & StrengthのSS900、そしてSS1600の呼称で通じるくらい、露出の多いヘルメットだったりもする。して、その正体は、H&HのVCAN・V126系、およびJPHのLS2・FF302系(※)。で、一見して、まともな状態で届いたかのように思えたふたつだったが、じっくり確かめると、やっぱり無事だなんてことは無かった。



拡大。



補正で、付着物を強調した画像。
開梱直後、微小な昆虫の群れか何かかと思って叫びそうになったのだが、そ――っと観察すると、それが単なる化学繊維の切れ端と分かり、ほっと胸を撫でおろす。犯人は他でもない、ヘルメットバッグ。樹脂帽体の静電気に吸着されたのだろうか、上から下から端っこまで全体くまなく、びっしり糸くずだらけの状態。隙間にまで吸い込まれているため、もう、除去が大変。



きっちり刺繍で仕上がったロゴなど、ちょっと見た感じではオリジネの方が豪華な印象なのだが――、繊維クズが酷く、ちょっと使用に堪えられない。洗ってみても、やはり厳しい。同様のトラブルは、スコーピオンEXOのバッグでも経験しており、バッグの品質にも様々あるのだな、と。

※JPHのLS2・FF302系…
ODM系ヘルメットには詳細の分からない謎に満ちた製品ばかり存在するのだが、このFF302系も、”君の謎は僕たちの夢”とでも言わんばかりの勢いで謎に包まれたヘルメットとなっている。
具体的に書くと、どうも302系を含む、ある時期に供給されていたLS2のいくつかのヘルメットは、どうもLS2(JPH)が作っていなかったっぽい、のだ。
はっきり分かっている訳では無いが、当時から続く妙な状況から察するにFF302系を含むLS2ヘルメットの一部のモデルは、外部委託によるODMヘルメットだった可能性が高い(あの異様に品質の低いカーボンモデルとかも多分、こっち)。
302系と同型のODMヘルメット類がH&H系の流通に乗っている状況を踏まえると、それらはHehui(ヘー・フイ/Shanghai Hehui Safety Products Manufacture、世界的規模でODM商売を展開している上海の巨大企業)絡みの施設で製造されたものではないか?と考えているのだが、未だ正しい情報は見つからず。お役に立てず申し訳ない所存。
ちなみに302系とはどういうものかと言うと、日本の2りんかんが展開しているオリジナル・ブランド『MOTORHEAD RIDERS(モーターヘッド・ライダーズ)』のオリジナル・ヘルメット『THRASH(スラッシュ)』や、中国の卸問屋ブランド『GXT』の代表作である『GXT999』などが、それにあたる。一見してLS2のそれ以外に見えないため、ついついLS2(JPH)のODMと思い込みそうになる。

■海外ヘルメットの品質・本体編
開梱、開封、そして実際の品物に触れてみて、これは――、という出来事も、海外品ならではと言うべきなのか、そこそこの割合で発生する。



先ほども例に挙げたカバーグのドロイドの帽体表面、マットブラック仕上げの塗装面に広がる、オイル染み。もう、初見のときは血の気が引く勢いで「やられた。ハズレが送られてきた」と、その場で固まってしまったのだが、果たして、この染みはクリーナーで除去でき、難を逃れる。



一応、リカバー作業の様子も。



変わって、オリジネ・GTヘルメットの後頭部、ディフューザー割れ。到着した時点でブリッジ状の造形の根本がバッキリと破損しているように見えたのだが、観察してみると、接着剤による固定部のように見えなくも無い。むしろ、どこからどう見ても部品同士の合いが悪く、何をしようが、足の部分が帽体側に届かない。造形不良なのか破損なのか――、なんにしても接着剤による固定は諦め、そのまま放置に決定。



次の例は、パーツ単位での品質。こちらは、シャークのシールドバイザー。



スパルタンやスクォール向けのダークスモークAR、アンチスクラッチ。やたらと濃い(暗い)ことで知られるシャークのダークスモークは、現地では透過率適合において公道使用不可(不適合)とされる、レース専用パーツ。どれくらい暗いかと言うと、これだけ暗い。



自分は鳥目なので、山陰の薄暗さどころか木陰でもヤバイ――、という危機感を抱くレベル。トンネル?いや、無理。で、問題の品質はそこではなく、製品の包装と、在庫の管理?の点。それが、こちら。



プラスチックバッグ(ビニール袋)なのだが――、とにかく擦れと破れが酷い。擦過傷や打痕のオンパレードで、トドメが、これ。



決して、いわゆる『ウケ』を狙って故意に穴を開けた訳では無く、到着した時点で、この大穴が開いていた。この有様で内容物であるシールド本体の表面が無事だったのは、奇跡的。実際、アメリカから送ってもらったスコーピオンEXOのミラーシールドバイザーは、包装を突き抜けて、最も弧を描く真正面に擦り傷が付いてしまっていた――ということがある。

シャークと言えば、こんなことも。ダラク(DRAK)系の最新アイテムとしてデビューしたATVダラク/Xダラク/Sダラク(ATV-Drak/X-Drak/S-Drak)の新生ダラク三兄弟の中から、最も廉価バージョンである単色のATVダラク(ATV-Drak Blank)を購入した際の出来事。付属品である着脱可能なピークドバイザー(おでこに装着する、日よけ)が箱の中で暴れてしまったようで、その角とぶつかったヘルメットの帽体の表面に、いくつもキズがついていた――、という思い出。



こんなキズが、四か所ほど。どれも除去出来るレベルで良かったが、根本的なところは何も、良くはない。



シャークと言えば、こんなのも。一世を風靡したシャーク・ロウ(SHARK RAW)の後継品であるダラクの迷彩カラー・クオーツカモ(Drak Kurtz Kamo)の、おでこのエンブレムが中心からずれていた――という、稚拙な出来栄えの例。



余談ながらダラク系には、始祖であるロウの初期モデルと後期(改良)モデル、そして刷新された後継品のダラクおよび改変モデルであるストリートダラク(Street Drak)など数多くのバリエーションが存在し、額のエンブレムも立体型からペイントロゴまで様々なものが登場している。



ペイント処理されているロゴは良いのだが、こと立体型のエンブレムに限って個人のブログやレビューなどを閲覧していくと……、かなり適当に貼付されているのだろうか――、傾いていたり寄っていたり、妙にチグハグしていることが分かる。ジグ(治具)などを用いずに貼り付けているのか――、と勘ぐってしまったりもするが本当の所は、分からない。



結局のところ気付いた人≒購入者が直す他は無く、自力での補修・修正となった訳だが、案外と素直な糊(のり)で、貼り直しが容易に可能だったところは、ありがたい。いや、ありがたがるところでは、ないのだが――。

■海外ヘルメットの品質・耐久性
これは使い方次第なのかも知れないので、一概に「こう!」と書く訳にはいかないと思うのだが、それでも、ひとつの例として投稿しておいてもバチは当たらないかな――、というもの。



令和元年・2019年の5月購入、その後、使用回数10回足らずの状態だったオリジネ・GTヘルメットの内装の様子。ある日、部屋のカーペットに黒いクズが落ちていて、なんのゴミだろう――?と、いぶかしがっていたのだが、その原因は、これだった。指で触れると、ボロッと崩れるように剥がれていく。いわゆる、加水分解(かすい-ぶんかい)というダメージ。



確認していくと、帽体の右側に損傷が集中しており、3か所ほどダメになっている。オリジネのヘルメットは、今回のGT以外に触れたことがないのだが、手にもって持ち上げただけでギシギシと音が鳴り出す貧相な樹脂帽体を含め、もしかすると価格と品質が釣り合ってないのではは無いか――と、製品の価値を疑う結果に、近付きつつある。

なお、ORIGINEの供給元であるH&Hの系列のグッズは、TORCやBOGOTTOの他に、有名どころとしてVCAN(ヴィーカン/赤字のVとCANのロゴ、アイテム番号がVから始まる。昔からあるVcanとは、別)がある。日本国内では、福岡県のクレストジャパン(CREST)が販売している製品(ジェット、システムヘルメットなど)が、それ系。ボゴットのシステムヘルメットの代わりにクレストの品物を買ってみようかと考えていた矢先にオリジネGTの内装がこうなってしまったので、しばらく様子見中。

■「海外ヘルメット好きかい?」「うん大好きさ!」
余談ながら、こんな記事を投稿しようとしている間も、海の向こうからは新しいヘルメットが、こちらを目指して移動中。



こちらの商品は、ILM(※…ILMotor、カリフォルニア州都・サクラメントに店舗を持つ二輪用品店。ブランド名は、I Love Motorの略)のスリークォーター・オープンフェイス・ヘルメット、 726X。

ヨーロッパの品物をチェックしているシニョーレにはお馴染み、この製品は、かつて台湾ゼウスが製品を供給していたこともある欧州ブランドとしても知られるASTONE(アストン)のモジュラー・ヘルメットの一種、エレクトロン(ASTONE ELEKTRON)と同型の製品。ベースとなっているのは、中国のダフェイマ・オートパーツ・テクノロジーが供給するファセド・ヘルメット(FASEED HELMETS、ファシード・ヘルメット)のFS-726X型ヘルメット。型番を共有するのは、ODMならでは。

色味が違う、ロゴが違う、シールドバイザーのミラーコートが違う――、などなど、エレクトロンと726Xとの仕様の違いは結構なものなのだが、実は販路の違い(ぶっちゃけ、中抜きの違い?)による価格差が相当なもので、欧州版に対して北米版は70ドル~80ドル前後という、ほぼ半額の域の安さで手に入れることが可能。安さで言えば、そもそもアストンは日本でも「はとや」が展開している銘柄のひとつであり、結果としてエレクトロンが「はとや」から提供される可能性も少なからずありそうだったが、コロナ禍によるものなのか(それともアストンの売り上げがアレなのか)一向に音沙汰が無いため、しびれを切らしILM版を注文した次第。

気がかりなのは、ゼウス/アストンは余計な事をしがちなブランドであること。サイジングに至っては、やたら小さい・やたら狭い(ロングオーバル?)ことで困惑させられたライダーが存在しており、その点は結構、心配。もっとも、ダフェイマは台湾系ではなく中国系になるのだが、いわゆる『中華』という点では大差なく、むしろLS2(JPH)のような例もある※ので、不安と言えば不安。品質だけは大丈夫だろう――、多分。

※LS2(JPH)のような例もある…中国の大手ヘルメットメーカー・JPHの海外ブランド・LS2の製品は、その多くがロング・オーバル、いわゆる長頭向けの縦長(前後に長い楕円)型の帽体で知られる。海外向けも国内(※中国本土)向けもアジア向けもなく、かつ、全部が全部ロング・オーバルという訳でもない(※商品ごとに内側の形状が異なる)ので、LS2のサイズ選びは、なかなかに難しい。

■追記:Amazon.comで送料が50米ドルを超えていた理由
上述のILM726Xが、あっという間に到着。



やけに早いなと思ったら、案の定、航空便。おかげで早い&荷姿が、とても奇麗。30米ドルの送料でボコボコにされるなら、50米ドルで送ってもらった方が、色々な意味でお得かも知れないな――などと考えてしまったり。
Posted at 2020/08/09 12:00:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記

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