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2014年11月09日 イイね!

馬力とトルクの補足

mistbahnさんのコメントに対する説明をしたいと思います。

確かにコメントにあるように、特性を評価するのに何がわかりやすいか?という観点からは、各回転数におけるトルクで表した方がわかりやすいかもしれません。

しかし、それはエンジンを開発する側の観点だったり、そのエンジンに組み合わせるクラッチやトランスミッションを開発する側の観点です。

”エンジントルクはどうでもいい”というのは、クルマを運転する側の観点から書いたものです。

例えば次のような二つのエンジンがあったとします。
どちらのエンジンも出力と回転数が比例するような特性を持っています。

A: 200Nm/8000rpm
B: 100Nm/16000rpm

どちらもエンジン出力は228PSです。

どちらのエンジンを積んだクルマも出力が同じときは、同じ車速になるようなギア比になっていて、車輌重量も走行抵抗も同じだとします。
さらにAとBエンジンは回転数-トルク特性以外の項目(重量、音振動特性、燃費など)が全く同じだったとします。

運転手が感じることができるのはもはや車輌加速度しかないのですが、どちらも出力が同じなので、車輌加速度も同じです。
従って、どちらのエンジンを積んだクルマも全く同じクルマとしか感じることはできません。

さらにもう一つのエンジンCがあります。
C: 200Nm/4000rpm

このエンジンの出力は114PSです。

このクルマの場合は、AとBに比べると半分の出力しか出ていないので、車輌加速度も半分です。

AとCはトルクは同じですが、車輌加速度に違いがあるため、運転手は違いを感じることができます。
AとBはトルクは違いますが、車輌加速度が同じなため、運転手は違いを感じることができません。

つまり、運転手はトルクの違いはわからないのです。
しかし、出力が違えば車輌加速度が違うので違いがわかります。

エンジンやトランスミッションを開発する人は、都合上回転数とトルクの関係がわかっていた方がわかりやすいとも思いますが、クルマの運転をする人にとってはそんなことはどうでもいいのです。

ちなみにサーキットシミュレーショでは計算にトルクを使っていません。
それは、エンジン出力さえわかっていれば車輌加速度が計算できるからです。

ただ、エンジン出力はエンジン回転数によって変わり、エンジン回転数はギア比とタイヤ直径によって変化するため、下図のような各速度毎のエンジン出力を算出しておいて、そのときの速度に対するエンジン出力を選択して車輌加速度を計算しています。

僕としてはこういう出力特性表がもっともわかりやすいです。
青は最高出力が250PS、赤は最高出力が200PSでギア比とタイヤ直径はどちらも同じです。


僕らの場合は、クラッチを選ぶときくらいしかエンジントルクを気にしなければならないときはないので、トルクはどうでもいいと書いてみました。

さらに補足
こちらのブログでトルクが出てきますが、その理由は低回転のエンジン出力を計算するためであって、トルクそのものは全く見ていません。
Posted at 2014/11/10 13:17:57 | コメント(4) | トラックバック(0) | いろいろ計算 | 日記
2014年11月09日 イイね!

馬力とトルク

クルマ関係のHPに”馬力とトルクの違い”みたいなお題の記述を多くみかけます。

その理由は、どちらもエンジン性能を表す重要な言葉でありながら、その違いを正しく理解できている人が少ないためだと思います。
実際、自分の周りの人と話をしていても馬力とトルクの違いを正しく理解できていない人が多いように思います。

そこで、今回は”馬力とトルクの違いを勉強しよう!”
という内容ではありません。

今回、僕が言いたいのは、なぜ馬力とトルクの違いを正しく理解できないのか?ということについてです。

その理由は、”自分で例題を解いていないから”です。

本やネットの記述を読んで理解したつもりになっている人が多いと思います。
でも自分で例題を解かずして理解することは難しく、また本当に理解できているかどうかは例題を解かないとわからないものです。

なので、例題を作ってみました。
この例題が解けたなら、馬力とトルクの違いを理解できていると言えるでしょう。

例題(回答は一番下見てください)
今、総重1350kg、オーバーオールギア比:9.726、タイヤ直径:0.610mのクルマが走行しているとする。

次の速度におけるクルマの加速度および、エンジン回転数とトルクを求めよ。
① 50km/h   このときのエンジン出力は111PS、走行抵抗は294Nとする。
②100km/h   このときのエンジン出力は250PS、走行抵抗は588Nとする。

とっても頭のいい人は、”理解→問題の解決” というサイクルを一発で行えるのかもしれません。
でも僕のような凡人は、”理解したつもり→問題解けない→もう一度理解→少し問題解決→さらに理解→問題解決”という感じに繰り返しものごとを考えて理解を深めていかなければ本当に理解することはできないと思うのです。

この例題を解くとわかるように、車輌の加速度を算出する際、エンジン出力(馬力)は計算に使っていますが、エンジントルクは使いません。(トルクを使っても算出できますが使わなくても算出できます)

われわれがエンジン出力(馬力)やらトルクを気にする理由は、車輌の加速度の大きさを知りたいからです。

しかし、加速度を決めるのはトルクではなく、出力です。
出力さえわかっていれば、あとはそのときの車輌速度と走行抵抗から車輌加速度を算出することができます。

したがって、エンジンで大事なのは出力(馬力)の方であって、トルクなんてどうだっていいのです。

ということが自分で何度か計算するとよく理解できるので、自分で実際に例題を解いてみてください

回答
①加速度:4.13m/sec2、エンジン回転数:4229rpm、トルク:184Nm
②加速度:4.46m/sec2、エンジン回転数:8458rpm、トルク:207Nm

加速度:a(m/sec2)、エンジン回転数:Ne(rpm)、トルク:T(Nm)、出力:L(PS)、走行抵抗:Fd(N)
駆動力:Fe(N)、タイヤ直径:D(m)、タイヤ回転数:Nt(rpm)、オーバーオールギア比:ρ=Ne/Nt
車輌速度:Vc(km/h)

車輌加速度   :a=(Fe-Fd)/Mc [m/sec2]   ・・・①
駆動力      :Fe=L×735/(Vc/3.6) [N]    ・・・②
タイヤ回転数  :Nt=Vc/0.06/(π×D) [rpm]   ・・・③
エンジン回転数 :Ne=ρ×Nt [rpm]         ・・・④
エンジントルク  :Te=L×735/(Ne/60×2×π) [Nm] ・・・⑤

ちなみに、そのクルマの最高速度は、①が0になるとき、つまり駆動力と走行抵抗が等しくなったときの速度です。
Posted at 2014/11/09 11:34:55 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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