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2017年03月30日 イイね!

スポーツランドSUGO サーキットシミュレーション

今日は最後に残ったスポーツランドSUGOのサーキットシミュレーションです。

とは言うものの、走行ラインの実測データがないため、走行ラインはコース図から作図法で作成した後、S字と110Rは実測の速度に合わせ込みをしました。
したがって、走行ラインは合わせこみが不十分な状態です。



ということでシミューション結果です。
シミュレーション条件は実測に合わせ込みしたときの値なので、実際の値とは異なると思います。

1、S2000 スーパー耐久仕様
 シミュレーション条件
  車両重量:1250kg
  出力補正:0.95
  最大横G:1.35
  最大加速G:0.75
  最大減速G:1.05
  揚力@100km/h:35kgf



2、AMG SLSスーパー耐久仕様
 シミュレーション条件
  車両重量:1430kg
  出力補正:3.1(FD2シビックに対する補正値)
  最大横G:1.32
  最大加速G:1.3
  最大減速G:1.2
  揚力@100km/h:160kgf



どちらともSP-OUTと110R(最終コーナ)の実測差が大きくなっているので、実測の走行ラインや横Gの値をもとにさらなる合わせこみが必要そうでした。

速度の実測データはこちらのYOUTUBE動画の値です。
SPOON S2000 2013スーパー耐久


AMG SLS 2013スーパー耐久
2017年03月13日 イイね!

S660 日光サーキット シミュレーション

今日はS660の最高回転数が7700rpmに設定されていることについて検討してみることにしました。

S660(エスロッピャクロクジュウ)のエンジンはN-BOXから採用されているS07Aです。
このエンジンには自然吸気(以下NA)とターボチャージャー付き(以下TC)の二種類があり、N-BOXの場合、最高回転数は、NA:7500rpm、TC:7000rpmという設定です。

S660はTC仕様ですが、最高回転数は7700rpmに変更されています。

ちなみに最高出力は軽自動車だけに当局および社会通念対応でどちらも64ps(47kW)です。

最高出力が64psのままなのに、わざわざ7000rpmから700rpmも最高回転数を上げたことに意味はあったのか?
タコメータが寂しかったから目盛りを増やしたかっただけではないのか?
など色々思うところもあるので、サーキットシミュレーションを用いて効果を計算します。

まずは、ネタ集め。
ホンダのホームページのFACTBOOKというページからギア比とエンジン性能曲線を入手します。

ギア比
1速:3.571
2速:2.227
3速:1.529
4速:1.150
5速:0.869
ファイナル:4.875

エンジン性能曲線と速度に対するエンジン出力


このエンジン性能曲線を見ると、5000rpmからは最高出力である47kW(64ps)を発生していることがわかります。。
走行性能に大事なのは出力なので、5000rpmだろうが7700rpmだろうがどうでもよく47kWを発生している回転数で走れれば加速は同じです。

そこで、ギア比をもう一度見てみます。
シフトアップすると、次のギア比との比だけ回転数が下がるので、次のギア比との比を計算します。

1→2速:1.603(=3.571/2.227)
2→3速:1.457(=2.227/1.529)
3→4速:1.329(=1.529/1.150)
4→5速:1.323(=1.150/0.869)


最も次のギア比との比が大きいのは1速から2速で1.603なので、このときに5000rpm以下に落ちないようにすれば47kW以下にはなりません。

つまり、5000×1.603=8015rpm

最高回転数を8015rpm以上に設定すれば、シフトアップ後も47kW以上で走り続けることができます。

ということで、本来は最高回転数を8000rpmくらいに設定したかったと思われます。

次にギア比とエンジン性能曲線からシフトアップ回転数7000rpmと7700rpmでの速度毎のエンジン出力を計算します。
(注:今回の計算ではエンジン性能曲線を多項式で近似しているので、64psとなるべきところが、63~65psになっています。)


7700rpmでは1→2速へのシフトアップ時に64psより低下するところがありますが、それ以上の速度では64ps以下まで低下することはありません。

また7000rpmシフトアップでは7700rpmに比べて出力低下が大きくなっており、2→3速でも、シフトアップ後の出力低下があり、最高回転数を7700rpmにした意味があることもわかります。


次に日光サーキットでの効果を確認します。
しかしながら、純正タイヤの前後Gや横Gの最大値がいまいちわからないので、スポーツタイヤとしてはやや低めの以下の値で計算することにしました。

減速:0.7G
加速:0.6G
横:1.0G

赤:S660シミュレーション、青:ビート実測


ビートもカタログの出力は64psなので、加速はあまり差がないことがわかります。

では、肝心のラップタイムです。

7700rpmシフトアップ:45.93秒
7000rpmシフトアップ:45.93秒

まったく同じです。

なぜ同じになったか考えてみると、横Gが1.0Gの場合、日光サーキットの最低速度は46km/h前後になりますが、S660の1速は7700rpmまで回しても49km/hまでしか出ず、2→3速のシフトアップの出力低下もわずかなため、差が出なかったようです。

今回のシミュレーションでは日光サーキットでのラップタイム影響としては、7700rpmに最高回転数を上げた効果はなかったということになりました。

実際もシフトアップが超絶早い人の場合は7000rpmシフトでも7700rpmシフトでもラップタイム差はないと考えれます。

ここまで読むと、「じゃあ、意味ないじゃん!」と思われる諸兄もいらっしゃるかと思いますが、まったく意味がないこともありません。

今度きちんと取り上げますが、実際にはシフトアップには時間がかかるので、シフトアップをする速度は高ければ高いほどラップタイムは早くなります。

また、コースによってはシフトアップをする必要がなくなることもあります。

したがって、サーキット走行をするにあたってはそれなりに意味のある変更だったというのが僕の考えです。

がしかし・・・
一般公道ではどうでしょうか?

僕が昔走りに行っていた日塩もみじラインという峠道があります。
そこの制限速度は30km/hだそうです。

S660の1速で7700rpmまで回すと49km/hも出てしまうので、違法です。

制限速度が50km/hの道では7700rpmまで回すことができますが、こういう道は比較的直線に近いので、1速で走ることはほとんどありません。
というか、1速7700rpmで走っても全然気持ちよくありません。

どこを走ることを想定して7700rpmまで回るようにしたのかわかりませんが、7000rpmのままでもよかったんじゃないかなぁ~と僕は思います。

3月15日追加
今回の内容からはちょっとズレますが、S660のFACTBOOKを読んで思ったこと。

2速のギア比の設定のところを読むと、こう書いてあります。

「とりわけ2速は、BEATの1速とほぼ同等の加速性能を確保しながら、レッドゾーンの7,700rpmでは75km/hに達するギアレシオに設定。
ワインディングロードの常用域である30km/h~60km/hを2速だけでもカバーできるようにしました。」

日本の峠を走りに行ったことがある人はわかると思いますが、ほとんどの峠道の制限速度は、30Km/hか40km/hです。

ワインディングロードとは一般公道の峠道を指すと思われますが、30km/h~60km/hを常用して走行することは違法です。
2速で7700rpmも回して75km/hも出そうものなら、暴走族なみに違法です。

ホンダのような会社が違法行為を推奨するようなことを堂々と書いてはいけません。

ということで、S660で峠道を走りに行く人は峠の制限速度と当局に注意して安全第一で走りましょう!
2017年03月12日 イイね!

シミュレーション コース図一覧

今日は、サーキットシミュレーション用に今まで作ったコース図をまとめてみました。

こうやって見ると、あとはスポーツランドSUGOを作成すれば、国内の大きなサーキットは網羅できそうなので、時間のあるときに作りたいと思います。



〇:作成済み、×:作成未、-:高低差なし
2017年03月05日 イイね!

クランクケース内圧制御バルブ

今日はずいぶん昔からあるクランクケース内圧制御バルブについて、最近 気になったのでS2000で使った場合の効果を計算してみることにしました。

ところで、そもそもクランクケース内圧制御バルブとはなんぞや?という人もいるかと思いますが、要するにクランクケース内の圧力をやや負圧にすることができるバルブなんだそうです。
詳しくはメーカのHPの解説をお読みください。

バルブメーカによると、このクランクケース内圧制御バルブの効果は

1、出力/燃費向上
2、始動性の向上・エンジン回転の安定
3、オーバーレブ特性の向上
4、エンジンブレーキの低減
5、エンジン振動の低減
6、オイル劣化の抑制

だそうです。

回転の安定とかオイル劣化についてはよくわからないので、今回は出力と燃費の効果を計算をしてみることにします。

しかしながら、まずは基礎データがないと計算のしようがないので、基礎データ集めです。
必要なデータ
①クランクケース内圧制御バルブによるクランクケース内圧力変化量
②クランクケース内圧変化量とエンジン出力の変化量

①については、バルブメーカのHP等を見れば各エンジン毎の測定結果が記載してあるはずと思い調べてみましたが、どこにも書いておらず困ってしまいました。
いろいろい調べてみると、「クランクケース内圧制御バルブの性能調査」
という論文があったので、こちらの測定結果を使うことにします。

この論文によれば、圧力変化量は-400Pa(-0.4kPa)だそうです。
大気圧は101.3kPaなので、微妙に負圧になるということのようです。
この値はバイクのSRXの計測結果で、4輪の4気筒エンジンの場合はちょっと違う気もしますが、インマニから直接負圧を取っているわけでもなく、そこそこ妥当な気がするので、とりあえずこの値を使います。

つぎに②の内圧とエンジン出力の変化量です。
これも調べてもなかなか出てこなかったので、昔読んだHondaR&DテクニカルレビューF1スペシャルのRA122E/B(1992年のV12 NAエンジン)の値を使うことにします。

エンジン回転数:14000rpm


RA122E/Bでは絶対圧力30kPa(大気圧101.3kPaよりも70kPaの負圧)にすることで、クランクケース内圧が大気圧のときと比べて、約15kWエンジン出力が上がった(フリクションが低下した)と書いてあります。(内圧1kPa当たり0.22kWのフリクション低下)

RA122E/Bは12気筒の3.5Lなので4気筒 2.0Lよりも負圧による効果が大きいと思いますが、よくわからないので今回は同じだけの効果があることにします。

また、グラフを見ると内圧に対するエンジン出力変化量の違いは見られないので、大気圧に近いところでも1kPa当たり0.22kWのフリクション低下効果があるとします。

これらの値を使って計算してみましょう。
今回は具体的にわかりやすくするため、S2000が50km/h巡行しているときの計算をします。

テクニカルレビューのRA122E/Bの値は14000rpmの値で、S2000が50km/h巡行しているときのエンジン回転数は約1620rpmなので、回転数に対する補正をします。

しかし回転数とフリクション低下量の関係がよくわからないので、フリクション低下量は回転数の1乗~2乗に比例すると仮定し両方計算してみます。

回転数の1乗比例の場合:0.22×1620/14000=0.025kW/kPa
回転数の2乗比例の場合:0.22×(1620/14000)^2=0.00295kW/kPa

今回はフリクション低下量の大きく、都合の良い1乗に比例の計算結果を使いクランクケース内圧制御バルブの効果を計算します。

クランクケース内圧制御バルブをつけたときの内圧変化量は0.4kPaなので、フリクション低下量は

0.025×0.4=0.01kW(0.014ps)

フリクション低下量だけだとわかりずらいので、出力と燃費に対する割合も計算します。

S2000が50km/hを6速ギアで走行しているときのエンジン出力はよくわからないので、燃費からおおよその見当をつけます。

50km/h 6速巡行中の瞬間燃費は僕のS2000の場合、実測でおおよそ14km/Lくらいでした。
1時間あたりのガソリン消費量は
50/14=3.6L/h

これを熱量換算します。
ガソリン1L当たりの低位発熱量はネット検索したところ、32.9MJ/Lということなので、1時間あたりの発生熱量は
32.9×3.6=117.5MJ/h

1秒当たりの発生熱量に換算すると
117.5/3600=0.0326MJ/sec(=32.6kJ/sec)=32.6kW

S2000が50km/hで巡行しているときに発生している1秒間当たり発生熱量は約32.6kWということがわかりました。

実際は、ガソリンを燃やして発生した熱量の多くは冷却水や排気ガス、フリクションによってクルマの走行に使われずに熱として捨てられています。

そこで次に50km/h巡行に必要な仕事率(1秒間あたり熱量と同じ意味)を計算してみます。

S2000の走行抵抗を見ると、50km/hの走行抵抗は約30kgf(294N)です。
仕事率は、速度(m/sec)×走行抵抗(N)なので
50/3.6×294=4083W(4.08kW)

つまり、僕のS2000が50km/h巡行しているときは、4.08kW(5.55ps)の出力を必要としていて、その出力を発生させるために、エンジンはガソリンを燃やして32.6kW(44.4ps)の1秒間あたりの熱量を発生させているということがわかりました。

効率を計算すると
4.08/32.6×100=12.5%

これはもったいない。
ガソリンが発生した熱量の87.5%を大気中に熱として捨てているとは!!

50km/h走行中の発生熱量と走行に必要な仕事率がわかったので、内圧低下に伴うフリクション低下分の割合を計算します。

クルマが走行するために必要な仕事率に対するフリクション低下分の割合を計算すると
0.01/4.08×100=0.24%
これはエンジン出力が0.24%向上したのと同じ効果です。

ガソリンの発生熱量に対するフリクション低下分の割合を計算すると
0.01/32.6×100=0.03%
これは燃費が0.03%向上したのと同じ効果です。

まとめ
S2000が6速ギアで50km/h巡行しているときのクランクケース内圧制御バルブの効果は
出力効果で0.24%
燃費効果で0.03%
程度と推定される。

「クランクケース内圧制御における走行実験」という論文を見ると、高速道路のような巡行時には差が出なかったということで、そこそこ合っているように思います。

ということで、今回の計算では効果が小さいということになってますが、計算に使っている基礎データがS2000に当てはまるかどうかは不明なので、もう少し情報収集して再計算してみたいです。
Posted at 2017/03/05 23:33:56 | コメント(8) | トラックバック(0) | いろいろ計算 | クルマ

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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