
中国メディアの碼蟻之家は5日付の記事で、日本人が正座を好む理由について説明する記事を掲載した。
記事は1つ目の理由として、畳と和式テーブルという生活環境を指摘。和式テーブルにつく際、「背筋がピンと伸びる正座だけが見たところ正当な座り方」であり、他の座り方は「だらしなく見える」と説明した。つまり畳の上での生活という日本人の生活様式において、美しさや礼儀を表現する点で正座が最も相応しいということを記事は主張している。
さらに2つ目の理由として、和服との関係を指摘。男性は和服を着て胡坐をかくことができるが女性は無理であると説明、女性が和服を終始「美しい形に保つ」ためには「歩くときは小足、座るときは正座」である必要があると指摘した。
この2つ目の理由においても、記事が正座と美との関係を指摘している点に注目できる。1つ目の理由の場合は真っ直ぐに伸びた背筋の美しさ、そして2つ目の理由の場合は和服独特の美しさを乱さないために正座する点に注目、日本人はこうした美しさを大切にし、また愛するゆえに正座を好むというのが記事の見方だ。
さらに記事は3つ目の理由として、正座と健康との関係を指摘。「正座は脚の形に悪い影響を与えるかもしれないが」とした後、それでも「良い点も少なくない」と説明。例えば正しい姿勢で正座するなら、「下あごの贅肉を落とすことができ、ウエストを引き締めることができる」と指摘した。
正座が健康に及ぼす影響に関する記事の指摘の事実性についてはなんとも言えないが、昔の日本人が下あごの贅肉を落とすことやウエストを引き締めるといった健康面での効果から正座を好むようになったということはなさそうに思える。
日本人が正座を好むのはこれらの理由が関係していると記事は説明、さらに「外国人が日本文化に溶け込んでいるかどうかは正しい姿勢で正座できるかどうかで大体わかる」とも指摘している。それゆえ外国人が日本文化に溶け込むことを意味する「畳化」という語彙があると説明した。
注目すべき点の1つは、和式テーブルにつく際、正座以外の座り方が「だらしなく見える」という記事の指摘だ。記事は正座と外見上の美しさを結びつける一方で、自制や克己また敬意などの精神面における美しさとも結びつけている。現代の日本人の場合、椅子に座る洋式テーブルを利用する家庭も多いため、昔と比べて正座する機会は少なくなったかもしれないが、それでも正座が体現する日本の精神文化や美学はいまなおしっかりと息づいている。この点を理解する外国人を「心が畳化した人」と呼べるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2016-06-08 14:37
Posted at 2017/11/03 00:36:51 | |
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