[TY85] BPレガシィ6MT・シフトリンケージブッシュのガタ確認

BP5D型レガシィGT spec B に搭載のTY85型6速MTのシフトレバーに関する整備手帳です。

経年劣化によりシフトレバー操作時のガタが大きくなり、ミスシフトしかねない状態になりました。シフト（縦）方向のガタは感じられず、セレクト（横）方向のガタが顕著です。
（排気系の遮熱カバーに隠れていますが、
黄色で囲った奥にシフトリンケージがあります。）

あらかじめパーツリストで構成部品を事前確認。へたりの原因となり得るブッシュを大別すると、次の4部位になります。
(1)室内側：35035FE030（図の④）
(2)クロスジョイント：35035AG030（図の①）
(3)ブッシュ(レバーフロント)：35035AG040
(4)クッションラバー(リヤ)：35036AA010

このうち、すぐに目視可能な室内側は問題ないことを確認しましたので、クルマの下に潜って他のブッシュの状態を確認します。

まずは(3)ブッシュ, ステー コンプリート レバー フロント：35035AG040 の点検からです。

目視上は特に異常は見当たりませんでした。シフトレバーの操作時に、シフト（縦）方向のガタは感じられなかったこととも合致します。

次に(4)クッションラバー, ギヤ シフト：35036AA010 の点検に移ります。

目視上は劣化が激しそうに見えますが、ギヤシフトステー後端の支持点としての機能は喪失していないと考えます。

今度は室内側に移って、シフトノブ上でのガタを定量化します（※PROVAのアジャスタブル・シフターが入ってショートストローク化された状態にて）。

スケール（曲尺）を固定し、「ギヤを1速に入れた状態！」でシフトレバーを右方向に寄せた画像です。ノブの左端がスケールの120mm位置に来ています。

今度は同様に「ギヤを1速に入れた状態！」でシフトレバーを左方向に寄せた画像です。くどいようですが、決してニュートラルの位置ではなく「1速に入れた状態」です。

ノブの左端がスケールの50mm位置に来ています。つまり、1速に入っているにも関わらず、シフトノブ上でセレクト（横）方向に70mm（∵120mm-50mm）ものガタが生じていることになります。

再びクルマの下に潜って点検。トランスミッション後端から生えているロッドと、室内側のギヤシフトとを連結しているクロスジョイント部分を重点的に点検します（前述の2枚目の画像の 35035AG030（図の①）になります）。

この画像は「ギヤを1速に入れた状態」で「シフトノブを右に寄せた」ときのジョイントの様子です。黄色の線で示したスキマが詰まっていることが分かります。

こちらは「ギヤを1速に入れた状態」で「シフトノブを左に寄せた」ときのジョイントの様子です。黄色の線で示したスキマが広がっていることが分かります。

つまり、この部分のブッシュのツバ部分が経年変化で摩滅（消失）してしまっていることが裏付けられたことになります。

したがって、セレクト（横）方向のガタに対する対応は、当該ブッシュを交換することになります（※クロスジョイントであるため、横方向のブッシュのほか、縦方向のブッシュも点検が必要）。

[TY85] 6MTシフトリンケージのガタをトリッキーな手法で解消する・その1「準備編」（→ https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/1516859/7140927/note.aspx ）に続く。