
中国人にとってはショックだったのかもしれない。石井啓一国土交通相が8日、米国のフォックス運輸長官とリニア中央新幹線の試験車両に試乗し、米国でのリニアモーターカーの導入を働きかけると、中国メディアの中国新聞社は9日朝に同話題を報道。環球網は「中国に反撃:日本は全力で米国にリニア高速鉄道技術を売り込み」と報じた。
中国新聞社は、日本政府とJR東海が、米国首都のワシントンとメリーランド州ボルチモアを結ぶ高速鉄道で、超電導リニアの売り込みに力を入れていると紹介。安倍晋三首相が2014年4月に、キャロライン・ケネディ駐日大使とともにリニア線試験車両に試乗したことにも触れた。
環球網は、資金も技術もある米国が、現在まで高速鉄道を建設しなかった理由を考察。米国社会には、大量の資金と長い時間のかかるプロジェクトを進めることが困難との見方を示した。
環球網は一方で、米国では都市と都市を結ぶ高速道路の建設は、環境負担の増加などで難しくなってきたなどと指摘。そのために、これまでにはなかった「都市間交通」、つまり高速鉄道が必要になってきたと論じた。
記事は最後の部分で、米国の高速鉄道市場で、中国と日本は「最後まで死闘を続ける」ことになるとの見方を示した。超電導リニアの技術は、中国にとって全くの「未知の世界」と言ってよい。それだけに、日本から米国への売り込みについては敏感になるようだ。
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◆解説◆
中国では2004年に、上海市市街地と上海浦東空港を結ぶ高速リニアモーターカー路線が開業した(上海トランスラピッド)。営業最高時速は430キロメートル。同路線はドイツで開発されたトランスラピッドの技術を導入したものだ。
一方、日本では1970年ごろから、浮上式高速リニアモーターカーの開発が本格化した。日本の場合、超電導現象を利用するため技術面での難易度が極めて高かった。日本が超電導リニアにこだわったのは、地震の際の安全性が比較的高いと考えられたことも理由だった。山梨リニア実験線では試験車両L0系が2015年4月21日に時速603キロメートルで走行し、鉄道の世界最高速度を更新した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF。米ボルチモア市) サーチナ 2015-11-10 09:53
Posted at 2017/11/27 02:17:55 | |
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