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2013年06月06日 イイね!

富士スピードウェイ コカコーラコーナ

今日は、ドライビングスタイルの補足の例として富士のコカコーラコーナを例に説明したいと思います。

走行理論の話をするときに、なぜか例題がヘアピンばかりなことに気がついた人はいるでしょうか?
9割9分はヘアピンです。

なぜか?
それは、直角コーナのようなコーナの場合、どのような走行ラインにしてもあまり違いがなく、例題としてわかりずらいからです。

では実際はどうなのか見てみましょう。
今回の実測事例はスリックタイヤのFD2シビックです。

走行ラインを見てみます。
推奨ラインの最小旋回半径はいつもの式で計算しています。

赤線:実測、○:推奨ライン


拡大して見ると微妙に曲率半径が違うところがあるのですが、パっと見は同じです。
推奨ラインの最小旋回半径は108m、実測は98mなのでそれなりに差はあるのですが、絵的に見るとあまり違いがありません。

実測とシミュレーションの比較
(摩擦円条件 最大横G:1.25、最大減速G:0.95、最大加速G:0.75)
赤:シミュレーション、青:実測、水色:シミュレーション旋回半径


実測の方が最小旋回半径が小さいので、その分最低速度が低く、なっています。
減速Gに差があるのですが、どの周を見てもこのくらいで、かつFD2はABSがバリバリ効き、他の場所ではシミュレーションと実測の差がほとんどないので、コカコーラ入り口の減速Gだけ低いようです。
また、コーナ出口は下っているのでその分加速に差が出ていますが、実際はシミュレーションと実測に差はないと思われます。

という感じで差はあるのですが、コーナ出口で0.15秒差。

次に実測の最小旋回半径でもシミュレーションしてみます。

赤:実測の旋回半径、青:推奨ライン


差は0.15秒くらいです。
コーナ出口の速度に差があるので、直線が長いともっと差が大きくなりますが、そういう場合は、最小旋回半径をコーナ入り口側にすればいいので、走行ラインの若干の修正で済みます。

最後に、欧州式の走行ラインです。
旋回半径は全ての場所で最大となる115mです。

赤:欧州式走行ライン、青:推奨ライン


差は0.1秒くらい。
ほとんど誤差くらいの差しかありません。

結局のところ、コカコーラコーナのように入り口と出口の向き変化の少ないコーナの場合、計算上もっとも速く走れるであろう走行ラインと、最大に旋回半径を大きくしようとして走行できる実際の走行ラインとの差が小さく、差があったとしてもタイム差が発生しません。
なので、どちらかと言うと、シミュレーションのとおりに完璧に走れる走行ラインの方が速く走れると思われます。

ただし、旋回半径が小さい側の走行ラインではどんどん遅くなる一方なので、半径が小さくなりすぎていないか?を注意する必要があります。

ということで、コカコーラコーナの場合は走行ラインによる差が出にくいものの、旋回半径が小さくなりすぎると遅くなるため、こういうコーナでは欧州式が有利だということになるのだと思いますが、やっぱり定常円旋回よりもコーナリング中も加減速する方が速いので、旋回半径が小さくなりすぎないようにして日本式で走るべきだと思います。
Posted at 2013/06/06 00:09:01 | コメント(3) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2013年06月02日 イイね!

欧州式の補足

昨日の補足です。

まず、欧州式のおさらい。
オートスポーツで紹介されている欧州式は

①ブレーキは直線で終わらせる
②コーナは定常円旋回

ということで、これを具体化してシミュレーションしてみます。
場所はツインリンクもてぎの東ヘアピンで車はN1のEK9シビックです。
(摩擦円の条件は、最大横G:1.28、最大減速G:0.9G、最大加速G:0.75)

欧州式の走り方で最も速く走れるようにするためには、そのコーナで取れる最大の旋回半径で走る必要があります。
東ヘアピンの場合は旋回半径を最大で36.5mにすることができるので、この旋回半径で計算してみました。

また、日本式と比較した方がわかりやすいので、日本式の走行ラインでも同じ条件で計算しました。
ちなみに今回の計算条件は、N君Bの実測データに合わせ込みをしています。

走行ラインはこちらです。

欧州式



日本式=N君Bの実走ライン(赤線)


シミュレーション結果
赤:欧州式、青:日本式、緑:N君B実測
黒線は欧州式と日本式のタイム差です。


区間タイムの差を見てみると、3250~3500mの区間では、欧州式のほうが0.31秒も遅いです。
ダウンヒルストレートの終わりでは0.57秒の差です。

ハッキリ言って、どんだけ完璧に欧州式で走らせることができても日本式と比べると圧倒的に遅いです。
コーナ前後の直線の長さとかそういうことではなくて、入り口から出口まで一貫して遅いです。

あまりに遅すぎるのでもてぎヘアピンの実測結果はありません。
でも実測結果がないと納得できない人もいると思うので、TC1000の実測結果をご覧ください。
こちら→https://minkara.carview.co.jp/userid/1494795/blog/26349663/

欧州式は前後方向と横方向のグリップを同時に使わないから、実際はもっと摩擦半径が大きくなるのではないか?
とか思う人もいるかもしれませんが、少なくとも過去に僕が実測した結果にはそんな結果はありません。

今回のシミュレーションの例では、横G1.28で計算しているのですが、仮に欧州式の場合は横Gが大きくなると想定して計算してみました。
ダウンヒルストレートの終わりのタイム差が無くなるために必要な横Gは1.47Gになりました。


最低速度は日本式が65km/hであるのに対し、同じ区間タイムで走るために必要な欧州式の速度は82km/hです。
でも、これでやっと同じ区間タイムです。

しかしながら、ダウンフォースの効くクルマの場合は、速度が上がると摩擦円が大きくなるのではないか?と思ったと思います。
僕もそう思います。

例えば、今回の例では、日本式の走行ラインでは最低速度が65km/hなのですが、欧州式では77km/hです。
ダウンフォースは速度の二乗に比例すると仮定すれば
(77/65)^21=1.40
なんと!、1.4倍もダウンフォースが発生します。

ダウンフォースが増えればその分、摩擦円は大きくなります。
以前紹介した、「F1解剖講座」によれば、65km/hで走行中のマクラーレンMP4は大よそ80kgfのダウンフォースを発生させているようです。(目読み)

車輌重量を600kgとすれば、
65km/h走行時のタイヤ荷重=600+80=680kgf
77km/h走行時のタイヤ荷重=600+80×1.4=712kgf

最大摩擦力はタイヤの垂直荷重にほぼ比例するので
712/680=1.047
約4.7%の摩擦円の拡大が見込まれます。

65km/hの最大横Gを1.28Gとすれば、77km/hの最大横Gは
1.28×1.047=1.34

ダウンフォースの効くクルマの場合は、コーナリング速度を上げた方が摩擦円が大きくなり、さらに摩擦円が大きくなった分だけ、コーナリング速度が上がるので、実際は1.34Gよりも大きい最大横Gを発生できるはずです。

それでも、区間タイムを同じにするために必要な最大横Gの1.47Gには達しないと思うので、やっぱり定常円旋回をするような走り方は有効ではないと思います。

くどくど書きましたが、基本的には日本式の走り方しかサーキット走行で用いられることはなく、どちらかと言うとコーナリング速度を高くすることを重視した走り方が欧州式ってことだというのが僕の考えです。
Posted at 2013/06/02 20:06:42 | コメント(7) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2013年06月01日 イイね!

ドライビングスタイル

少し前の話ですが、今年の2月15日号のオートスポーツ(No1349)で

「日本」と「世界」はどう違う? スポーツドライビング

という特集がありました。
みんカラで他にも取り上げている人がいるので、内容はそちらを読んでいただくとして、日本と欧州のドライビングスタイルの違いについて、大よそこんな感じに書かれています。

日本式・・・加減速を重視し、ブレーキはクリッピングまで残す走り方
欧州式・・・コーナリング速度を重視し、減速は直線で終わらせて、コーナは一定速度で走る走り方
      →この走りではバランススロットルという運転技術が用いられる。

さらに、「日本に比べて欧州のサーキットはグリップが低いので、こういう走り方が有効である」というようなことも書いてあります。
これは、このオートスポーツだけでなく、20年くらい前から同じようなことが雑誌に書かれていました。

昔なら”なるほど~、そういう違いがあるのか!”などと鵜呑みにするところですが、いろんな走行データを見たあとでは、”そんなことはない!”と思わざるを得ません。

まず始めに書いておきますが、僕もドライビングスタイルの違いを大きく感じることがあります。
僕はいわゆる日本式の走らせ方をします。
一方、青黒FD氏はどちらかというと欧州式です。

青黒FD氏の隣に同乗すると、自分とは違った走らせ方をしている印象を受けます。
日光サーキットやTC1000の走行データを見ても違いがあります。

ではどちらの走り方が良いのか?
これは一概には言えないと考えています。

サーキットシミュレーションをするとわかるのですが、2つの異なった走行ラインでシミュレーションをしても、ほとんど差がつかないことがあります。
実際にはシミュレーションどおりの完璧な走りはできないので、より完璧に走らせることができる走行ラインの方が良いのですが、それはクルマのセッティングの違いやドライバの得手不得手が関係してくるので、どちらが良いとは一概に言えないということです。

さて、それぞれのドライビングスタイルを見ることができる具体例を挙げてみましょう。

日本式はスーパーGTを見に行くと見ることができます。
クリッピングポイント近くまでブレーキランプが点灯していて、クリッピングポイントを少し過ぎると、アクセル全開のエンジン音になるので、まさに加減速を重視した日本式であることがわかります。

次に欧州式ですが、この具体的な例を僕は見たことがありません。(サーキットでは)

まずF1ドライバーは全員、日本式で走らせています。
欧州式の場合、減速は直線で終わらせなければなりませんが、F1のオンボードカメラの音を聞いていると、コーナリング中でもシフトダウンしています。
クリッピングポイント付近までシフトダウンし続けます。
シフトダウンをする=減速をしているです。
そしてクリッピングポイント過ぎたらすぐに加速を始めて、コーナリングが終わる前でもエンジン音は全開の音になっています。

さらに去年のスパでハミルトンがみんなのために公開してくれたロガーデータを見ても、コーナと思われる場所で激しく加減速しています。
バランススロットルで有名なジェンソンも加減速しています。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1594506/blog/29239204/ (ガレージK氏のブログより)

他の例では、2010年岡山にWTCCを見に行ってきたのですが、やっぱりコーナリング中でも減速しているし、クリッピング過ぎたらコーナリング中でも全開でした。

とにかく、過去に自分が見たことのある走行データ、車載映像、実際の走行でいわゆる日本式以外の走らせ方をしているドライバーなんて見たことがありません。

何が言いたいのかと言うと、
「日本も欧州も大きな違いはなく、そもそもサーキット走行にはいわゆる日本式しかない」ってことです。
言い方を変えると、
「コーナリング中に加減速しない走らせ方をするドライバーは日本にも欧州にもいない」です。

では差がないか?と言うと、そういうことではなく、比較的コーナリング速度重視なのが欧州式で、比較的加減速重視なのが日本式ってことだと思います。

それと、バランススロットルについてなのですが、これって恐らくかなりレベルの高い領域の話をしてるんだと思います。
なぜなら、F1の走行データ見ても、一定速度の区間なんてないんです。

スパのジェンソン以外にも、過去にオートスポーツでアロンソの走行データとかいろいろ掲載されたことがありますが、一定速度区間が目に見えてわかるところなんてありません。

なので、バランススロットルというのは、減速から加速への移行区間で姿勢安定化のための微妙なアクセルコントロールのこと言っていて、コーナ入り口から出口までの長い区間で行われるテクニックではないんだろうと思います。

ところで、では直線で減速を終わらせる本物の欧州式は存在しないのか?というと、たぶんラリーカーがグラベルを走るときのドリフト走行は本物の欧州式に近いんだと思います。
ロガーデータ見たことないので、本当のところはわかりませんが、旋回半径を大きくとって、入り口から出口までアクセルコントロールしてドリフトしてるので、コーナリング中はあまり加減速ができているようには見えません。

そして、最後に日本と欧州のサーキットのグリップの違いですが、そんなにあるのか?と聞きたい。
日本のサーキットの場合、スポーツタイヤで1~1.2Gくらい発生します。
欧州はスリックタイヤでも0.8Gくらいしか出なかったりするんでしょうか?

そんなことないと思います。
あくまでも僕の想像でしかないのですが、欧州で使われていたタイヤ(AVONとか)の特性が、前後方向と横方向に同時に力をかけたときの摩擦円が小さかったとか、そんな理由で欧州では、どちらかと言うと減速は直線で終わらせて、コーナリング速度を上げるような走り方の方が速かったということだと思います。

僕としては日本も欧州もドライビングスタイルに大きな差はないと思っており、日本式とか欧州式とかの考え方ではなく、コーナ、クルマ(タイヤ特性含む)そしてドライバーの得手不得手を考慮して最も速く走れる方法を考えるべきだと思います。

どうも、オートスポーツ読んでるとブレーキを残す日本式は良くない的なことが書かれていて、それを真に受ける人がいるんじゃないかと心配になったので、今回取り上げてみました。
Posted at 2013/06/01 22:42:21 | コメント(6) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2013年06月01日 イイね!

リアハブベアリング インナレース外し

今日は、次回のリアハブベアリング組み直し向けてインナレースの取り外しを試しにやってみました。

以前紹介したように、リアハブとベアリングインナーレースにはプーラーをかけるための隙間がなく、整備書のように引き抜くことができません。

大きめのベアリングセパレータを用いて隙間を広げていくのが正しいやり方のようにも思いますが、大きいベアリングセパレータは3万円くらいするので、それならハブを買った方が安くついてしまいます。

インナーレースの外し方には、インナーレース全体に切り込みを入れてタガネで割るという技があるのですが、難易度が高いと考え、今回はインナーレースに切り込みを入れ、ベアリングセパレータで引き抜く方法を試してみました。

ベアリングセパレータはガレージ置いてあったφ30用くらいのものを使いました。
このくらいの大きさであれば、5000円くらいで売っているので買っても元は取れます。

ということで早速取り外し

まずは、ベアリングにディスクグラインダ(サンダー)で溝を作ります。
幅3mm、深さ2mmくらいでほぼ全周加工します。

次はベアリングセパレータをセットして、中心のボルトを締め込みます。
結構高いトルクが必要なので、奥に写っているパイプレンチみたいなものでプーラを押さえます。

傾きと各部の塑性変形に注意しながら締め込みました。
するとパキっと音がして外れました。
ただ、すんなりとは外れなかったので、何度か緩めてはセパレータを付け直して外していきました。

この状態は半分くらい外れかかっていて、セパレータはインナレースとハブの隙間に入れ直しています。



インナレースの外れたハブ
圧入部がフレッティングしてる感じです。


インナレース内面


ベアリングセパレータをかけるための切り欠き
ディスクグラインダでキュイ~ンって削りました。


今回以上の固着具合だと外れそうになかったのですが、次回外すのはほぼ新品なので、サクっと外れそうです。
Posted at 2013/06/01 14:50:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | S2000 | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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