• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

タツゥのブログ一覧

2024年08月31日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その12

台風10号が来るのか来ないのか、なんだかよくわからない状況で、あまり外に出かける気がしないので、今日も走行ライン最適化の計算です。

今回は、前回までに計算した減速側と加速側の時間を足し合わせて、コーナ入口から出口までの区間タイムが最も速い組み合わせを探します。

まずはその10とその11の計算結果のおさらいで、減速側と加速側の区間タイムの確認です。
減速側も加速側もどちらもおおよそ速度が180km/hの地点での比較基準(以前作成した最適化した走行ラインのR20 140とR25 90)に対する差です。

減速側の半径ごとの区間タイム


加速側の半径ごとの区間タイム


前回書いたように、コーナ中央で瞬間的に旋回半径を変化させることはできないため、同じ半径の区間タイムを合計します。

減速側と加速側の合計区間タイム


半径22mと23mが同じ区間タイムになりました。
比較基準としていた減速側:R25 140、加速側:R25 90を合計した区間タイムに対しては、0.02秒のタイム向上になりました。

以前よりも多くの時間を使ってようやく最適化した走行ラインと以前作成した走行ラインの差がたった0.02秒しかなくて残念と言えば残念ですが、その分以前の走行ラインもそれなりに最適化できていたということになるので、よかったことにします。

走行ライン、速度、加速も比較してみます。
半径22mと23mが同一タイムでしたが、半径が大きい側の方が走りやすいはすなので、半径23mを今回の最適化された走行ラインということにして比較します。

走行ライン


コーナ中心線方向の速度、加速度変化
実線が今回の最適化した走行ライン、点線は以前の最適化した走行ライン


減速側のコーナ中心線方向の加速度を見ると、5~7秒くらいの区間で以前の最適化した走行ラインよりもコーナ中心線方向の加速度が高くなっており、それが区間タイムの向上に影響していることがわかります。

一方、加速側は、9~10秒くらいの区間で以前の最適化した走行ラインよりもコーナ中心線方向加速度が低くなっています。

加速側についてはコーナ中央(90°)から150°くらいまでの区間をコーナ中心線方向加速度が最大になるように設定しているので、本来であれば以前の最適化した走行ラインよりも加速度が高くなっていなければならないように思えるので、次回はその理由の確認を行いたいと思います。
Posted at 2024/08/31 22:32:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2024年08月31日 イイね!

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その11

180°ヘアピンコーナの走行ライン最適化 その11写真は先週行った東京 浜松町近くにあるMUNCH'S BURGER SHACKというハンバーガー屋さんです。

おいしくて、ボリュームもあって大満足でした。



それでは前回の続きです。

前回、走行ライン最適化の減速側についてはおおよそ見通しが立ったので、今回は加速側の計算をします。

減速と加速側の違いは2つあります。
1つ目はタイヤの摩擦円の前後方向が減速よりも加速側が小さいこと。
これは、ブレーキが4輪全て使うのに対し、加速は前後2輪のどちらかしか使わないため、その分グリップが小さくなることが理由です。

2つ目は前後方向の加速の大きさがエンジンパワーにより決まることです。
ブレーキはタイヤがロックするときが限界なので、タイヤの摩擦力を最大に使うことができますが、加速側はエンジンパワーによる駆動力がタイヤの摩擦力よりも小さい場合は、駆動力以上の加速ができません。

したがって、この二つを計算に組み入れて減速側と同様に、今までのサーキットシミュレーションと同様の計算を行いました。

エクセル計算シートはサーキットシミュレーションを改造して作りました。


サーキットシミュレーションは走行ラインを予め決めておき、その走行ラインをタイヤの摩擦円が100%になるような速度を計算するのに対し、今回はコーナ中心線直角方向の加速度を予め決めておき、タイヤの摩擦円が100%になるようなコーナ中心線方向加速度を計算して、その加速度から速度→距離の順番で計算します。

理屈的には難しくないものの、実際にマクロを作ってみるとなかなか思ったような計算結果がでなくて、3日間くらいひたすら修正して完成しました。

そんな状態なので、計算された結果が合っているのか間違っているのかもよくわかりません。

そこで、従来のサーキットシミュレーションで計算した結果と比較してみることにしました。

まずは車輛進行方向角度に対するコーナ中心線直角方向の加速度を設定します
比較対象は以前作った加速側最速のR25 90という走行ラインです。


そして、この直角方向加速度からコーナ中心方向加速度計算し、さらに車輛進行方向速度を計算します。


青色線が今回の走行ライン最適化で計算した速度で、赤色が従来のサーキットシミュレーションの計算結果です。

ほぼ合っていて、基本的な計算式に問題がなさそうなことは確認できたのですが、微妙に今回の計算結果の方が高い速度になりました。

原因を探ってみると、従来のサーキットシミュレーションでは繰り返し計算でタイヤ使用率が100%より少し小さい99.5%くらいで計算が終わることがあったのに対し、今回はほぼ99.9%以上で計算が終わっていたので、計算精度が原因ということがわかりました。

計算シートができたので、早速計算を始めたくなりますが、その前にコーナ中心線方向加速度が最大になる車輛進行方向角度に対する直角方向加速度を事前に算出する必要があるので、減速側と同様に算出しました。





ようやく準備ができたので計算を始めます。
加速側は何種類か最小旋回半径違いを計算したところ、R25くらいが最も速そうだったので、R25で走行ライン違いの比較をしました。

コース中心線直角方向加速度


走行ライン


中心線方向走行距離に対する加速時間
今回も以前作った最速走行ラインR25 90との時間です。


グラフを見てわかるとおり、中心線方向加速度が最大になる直角方向加速度との差が全体で最小になるように設定した”全体最小”が最も速いという結果になりました。

以前の最速走行ラインR25 90と比べると、直角方向加速度も大体同じで、加速時間もほぼ同じ結果となり、R25 90もかなり最適化されているということが今回わかりました。

次に、最小旋回半径の最適値を確認するために、半径違いの計算をしました。
コース中心線直角方向加速度


走行ライン


中心線方向走行距離に対する加速時間


上のグラフの400m地点(速度約180km/h)の位置まで加速する時間をグラフに表すと


減速側では半径が最も小さいR20のときが最も速いという結果でしたが、加速側では小さすぎず、大きすぎないR25が最も速いという結果になりました。

減速側と加速側で最速となるコーナ中央の最小旋回半径が異なる結果になったわけですが、コーナ中央で瞬間的に旋回半径が変化することができないので、減速側と加速側の区間タイムの合計が最も小さくなるときが最適な最小旋回半径ということになります。

ということで、次回は減速側と組み合わせたいと思います。
Posted at 2024/08/31 09:34:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記

プロフィール

サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/8 >>

    123
456789 10
11121314151617
1819202122 2324
252627282930 31

愛車一覧

ホンダ S2000 ホンダ S2000
最新型のS2000が欲しくなったので買い替えました。
アウディ A3 アウディ A3
プレミアムコンパクトです。 コンパクトなのにプレミアム プレミアムなのにコンパクト マ ...
日産 180SX 日産 180SX
いまいち乗っていた記憶がないのですが、いい車でした。 だけど、いろいろやっていたらしい ...
日産 フェアレディZ 日産 フェアレディZ
バツグンのカッコよさを誇るZ31です。 電動ファンがいまいちだったせいか、ラジエータの冷 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation