今日も雨です。
雨が降るといつも思い出す
この歌、いい歌ですなぁ。
さて今日のお題はドライビングスタイル2です。
ドライビングスタイルとは、サーキットでのクルマの走り方のこと言うのですが、走り方とは以下の二つのことを示します。
①走行ライン
②走行ライン上の速度
ハンドルの切り方やブレーキの踏み方は、この二つを達成するための手段で、それはそれで大事ですが、ラップタイムは走行ラインと走行ライン上の速度の二つだけで決まってしまうので、ここでは走行ラインと走行ライン上の速度の二つのことを走り方と言うことにします。
また、横Gや前後Gも走行ラインと走行ライン上の速度だけで決まるので、これらも走り方に含まれています。
前回のドライビングスタイルでは、オートスポーツ誌で取り上げられていた欧州式、日本式の違いについて自分の意見を書いてみました。
簡単におさらいすると
オートスポーツ誌の定義は
日本式・・・加減速を重視し、ブレーキはクリッピングまで残す走り方
欧州式・・・コーナリング速度を重視し、減速は直線で終わらせて、コーナは一定速度で走る走り方
というものでした。
しかし、ここで定義されている欧州式のような走り方では、実際には速く走ることができなし、そんな走り方をするドライバーを見たことがありません。
そこで、僕の考えとして
どちらの走り方もほぼ同じであるが、
日本式・・・比較的加減速重視
欧州式・・・比較的コーナリング速度重視
という説を書きました。
さらに、先日いただいたコメントの返信には以下のように書きました。
どちらも目標とする最適な走り方は同じであるが、
日本式・・・最適な走り方に速度が低い側から合わせ込む
欧州式・・・最適な走り方に速度が高い側から合わせ込む
と返信したものの、いまいちしっくりこなかったので、さらに考えた説がこちらです。
どちらも目標とする最適な走り方は同じであるが、
日本式・・・最適な走り方に直接合わせ込もうとし、加減速を重視する
欧州式・・・最適な走り方に速度が高い側から合わせ込もうとし、コーナリング速度を重視する
これらならしっくりきます。
いまいち意味がわからないと思うので解説します。
まず最適な走り方とはなんぞや?ということですが、サーキット走行において、クルマ(タイヤ含む)と路面状態が決まると、到達可能な最速ラップというのが存在し、到達可能な最速ラップを達成できる走り方が、最適な走り方です。
オートスポーツ誌の書き方では、それぞれが目標としている最適な走り方が異なるかのような印象を受けます。
しかし、スーパ-GTやスーパーフォーミュラをサーキットに見に行ったり、車載映像を比較してみても、ほとんど違いがありません。
違いはあるけどその差は小さいように見えます。
その理由は、目標としている最適な走り方がほぼ同じだからだと考えています。
例えばスーパーフォーミュラのチームはプロですから、プロが作ったサーキットシミュレーション専用のソフトで空力などを考慮したシミュレーションを事前に行っていると考えられます。
空力の効くクルマになると、直線を速く走る場合とコーナを速く走る場合で、どちらのがラップタイムがいいのかを事前に検討しないと空力仕様を決めることができないし、ギア比も決めることができないので、まともなチームなら間違いなくシミュレーションをしているはずです。
従って、その時点で目標とする最適な走り方を各チームとも持っていると思います。
もし、目標とする最適な走り方が同じチームでもドライバーによって異なる(シミュレーションにドライビングスタイルが考慮されている)ということであれば、その場合には、それこそがドライビングスタイルの差だと思うのですが、雑誌の記事などを読んでも、そこに差があるようには感じられません。
それに、仮にドライバーによってシミュレーションのパラメータ(走行ラインとか)が異なるとします。
そうすると、コンピュータはそれぞれのパラメータに対し結果を出すので、どちらかが速く、どちらかが遅いという結果が出てくるはずです。
普通は速い方の走り方が最適な走り方なので、そちらを目標とすべきだと思うのです。
つまり、スーパーフォーミュラなどのレーシングチームは、ドライビングスタイルを考慮しない最適な走り方を知っていて、実際のサーキットでは、路面状況やクルマの状況、さらにはドライビングスタイルなどに合わせてセッティグをして行くという作業をしているはずです。
ここで、もう一度、日本式、欧州式の話に戻ると、これは最適な走り方への合わせ込みの手法の違いを表しているというのが僕の考えです。
そもそも、最適な走り方が理論上存在していたとしても、100%それを実現することなんて無理です。
なので、最適な走り方への合わせ込みの手法がドライバーによって異なると考えられます。
これがドライビングスタイルの違いだと思うわけです。
目標とする最適な走り方は同じだが、そこへの合わせ込みの手法が異なるといことだと思います。
日本式の場合は、最適な走り方におおよそ見当をつけて、いきなりその走り方をしようとする手法です。
この手法の場合、理論上の最適な走り方に対し、ブレーキ開始地点が手前になったり、奥になったりします。
これに対し、欧州式は最適な走り方におおよそ見当をつけて、その最適な走り方よりも、少しコーナリング速度が高くなるような走り方をして、そこから最適な走り方に合わせ込む手法です。
この手法の場合、最適な走り方の走行ラインよりも最小旋回半径を大きくする必用があるので、少し手前から減速を開始します。
どちらも、理論上の最適な走り方になっていないので、到達可能な最速ラップタイムからは遅いというところは同じです。
どちらが遅いかと言うと、最適な走り方からのズレが大きい方が遅いので、どちらとも言えません。
しかし、プロドライバー達がやたらと欧州式をススメるのには理由があると思うのです。
ところで、彼らはその理由をなぜか荷重移動とか車輌の姿勢で説明しようとしますが、これは間違いです。
大事なので大きく書きます。
ラップタイムは、荷重移動や、車輌の姿勢で決まるのではなく、走行距離と平均速度のみで決まる
各場所での速度が高い理由として荷重移動や車輌の姿勢を説明に使うのは正しいのですが、荷重移動や車輌姿勢でラップタイムを説明しようとするのは間違いです。
ラップタイムが速い理由を説明するのであれば、まずは走行距離と平均速度について説明しなければなりません。
荷重移動や車輌の姿勢はその次の段階です。
途中ですが、お腹が減ったので、マックに行ってきます。