2012年05月13日
ハイパコ
いろんな部品、商品にケチをつけるコーナーの第3弾です。
第1弾はダンパーのダストカバー
第2弾は元祖リジ○ラ
第3弾の今回はハイパコのスプリング。
ハイパコっていいんでしょうか?
きっといいんだと思います。
なのでハイパコスプリングにケチをつけるつもりは毛頭ないのですが、宣伝の謳い文句と世間の評判が気に入りません。
コイルスプリングを使う機械設計をしたことがある人はわかると思うのですが、普通のコイルスプリングってめまいがするほどバネ定数の許容差が大きいんです。±10%くらいあります。
材料力学の本を読むとコイルスプリングのバネ定数は下式で求まると書いてあります。
k=G・d^4/(64・n・R^3)
ここで、dは線径、nは巻数、Rは巻き半径、Gは材料の横弾性係数で鉄鋼の場合は80GPaくらいです。
例題として僕の車高調のKYB直巻きスプリングの計算をしてみました。
パッと見の線径d=14mm=0.014m
IDが65なので、巻き半径R=65/2+14/2=39.5mm=0.0395m
巻き数n=4.5くらいです。
k=80×10^9×0.014^4/((64×4.5×0.0395^3)
=173×10^3N/m
=17.66kgf/mm
ということでおおよそ合ってます。
KYBのHPを見るとバネの重量が書いてあり、18kgf/mmの自由長203mm仕様は2.0kg、
上記の寸法で重量を計算すると1.8kgなので、こちらもおおよそ合っているようです。
ここで、線径が1%変化すると、バネ定数はdの4乗に比例するので
1.01^4=1.04
つまり4%バネ定数が変化するということになります。
線径がたったの1%(0.14mm)変わっただけで4%のバネ定数変化です。
KYBはHPにバネ定数許容差は±3%と書いてあります。
それに対して、ハイパコは左右差がないって書いてあるのできっと±1%くらいなんでしょう。
普通は2kgf/mmおきにバネレートが設定されているので、自動車用の直巻きスプリングの場合は、
±5%くらいが普通なんじゃないかと思います。
根拠はないけど、±10%あると逆転現象がおきてしまうので。
それと宣伝にはストロークによるバネ定数の変化がないとも書いてあります。
ハイパコはほぼとんど0に対して他社製品は±3%くらいありそうです。
従ってハイパコはコイルスプリングとしてはバツグンと思われます。
がしかし、だからどうしたと言いたい。
精度が高ければ高いほどいいのはアホでもわかる。
知りたいのは、どのくらい精度が悪化すると機能影響があるのか?ってことです。
僕が鈍感なのかもしれませんが、スプリングのバネ定数の変化なんて、さっぱり体感できません。
S2000では14kgf/mmと16kgf/mmを試しましたが、大して変化なし。
サーキットでは、若干減衰調整したくらいで、待ち乗りだったら言われてもわからないくらいです。
ところが、ハイパコは他社製品と同一バネ定数でも走りや乗り心地が変わると言う人が多い。
本当かと?
特に気に入らないのは、ストロークによるバネ定数の変化です。
本当にこんなのが体感できるんでしょうか?
非常に解せない。
ストローク中のバネ定数の2、3%の変化で走りや乗り心地に変化があるんだったら、バネ定数変えればいいじゃん!って思う。
その方がよっぽど効果があると思う。
ストロークによってバネ定数が変わるのが問題だ、と宣伝文句に書いてあるので騙されているだけにしか思えません。
ということで、コイルスプリングとしてはバツグンと思われるハイパコの走りに対する効果は微塵もないと思っているのですが、文句言うだけでは話にならないので、今年の冬ボーで購入し、かつストロークセンサとデータロガーも購入して実測したいと思います。
ショックのストロークセンサで測定した結果があれば一目瞭然なのですが、ハイパコに限らず、ダンパメーカもどこも開示してないんですよね。
見てもわかんねぇだろって言いたいのかもしれませんが、意味不明な宣伝文句よりも百倍意味がある。
エンジンだったらエンジンベンチかシャシダイナモの測定結果から容易に実車の全開加速を推定できます。
ダンパの場合は単品性能はダンパテスタで測定するものの、車輌ASSY性能は実車のストロークセンサの測定結果を見ないと単品性能の車輌ASSYへの影響がわかりずらい。
スプリングも違いがあるって言うなら実車のストロークセンサの測定値を比較するべきです。
その測定結果の違いで説明してくれるならわかりますが、単品の測定結果で走りに差があるって言われても、そんなんで納得できるアホがどこにいるのか?と言いたいです。
追記
それとバネのヘタリ
ハイパコはヘタらないらしい。
あっそう。
だからどうなんだっけ?
宣伝みるとバネ定数が変わると書いてある。
アホか!!!!!!!!!!!!!!!
バネ定数は、線径、巻き数、巻き径、横弾性係数で決まります。
ヘタると何が変わるのか?
普通のスプリングは横弾性係数が下がるんでしょうか?
それとも線径が細くなっちゃうのか?
気づかない間に巻き数が4.5巻きから5巻きに増えてるんでしょうか?
バネ定数は錆びて線径が細くならない限り変わりません。
塑性変形して線間密着して巻き数が減らない限り変わりません。
(線間密着するとバネ定数は上がるけど)
変わるのは自由長のみ。
自由長の変化は一度外して左右差を測定して車高調整して終了です。
でも今まで使った直巻きスプリングはどれ測定しても最大3mmも変わってないです。
ハイパコは2.5%保障らしいけど、200mmのバネなら5mmも変わる。
こんなバネはゴミ箱行きです。(実際は車高調整して使うけど)
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Posted at
2012/05/13 00:37:42
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