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2012年07月03日 イイね!

多板式LSD

オーバーホール後のLSDの差動制限トルクがいまいちな原因を探るべく、差動制限トルクを計算してみました。

多板式LSDの差動制限トルクはフリクションプレート間の摩擦によるものなので、この摩擦トルクを計算すれば、よいと思われます。

押し付け力をP(N)、プレートの有効摩擦半径をRμ(m)、プレート間の摩擦係数をμ、プレートのしゅう動面の数をN(箇所)とすると、全てのプレート間の摩擦トルクT(Nm)は次式で求めることができます。

 T=P×μ×Rμ×N

ここで有効摩擦半径Rμは、しゅう動面が均一に当たっていると仮定し、プレート外径の半径をR1(m)、内径半径をR2(m)とすると
 
 Rμ=2/3×(R1^3-R2^3)/(R1^2-R2^2)

また、押しつけ力Pは駆動トルクがかかっていない状態では、コーンプレートの反力のみで、コーンプレート反力は、コーンプレートの初期たわみを平らにつぶした状態の反力と考えられます。
計算式はやたらと長くて難解なので割愛します。(僕も理解してません)
お勉強したい人はバネの本を読んでください。

以上の計算式で算出できるので、僕の使っているS2000用LSDについて計算してみました。
クスクのLSDの諸元は
1、フリクションプレート外径:83mm
2、フリクションプレート内径:50mm
3、コーンプレート外径:76mm
4、コーンプレート内径:50mm
5、コーンプレート板厚:1.8mm
6、コーンプレート初期撓み量:2mm
7、プレートしゅう動面数:10箇所(片側)

まずは有効摩擦半径
 Rμ=2/3×(41.5^3-25^3)/(41.5^2-25^2)=33.9mm
次にコーンプレート反力は計算式を割愛して結果だけ
 P=3415N
摩擦係数μはオイルで潤滑されている場合で、かつプレート同士が接触している場合は大よそ0.1前後なので、これらの数値を摩擦トルクの式に代入すると
 T=3415×33.9/1000×0.1×10=115.8Nm(11.8kgf・m)
S2000用のクスコLSDイニシャルトルクの設定は12~14kgf・mなので、ほぼ合っています。

で、何がわかるかと言うと、計算式の中で、新品状態と今の状態で差があると思われるところを考えればトルクが低い原因がわかるわけです。
そこで差動制限トルクの式に出てくる各項目について考えてみます。
1、プレート有効摩擦半径:Rμ
 →片当たりしている(内側だけ当たっている)状態は考えにくいので、これは原因ではない。
2、プレート間摩擦係数:μ
 →馴らし終了前は、どちらかと言うとμは高いはずなので、原因とは考えにくい。
3、プレート押し付け力:P
 →コーンプレートが完全に撓んでいるかどうか不明なので原因の可能性あり。
4、プレートしゅう動面数
 →プレートは間違いなく片側11枚入れたので原因とは考えにくい。

コーンプレートの反力計算式は割愛していますが、外径、内径、板厚、初期撓み、荷重による撓みで計算できて、外径、内径、板厚、初期撓みは実測値なので、荷重による撓み量が足りないと推定できます。
ということで、やっぱりケース寸法に対してプレート+プレッシャリング+ギアの寸法が小さすぎたのが原因の可能性大です。
あ~っ、やっぱり、もう一度組みなおしが必要だ・・・。
Posted at 2012/07/03 23:07:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | LSD | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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