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2013年02月10日 イイね!

前後重量配分

前後重量配分の理想的な値と言えば誰でも知ってる50:50です。

地球が太陽の周りを回っているのと同じくらい誰でも知っています。

本当でしょうか?
実際は太陽が地球の周りを回っているのではないでしょうか?
少なくとも僕には太陽が回っているように見えます。

おっと、話題がズレました。
今日のお題は、サーキット走行をするクルマの理想的な前後重量配分についてです。
そもそも理想的なというところには、○○に対してという前提があって、○○のところが重要です。

サーキット走行でラップタイムを縮めたいのか?
サーキット走行でドリフトを自由自在にしたいのか?
峠道を違○な速度で気分よく走行したいのか?
街中でデートに使うのか?

用途が違えば理想的な重量配分だって違うはずです。
50:50というのは、恐らく峠道を○法な速度で気分よく走行することに対して理想的な重量配分なんだと思います。(と僕は勝手に思ってます)

今回はサーキット走行でラップタイムを縮めるために理想的な重量配分について考えてみたいと思います。
まずはレーシングカーを見てみます。
F1等のフォーミュラカーは40:60~47:53くらいの後軸荷重が重めの設定です。
スーパーGTは本当の値は知りませんが50:50に近いと思われます。
でも、昔のGTは後軸荷重が重めの設定でした。

レーシングカーの場合はレギュレーションでタイヤの最大サイズが前後で決められていることが多く、通常はその最大サイズのタイヤを使ったときに、最も速く走れるような前後重量配分を選択してしまうので、あまり参考にならないと考えています。

そこでレギュレーションに縛られない一般車を見てみます。
フェラーリ F40⇒ 39:61
マクラーレンMP4-12C⇒42.5:57.5 
ホンダ NSX⇒43:57

やはり後軸が重めの設定です。
前後重量配分が50:50なのはスポーティーカー(なんちゃってスポーツカー)だけです。
NSXの場合は、レジェンドのエンジンとミッションを積んだら、こうなったくらいの理由しかないかもしれませんが、マクラーレンは狙ってこの値のはずです。

マクラーレンの紹介記事にこんな記述がありました。
”前後の重量配分は前42.5:後57.5とミドシップ・スポーツカーとしては理想的なバランス”

意味がわからない。

ミドシップスポーツカーをマクラーレンが設計する上で理想的だったのか?
それとも、六本木をゆっくり流すのに理想的だったのか?
それとも、ジャッキアップをするときに理想的だったのか?
(ロータスエリーゼをジャッキアップするときは気をつけましょう)
用途が書かれていないとまったくわかりません。

おっと、また話題がズレました。

では、なぜ世の中のスポーツカーやレーシングカーは後軸が重めの設定なのでしょうか?
それについては
「車はなぜ曲がるか?(限界コーナリングのダイナミクス)」三田村 樂三著 山海堂 をお読みください。
※残念ながら現在絶版中なので、中古でしか購入できません。

では無責任なので、この本を読んで自分が理解したことを書きます。
前提は後輪駆動車であるというところです。
前輪駆動車や4輪駆動では事情が異なりますので注意してください。

後輪駆動車は当たり前ですが
1、後輪を駆動する
2、ブレーキは4輪にかかる
です。

加速時は前から後ろへ荷重が移動します。
この点で後輪駆動車は都合がよく、駆動輪の後軸荷重が増大します。
従って荷重移動量が大きいほど大きな駆動力を路面に伝えることができます。

減速時は後ろから前へ荷重が移動します。
ブレーキは4輪にかかるので、荷重移動量が小さいほど4輪合計のグリップ力は高くなり、大きな制動力を路面に伝えることができます。

ここで、加速時と減速時では荷重移動に対する要求が違ってしまいました。
若干悩ましいところではありますが、旋回時を考慮すると荷重移動は小さければ小さいほど4輪合計のグリップが上がりコーナリング速度も上がるので、荷重移動は極力小さくしたいわけです。

荷重移動量は、重心高とホイールベース、トレッドで決まるので、重心高は極力低くしておきたい。
すると加速時の荷重移動量は小さくなって加速能力が低下します。
これでは具合が悪いので、始めから後軸の荷重を大きくしておきます。

ただ、タイヤサイズを4輪同じままで後軸荷重を大きくするだけでは、後輪の面圧が上がってしまい前輪に比べて摩擦係数が下がってしまいます。
そこで、後軸荷重が増大した分だけ始めから太い(外径も大きい)タイヤを後輪に使います。
こうすれば、コーナリング時の前後輪タイヤ摩擦係数に差ががなくなり、オーバーステアになりずらくなります。

もちろん実際はこんな簡単な話ではないので、前後荷重配分に合わせたロール剛性の設定などをして適切なハンドリングになるように調整します。

それでは、なぜスーパーGTは前後荷重配分が50:50に近いのか?
それは、まずレギュレーションで許されている最大サイズが前後同サイズであること。
その結果、前後重量配分を50:50にした方がコーナリング速度が上がり、駆動力が低下したことによるラップタイム低下分を補えるから。
だと思います。
空力の影響も大きいのでこれだけではないと思いますが、基本はこうだと思います。

最後にこの考えを僕のS2000に当てはめてみると
S2000の前後重量配分は峠道を違○な速度で走行するのに適していると考えられる50:50。
S2000は後輪駆動車なので、本来であれば後軸荷重を増やしたいものの、前後重量配分を変えることは非常に困難。
そこで、装着可能な最大サイズで前後同サイズのタイヤを使う。
ということになると思います。
Posted at 2013/02/10 21:46:46 | コメント(5) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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