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2023年08月31日 イイね!

低反発スプリングってナニ? その3

低反発スプリングってナニ? その3今日は低反発スプリング3回目です。

はじめに前回の記載に間違いあったので訂正です。
バネ反力の計算は、中学で習うようです。
中学生時代は教科書にクルマの絵を描いていた記憶しかないので、すっかり忘れておりました。申し訳ありません。

そして、ふと思ったことがあります。
プレイドライブに書いてあった”反発力”と中学で習うフックの法則に出てくるバネ反力は同じことを意味しているのだろうか?ってことです。

まずは低反発といえばマットレスなので、マットレスにおける低反発の定義を調べてみました。
そうすると、マットレスというより、軟質ウレタンフォームやゴムで低反発、高反発を”反発弾性率”という言葉を使って定義していることがわかりました。

軟質ウレタンフォームの反発弾性率の測定方法はJIS K 6400-3で決められており、試験片に500mmの高さから鋼球を落下させ、跳ね返った高さから反発弾性を求めます。

こちらから引用しました。写真があるのでご覧ください。
https://www.boken.or.jp/find_items/lifestyle_goods/daily_items/urethane_foam/1217/

この定義の反発とは反発弾性率なので、力ではないのですが、反発弾性率が高い=反発力が高いと言い換えることができそうです。

しかし、この反発弾性率が低反発スプリングの反発を示しているわけではなさそうです。

軟質ウレタンフォームやゴムに当たった鋼球が元の高さまで跳ね返らない理由は、
軟質ウレタンフォームは内部摩擦が大きく、鋼球の運動エネルギーが熱エネルギーに変わることが原因ですが、これは材料の物性値で決まります。

仮に鉄鋼材のコイルスプリングで同じ試験をしたとしても、使っている鉄鋼材が同じであれば内部摩擦が同じなのでコイル線の太さや、コイル巻き径、巻き数が違っていても、同一バネ定数の場合は同じ結果にしかなりません。

低反発スプリングの説明には鋼材ついての記載はなく、巻き数や重量が違うと書いてあるだけなので低反発スプリングの反発は反発弾性率の大小のことを指しているわけではなさそうです。

もう少し考えます。

反発弾性率と似たような感覚ですが、バネ単品を縮めた状態からビヨヨ~ンって元に戻るときの速さが速い(=時間が短い)ものを高反発、戻る速さが遅い(=時間が長い)ものを低反発と定義してみます。

こう定義すると低反発スプリングはエネルギーを貯めている時間が長いという説明にも合います。

そこでバネ単品を縮めた状態から元に戻るときの速さを計算します。

でも、これも真面目に計算すると難しいので、かなり乱暴に簡略化し、バネ質量が全てバネ端に集中して分布しているモデルで計算します。

図1:コイルバネの簡略モデル


このようなバネをx(m)縮めた状態からパっと手を放します。
そすると、バネ端に集中しているバネ質量が加速します。

このときのバネ反力はフックの法則より、k・x(N)です。
このときのバネの加速度 as(m/sec2)は、ニュートンの運動の第一法則より

as=k・x/m (m/sec2)・・・式1

式1より、バネ質量mが大きいほど加速度asは小さい、つまりバネが元に戻る速度が遅いということになります。

したがって、低反発スプリング→巻き数多く、バネ質量が大きい→バネを縮めた状態から元に戻る速度遅い→反発力が小さい ということになりました。

でもこの考え方も違うと思います。

まず自動車のサスペンション用のバネをバネ単品で使うことはありません。
バネをお店で買って来た帰り道に、助手席の上から落ちたスプリングはバネ単品でビヨヨ~ンと伸び縮みしてるかもしれませんが、普通は車体に組付けた状態で使うものなので、図1のようにバネ単品で使われることはないのです。

自動車のサスペンション用バネの動きを考えるときは図2のように車体の質量で計算します。

・バネ端はアッパーマウントと一緒に動く
・アッパーマウントはボディ(車体)と一緒に動く

バネ端はボディ(車体)と一緒に動いておりバネ単独で伸び縮みすることがないので、バネ単独の質量で計算はせず、車体の質量で計算をしなくてはなりません。

図2:自動車バネ-マスモデル


このモデルで計算すると、前回計算したとおり、バネ質量の影響は微小で無視できるレベルでしか変化しません。

ついでにバネ下側でも計算してみます。
バネ定数を100N/mm、バネ下質量を30kg、バネ質量を2kgとすると

バネ質量を考慮せず・・・9.19(Hz)
バネ質量を考慮する・・・9.09(Hz)

約1%の変化で、バネ下も無視できるレベルでしか変化しませんでした。

仮にバネ質量がもっと大きいと無視できないくらい固有振動数が変わりますが、わざわざバネの質量を変えなくても、車体にオモリ積むとか、ご飯をたくさん食べて体重増やすとか、重いホイールに変えても同じ結果になるので、わざわざ低反発スプリングという名前をつけて売り出す理由が見当たりません。

ということで、今日は反発の意味を考えてみましたが、結局はよくわかりませんでした。

長くなってきたので、ばねのサージングは次回書きたいと思います。
Posted at 2023/09/02 12:50:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2023年08月30日 イイね!

低反発スプリングってナニ? その2

今日は低反発スプリング2回目です。

ところで、まるで最後まで読むと低反発スプリングとはなんぞや?ってことがわかるような書きぶりになっておりますが、実はわかりません。

いろいろ調べた結果、バネの勉強にはなったけど、低反発スプリングはどういうメカニズムで、どう良いのかは全くわかりませんでした。

なので、申し訳ありませんが、期待して読んでいただいても低反発スプリングについて得られる有用な情報は何もない(わけじゃないけど)ので、期待しないでお読みください。

それでは本題です。
まずはプレイドライブ8月号について
結論から先に書くと、低反発スプリングについてわかったことはこれだけです。

・低反発・・・巻き数が多くて重い
・高反発・・・巻き数が少なくて軽い


なるほど、バネレートは同じで、巻き数と質量が違うということがわかりました。

次に低反発の反発とは何か?について記載がありました。
「それぞれのスプリングに同じ入力を与えても、反発力が大きく変わってきます。」
どうやら、反発とは反発力、つまり力のことを指しているようです。
力なので、単位はN(ニュートン)です。

たまに会社の若者と話しをしていて、なんのことを話ししているのかわからなくなって、”その〇〇の単位はなんだ?”って聞くことがあるのですが、単位がわかれば物理量として何を指しているのかがわかりやすくなるので単位は重要です。

今回は単位の記載はありませんでしたが、低反発の反発の物理量は”力”であることがわかりました。

ちなみに記事に書いてある、”同じ入力を与えても、反発力が大きく違う”という記載ですが、バネだけに同じ力を加えた場合、巻き数が多くても少なくてもバネ反力はどちらも同じであることは高校で習います。

さらに続きにこう書いてあります。
「巻き数が多く、材料の重量があるスプリングの方が、バネ自体にエネルギーを貯めている時間が長くなるんです。」

バネに蓄えられるエネルギーの量については言及していないので、どちらも同じと仮定すれば、バネに蓄えらえるエネルギー量は1/2・k・x^2で、どちらもバネ定数kは同じなので、縮み量xの値が大きい時間が長いということが言いたいようです。

そこでバネ質量違いでバネ上の固有振動数を計算してみます。
バネ上質量がm(kg)、バネの有効巻き数部質量がms(kg)で、バネ定数がk(N/mm)の固有振動数f(Hz)は
f=1/(2π)(1000×k/(m+ms/3) ^0.5 (Hz)
(この式では、バネ質量の1/3がバネ上の固有振動数に影響するということを意味しています)

ここで、スプリング質量を2kg、バネ上質量を300kgとしてバネ定数100N/mmの場合の固有振動数で比較すると

バネ質量考慮せず・・・2.906(Hz)
バネ質量考慮する・・・2.903(Hz)

となって、バネ質量が大きい方が確かに固有振動数が低く、バネが縮んでいる時間も長いのですが、この程度の差で何か影響あるのか?って思いました。

バネ上ではなく、バネ下重量で計算するともっと影響が大きくなるので、バネ下の話かな?とも思いましたが、要はバネ下重量が重くなったというだけなので、路面追従性が低下しただけな気がします。

さらに読み進めるとこのように書いてあります。
「乗り味でいえば、低反発の方が吸収がいいので安定しますね。車体を押し上げることがないので」

低反発スプリングはバネ下重量が重くなってるのに吸収がいいとはどういうことなんでしょうか?。なぞは深まるばかりです。

その他いろいろ書いてあったものの、技術的な記述はなく、低反発スプリングの何がいいのかわかりませんでした。

ということで、よくわからなかったのですが、
・低反発・・・巻き数が多くて重い
・高反発・・・巻き数が少なくて軽い

ということについては明確に記述があったので、その3ではバネの質量が振動に与える影響についてコイルスプリングのサージングという現象を踏まえて影響を確認したいと思います。
Posted at 2023/08/30 21:28:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2023年08月28日 イイね!

低反発スプリングってナニ? その1

低反発スプリングってナニ? その1写真は8月26日の宇都宮LRT(Light Rail Transit)の開業イベントで撮りました。
25年以上宇都宮市に住んでますが8月の宮まつりと花火大会除いて最も盛り上がったイベントだったと思います。

宮まつりに行くと、この人達は一体どこから来たんだろう?と思うくらいたくさん人が来ます。でも、普段は駅周辺の人が少ないのでLRTができたことで、もっと駅周辺も賑やかになるといいですね。

ところで、本日のお題は低反発スプリングです。
何年か前にネットか雑誌で見た記憶があり、そのときもなんのことだろう?って思ってたのですが、よくわからなかったのですっかり忘れておりました。

しかし最近なにかを調べているときに再び低反発スプリングという言葉が出てきたので、改めて調べてみました。

まずはネットで情報収集です。
どうやらハルスプリングというメーカーが使い始めた言葉らしいということがわかりました。
こちら→https://halsprings.co.jp/automobile/top.html

低反発だけでなく、中反発、高反発という言葉もあり、それぞれ以下の特徴があるそうです。

低反発:路面走破性を最重要視したモデル
中反発:素早いレート発生と柔軟な動きを兼ね備えたモデル
高反発:少ないストロークで強い瞬発力を発揮するモデル

表現が文学的で、僕には意味かまるでわからなかったので、もう少し検索するとタニダのページにハルスプリングの商品説明がありました。
こちら→https://tanida-web.co.jp/cgi-bin/brand/page.cgi?act=page&cid=18&p_id=

高反発の説明にはこう書いてあります。

「自由長に対し0%~20%区間におけるレートの安定を優先した設計。
レスポンスに優れ、ハンドリングが良くなる反面、凹凸には跳ねる傾向となります。」

”レートの安定を優先した設計”というのがあいまいでよくわからないのですが、普通に解釈すると、例えば呼称が16kgf/mmのバネというのはバネ定数が16kgf/mmということを意味しているので、レートが安定=バネ定数が16kgf/mmからのズレが小さいという意味だと考えられます。

つまり、縮み始めの0~20%の区間のバネ定数が呼称バネ定数に対してズレの小さいスプリングのことを高反発スプリングと言う ということのようです。

これを低反発スプリングに当てはめると、高反発スプリングの逆なので
縮み始めの0~20%の区間のバネ定数が呼称バネ定数に対してズレの大きいスプリングのことを低反発スプリングと言う ということになりそうです。

通常コイルバネは縮み始めの方がバネ定数が低いので、呼称バネ定数からズレが大きい=バネ定数が低いということになり、以上を踏まえると

・低反発スプリング:縮み始めのバネ定数が呼称バネ定数に対して低い
・高反発スプリング:縮み始めのバネ定数が呼称バネ定数に対して低い区間が短い

ということが書いてあると僕は理解しました。
確かにバネ定数が高い方が凹凸で跳ねるので商品説明に矛盾はなく、理解が合っているように思いました。

でも、だったら”低反発”とかベッドみたいな言い方しなくても従来からある”バリアブルレートスプリング”という言葉使えばいいように思いました。

要はバリアブルレートスプリングじゃないの?という気がするのですが、いまいち解せないので、さらに検索したところ、プレイドライブ2019年8月に記事があることがわかりました。
こちら→https://playdrive.jp/backnumber/15099

一部内容が読めるのですが、このページに書いてあることだけでは、まだ何がどう違うのかわからないので、購入しました。

ついでにバネの本も買うことにしました。
バネの本はいろいろあるのですが、”決定版”みたいなのを1冊買いたかったので、これを買いました。→https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/?book_no=293594

丸善のホームページでは品切れですが、Amazonだと新品購入できます。(注文が入ってから印刷してるっぽい)

22,000円というびっくり価格でしたが、僕の会社の福利厚生制度で書籍代を払ってくれるという素敵な制度があるのでそれを利用して購入しました。

ということで、次回はプレイドライブ2019年8月を読んでわかったこととばねの本でお勉強したことについて書きたいと思います。
Posted at 2023/08/29 00:20:49 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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