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2012年09月21日 イイね!

データロガーのススメPart3

今日のネタはデータロガーの役立ち事例です。

僕がお手伝いに行っていたもてぎシビックでは、本コース3戦、東コース2戦の計5戦がありました。
第1戦が本コースということで、冬の間の練習はほとんど全部本コースで行います。
なので、東コースはデータ量が少なく、なかなかタイムが上がりませんでした。

さて、そんなもてぎ東コースのN君Aのとあるレース前日の練習走行のタイムが良くありません。
もてぎ東コースと本コースの違いは90度コーナから5コーナを東ショートカットでショートカットするだけの違いなので、5コーナから90度コーナまでは本コースと全く同じです。
本コースでは十分速く走れていたので、本コース共通部分だけを比較してみました。

こちら


赤が本コース走行時のデータで青が東コース走行時です。
季節は違いますが、直線加速が同じようなときのデータを重ねてみました。
直線加速区間はほぼ同じでブレーキングとS字に差があることがわかります。

下の黒い線はタイム差で上に行くほど、東コース走行時のタイムが遅いことを示しています。
つまり、本コース共通部分では本コースを走ったときよりも0.8秒も遅くなっているのです。

本コースは既に速く走れているはずだったので、遅い原因は東ショートカットの走り方にあると思っていました。
ところが実際は東ショートカットよりも本来得意なはずの本コース共通部分のタイムが落ちていたのです。
N君Aに聞くと、ショートカットが思ったように走れないので、あれこれ考えながら走っていて本コース共通部分でもタイミング合わなかった可能性があるということでした。

原因がわかれば対応は簡単です。(実際は簡単じゃないけど)
”本コース共通部分を走るときは本コースを走っていると思って走れ。余計な邪念は無くすべし!”と無責任なことを言っておきました。
翌日のレースでは無事ラップタイムも上がり、優勝こそ逃しましたが無事に2位に入りポイントを稼いだのでした。

データロガーがあってよかったという事例でした。
Posted at 2012/09/21 23:41:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | データロガー | 日記
2012年09月21日 イイね!

データロガーのススメPart2

こんばんは。
ボルト締め付け回転角度の計算と実測は同時の方がわかりやすいので、ちょっとお休みです。

そこで今回は、データロガーのススメ第2回目です。
ちなみに、僕はデータロガーのメーカと癒着があるわけではありません。
また、人によってクルマの楽しみ方は違うので、ロガーを使わないことを否定するものではありません。
主にレースをやる人、なんとしてでもタイムアップしたい人向けの内容です。

僕はボルト締付けは手ルクレンチ行っていますが、サーキット走行結果確認にはデータロガーを使っています。体感のフィーリングとは別に毎回ロガーで確認します。

以前もてぎのシビックレースの手伝いをしていたときも、ドライバーのコメントは一応聞いて、必ずロガーを確認していました。
大事なのはロガーのデータ上で区間タイムが速いことです。
一周のタイムは気温で変わってしまうのであまり意味がありません。
コーナ毎の区間タイムで比較しないと正しい評価はできないのです。

フィーリングがどんなによいセッティングても遅かったら意味がありません。
それでもドライバーが「次回はちゃんと速く走る」と約束する場合はドライバーの意見を尊重します。
でも、やっぱり遅かったら元のセッティングに戻します。
どっちでもタイムに差がない場合はドライバーの好みに合わせます。
その方が普通は安定していいタイムで走れる場合が多いからです。

今年のスパではポールtoフィニッシュしたジェンソンのQ1では、こんなやりとりがあったようです。
以下NumberWeb9月7日より抜粋
午後2時、ベルギーGP公式予選開始。Q1で今井が設定した内圧のタイヤを装着してタイムアタックを始めたバトンが、無線で叫んだ。
「アンダーステアがひどい!!」
 しかし、それはバトンの勘違いだった。バトンは予選前に履いたときと異なる内圧に戸惑っていただけで、実際はテレメトリーのデータを見る限り、ほぼ完璧なアタックを行っていた。それは結果にも出ていた。

F1ドライバーのジェンソンですらこのありさまです。
ここで、ドライバーの意見を鵜呑みにしてセッティングを変更していたらぶっちぎりで優勝できたかどうかは微妙です。

今回僕が言いたいのは、体感のフィーリングは意味がないということではありません。
体感は非常に大事です。
しかし、データと自分の体感を比較して相関を取っておかないと、どんどん間違った方向に進みかねません。逆に相関を取っていればわざわざデータを確認するまでもなく修正の方向性がわかり素早く対応ができます。

以前、もてぎのレースをしているNさんTという人がブログでその前のレースに比べて、周りに対してタイムが悪かった理由を”なぜかグリップが低かった。”と書いてあるのを見ました。NさんTはロガーを使っていませんでした。
ブログに貼ってある車載の動画を見ると運転はかなり上手く、そのレースではトップレベルです。
ということは何かクルマに原因があります。
そこでそのときの予選のセクタータイムと最高速を見てみました。
こちらです。


ラップタイムではトップから1.5秒遅れ、そして最高速では、なんと2位のSI選手の197km/hに対して、NさんTはたったの191km/hしか出ていません。
一番右の最高速が予選全ラップ中の最高速で、右から二番目は予選ベストラップ時のものです。
つまりNさんTは最高速が5人中で一番遅いのです。
車載ビデオを見る限りNさんTのシフトアップは十分速いので、シフトアップ速さは原因ではない。
もてぎの最高速はダウンヒルストレートのブレーキポイントより少し手前で計測されているのですが、ダンヒルストレート前のコーナである東ヘアピンは、相当ヘタっぴでないと最高速影響はないのでこれも原因ではない。
では何が原因か?
エンジンがク○だってことです。
こんなの同じような気温のロガーデータと比較したら3秒でわかる。
でも見てないからわからない。
東ヘアピンの立ち上がり速度が大して最高速に影響がないことも、いつもロガーを見ていればすぐわかるけど、見ていないとわからないから、最高速が遅い理由は東ヘアピンの立ち上がりが遅いからではないか?と思ってしまう。
そして、グリップが低く感じたことが周りに対してタイムが悪かった原因だと思い込みセッティング変更や走り方で改善しようとします。
でも実際はエンジンがク○なのが原因なので、なにも改善しないどころか、今までちゃんと走れていたところもセッティンが変わって走れなくなり迷路に入り込んでしまいます。

あまりに悩んでいたようだったので、余計なお世話でNさんTにメール送ってしまいました。
「走りに問題は見受けられないが、直線が遅すぎるからエンジンに問題があるはずだ」と。
すると返信がきて、レースではあまりに直線が遅いので本人は気づいていたものの、エンジンのせいにするのはいかがなものか?ということで、走り方で解決しようとしていたそうです。

この年はそのレースが最終戦で翌年は、忙しかったらしく最終戦だけ参戦してました。
エンジンは新しいのにしたそうです。
結果2位。
優勝はREVスピードDVDで有名?なチャンプM選手でした。(チャンプM選手は速いです!)
ちなみに3位はリジ○ラで有名なスプ-○の市○社長。

なんでもかんでもロガーデータ見ればわかるわけではないので、万能ではありません。
でも、いつも見てればわかることはたくさんあるし、エンジンのパワーがないなんてすぐわかります。

今日のまとめ
体感は大事だが、データと相関を取っておくことが必要。
Posted at 2012/09/21 00:10:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | データロガー | 日記

プロフィール

サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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