もうかなり前になりますが、三回にわたって写真撮影の技術論をこの場で展開したことがありました(
これとか
これとか
これ。2007 年だって。九年前じゃないですか)。
その際、書きたかったのにカメラにその機能がなかったせいで書けなかったのが被写界深度に関する話。この度、無事書けるようになりましたので、この場に載せようと思います。まぁ、単に新しいカメラの使い勝手を試しただけ、って話ですが ww
まず、次の写真をご覧ください。
ウチにいる雷鳥のぬいぐるみ達です。ま、写真の内容はどうでもいいんですけど。
そして、こちらの写真をご覧ください。
同じアングルで撮った写真ですが、違いがお分かりになりますでしょうか。
二つの写真とも、真ん中の茶色と白の二色使いのコにフォーカスを合わせていますが、上の写真ではすべてのぬいぐるみと、後ろの壁までピントが合っているように見えます。下の写真では、一つ後ろの白いコはピントが合っているように見えますが、その他のぬいぐるみは、ボケていますね。
二つの写真は、それぞれ絞りとシャッタースピードが異なっています。
上の写真は絞りを最大限の F 22 にして、その分シャッタースピードを下げて露出を合わせています。
一方、下の写真は絞りは F 5.6(この焦点距離での解放値)、その分シャッタースピードが速くなっています。
絞りの値を変えることによってピントの合っている(ように見える)範囲が変わることがお分かりかと思いますが、この範囲のことを被写界深度と言います。
一般に、被写界深度は絞りを絞るほど深く(範囲が広く)なり、絞りを開けるほど浅く(範囲が狭く)なります。また、レンズの焦点距離が短いほど深くなり、逆に焦点距離が長いレンズほど浅くなります。
被写界深度を意図して利用できるようになると、写真の表現の範囲が広がりますね。画面から必要ない情報をレタッチなどで消してしまうのは捏造ですが、焦点を外してボカしてしまうのはテクニックの範囲内です(マジ
人物写真を撮るプロのカメラマンさん達は、105 mm とか 135 mm くらいの焦点距離(35 mm サイズのカメラでの話)のレンズを使うことを好みます。理由は、このくらいの焦点距離のレンズだと普通に話しかけられる距離でスタジオ内で撮影でき、かつ背景をボカすことができるから。もっとウデのいいカメラマンさんだと、人物の瞳にしかフォーカスの合っていない写真を撮ったりします。肌の粗などが目立たないようにできるんですね。
ちなみに、今ではかなりのお年を召した髪の毛もじゃもじゃのとあるカメラマンさん(林家ぺー師匠ではありません)ですと、その人物のどこにもフォーカスの合っていない写真を堂々と雑誌に載せたりします。巨匠と呼ばれる人のやることって凄いですね www
Posted at 2016/12/04 22:44:14 | |
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