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2019年06月30日 イイね!

シビックタイプR ハンガロリンク JB運転データ

最近ずっとシビックタイプRのハンガロリンク走行分析ですが、まだまだ続きます。

前回分析したシビックタイプRはFK2型で、ドライバーはWTCRで活躍しているミケリス選手でした。

今回はFK8型のシビックタイプRを元F1ドライバーのジェンソン バトン選手がハンガロリンクで走らせたYOUTUBE動画があったので、以前と同じようにサ走研で動画分析を行いました。

今回の目的は二つあります。
1、FK2シビックはタイトコーナが曲がりにくそうなので、FK8と比較をして違いを確認する。
2、元F1ドライバーで、現スーパーGTドライバーのジェンソン バトン選手は市販スポーツカーをどのように運転するのか確認する。

以前見たバトン選手のF1走行データは、日本式だったので、シビックタイプRでも同じように日本式の走行データになっていると思われますが、実際にどうなのかを確認します。
また、バトン選手と言えば、バランススロットルが有名なので、バランススロットルを使っているかどうかを確認します。

まずは、全体の比較
赤:ミケリスFK2、青:バトンFK8


ミケリスFK2に対し、バトンFK8は1、2、13コーナが速く、最低速度の差が大きいことがわかります。

ハンバロリンクの1、2、5、13、14コーナはヘアピン形状です。
バトンFK8が速い1、2、13コーナはどれもヘアピン形状のため、FK2が曲がり難くてミケリス選手は速度を落としていると考えられます。

残りの5と14コーナですが、5コーナについては半径が大きくかつ回り込み角度も小さくて、手前の4コーナからS字状になっており、S字では曲がり難さが顕著に表れにくいので、FK2に有利に働いたものと思われます。

14コーナはよく見ると、バトンFK8は減速時に一度減速をやめて、また減速を始めているので、ただ単に、ミスった結果FK2と同じような速度になったと推定しています。

本当のところは、FK2とFK8の差が原因なのか、ドライバーの運転の差なのかはわからないのですが、一流のプロドライバーの走り方に顕著な差があるとも思えないので、おそらくクルマの差と考えています。

次は1~2コーナを拡大します。


まず、バトンFK8の速度変化を見るとコーナ中に一定速度の区間はほとんどなく、コーナリング中も加減速を行う日本式であることがわかります。

1コーナと2コーナの速度の差はさきほど書いたように、主にFK2シビックが曲がり難いことが原因と考えられるのですが、ここでは1コーナの最低速度位置を比較してみます。
青:バトンFK8、赤:ミケリスFK2


この最低速度位置は僕が動画からおおよその検討をつけて書いたものなので、精度は高くありません。
しかし、バトンFK8の最低速度位置はかなりコーナの奥であることに間違いはなく、以前紹介した最低速度位置はコーナ奥の方が速いの走り方になっていることがわかります。

また、バランススロットルについては、そもそも空力影響の小さい市販スポーツカーに対して使う意義があるのかないのかもよくわからないのと、どのくらいの区間で行うものなのかも具体的に書いてある記述を読んだことがないので、どういう速度データになっているとバランススロットルを使っていると言えるのかがわからないのですが、今回の速度データに一般的なプロドライバーと走り方が異なるところは見られないので、このシビックを運転ではバランススロットルは使っていないようです。

今度はベッテルSF70Hと比べてみます。
今回はそのまま比べます。


今回のバトンFK8の方がミケリスFK2よりも速度変化がベッテルSF70Hに近くなっており、どちらもグラフに示した矢印のところで、減速Gが低下しているのがわかります。

最低速度地点をコーナの奥側(コーナ中心よりも出口側)にしようとすると、最低速度地点まで横Gが増加してくるので、コーナ入口~最低速度地点までは低い減速Gで走ることになり、今回のような速度カーブになっていると考えられます。

ここで、またまた日本式と欧州式の話です。
たぶん、欧州式と呼んでいる走り方は今回のバトン選手のように最低速度地点をコーナ奥側にしたときの走り方のことを言っているんだろうと思いました。

グラフの矢印の地点からは減速Gが急激に低下しているので、ブレーキを残していない走り方に感じるんだと思います。

急激に減速Gが低下しているとは言え、平均して0.3Gくらいで減速しています。サーキットでは0.3Gだと減速Gが低く感じますが、0.3Gは街中では急ブレーキの領域なので、実際はブレーキを残しているということになると考えられます。

もう一度1コーナを4分割にして見てみます。
a:減速Gが最大の区間
b:減速Gが最大のまま横Gが増加する区間
c:減速Gが減少しながら横Gが増加する区間
d:加速区間


4つの区間をGサークルで見てます。


c区間(桃色)を見ると、推定される摩擦円の縁には沿っていないのですが、このFK8の実際の摩擦円はこの形状だということだと思います。

c区間は減速Gが減少しながら横Gが増加しているので、ブレーキを残す走り方であることに変わりはありません。
しかし、c区間の前半(減速Gが高いところ)の点の区間が空いています。
点は0.1秒の等間隔のため、c区間の前半の時間が短いということを意味しています。

つまり、c区間の前半=減速Gが高い領域を短時間(とは言っても0.9秒もある)で過ぎてしまうので、”ブレーキを残さない走り方”と言っているだけなのだと思いました。

日本のプロドライバーの走行データを見ても、同じような速度変化をしているので言うほど違いがあるとは思えませんが、欧州ドライバーの方が減速Gと横Gの両方が高い領域で走る時間が短いということなのかもしれません。

ということで、まだまだハンガロリンク走行分析は続く予定です。
Posted at 2019/06/30 18:44:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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