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タツゥのブログ一覧

2013年01月20日 イイね!

LSDとトライボロジー

先週は僕の実家のすぐ近くで開催されていた東京オートサロンに行ってきました。

コンパニオンさんの撮影が主目的だったのですが、クスコのブースへ行ったらLSDが展示してあったので、LSDについて説明してもらいました。

以前から僕が疑問に思っていたことがあります。
それは、LSDのプレート間のしゅう動状態は境界潤滑(油膜がない)なのか?それとも流体潤滑(油膜がある)なのか?ということです。

雑誌などを読むと、固い(粘度の高い)オイルを入れるとLSDの効きが強くなると書いてあります。
これは、LSDのプレート間のしゅう動状態は流体潤滑であると想定していると考えられます。
以前も書いたとおり、流体潤滑状態では粘度が高いほどしゅう動抵抗は大きくなるからです。

しかし、僕は以下の理由によりLSDのプレート間は境界(~混合)潤滑状態であると考えていました。
従ってむしろ粘度の高いオイルを入れると油膜形成がされやすくなり、効きが弱くならなけれならず、一般論と合わないことを疑問に思っていました。

LSDプレート間が境界(~混合)潤滑状態と考えられる根拠
1、プレートが滑っていないときは、相対速度差がゼロなのでストライベック線図上では、一番左側の境界潤滑の領域になっている。
→そもそも流体潤滑というのは、相対速度差がない状態では成立しない。
2、チャタリングが発生する
 →チャタリングは静摩擦係数と動摩擦係数とに差があることで、滑りと固着を繰り返すことが原因で発生するので、固着状態=境界潤滑状態と考えられる。
3、イニシャルトルクの計算で摩擦係数が0.1(=オイル塗布状態の境界潤滑相当)のとき、実測値と合致する。

ということで、クスコの人に「どうなんでしょう?」って聞いてみました。
きっぱりとプレート間同士が接触して擦れている(=境界潤滑~混合潤滑)と答えてくれました。
ただし、プレートには機械加工の加工目があるので、プレート間に油が全くないわけではないということでした。

そこで、ではなぜ粘度の高いオイルにすると、効きが強くなるのか?も聞いてみました。
実際のところはよくわからない(見たことがない)ものの、粘度が高いとプレート間にオイルが入りずらく、潤滑状態がよくない(油膜が形成されにくい)ので、効きが強いのでは?とのことでした。
なるほど。
これならナットクです。

さらに、クスコのLSDのラインナップにFFD(フラットフリクションディスク)なるものがあります。
これの目的は、通常のプレートに切ってある溝があるとオイルは導入されやすく、その分排出もされやすいので、片側プレートの溝を廃止し、プレート間のオイルを排出しにくくして、境界潤滑状態への移行を緩やかにすることで、効きをなめらかにするのだそうです。

まだまだ疑問なところはありますが、今回の説明を聞いてかなりスッキリしました。
オーバーホールについても説明を聞いてきたので、また別の機会に紹介したいと思います。

今回説明をしていただいた方は開発の人だったのですが、いろいろ詳しく丁寧に説明してくれました。
感謝感謝です。






(写真と本文はあまり関係ありません)
Posted at 2013/01/20 21:30:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | LSD | 日記
2013年01月09日 イイね!

サスストローク データ解析

今日はサスストロークの速度を見てみることにしました。

測定しているのは変位(mm)なのですが、1秒当たりの変化をエクセル計算することで速度にすることができるので計算してみました。

ダンパーのピストンスピードは普通の場合、代表値として0.3m/sのときの値をカタログに記載していることが多いです。
でも、0.3m/sってどんな状態のときのピストンスピードなのかがさっぱりわかっていないので、段差乗り越し時なのか?それともロールするときなのか?等の参考にすることができませんでした。

今回は一般公道を合法的速度で走行した際のデータなのでサーキット走行とはかなり違うと思いますが、とりあえず見てみることにします。

まずは全体
時間は全部で80秒の区間です。

上から
青:車体上下加速度
緑:ダンパ速度
ピンク:ダンパ位置



205秒くらいのところでダンパストロークが大きくなっているところは、コーナです。
右コーナなので、左に車体がロールしていて、左側のダンパは縮み方向にストロークしているので、+側にストロークします。

ここの部分を拡大してみました。


1Gでは27mmくらいなので、最大で7mmくらいストロークしています。
ダンパ速度は路面の凹凸と思われる影響のあるところで最大0.15m/s程度で、ロールのし始めと戻りのところはあまりにも速度が低すぎて、このグラフではわからないくらいです。
大体で計算すると、ロールし始めからロール最大までの時間が約1秒くらいで、ストロークは7mmなので、ダンパの速度は0.007m/sということになります。

一般公道を走るときのロールに影響するダンパスピードの範囲は0.01m/sくらいの領域であるということがわかりました。
サーキットでもその10倍以下くらいしかないと思われるので、0.1m/s以下くらいがロールスピードに影響があるようです。

次にもっともストロークの大きい236秒のところを拡大してみます。


ここの路面はかなり大きな段差があって、大きな衝撃があるのでいつもはゆっくり走るのですが、今回はテスト用に合法的速度の上限いっぱいで走ってみました。
車体上下Gは最大が2G、最小は0Gです。
少しジャンプ気味になっているような感じです。

クルマが壊れそうなくらいの衝撃があるのですが、この状態でもダンパ速度は最大で0.35m/sです。
ちょうどダンパのカタログに載っている0.3m/sに近い速度です。

他のダンパで同様のテストをしてみないとなんとも言えない気がするので、今度はダンパを変えてテストしてみたいと思います。
Posted at 2013/01/09 00:19:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | データロガー | 日記
2013年01月06日 イイね!

サスストロークセンサ テストその2

今日は昨日の続きで、いくつか確認しました。

1、まずひとつめは測定値の確からしさです。
ダンパストロークが最大で7mmくらいというのが少なすぎる気がしたので、単体で確認してみました。
今回使っているストロークセンサは150mmのストロークを測定できる仕様なのですが、なぜかパソコンに表示される最短と最長のストロークは100mmしかありませんでした。

従って昨日測定した結果はどれも×1.5すると本当のストロークになるようです。
(解析ソフトをよく見たら、最大ストロークを入力するところがありました。
初期が100mmだったので100mmになったようです。)

そして今日は、走行前にタイラップを一番下まで下げてから走行した後でタイラップの位置と測定値を比較してみました。
測定をするにあたり、ゼロ点をどこにしようかと迷ったのですが、ダンパが伸びきった状態をゼロとするのが何かとわかりやすそうなので、今回はキャリブレーションをジャッキアップ状態で行いました。

センサ測定値
 ジャッキアップ状態:0mm
 1G静止状態:26mm
 走行中の最大:37mm

1Gから走行中の最大で11mmストロークしているので、停車状態でタイラップを見るとケースより11mm上側に来ているはずです。
ホイールのスキマから見たので正確に測定していませんが、大体10~13mmくらいのところまでタイラップが上がっていたので、走行時の測定もきちんとできているようです。

ちなみに、昨日後ろの左一輪だけジャッキアップしたときのセンサ測定値-18mmだったのですが、実際は×1.5の-27mmが正しい値でした。
今日は左右ともジャッキアップしたのですが、1Gとの差は26mmだったので、一輪だけジャッキアップした状態も左右ともジャッキアップした状態も全く差はないということがわかりました。
(スタビはあまり効いていないようです)

2、前傾姿勢時の荷重変化
以前書いたようにちょっとくらい前傾姿勢になっても前後の荷重配分はほとんど変わらないのですが、きちんと確認したことなかったので、確認してみました。
やり方は、25mmの木っ端の上に後輪を左右とも乗り上げて前傾姿勢にして、そのときのダンパストローク変化(バネの縮み量変化)を確認しました。

結果:±0mm(センサの値は0.1mm単位で表示されます)

正しく測定するためにはコーナウエイトゲージを使うべきだと思いますが、少なくとも25mmリアの車高を上げてもバネの縮み量は、ほとんど変わらないということが確認できました。


とりあえず問題なく使えそうなので、今まで取ったデータをもう少し見てサーキット走行での実測に備えたいと思います。

追記13.01.27
スタビの謎が解けました
https://minkara.carview.co.jp/userid/1494795/blog/29025093/
効いていないんじゃなくて、効いていないように見えただけのようです。
Posted at 2013/01/06 19:39:45 | コメント(2) | トラックバック(0) | データロガー | 日記
2013年01月05日 イイね!

サスストロークセンサ取り付けと実走テスト

昨日から今日にかけてサスストロークセンサの取り付けとテスト測定を行いました。

まずは取り付けです。
今回はとりあえず左後ろに付けました。
それなりに付きましたが、ちょっと傾きがあるので微修正が必要です。

全体


上側(ボディとのスキマがちと少ない)


下側
ダンパのロアブラケット締結ボルトにネジ穴切ってM5のボルトで締結しました。


この状態で昨日の夜にテスト走行してみたのですが、うまくデータが取れませんでした。
取れてるのは取れてるのですが、ストロークが小さすぎるのです。
1mm以下しか動いていない。
しかもカクカク。

よくわからないので、今日もう一度確認しました。
まずは基本に戻って配線のチェックです。
本来はch4につないだつもりがch5になってました。
昨日のデータはch4のノイズでした。

まずはつなぎ直してキャリブレーションをします。
すると、停止時の状態が0mmと認識されます。
これだときちんと測れているのかわからないので、ジャッキアップしてみました。(左後ろだけ)
最大25mmくらい伸びるはずなのですが、-18mmになっていたので、スタビが効いていることを考慮すると問題なさそうです。

いよいよ実走テストです。
今日も最寄の100km/hで走れる道路に行ってきました。
まずは75km/hくらいのとき

青:車輌上下G
ピンク:ダンパストローク



なんだかもの足りない。
ダンパなんてほとんど動いていません。(最大でも1.5mm以下)
測定がうまくできているのか怪しい感じです。

そこで100km/hのときを見てみます。


こちらはいい感じです。
縮み側(+側)で最大7mmくらいです。
レバー比を考慮すると、ホイールは11mmくらい動いてます。
ただ、サーキットを走るとダンパで30mm以上動くのでもう少し(倍くらい)動いてもいい感じがします。

明日は走行前にタイラップを下げて走行後のタイラップ位置とサスストロークセンサの測定値の相関が取れているか確認したいと思います。

ところで、なぜ毎回テストをわざわざ100km/hで行っているかと言うと、
それは、経験上100km/hくらいで走行すると路面のうねりか何かとバネ上の固有振動数が共振する感覚があるからです。
80km/hくらいだと、ただ路面のうねりのとおりに車体が上下します。
これが100km/hくらいになると、路面のうねり以上に車体が大きく上下する気がしていたのでそれを実測で確認してみました。

今回の測定データも例のごとく調和分析(周波数分析)しました。
まずは75km/hの上下加速度
加速度のグラフを見てわかるように、あまり周期性がありません。
ただ、前回と同様に13.3Hzのところはそれなりに大きな振幅になっていました。


次は100km/hの上下加速度
周波数が低い側では3.1Hzが最大で、高い側では10.2と12.1Hzが大きくなっています。


最後に100km/hのサスストローク
ほとんど上下Gと同じです。
10.2と12.1Hzはやや大きいものの、あまり他と違いがありません。


今回の結果からいろいろ考察してみようと思ったのですが、正しく測定できているかどうかも怪しいので、測定の確からしさを確認した後で考察したいと思います。
Posted at 2013/01/05 23:34:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | データロガー | 日記
2013年01月03日 イイね!

ヨーレート補足

絵がないとわかりずらいので絵を書きました。




通常はコーナリング始めのところで少し車体滑り角が発生するので、角速度よりもヨーレートの方が大きくなります。
ただ、先日の実測値のように、グリップ走行の場合ほとんど差がないようです。
Posted at 2013/01/03 23:56:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | データロガー | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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