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2024年09月01日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その13

今日は、今回最適化した走行ライン”R23全体最小"のコーナ中心線方向加速度が以前の最適化した走行ライン”R25 90"よりも低い原因の確認をします。

グラフ上の9~10.5秒くらいの範囲で”R23全体最小"の方が”R25 90"よりもコーナ中心線方向加速度が低くなっているところです。


そもそも今回の最適化した走行ラインでは、中心線方向加速度を最大にするように直角方向加速度を設定しているので、以前作った、中心線方向加速度を考慮していない走行ラインよりも低くなっていることが解せません。

計算が間違っている可能性もあるので、その理由を確認します。

まずは、改めてコーナ中心線方向と車輛進行方向の角度差に対する直角方向加速度と中心線方向加速度を確認します。


角度差が90~135°付近までは今回最適化した"R23全体最小”がコーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度と一致しており、コーナ中心線方向加速度も”R25 90”よりわずかに高いことがわかります。

したがって、横軸が進行方向角度差のときは想定通りになっていることは確認できました。

ここで、もう一度最初の横軸が時間のグラフに戻ります。

グラフ中の①旋回半径 ②”R23全体最小”と”R25 90”の進行方向角度差をご覧ください。

当たり前ですが、コーナ中央(8秒、90°)の”R23全体最小”の旋回半径は23mで、”R25 90”の旋回半径は25mです。

そこから10秒くらいまでは”R23全体最小”の方が旋回半径が小さくなっています。

旋回半径が小さいとその円周上を同じ距離(時間)走行したときの車輛進行方向角度変化が大きくなるので、”R23全体最小”の方が角度が大きくなっています。

ここで、さらにもう一度横軸が進行方向角度差のグラフに戻ると、コーナ中心線方向加速度は、コーナ中心線方向と車輛進行方向の角度差が大きくなるほど低くなることがわかります。

まとめると
1、今回最適化した加速側の”R23全体最小”は”R25 90”に対し、コーナ中央の旋回半径が小さい。

2、旋回半径が小さいと走行距離に対する車輛進行方向角度変化が大きい

3、コーナ中心線方向加速度はコーナ中心線方向と車輛進行方向の角度差が大きくなるほど低くなる。

4、したがって、旋回半径が小さく角度変化が大きい”R23全体最小”のコーナ中心線方向加速度は旋回半径の大きい”R25 90”に対して低くなる。

ということで、なんのことかよくわからなかったと思いますが、今回の計算は間違っていなかったということが確認できました。

ところで、その11で加速側の最小旋回半径に対する区間タイムの計算結果を載せたときに、なにも考察していなかったので、今回の結果を踏まえて考察してみます。

なぜ半径違いで走行ラインを作ったときR25が最も速いのか?


その理由は
①R25より半径が小さいと、今回と同様にコーナ中央からの走行距離(時間)に対して車輛進行方向の角度変化が大きくなるので、コーナ中心線方向加速度が低い時間がR25に対して長くなる。

②R25より半径が大きいと、コーナ中心線加速度が最大になる直角方向加速度からの乖離が大きくなる。


③①②の理由により加速側はコーナ中央の旋回半径に小さすぎず、大きすぎない最適値があり、今回のコースと車輛設定ではR25が最適値になっている。

ということで、今日は加速側の走行ラインの最適化の結果について考えてみました。

次回は180°ヘアピンコーナのまとめです。
Posted at 2024/09/02 00:21:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2024年08月31日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その12

台風10号が来るのか来ないのか、なんだかよくわからない状況で、あまり外に出かける気がしないので、今日も走行ライン最適化の計算です。

今回は、前回までに計算した減速側と加速側の時間を足し合わせて、コーナ入口から出口までの区間タイムが最も速い組み合わせを探します。

まずはその10とその11の計算結果のおさらいで、減速側と加速側の区間タイムの確認です。
減速側も加速側もどちらもおおよそ速度が180km/hの地点での比較基準(以前作成した最適化した走行ラインのR20 140とR25 90)に対する差です。

減速側の半径ごとの区間タイム


加速側の半径ごとの区間タイム


前回書いたように、コーナ中央で瞬間的に旋回半径を変化させることはできないため、同じ半径の区間タイムを合計します。

減速側と加速側の合計区間タイム


半径22mと23mが同じ区間タイムになりました。
比較基準としていた減速側:R25 140、加速側:R25 90を合計した区間タイムに対しては、0.02秒のタイム向上になりました。

以前よりも多くの時間を使ってようやく最適化した走行ラインと以前作成した走行ラインの差がたった0.02秒しかなくて残念と言えば残念ですが、その分以前の走行ラインもそれなりに最適化できていたということになるので、よかったことにします。

走行ライン、速度、加速も比較してみます。
半径22mと23mが同一タイムでしたが、半径が大きい側の方が走りやすいはすなので、半径23mを今回の最適化された走行ラインということにして比較します。

走行ライン


コーナ中心線方向の速度、加速度変化
実線が今回の最適化した走行ライン、点線は以前の最適化した走行ライン


減速側のコーナ中心線方向の加速度を見ると、5~7秒くらいの区間で以前の最適化した走行ラインよりもコーナ中心線方向の加速度が高くなっており、それが区間タイムの向上に影響していることがわかります。

一方、加速側は、9~10秒くらいの区間で以前の最適化した走行ラインよりもコーナ中心線方向加速度が低くなっています。

加速側についてはコーナ中央(90°)から150°くらいまでの区間をコーナ中心線方向加速度が最大になるように設定しているので、本来であれば以前の最適化した走行ラインよりも加速度が高くなっていなければならないように思えるので、次回はその理由の確認を行いたいと思います。
Posted at 2024/08/31 22:32:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2024年08月31日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その11

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その11写真は先週行った東京 浜松町近くにあるMUNCH'S BURGER SHACKというハンバーガー屋さんです。

おいしくて、ボリュームもあって大満足でした。



それでは前回の続きです。

前回、走行ライン最適化の減速側についてはおおよそ見通しが立ったので、今回は加速側の計算をします。

減速と加速側の違いは2つあります。
1つ目はタイヤの摩擦円の前後方向が減速よりも加速側が小さいこと。
これは、ブレーキが4輪全て使うのに対し、加速は前後2輪のどちらかしか使わないため、その分グリップが小さくなることが理由です。

2つ目は前後方向の加速の大きさがエンジンパワーにより決まることです。
ブレーキはタイヤがロックするときが限界なので、タイヤの摩擦力を最大に使うことができますが、加速側はエンジンパワーによる駆動力がタイヤの摩擦力よりも小さい場合は、駆動力以上の加速ができません。

したがって、この二つを計算に組み入れて減速側と同様に、今までのサーキットシミュレーションと同様の計算を行いました。

エクセル計算シートはサーキットシミュレーションを改造して作りました。


サーキットシミュレーションは走行ラインを予め決めておき、その走行ラインをタイヤの摩擦円が100%になるような速度を計算するのに対し、今回はコーナ中心線直角方向の加速度を予め決めておき、タイヤの摩擦円が100%になるようなコーナ中心線方向加速度を計算して、その加速度から速度→距離の順番で計算します。

理屈的には難しくないものの、実際にマクロを作ってみるとなかなか思ったような計算結果がでなくて、3日間くらいひたすら修正して完成しました。

そんな状態なので、計算された結果が合っているのか間違っているのかもよくわかりません。

そこで、従来のサーキットシミュレーションで計算した結果と比較してみることにしました。

まずは車輛進行方向角度に対するコーナ中心線直角方向の加速度を設定します
比較対象は以前作った加速側最速のR25 90という走行ラインです。


そして、この直角方向加速度からコーナ中心方向加速度計算し、さらに車輛進行方向速度を計算します。


青色線が今回の走行ライン最適化で計算した速度で、赤色が従来のサーキットシミュレーションの計算結果です。

ほぼ合っていて、基本的な計算式に問題がなさそうなことは確認できたのですが、微妙に今回の計算結果の方が高い速度になりました。

原因を探ってみると、従来のサーキットシミュレーションでは繰り返し計算でタイヤ使用率が100%より少し小さい99.5%くらいで計算が終わることがあったのに対し、今回はほぼ99.9%以上で計算が終わっていたので、計算精度が原因ということがわかりました。

計算シートができたので、早速計算を始めたくなりますが、その前にコーナ中心線方向加速度が最大になる車輛進行方向角度に対する直角方向加速度を事前に算出する必要があるので、減速側と同様に算出しました。





ようやく準備ができたので計算を始めます。
加速側は何種類か最小旋回半径違いを計算したところ、R25くらいが最も速そうだったので、R25で走行ライン違いの比較をしました。

コース中心線直角方向加速度


走行ライン


中心線方向走行距離に対する加速時間
今回も以前作った最速走行ラインR25 90との時間です。


グラフを見てわかるとおり、中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度との差が全体で最小になるように設定した”全体最小”が最も速いという結果になりました。

以前の最速走行ラインR25 90と比べると、直角方向加速度も大体同じで、加速時間もほぼ同じ結果となり、R25 90もかなり最適化されているということが今回わかりました。

次に、最小旋回半径の最適値を確認するために、半径違いの計算をしました。
コース中心線直角方向加速度


走行ライン


中心線方向走行距離に対する加速時間


上のグラフの400m地点(速度約180km/h)の位置まで加速する時間をグラフに表すと


減速側では半径が最も小さいR20のときが最も速いという結果でしたが、加速側では小さすぎず、大きすぎないR25が最も速いという結果になりました。

減速側と加速側で最速となるコーナ中央の最小旋回半径が異なる結果になったわけですが、コーナ中央で瞬間的に旋回半径が変化することができないので、減速側と加速側の区間タイムの合計が最も小さくなるときが最適な最小旋回半径ということになります。

ということで、次回は減速側と組み合わせたいと思います。
Posted at 2024/08/31 09:34:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2024年08月23日 イイね!

修正します、走行ライン最適化 その9とその10

修正します、走行ライン最適化 その9とその10写真は夏休み中に益子に見に行ってきたひまわりです。

高さ120~160cmくらいのひまわりが一面に咲いていてとてもキレイでした。

さて、すでに読んでいただいた方、いいねをつけていただいた方には大変申し訳ありませんが、加速側の計算をしているときに、その9、その10に間違いがあることに気が付きました。

そのままだと今後の説明がわかりずらくなるので、再計算して書き直すことにしました。

間違いは以下の2つです。
1、コーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度の計算
2、各走行ラインの速さ比較の方法


1、コーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度の計算
現在の走行ライン計算では、ノーマルのFK8を想定したタイヤ摩擦円の値を使っているのに対し、コーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度の計算ではSタイヤのEK9相当のタイヤ摩擦円になってました。

ノーマルFK8相当
 ・横最大:1.05G
 ・減速最大:0.95G

SタイヤEK9相当
 ・横最大:12.5m/sec2
 ・減速最大: 9.5m/sec2

コーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度の計算では横と縦の比が影響し、減速側では、ノーマルFK8相当は縦に対する横の比率が1.105倍、SタイヤEK9相当では1.315倍で、結構差がありました。

その結果、コーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度の計算結果が下図のようになりました。


グラフを見ていただいてわかるようにノーマルFK8相当の方がコーナ中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度が大幅に低くなっています。

そこで、”コーナ中央優先”の走行ラインの直角方向加速度をコーナ中心線方向加速度が最大になる加速度まで低くする必要があるのですが、そうすると走行ラインがコース内に収まらなくなってしまいました。

結果的にSタイヤEK9相当の直角方向加速度よりちょっと低いくらいで作った走行ラインにするとちょうど良さそうということになって、いまいち”コーナ中央優先”ではなくなってしまったのですが、コーナ中央付近のコーナ中心線加速度をより高くするという考え方に変わりはないので、名前としてはそのままにすることにしました。

修正後のグラフはその9に貼りなおす予定です。

2、各走行ラインの速さ比較の方法
その9、その10では、減速開始速度を200km/hとして、コーナ中央までの減速時間を比較することで、走行ラインの優劣を決めていたのですが、速度で比較すると逆転現象がおきることに気が付いたので、同じ地点からコーナ中央までの減速時間で比較することしました。

わかりやすくグラフで表すと、下図のようになります。


その9で”コース中央寄り”が”コーナ中央優先”よりも160km/hより高い速度で減速時間が短くなっていたのはまさにこの状態でした。

明日以降にその9とその10修正予定ですので、これから読まれる方、読み直そうと思っている方は、修正後までお待ちください。
Posted at 2024/08/23 23:29:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2024年08月11日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その10

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その10今日は、日光市にある魚登久(うおとく)という うなぎ屋さんにお昼ご飯を食べに行ってきました。

大正元年創業の老舗だそうです。

僕も奥さんも うな丼を頼み、僕だけ茶碗蒸しセットにしました。
茶碗蒸しも、うな丼も非常においしく大満足でした。

では、今日はコーナ中央の旋回半径25mmのときの計算結果です。
(8月30日大幅修正しました。)

今回もR20のときと同様に、3種類の走行ラインを計算しました。

計算に使ったコース中心線直角方向加速度


走行ライン


減速開始位置に対する減速時間


傾向としてはR20のときと同じで、”全体最小”の走行ラインが最も速いという結果になりましたが、R20よりもコーナ中心方向加速度が最大になる直角方向加速度との差が大きくなるため、どの減速開始速度でもR20に対しては減速時間が長くなりました。

前回のR20とR25計算の計算結果から今回のコースについて減速側のまとめをすると
1、最小旋回半径に関係なく、全体の直角方向加速度が最小になるようにしたときが最も速い。
2、コース内側の半径と同じR20をコーナ中央の旋回半径としたときが最も速い。

減速側についてはほぼ最適化できたと思うので、次回から加速側の計算を行いたいと思います。
Posted at 2024/08/11 23:04:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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