書類作成をDIYすることにしたので、自分用メモとして残しておきます。
GC8(ターボ)にGDBのT/Mを載せて公認をとる内容です。
スバルの新型車解説書が手元にある前提の内容なので、スバル車で同様の申請を行う場合は新型車解説書を入手してください。他メーカーの車両でもやることは同様だと思いますが、目的のページの位置などには違いがあると思いますので、臨機応変に対応してください。
◆必要なもの◆
・カメラ(写真を撮ります)
・新型車解説書(知りたい数値がだいたい載っています)
・パソコン(パソコンで書く場合/WordとExcelが必要です)
・印鑑
新型車解説書は、富士重工製の車両は今でも注文すれば新品で買えます。通常のカタログモデルの人は自分のアプライドのものを、特別仕様車の場合は専用の解説書を入手します。それと強度計算の数値の引用元に使うことになるので、T/Mのドナー車(普通はGDBかSG9)のものも買っておきます。
リトナやグラベルEX、カサブランカは今年(2020年)注文してみたら買えたので、少なくとも初代レガシィ以降のスバル車なら問題なく入手できるはずです。ヤフオクで買うより新品の方が安いことが多いので、当時モノであることにこだわりがある人以外は新品がおすすめ。値段は厚さによって異なりますが、500円~。整備書を兼ねてる場合とそうでない場合があります。
ただし古い車種に関しては在庫がないので、多少待たされます。6速を積もうと思いついたら、最初に発注しておくといいと思います。
STI製の車両(初代STI等)は出ません。諦めてください。
まずは申請書類のテンプレートを入手します。平日昼間に暇がある人は車検場に遊びに行けばもらえると思います。
昼間はお仕事だよ!って人はここからダウンロードできます。
必要なのは
第1号様式、
第2号様式、
第3号様式です。
自動車技術総合機構
第1号様式の裏面に必要書類の一覧が載っているので、まず確認します。
・改造自動車届出書 → 第1号様式
・改造概要等説明書 → 第2号様式
・自動車を特定する資料 → 車検証などの車両の身分証明書にあたる書類
・技術基準等への適合性を証する書面 → どうしてこの改造がいけると思ったのか書いて提出
・保安基準適合検討書 → 第3号様式
・外観図 → 車体の写真
・改造部分詳細図 → いじった部分(ミッションなど)の図面か写真
・強度検討書 → ドラシャ、ペラシャは強度計算が必要です。ミッションだけなら不要
・その他書面 → なにかあれば添付してもOK
・改造自動車届出書
ここをいじったよ!っていう届け出をする紙です。
型式に改をつけましょう。
ペラシャは3-1、ドラシャは3-2、トランスミッションは3-3です。
裏面をみると、ペラシャとドラシャは強度検討書が必要ですが、トランスミッションには不要であることが分かります。
・改造概要等説明書
表面は改造によって各部の数値がどう変わったかを書きます。
基本的には
新型車解説書に載ってる主要諸元表をひたすら写経すればOK。
オーバーハングは諸元表の数ページ前にある
外観四面図に寸法が載ってます。
下の部分に強度計算の結果を記入します。
変更がない数字は”←”、該当しない数値は”―”を記入します。
裏面。
よほどの理由がない限り
「走行性能向上のため」って書けば大丈夫です。むしろ向上しない場合は認可が下りないです(危ないので)
のせたT/Mをどこから持ってきたか、どんなペラシャを使ったかを簡潔に書いておきます。
・自動車を特定する資料
車検証コピー。提出してしまうのでコピーです。
原本を持って行ったら「裏にコンビニあるからコピーしてきて」って言われてコンビニまで走る羽目になりました。
コピーを用意しましょう。
・技術基準等への適合性を証する書面
テンプレがないので、人によって差が出てくる部分だと思います。
こんな感じで作ってみました。
エンジンとトランスミッションのデータの引用元の資料も出してって言われたので、新型車解説書の
走行性能曲線図のコピーをGC8とGDBそれぞれ添付しました。このページにはエンジンの最大出力、最大トルク、タイヤサイズ、タイヤ径、ギア比が一覧になっているので、とても便利です。
ちなみに主要諸元表のページと外観四面図のページの間にあります。
年式やグレードによってギア比やエンジン出力、タイヤサイズが違うので、必ず自分の車の仕様に合ったグラフを添付しましょう。
ペラシャはあとで書きます。申請が通るかはまだ分からないので。
(ミッションに関してはこれで間違いなく通るはずです)
追記:
公認通ったのでこちらも載せてみます。
基本的にはトランスミッションと同じような書き方で、諸元の比較をしました。
メーカーが「850馬力、180MPH以下で使ってね!」って書いてる製品なのでその旨を記載したうえで、「そんなパワーないから壊れないよ」「そんな速度出ないから壊れないよ」という書き方で問題ない旨を記載し、どーせ強度検討書を作って提出するので
「詳細なねじり強度/危険回転数の検討は強度検討書による」と添えておきました。
ルールで規定されているのはねじり強度と危険回転数の安全率が必要なだけ確保できているかどうかなので、ここは「大丈夫だよー」という言葉をそれっぽく書いておけば問題ないはずです。
・保安基準適合検討書
第3号様式。ダウンロードでテンプレを入手した人は、Wordファイルのやつです。
「大丈夫ですよー」っていう言葉と、その根拠を書けばOK
これも人によって書き方が変わってくる書類だと思います。保安基準を引用せずに通っている人もいるようですし。
・外観図
前後左右から車体の写真を撮って貼ります。自分の車だって伝われば大丈夫。
見た目でわかるようなNG要素は写真を撮る前に排除しておきましょう。あからさまなハミタイとか。
(リアウインドウが割れているので、雨の日の夜を狙って水滴の反射で誤魔化してみました)
・改造部分詳細図
T/Mやペラシャの写真・図面を貼った紙をつくりました。
写真は実際に使用した物、ミッションの図はGDBの新型車解説書のものをそのまま貼っています。
純正ペラシャの場合は2ページ目は不要だと思います。社外品を使ったため、他の書類に書いてある寸法の根拠としてノギスやメジャーを当てている写真を添付しました。(最初に持って行った時に添付してくれって言われたので急遽撮影して追加しました。)
社外ペラシャといっても他の書類では数値上の存在になっていますが、写真で出てくるとヤバい香りがしてきますね。
すごく丁寧な人は、TY75とTY85の外観上の違いをここで説明していたりします。(「TY85を載せるとこの位置にオイルパンが見えるのが外観上の違いです」みたいな)
書類の審査に合格した後、実際の車両を持ち込んで検査を受ける時にスムーズに進みそうです。
今回は搭載作業が終わっていないので部品の写真だけ並べました。問題なかったです。
・強度検討書
ドラシャ、ペラシャを交換した場合は基本的に強度計算が必要です。
回転とねじり(トルク)に関して、それぞれ強度計算を行います。計算結果は改造概要等説明書にも記入します。
回転安全率は
1.3以上、ねじり強度安全率は
1.6以上必要です。
計算した結果この数字を超えられないのであれば、NGです。
ここに貼ったものは鉄ペラシャ用の計算式が書かれています。ぐぐればいくらでも出てくるやつですね。
1195っていう定数の中には、比重やヤング率、円周率などが含まれています。当然ながら比重やヤング率が異なるため、アルミやカーボンのものには使えません。
入っている数字を計算してみるとわかると思いますが、鉄ペラシャ用の式にカーボンペラシャの寸法を入れて計算すると回転安全率が1を下回ります。
カーボンだからあの細さ、あの軽さで1ピースが成立するんだなぁと実感。
・その他書面
とくになし。
とりあえずこんな感じ。受理された記念で記事にしてみました。
部品の組み合わせなどによっては、強度計算をせずに通してしまう人もいるようです。例えば4AT改6MT。ペラシャそのままでいけるので、そもそも強度計算が必要ないです。
5MT改6MTの場合でも、4ATペラシャを持ってくることで「同一型式内で使われている部品のため問題ないです。」でぶっ飛ばす人、6MTペラシャを持ってきている場合でも「第二推進軸に変更はなく、第一推進軸は短くなるため問題ないです」といった寸法比較のみでぶっ飛ばす人などもいるみたい。
今回は社外ペラシャのため、そういう省略が一切通用しないので丁寧に全部やりました。