• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2014年06月28日

ドライビングスタイル2

今日も雨です。
雨が降るといつも思い出すこの歌、いい歌ですなぁ。

さて今日のお題はドライビングスタイル2です。
ドライビングスタイルとは、サーキットでのクルマの走り方のこと言うのですが、走り方とは以下の二つのことを示します。

①走行ライン
②走行ライン上の速度

ハンドルの切り方やブレーキの踏み方は、この二つを達成するための手段で、それはそれで大事ですが、ラップタイムは走行ラインと走行ライン上の速度の二つだけで決まってしまうので、ここでは走行ラインと走行ライン上の速度の二つのことを走り方と言うことにします。

また、横Gや前後Gも走行ラインと走行ライン上の速度だけで決まるので、これらも走り方に含まれています。

前回のドライビングスタイルでは、オートスポーツ誌で取り上げられていた欧州式、日本式の違いについて自分の意見を書いてみました。

簡単におさらいすると

オートスポーツ誌の定義は

 日本式・・・加減速を重視し、ブレーキはクリッピングまで残す走り方
 欧州式・・・コーナリング速度を重視し、減速は直線で終わらせて、コーナは一定速度で走る走り方

というものでした。

しかし、ここで定義されている欧州式のような走り方では、実際には速く走ることができなし、そんな走り方をするドライバーを見たことがありません。

そこで、僕の考えとして

 
 どちらの走り方もほぼ同じであるが、
 日本式・・・比較的加減速重視
 欧州式・・・比較的コーナリング速度重視

という説を書きました。

さらに、先日いただいたコメントの返信には以下のように書きました。

 どちらも目標とする最適な走り方は同じであるが、 
 日本式・・・最適な走り方に速度が低い側から合わせ込む
 欧州式・・・最適な走り方に速度が高い側から合わせ込む

と返信したものの、いまいちしっくりこなかったので、さらに考えた説がこちらです。

 どちらも目標とする最適な走り方は同じであるが、
 日本式・・・最適な走り方に直接合わせ込もうとし、加減速を重視する
 欧州式・・・最適な走り方に速度が高い側から合わせ込もうとし、コーナリング速度を重視する


これらならしっくりきます。
いまいち意味がわからないと思うので解説します。

まず最適な走り方とはなんぞや?ということですが、サーキット走行において、クルマ(タイヤ含む)と路面状態が決まると、到達可能な最速ラップというのが存在し、到達可能な最速ラップを達成できる走り方が、最適な走り方です。

オートスポーツ誌の書き方では、それぞれが目標としている最適な走り方が異なるかのような印象を受けます。

しかし、スーパ-GTやスーパーフォーミュラをサーキットに見に行ったり、車載映像を比較してみても、ほとんど違いがありません。
違いはあるけどその差は小さいように見えます。

その理由は、目標としている最適な走り方がほぼ同じだからだと考えています。

例えばスーパーフォーミュラのチームはプロですから、プロが作ったサーキットシミュレーション専用のソフトで空力などを考慮したシミュレーションを事前に行っていると考えられます。

空力の効くクルマになると、直線を速く走る場合とコーナを速く走る場合で、どちらのがラップタイムがいいのかを事前に検討しないと空力仕様を決めることができないし、ギア比も決めることができないので、まともなチームなら間違いなくシミュレーションをしているはずです。

従って、その時点で目標とする最適な走り方を各チームとも持っていると思います。

もし、目標とする最適な走り方が同じチームでもドライバーによって異なる(シミュレーションにドライビングスタイルが考慮されている)ということであれば、その場合には、それこそがドライビングスタイルの差だと思うのですが、雑誌の記事などを読んでも、そこに差があるようには感じられません。

それに、仮にドライバーによってシミュレーションのパラメータ(走行ラインとか)が異なるとします。
そうすると、コンピュータはそれぞれのパラメータに対し結果を出すので、どちらかが速く、どちらかが遅いという結果が出てくるはずです。
普通は速い方の走り方が最適な走り方なので、そちらを目標とすべきだと思うのです。

つまり、スーパーフォーミュラなどのレーシングチームは、ドライビングスタイルを考慮しない最適な走り方を知っていて、実際のサーキットでは、路面状況やクルマの状況、さらにはドライビングスタイルなどに合わせてセッティグをして行くという作業をしているはずです。

ここで、もう一度、日本式、欧州式の話に戻ると、これは最適な走り方への合わせ込みの手法の違いを表しているというのが僕の考えです。

そもそも、最適な走り方が理論上存在していたとしても、100%それを実現することなんて無理です。
なので、最適な走り方への合わせ込みの手法がドライバーによって異なると考えられます。

これがドライビングスタイルの違いだと思うわけです。
目標とする最適な走り方は同じだが、そこへの合わせ込みの手法が異なるといことだと思います。

日本式の場合は、最適な走り方におおよそ見当をつけて、いきなりその走り方をしようとする手法です。
この手法の場合、理論上の最適な走り方に対し、ブレーキ開始地点が手前になったり、奥になったりします。

これに対し、欧州式は最適な走り方におおよそ見当をつけて、その最適な走り方よりも、少しコーナリング速度が高くなるような走り方をして、そこから最適な走り方に合わせ込む手法です。

この手法の場合、最適な走り方の走行ラインよりも最小旋回半径を大きくする必用があるので、少し手前から減速を開始します。

どちらも、理論上の最適な走り方になっていないので、到達可能な最速ラップタイムからは遅いというところは同じです。
どちらが遅いかと言うと、最適な走り方からのズレが大きい方が遅いので、どちらとも言えません。

しかし、プロドライバー達がやたらと欧州式をススメるのには理由があると思うのです。
ところで、彼らはその理由をなぜか荷重移動とか車輌の姿勢で説明しようとしますが、これは間違いです。

大事なので大きく書きます。

ラップタイムは、荷重移動や、車輌の姿勢で決まるのではなく、走行距離と平均速度のみで決まる

各場所での速度が高い理由として荷重移動や車輌の姿勢を説明に使うのは正しいのですが、荷重移動や車輌姿勢でラップタイムを説明しようとするのは間違いです。

ラップタイムが速い理由を説明するのであれば、まずは走行距離と平均速度について説明しなければなりません。
荷重移動や車輌の姿勢はその次の段階です。

途中ですが、お腹が減ったので、マックに行ってきます。
ブログ一覧 | サーキット走行理論 | 日記
Posted at 2014/06/28 20:58:19

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

マイジャグV爆裂
花樹海さん

おはようございます。
138タワー観光さん

クロスト君は納車から1年と360目 ...
Jimmy’s SUBARUさん

お客様が型取りにいらっしゃいました ...
FJ CRAFTさん

『和のあかり✕百段階段 2025〜 ...
bighand045さん

【乗り鉄 ハイドラ】 東日本のんび ...
{ひろ}さん

この記事へのコメント

2014年6月29日 0:11
初めまして。

サーキット走ってない僕が言うのもなんですが…

かなり昔からのオートスポーツ紙の内容ですが、物凄く乱暴な言い方をすると…

日本式…突っ込み重視
F1ならブリジストン型
タイヤに厳しい(荷重一極集中型)

欧州式…脱出重視(必ずしも旋回重視ではない)
F1ならピレリ型
タイヤに優しい(荷重分散型)

さらに細かい説明が入りますが、今回は割愛します。


欧州式の究極が日本式になる。日本式は常に究極の欧州式になるとの事。
これはタイヤや路面が絡みます。


欧州式は、タイヤのグリップや路面が悪い状況が多いために自然となったらしい。

欧州式の車のセットはわかりませんが、常にリヤが曲がりやすい状態だと…
FポンのSF13の車体がそういうセットアップだったとか…


欧州式が多用されるのは、ラインが一つだけではでないとき。
国内なら鈴鹿のS字に違いが出るそうです。
海外ならモンツァの最終コーナーになるみたい。

逆にモナコは日本式。
ブレーキングポイントが決まっていて、ラインが一本しかないため。


あちらは現在、日本と欧州のミックス型がトレンドになりつつある…と書いてありました。


現在、オートスポーツ紙はさらに進んで、F1における記憶型と反応型について記載されてました。

バトン(記憶型)とハミルトン(反応型)の比較です。


あくまでオートスポーツ紙の過去の記事の内容であり、私観はありませんのであしからずm(_ _)m

オートスポーツ紙もどちらが速いとは書いていません。



面白いので、BOOK・OFFでかき集めてます(;^_^A

長文失礼しました。


コメントへの返答
2014年6月29日 0:51
はじめまして!
コメントありがとうございます。

こういう理論って、自分がサーキットを走ったことがあるかどうかはあまり関係ないと思います。

1、理論計算をしたことがある
2、実測結果をたくさん持っている
3、計算結果と実測結果を比較検証したことがある。

この3つだけが大事だと思います。

なので、どれも行っていないオートスポーツに書いてある説は無視した方がいいと思います。

Tak168さんもたくさん実測するか、計算してみてください。
2014年6月29日 3:10
手段が目的になっちゃうとおかしなことになる、ってことでしょうか^^;

ずーっと前に、最終コーナで欧州式で走ったデータがあったはず、と思っていたのですが見つかりませんでした。
最終コーナはスピンしやすくて怖いので「早い段階からすこーしだけアクセルを踏んで…」と意識していた時期があったのですけど、どのデータを探してもそうなってはいません。
見つかってないだけかもしれませんが、自分の感覚と実際のデータってずいぶん違いますね。
コメントへの返答
2014年6月29日 10:43
荷重移動も車輌姿勢も平均速度を上げるための手段であって、それ自体は目的ではないですよね。

僕の場合も自分の感覚と実際のデータが合わないところって、結構あるのですが、走行会から帰ってきて、改めて考え直すと、もう少しなんとかなったんじゃないかなぁって思うことが多いです。

まっ、毎回決めた走り方をパーフェクトにできてたら、サーキット走行なんてつまらないですよね。
2014年6月29日 10:04
大変勉強になりました。ありがとうございます。

どうも自分がTC1000を走るときにターンイン云々を気にしすぎて、複合コーナーや最終で大回りしすぎている気もしますので、次回走るときは「走行ラインを最短にする」を優先してみたいと思います。
コメントへの返答
2014年6月29日 10:47
走行ラインを最短にしちゃだめです!

走行ラインが長くなりすぎないようにして、かつ平均速度も落としすぎないようにして、ラップタイムを最速にする。

この非具体的な指標を達成するのがサーキット走行なのです。

バランスよく調整してください。
2014年6月30日 22:08
元々の定義というか、これの

>欧州式・・・コーナリング速度を重視し、減速は直線で終わらせて、コーナは一定速度で走る走り方


これが

>コーナは一定速度で走る

いわゆる定常円旋回の状態で、
いろんなコーナーの実際のコーナリングで
定常円のラインがどの程度あるのか、
そもそもそんな区間があるのかってところも
話をややこしくしているように思えます
コメントへの返答
2014年7月1日 2:03
どこのコーナでも定常円で走ろうとすれば走れるものの、定常円のラインで走るプロドライバーはいないですよね。

でも、オートスポーツに1349号には、はっきりと欧州式は定常円で旋回すると定義があります。

定常円で旋回するから、横方向のみにタイヤのグリップを使うことができて、速いコーナリングが可能になると書いてます。

しかも、この内容を多くの人が真に受けてると思います。
なので、しつこく取り上げてみました。

プロフィール

サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
1011121314 15 16
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

ホンダ S2000 ホンダ S2000
最新型のS2000が欲しくなったので買い替えました。
アウディ A3 アウディ A3
プレミアムコンパクトです。 コンパクトなのにプレミアム プレミアムなのにコンパクト マ ...
日産 180SX 日産 180SX
いまいち乗っていた記憶がないのですが、いい車でした。 だけど、いろいろやっていたらしい ...
日産 フェアレディZ 日産 フェアレディZ
バツグンのカッコよさを誇るZ31です。 電動ファンがいまいちだったせいか、ラジエータの冷 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation