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2007年09月26日

国産F1 コジマKE007 (富士F1開催記念特集vol.2)

国産F1 コジマKE007 (富士F1開催記念特集vol.2)   富士F1開催記念特集第2段! 今回はコジマKE007のお話です。
 
 コジマKE007は、純国産のF1マシンとして’76年に富士スピードウェイで開催されたGPにスポット参戦したマシンです。
 日本製マシンが、F1日本GPに参加したのは、あとにも先にもこの「コジマ」が唯一の存在です。

 設計は、シャシーが最初の国産F1のマキをデザインした経験を生かし小野昌弘、カウルデザインは由良卓也が担当しました。
 直線の長い富士だけにに照準を合わせ、空気抵抗を極限まで減らす為に、ナロートレッドに調整式のフロントカウルを装備。
タイヤはダンロップ、ショックはカヤバと、国産のパーツをできるだけ採用し、エンジンは当時のスタンダートのDFVを採用していました。

 ドライバーは後日F2で無敵の速さを見せた長谷見昌弘

 予選初日の午前の予選では、脅威のスーパーラップで1分13秒88で4番手タイムを記録
海外チームからも「東洋の神秘だ」等驚きの目で注目されます。

 しかしポールポジションを狙った午後の予選で、最終コーナーで左前輪のパーツが破損、タイヤバリアに激突し大破。スペアカーを用意していなかったチームは、決勝の出場が微妙となります。

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 ちょっと前にこの時の逸話を、秘密基地のオヤジさんから聞いたことがあります。

 このKE007の製作にも関っていた伊藤レーシング(現スパ西浦モーターパークのオーナー)で当時働いていたオヤジさん、その時はお店番として残っていたのですが、現場に行っていた伊藤さんからクラッシュ直後に電話がかかってきました。

 「○○と○○と○○を持って、今から富士まで来てくれ!」

 それらの部品と工具を集めて富士まで東名をぶっ飛ばして、修復場所となった近藤レーシングに辿り着くと、そこにはバラバラになった、ほぼ全損状態のKE007があったそうです。
 
 とても本番までの修復は無理に見えたのですが、そのあたりのレースメカニックはこの為に集められ、総勢数十名のチームとなっていました。

 メンバー全員が、とても普通では元に戻らないと思われるバラバラになったモノコック、サスペンションアーム等を溶接しながら懸命に作業を開始。睡眠も取らずに困難な作業を続け、結局修復作業は日曜日の朝まで40時間以上続きます。
 その努力が実り、決勝の朝には走れる状態になりました。しかし、モノコックの歪みを調整できる道具も時間もないので、アライメントも滅茶苦茶な状態で出走せざるをえません。

 オヤジさん達メンバーが不安気に見守る中、長谷見選手は直線も真っ直ぐに走れない状態での雨のフォーメーションラップに望みます。
 しかし皆の願いが届いたのか、予選10位からスタートした長谷見選手、一旦は後方に飲み込まれますが、その後ファステストラップを記録!
 結果的には11位完走で終わりましたが、速さの片鱗を見せることができました。 

------------------------------------------------------------
  
 海外のレースの情報も殆どないこの時代に、世界の頂点F1に果敢に望みクラッシュからも復活させたサムライ達の偉業は、「伝説のコジマ」としてファンに語り継がれ、特に海外では大きな評価となっているようです。


 このKE007はその後行方不明となっていたようですが、10年前にタイヤショップに放置されていたところを発見されます。かなり酷い状態だったのですが、ファンの方々の熱意のボランティア活動で、伊藤レーシング等の助力も受けながら、なんとか復元されます。
 2004年の英国グッドウッドフェスティバルでは、主催者からの招待を受けたKE007が海を渡り、長谷見さんのドライブでその雄姿を再び見せたようです。

 最初に日本で開かれたF1には、こういったドラマがあったのですね。
この先人達の努力が、その後の日本のモータースポーツの発展に、多大な影響を与えたことは間違いありません。

 今年30年ぶりに開催される富士でのF1は、どんなドラマがあるのでしょうか?
楽しみですね。

写真は'07日本GP(FSW)に展示してあった、レストアされたKE007です。
このブログを書いた後、偶然にも会えました!!

関連ブログ(クリックでリンクに飛びます)
 '76富士F1
 国産F1 コジマKE007 
 '77富士F1

 コジマKE007に会えました!
ブログ一覧 | F1基礎講座 | 日記
Posted at 2007/09/26 23:56:31

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この記事へのコメント

2007年9月27日 19:02
でもパパはどーしてこんな裏ばなしまで知ってるの~?

ママの知らないパパを見た気が・・・・・
て言うかママが生まれる前のパパの姿・・・・
コメントへの返答
2007年9月28日 0:10
だからぁ、秘密基地のオジサンが当時はレースメカニックで、いろんなことを聞きました。

 今度行って見ますか?

ママはこの頃、既にママだったはずですよね。
2007年9月27日 22:43
映画になってもよさそうな話ですね。
NHKにでも売り込んでおきます(笑

サムライ魂・・・

日本人に生まれて良かったぁー

コメントへの返答
2007年9月28日 0:11
どら彦監督!是非映画化して下さい!!


 こういうサムライ魂って、日本のメーカーに今も生きてると思いますよね。

 日本人の誇りです!
2007年9月28日 5:59
コジマKE007は今見てもカッコイイですね。
それにしても日本人の意地ですね。
当時はDFVさえあれば何とかなる時代
だったので今よりも敷居が低くいい時代でしたね。

次回は謎の秘密結社マキF1をお願いします(笑)
コメントへの返答
2007年10月1日 20:08
おお!すいません!レス忘れてました。
日本人の意地です!
 こういうゼロ戦にも通じる、戦略的な技術の挑戦が、日本人のDNAにあるのでしょうね。

マキF1は、あのオヤジさんも関わってなかったようで、ちょっと情報がなくて・・・

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