| 目的 |
チューニング・カスタム |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
12時間以上 |
1
P11プリメーラに限らず日産の大半(Z33以降のモデルは除く)のECUはCPU内部にROMデータを持つワンチップタイプです。
なので、R32やC33、S13前期のようにECU基盤に直接ROMは載っていません。
ROMデータを書き換えるためにはROMを外部モードに切り替え、
追加基盤を増設する必要があります。
追加基盤にはROMを載せられるようになっていますので、このROMを書き換えることでROMチューンが出来るようになります。
ノーマルROMデータの吸出しには専用の機器が必要ですので、追加基盤の販売元から購入すると良いでしょう。
256kbitまたは512kbitのROMを2つ載せるタイプが主流ですが、奇数偶数アドレス別書き込みのSpritタイプと同一データ書き込みタイプの追加基盤があるので購入の際には注意してください。
同一データ書き込みタイプの追加基盤が楽だと思います。
写真は世にも貴重なHP11用UJ製追加基盤です!
恐らく日産で開発段階で装着されたものがそのままラインオフしたのでしょう。
元は試作車?広報車??
ちなみにSpirtタイプです。
2
ROMデータの変更に必要な機材は以下の通りです。
追加基盤、ROMデータ、PC、バイナリエディタ、ROMライタ、やる気!(重要)
通常ROMデータはバイナリ形式になっています。
(ECUによってはIntel Hex形式の場合もあり)
バイナリエディタを使用して内容の編集が出来ます。バイナリエディタでROMデータを開くとこんな感じ。
ここで覚えることはアドレスの位置の定義です。
アドレス=縦のスケール+横のスケール になります。
ですのでアドレス"H417F"と言った場合は写真右下"33h"(16進数の場合末尾に小文字で"h"を付けます。)
を示すことになります。
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P11で主にデータ変更するアドレスはH8000~H8FFFまでです。
この間にあるデータで変更出来るものは以下の通り。
・K定数
・無効噴射時間
・燃料補正マップ(ハイオク、レギュラー)
・点火時期補正マップ(ハイオク、レギュラー)
・レブリミット
・スピードリミット
・加速増量補正
・水温補正
・VQマップ
・回転格子
・TP格子
・ドエルデューティ など…(後はわからないとも言う)
HP11プリメーラはNAなのでインジェクター交換、エアフロ交換はしない、という前提で説明します。
K定数とかVQマップの話は別の機会にアップします。
4
簡単にH8000~H80FFまでの説明をします。
H8031 スピードリミッター 値は7Dhです。
これを10進数に変換すると125となります。
日産車の多くの場合この値を2倍した値がスピードリミッターになりますので、この場合スピードリミッターは250kmというとになります。
アドレスH805C~H085D はレブリミッター です。
値は02h,80hです。
上記表現は8bitですが、レブリミッタは16bitですので0280hです。
8bit?16bit?何それって?
8bitで表現出来るのはFF(255)まで、16bitで表現出来るのはFFFF(65535)までです。
つまり255までの数値で表現しきれない場合、16bit化して表現できる桁数を増やしています。
レブリミッタで言えば16bitならば65535rpmまで表現できるので生値のままでも良さそうですが、SRエンジンは12.5の係数が掛かっています。
ちなみにRBエンジンは8bitのままで係数は50です。
SRエンジンもNVCSやVVLの回転数は8bitなんですよね。(係数50)
何でレブだけ16bit?不思議です・・・
話を戻しますが、280(16進数)→640(10進数)
640*12.5=8000 レブリミッタは8000rpmということになります。
H80E0~80EF 回転格子
H80F0~80FF TP格子 この二つは次項で説明を。
16進数の変換は関数電卓やエクセルを使用すると楽です。
エクセルならアドインで分析ツールをインストールしましょう。
=Hex2dec("値")
=Dec2hex("値")
Hex to Dec Hex(16進数)をDec(10進数)に
Dec to Hex DecをHexに変換します。
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H80E0~80EF 回転格子
H80F0~80FF TP格子
簡単に説明すると回転格子とは回転スケール
TP格子とは負荷軸を指します。
吸入空気量に対してA/F=14.7になるような燃料噴射時間を示しています。
ここを基本に16x16の補正マップは成り立ってます。
ブースト圧の計算方法、A/Fの計算方法は他サイトを見てください。
ここで書いても他サイトのパクりになってしまうので(^^;
"TP格子、噴射時間"などで探せば見つかると思います。
次に縦軸ですが、これは回転スケールを表し、10進数に変換後50倍すると回転数になります。
回転スケールを縦軸、エアフロスケールを横軸に表を作ってみます。
縦軸は下に行くほど高回転、横軸は右に行くほど高負荷になります。
このスケールに囲まれた表が16X16のマップになります。
点火時期や燃料補正マップのスケールを定義してるわけですね。
ブーストアップをした場合やレブリミットを大きく変更した場合それぞれ書き換える必要があります。
ちなみに回転格子、TP格子は燃料、点火マップそれぞれで持っています。
H80E0 燃料マップ 回転格子
H80F0 燃料マップ TP格子
H8480 点火マップ 回転格子
H8490 点火マップ TP格子
です。
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次はH8100~H81FFです。
俗に言う燃料補正マップというやつですね。
燃料補正マップはハイオク、レギュラーそれぞれ持っています。
ノックセンサーが感知した場合レギュラーマップを読むようになっていますが、ROMチューンの場合両方のマップを同一データにした方が良いでしょう。
80f以上の値が入っている領域がフィードバック領域になると思いますが、ご覧の通り全域フィードバック領域になっています。
通常の日産車はこの80fがC0fという値でフィードバック領域は低負荷、低回転域にしかありません。
HP11以降のNA車はこのタイプの燃料マップになってます。
燃費対策?
フィードバック領域でも燃料の増減は出来ますので、オフセット解除などせずにそのまま使用した方が良いと思います。
PS13なんかではフィードバック領域を解除するとレスポンスアップしたのですがP11では解除しても良くわかりませんでした。
それだけフィードバックが速くなってるってこと?
H8100~H81FF ハイオク燃料補正マップ
H8E00~H8EFF レギュラー燃料補正マップ
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H8D00~H8DFF ハイオク点火時期補正マップです。
点火時期マップは10進数に変換すればそのまま点火時期(Deg)となります。
点火時期にもフィードバック領域があります。
80f以上の値が入っている領域がそうです。
自動進角なんでしょうか?
フィードバックを解除したい場合は
現在の値から80fを引けば解除できます。
点火時期なんてデスビ回せば調整できるじゃん。
なんて話をよく聞きますが、あれは基準値をずらしているだけの話なので全域でずれてしまいます。
イニシャルの点火時期を確認してからROMチューンは行ってください。
でないとROMデータの1度がリアル1度になりませんからね!
H8D00~H8DFF ハイオク点火補正マップ
H8800~H88FF レギュラー点火補正マップ
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最後です。
H8200~H820F 加速増量補正
H8700~H878F VQマップ
加速増量補正とは負荷がどの程度になったらインジェクターを全噴射するか定義しているマップです。
ECUに勝手に全噴射されてしまったらセッティングも困難なのですべてFFfで埋めてしまいましょう。
FFfに変更するとA/Fが結構ずれるので、自信ない方は最初はそのままでもいいです。
VQマップとはエアフロマップのことです。
エアフロ電圧-空気量は比例変化ではないので、
電圧-空気量を変換するテーブルが必要です。
VQマップとはそのテーブルを指します。
エアフロ交換をした場合はその交換したエアフロのVQマップを流用する必要があります。
また、K定数の変更も必要になるでしょう。
P11はノーマルのエアフロ径が80パイありますので、
ターボ化しないのであれば交換の必要は無いと思います。
基本的な説明はここまでです。
次からは実際のセッティグについて説明します。
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