前回のブログの続きとなります。
我が406クーペを修理に出しに行き、営業さんが突然退社されるという悲劇に見舞われつつ、店内に飾られているDSを眺めながらケーキをよばれ(つまりは、フランス・デイでした)、修理が完了するのを待っていました。
すると、営業の△△さんがやってこられました。
△△さん 「じぇミニさん、PSAのディーゼル乗られたことあります?」
自分 「並行輸入のクーペ407のディーゼルならありますよ」
△△さん 「またマニアックですね。笑 グランドC4ピカソのディーゼルの試乗車あるんですけど、良かったら乗ってこられませんか? 修理まだかかりそうなので」
ありがたいお誘いです。喜んで試乗させていただくこととなりました。
さて、インプレッションを綴る前に少しエンジンのおさらいを。
このグランドC4ピカソ BlueHDiは、2.0L 4気筒ターボディーゼル(ディーゼルターボではなくターボディーゼル。いすゞっぽくて好き)です。プジョー308 GT BlueHDiや508 GT BlueHDiに搭載のエンジンと基本は同じですが、デチューンされており、150ps/370N・mです。
基本は同じということで後方排気でしょうか。
自分のブログ、プジョー乗りの方が見られる機会が多いと思いますが、プジョーにはないエンジンです。
早速手早く用意してくださり、ショールーム外の車止めへ向かい、ご対面です。
数々のカー雑誌やネットの試乗記事を見ていて予想はしていましたが、やはりアイドリング時の車外での音はディーゼル固有の音が目立ちます。
実は、乗用車のディーゼルに乗ったのは、クーペ407が最後ですが、乗り回したと言えばかれこれ15年前、友人が乗っていた日産初代テラノ 2.7ディーゼル R3Mアーバン以来なのです。
当たり前ですがこのテラノよりは静かなものの、やはりディーゼルだな、と思いました。
ところが、説明を受け乗り込み、お店を出発し、テラノ感が少しだけ蘇っている頭でアクセルをゆっくり踏み込むと・・・タイムラグなくスルスルスル~とスピードを上げていきます。
「お?なんじゃこりゃ?」
良い意味での期待の裏切り感で、テラノがすっ飛んでしまいました(当たり前か)。
ディーゼルってアクセルの踏み込みに対して数秒遅れて反応する、ってのが自分の頭の中にあったのですが、そんなことは全くなく、リニアにアクセル踏み込みとエンジン回転数が同調します。
そして回転数が上がるほど、ディーゼルらしさが消えていくこのPSA 2.0L ターボディーゼル(この順序、強調します。笑)。
パーシャルスロットルくらいのアクセル開度でもスルスルと加速、途端に踏み込めばキッチリ上までストレスなく回ります。
車中で「これが最新クリーンディーゼルかぁ」と唸らされました。
交差点で信号待ちで停止します。アイドリングストップが働きます。
実家の先代インプレッサG4もこの機能が付いていますが、アイドリングストップ時間は比較的短いです。
その頭があったので「そろそろかかるかな?」と思っても、エンジンが始動しません。
「ん?エンストか??」なんて思ってるうちにエンジンが始動しました。
それも、「スルン」と。
このアイドリング始動明けのかかりのスムーズさは素晴らしいです。オルタネータ式とのこと。
G4はかかったのがわかるし、少し揺れるし、FJ型になったエンジンのおかげでセルの音が安っぽい(おとうちゃん、ごめん)。
ただもっと安っぽかったのは現行マーチのMC前。あれはちょっと酷すぎで、途中でアイドリングストップ機能をストップしました。。。
さて、エンジン以外のことを。
C4ピカソ、というか最近のシトロのお約束、スーパーパノラミックフロントウィンドウが気持ちイイ!
おととし代車でDS4に乗らせていただいていましたが、その時に経験済ではあるものの、やはりいいですねー。夜の試乗ですが、山の上に行って星でも眺めたくなります。まぁ、実際にはトラックのボデーがあるだけですが。苦笑
そして、日産が火をつけたアラウンドビューモニターも装備されていました。
これ、便利ですね。友人の乗っていたDAYS ROOXで体験しましたが、ブツける心配が減ります。
最後に走行全般ですが、ミニバンであることを忘れさせる足回りでした。
基本フンワリはしていますが、コーナーでも不安を煽るような車体の傾きはなく、ハンドルを切っただけスーっと曲がっていってくれます。
そしてコーナーを抜けるときにアクセルオン、でトルクがサッと立ち上がるので気持ちよく駆け抜けることができます。
と、良いことを書いてきましたが、自分にとって良くない点も。
まずは、パドルシフトがステアリングコラムに固定されていること。
以前所有していたAudi A6、ゴルフⅥはハンドルに装着されており、ハンドルを切っているときにギアを落としたくなったらそのままF1感覚でシフトダウンできていましたが、ステアリングコラム固定なのは慣れなかったです。
まぁ、コーナー手前で減速すればよいだけの話しですが。
もう一つはタッチパネルに集中させ過ぎの操作系です。
フレフレ幕張でも308オーナーの方が仰られていましたが、ナビからエアコンに行くときのアクションがめんどくさい。
PSAの開発者曰く、スマホのようなシンプルな操作体系を目指したとのことですが、エアコンはそれなりに操作する機会が多いもの。これはワンアクションで操作できることが理想です。究極で言えば、初代インプレッサのこれ↓
1か月ほど代車で乗ったことがありますが、見なくても操作を間違えたことはなかったです。笑
まぁ、欠点もありますが、おしなべて想像を超えていた、な良い車です。
ミニバンをお考えの方、このシトロエン グランドC4ピカソ BlueHDiを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
ディーゼルエンジンの力強さ、走行性能、環境性能、経済性もありますが、それと同等以上にこの車には、スーパーパノラミックフロントウィンドウに代表される心を解き放つ装備、そして他の何者でもない秀逸なデザインが備わっています。
同じお金出してミニバンを買うなら、フロントグリルギラギララグジュアリー系 or 限られた範囲の自動運転なのにさも全ててできるような表現をする国産ミニバンより、このグランドC4ピカソ BlueHDiを購入した方が、心が豊かになれるのでは、と感じます。
なぜなら、この車を運転してて、気付いたら肩の力が抜けていたから。
肩の力が抜けた、ちょいカバっぽいデザイン(誉めてますよ)はギラギラじゃなくても個性が主張できるし、肩の力が抜けるパワートレーンなら事故防止にも繋がります。
これぞ、フランスマジックじゃないでしょうか。
(すいません、フランス・ドイツ車好きなので贔屓目になってるかもです)
ただ、もしグランドC4ピカソを買うなら、後席に子供用モニターは付けないでくださいね。会話を楽しんで下さい。まぁ、この車なら自然と会話も増えてモニターの出番もなくなると思います。
さて、406クーペの次の愛車は、308 GT BlueHDiか、DS5 BlueHDiか・・・悩むな。
(お前はこの車、買わんのかいっ!って突っ込みはなしでお願いします。車庫に入らないんです)
長文、失礼いたしました!