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2020年09月08日 イイね!

カングーの低いコンデンサ容量を考慮したエアコンの最適設定と対策について

前回のブログで、外気の取り込み口の一部を塞げばエアコンの排出温度が下がるかもしれないという実験をしてみました。

↓「カングーのエンジンルーム排熱エアフローについての考察(とエアコン対策実験)」まもる(mamohacy)のブログ | まもる(mamohacy)のまったりCar Life - みんカラ
https://minkara.carview.co.jp/userid/145756/blog/44323268/

残念ながらこの実験は結果として「失敗」に終わりました。

・外気温計が40度を指している「猛暑日」に実施
・自宅周辺を10分程度走行
・日向に停車した状態で、22度AUTO(外気導入)に設定
・測定結果を安定させるため測定後、約5分間待機



前のブログで対策を施した状態と、それらを取り外した状態での、エアコン吹出口での温度が以下です。

↓対策実施済み状態:約15.5℃


↓対策取り外し後:約16℃


設定温度と外気温に対してこの吹き出し温度もどうかと思いますが、いずれにしてももっと冷えるんではないか?という目論見は見事に外れ、クーリングファンがほぼ全開で回っている状態では、あの対策は意味がなかったということになります。

しかし、今回の実験結果計測のなかで、もっと重要な事実を知ることになりました。

カングーのエアコンコンデンサの設計温度と冷却限界

そもそも通常のカーエアコンは、冷媒で一定の温度まで冷やしたものを、ヒーターコアを通した温かい空気であっためて、設定温度に近づけて出すという、非常に効率の悪いやり方で温度を調整しています。

↓【カーエアコンの最も効率がいい温度設定は?】燃費がいいのはどの温度? - 自動車情報誌「ベストカー」
https://bestcarweb.jp/feature/column/88837


つまり、冷房で冷やした空気を、わざわざ暖房で暖め直して適温にしているのである。
〜中略〜
前述のようにオートエアコンで希望の室温に設定すると、最初はそこに合わせるように冷房を目一杯効かせるが、室温が下がってくれば徐々に風量も下げつつ、暖房をミックスして適度な温度の空気を送り出すようになる。



ここで考えたのが「じゃあ設定温度を最低にすればそのエアコンの限界まで冷やした空気が出てくるのでは?」ということ。過去のブログにも書きましたが、コレと同じようなことをディーラーでも言われていて、「15度設定、内気循環、風量全開」で、冷却限界まで持っていけると聞いていました。

↓「エアコンが効かない件 第3話〜フランスは涼しい&水ぶっかけろ〜」まもる(mamohacy)のブログ | まもる(mamohacy)のまったりCar Life - みんカラ
https://minkara.carview.co.jp/userid/145756/blog/43228902/

そして同じようなことが上記の記事にも書かれています。


つまり冷房の温度設定を最低にしておけば、ヒーターを使うことはないため、冷媒で冷やした空気を再び暖めることはなくなる。


では、カングーで15度設定、ファン全開(外気温が高い状態でAUTO)にすると、吹出口付近の温度はどうなるのか?

計った値がこちら。



温度計が20度近くを示しているのがわかるでしょうか?
つまり設定温度よりも遥かに高い温度の空気が吹き出していることになります。

さすがに意味がわからなくなってきたので、以前も参照させて頂いたエアコンシステムの概略図を使って、冷静に考え直してみます。

↓エアコンの原理と仕組み
http://www.golddenki.com/acgenri.htm



・容量不足で冷媒そのものをコンデンサーで冷やしきれなくなっている状態の場合、レシーバーに送られる液冷媒の量が足りないのではないか?
・その状態でエキスパンションバルブで霧状になった冷媒をエバポレーターに吹き付けたとしてもエバポレーターの冷却が追いつかないのではないか?
・ましてやエバポレーターに当てる空気の温度が高ければなおさら設計温度までは冷やせないのではないか?

つまり、エバボレーターを冷やす液冷媒がそもそもコンデンサー容量不足により足りておらず、さらにはブロアファンによってエバポレーターに当てられる空気の温度も高すぎるせいで更に冷えないという悪循環、言ってみれば「エアコンのオーバーヒート」を起こしている状態になっているのではないか?というのが私の推測です。

ここで立てた仮説が、「風量は全開にせず逆に抑えることでエバポレーターへの冷媒放出量が減り、コンデンサー容量ギリギリまで冷やせるのではないか?」です。

ディーラーからも「15度全開で冷える」と教えられていたこともあって、疑心暗鬼ながら22度設定で風量を全開の半分まで落としてみた後に計測した結果がこちら。

私にとっては目からウロコの大発見でした。



温度計が12度くらいを指しているのが見えるでしょうか?


考えてみたら当たり前のことなのかもしれませんが、コンデンサー容量が足りない、つまり冷媒の冷却に必要になる外気温が高すぎて冷やしきれないような状況になると、コンデンサーでの冷却だけでなくエバポレーターの冷却にも影響が出ます。おそらくこの境目となるのが前にも書いた「35度付近」であり、これがフランス本国におけるカングーの設計上の外気温上限値なのでしょう。

この状態の打開策として、これまでのカーエアコンの常識ともいえる「最低温度にすればヒーターの暖気が混ざらないからその状態でファン全開にすべし」だけが知られてしまい、ディーラーからも同様の指示も出されてしまった結果、カングーにおいては「猛暑日になるとまったく冷えない」という状況がそこかしこで散見される結果になったのではないかと考えられます。

ここまで猛暑日が酷く増えたのはこの2〜3年ですし、デカングーになって我慢できる程度には冷えていてくれたクルマでも、最近になってなんかオカシイ・・と感じる人が増えたんじゃないでしょうか?実際に統計を取ってみたわけではないのでわかりませんけど、ウチのデカングーのエアコンが2度にわたるディーラーでのチェックで「正常である」と判断された以上、同様の症状で悩んでいる人は日本全国に沢山いるに違いありません。

ならばどうすればいいのか?

これまでの検証結果や集めた情報を元に、エアコンシステムをまるごと載せ替えるような派手な改修は入れない前提で、素人に毛が生えた程度の人間がDIYで取れるであろう対策を考えてみました。

①カングーのエアコンの冷却設定容量を超えないように温度と風量を調整する
 (おすすめは22度、風量は半分、効果薄いけど内気循環)

②外部からの熱の侵入を抑える
 ・天井やドアの断熱処理
 ・ドアからの外気侵入のブロック
 ・ウィンドウへの断熱フィルム貼付
 ・内外気切り替えフラップの密閉化(できるのかは不明)

③室内のエアフローの最適化
 ・エアコンフィルターの交換
 ・エアコン吹出口の角度調整
 ・冷却空間の最小化(ラゲージと乗車席をカーテンで仕切る等)

④エアコンシステムの正常化/効率化
 ・ガス、コンプレッサー、ファンなどの点検(正常動作可能かの確認)
 ・エバポレーター洗浄
 ・コンデンサー洗浄
 ・コンデンサーとラジエターの隙間埋め(コンデンサ冷却風量アップ)
 ・ナンバー取り付け位置の変更(コンデンサ冷却風量アップ)
 ・エアコンガス添加剤の注入

すでに私の整備手帳ではこれらのいくつかは実施済みですが、まだまだやれることは沢山ありそうですね。。。。

最近ちょっとずつですが涼しくなってきたので、ひとまず来年の夏に向けてやれる範囲のことはやってしまおうかと思っています。

追伸:あくまで自動車専門家でもない素人の推測ですので、もし違ってるよ、とか、こういうのあるよ、とかあれば是非コメントをいただけると幸いです。

追伸2:ルノー・ジャポンさんへ。マジで頼みます。なんとかしてください。


 
Posted at 2020/09/08 23:50:39 | コメント(2) | トラックバック(0) | カングー | 日記
2020年09月02日 イイね!

デカングー天井断熱/デッドニング大作戦!その全行程の記録

デカングー天井断熱/デッドニング大作戦!その全行程の記録エアコン効かない対策 第二弾。ついに禁断?の天井断熱に手を出しました。
この作業、苦労されている人が多いので、各手順を整備手帳にまとめつつ、下調べした情報などと合わせてブログに残しておきます。




カングーの天井断熱に最適な素材は何か?

カングーの天井断熱を行うにあたり、どの断熱素材を使うべきか徹底的に調査しました。

その結果、まず断熱材には大きく分けて2カテゴリ、各3種類の素材があることがわかりました。

https://michinakimichi.com/build-your-dream-van-customize-insulation-material/

https://michinakimichi.com/wp-content/uploads/2019/05/baed648016b0205396dadfe7a6166b8a.jpg


から参照させて頂くと、

①繊維系断熱材

 グラスウール
 ロックウール
 セルロースファイバー




②発泡スチロール系断熱材

 ポリスチレンフォーム
 ウレタンフォーム
 フェノールフォーム


いずれも一長一短あるようですが、ハイエースなど施工面積が広い車種ではグラスウール素材の弱点である水分に弱い点をカバーした旭ファイバーグラスの「アクリアマット」というものを使うことを勧めている記事などをよく見かけます。

上記のブログでもアクリアマットを使って天井と壁を断熱していますが、カングーは天張りとルーフの鉄板の間に殆ど隙間がなく、ファイバー系の断熱材が効果を発揮できるように貼付けできるかわかりません。

そんななか見つけたのがavantさんのブログ。東レが作っている「トーレペフ」という薄手の断熱材がすごい性能らしいので、このブログを参考に作業を進めてみることにしました。

https://t-avant.blogspot.com/2015/10/blog-post_18.html

https://t-avant.blogspot.com/2015/10/blog-post_18.html

トーレペフは東レ公式サイトに紹介ページがありました。

https://www.toray.jp/plastics/toraypef/index.html

https://www.toray.jp/plastics/toraypef/index.html

以下、東レのサイトより



ポリオレフィン発泡体トーレペフ™の特徴


優れた緩衝性
柔軟性と復元性に富み、衝撃エネルギーの吸収性に優れています。また、独立気泡のため快適なクッション性と硬さを兼ね備えています。
優れた断熱性
熱伝導率、吸水率、透湿率が極めて小さく、断熱材、保温・保冷材として優れています。
優れた防水性、浮揚力
独立気泡構造のため吸水せず、防水性・防湿性に優れており、かつ大きな浮揚力を有します。
優れた美観性
電子線による架橋処理をしており、気泡のキメが細かく表面がなめらかです。
優れた加工性
カット、スライス、成形、接着などの加工が容易です。
優れた耐薬品性
他のプラスチック発泡体に比べ化学品、薬品の影響をほとんど受けません。



トーレペフの厚みは5mmと10mm、色は黒と白があるようです。
重ね張りもできるということで使い勝手の良さをとって5mmを黒をチョイス。
天井以外にも沢山貼ると思うので、5m程を購入しました。(天井だけなら2.2mで足ります)






カングーの天井断熱 全行程まとめ

ここから先の手順は、それぞれ分割して整備手帳にまとめておきました!

デカングー天井断熱/デッドニング手順 1/8 (素材準備編)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 2/8 (後席ユーティリティフック取り外し)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 3/8 (リアオーバーヘッドコンソール取り外し)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 4/8 (前後室内灯取り外し)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 5/8 (フロントオーバーヘッドコンソール取り外し)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 6/8 (天張り取り外し)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 7/8 (デッドニング&断熱処理)
デカングー天井断熱/デッドニング手順 8/8 (パーツ取付け&作業Tips)

天井断熱/デッドニング作業を終えて

この超大変な作業を終えみて、一番感じた効果は「デッドニング」です。雨の日に天井に雨粒が当たるバラバラという音がほとんどしなくなりました。トーレペフにも緩衝効果があるようですが、制振材と合わせて貼ったことで効果は抜群でした。

また肝心のエアコンの効きは良くなったのか?ですが、ひとまず炎天下にしばらく駐車した後に天張りを触ったときの温度が段違いでした。
驚きだったのが、日向にクルマに置いた状態で社内に入ると、気持ち少し涼しく感じられたことです。
これまで日光の熱線で熱せられたボディの熱がダイレクトに天張りを温めていたものが、ボディ側でせき止められていることがよーくわかります。

もちろん車外の熱はこの場所以外からも侵入してきているのでこれ単体での効果は一部でしかないでしょうけれど、断熱はチリツモだと思うので他の対策と合わせて実施していこうと思います。

本当の効果は、、、来年の夏にわかる!かな?(苦笑)






Posted at 2020/09/03 02:40:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | カングー | クルマ

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