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2014年06月22日 イイね!

コースアウト感

先日、みん友のkazu xxさんがブログで自身の車載映像に対し、”エキサイティングな感じがしな-い”と書かれていました。

車載映像を見てみると、スキール音も聞こえるし、テールスライドもしていて、ハンドル修正もしているので、エキサイティング感がないわけではないのですが、確かに何かが足りません。

じ~っと見た結果、エキサイティング感の中の大事な要素である、コースアウト感が足りていないように感じました。

コースアウト感とは何かと言うと、
”この勢いで加速したら、そのままコース外側へ飛び出してしまうのではないか?”という感覚です。

この感覚はコーナ立ち上がりアクセル全開地点での次ぎの三つでおおよそ決まります。
①速度
②走行ライン上の位置と車輌の向き
③全開時の加速度

従って、コースアウト感というのは、コースアウトする寸前ではなく、アクセルを全開にした瞬間に決まるということです。

あまり良い例ではないのですが、僕がTC2000を走行したときの車載画像とデータで説明します。
場所は第2ヘアピンです。

僕の走行ラインとコース上の位置関係はこんな感じです。
残念ながら写真のクルマは僕のクルマではありませんが、たまたま同じような走行ラインを走っているようです。


車載画像


絵的に見ると、コース幅いっぱいに走っていて、コースアウト感があるように見えます。
しかし、車載映像を見るとそんなにコースアウト感はありません。

なぜなら、僕の場合は、実際に走っているラインよりも、だいたい1mくらい縁石よりも内側を走れるようにアクセル全開にしているからです。

もし実際に1m内側を走ろうとするともっと立ち上がりの旋回半径を小さい半径で走ることになり、その分だけ横Gも高くなります。
そうすると、摩擦円の縁に近づきます。

摩擦円の縁ギリギリで走行していると、テールスライドが起きたときに、そのままコースアウトしてしまう可能性があるので、少しだけコース内側を走れるようなタイヤグリップに余力がある状態でコース外側を走って横Gが下がるようにしています。

つまり、僕の場合は”コース幅いっぱいの走行ラインで走っているが、その走行ラインをタイヤの摩擦円の縁で走っていない”という状態です。

次にアクセル全開地点をデータで見てみます。


速い人の走行データと比較すると、僕の方が10mくらい奥でアクセル全開にしていて具合が悪いのですが、ここでは僕の走り方が僕のS2000ではそこそこ悪くない状態とします。
ただし、コースウト感はありません。

作図による全開位置の推定をすると、だいたい1250m付近でアクセル全開の加速カーブになっています。

これを走行ライン上の位置で見ると、このような位置になります。
青色が僕の実走ラインです。



車載映像の音を聞いてもこのあたりなので、1250mのところで全開にしているようです。

コースアウト感を出すためには、前述の速度、位置と向き、加速度の三つが大事なわけですが。速度は、最低速度地点からの距離がほとんどなく、当然全開加速をしていないので、最小旋回半径の大きさで決まってしまいます。

加速度はきちんとグリップしていることを前提にすれば車輌の加速性能で決まるので、位置と向きがコースアウト感を出すために必要となります。

ここで、ドリフト状態でないとすると車輌の向きは走行ラインと走行ライン上の位置で決まってしまうので、結果的には走行ライン上のどこでアクセル全開にするかが重要になってきます。

言うまでもなく、走行ラインのより手前側、つまり最低速度地点により近い地点でアクセル全開にした方が立ち上がりの速度があがるのですが、そのためには摩擦円の縁で走るとともに最低速度地点からすぐに旋回半径をどんどん大きくしなければなりません。

そのときの走行ラインが上図の赤線です。
緑線は逆に最低速度地点からの旋回半径を小さい状態で走行したラインです。

赤線はアクセル全開時の車輌の向きがコース外側にきつい角度で向かっているので、その分コースアウト感があります。
緑線は、ゆるい角度で向かっているのでコースアウト感はありません。

赤の走行ラインは、より手前からアクセル全開にできるものの、コース外側縁石付近の旋回半径が青の走行ラインよりも小さくなってしまうので、摩擦円からはみ出す可能性があります。

そのため実際はこのラインで走ると、縁石の手前でアクセルコントロールが必要になる可能性もあり
、必ずしも赤の走行ラインの方がいいということではなく、走行ラインを決めるときには、一度アクセルを全開にしたら途中でコントロールする必要がないような走行ラインを選ばなければなりません。

車輌の向きとコースの関係をわかりやすくしてみました。


桃色の矢印がアクセル全開時の車輌の向きです。

この地点の車載画像


クルマによりますが、このくらいの場所であれば全開にしても曲がりきれそうな気がするので、車載映像にコースアウト感がないのもうなずけます。

上の車載画像より、もう少し手前から全開にできると、たぶんコースアウト感があると思います。
この辺  (上の車載画像ではアクセル全開にするためにハンドルを戻しています)


ところで、少し話が変わりますが、コーナ立ち上がり時の進みたい方向は、常に現在の進行方向よりも少しだけ内向きの方向(水色の矢印)です。
コーナ立ち上がりの方向(黄色い矢印)が進みたい方向ではありません。

黄色い矢印の方向に進もうとすると、コース幅いっぱいに走りにくいので、外側の縁石に向かって加速すると考えたほうがうまく走れると思います。

最後に大事なことを忘れてました。
F1の車載映像を見ても予選などの一発アタックのときは、決勝よりもコースアウト感があるので、それはそれで大事だと思いますが、どちらかと言うと、きちんとコース幅とタイヤの摩擦円いっぱいを使って走れることが大事なので、車載映像のコースアウト感そのものは、あまり気にしなくてもよいと思います。

それと、僕程度の運転レベルだと、コースアウト感のある走りをしようとすると、本当にコースアウトしてしまう可能性が高まるので、この領域はもっとレベルが上がってからで十分だというのが僕の考えです。
Posted at 2014/06/22 21:23:03 | コメント(3) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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