連闘の北岳!八本歯挑戦!!
こんにちは jt です。
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今は昔。時は2017/9/29(金)。
3年越しの想い~千枚岳アタック~の翌週です。
せっかく登山で脚力を鍛えても、間が開くと直ぐになまってしまう。
そうならないようにある程度短い期間に集中して登山計画したいものだ。
千枚岳の次の山は、近年毎年登っている北岳を目指すことにした。登山撮影をする富士山写真家にとって、やはり北岳は外せません。今回の目的地は、左俣ルートからの北岳山荘です。
北岳では、右俣ルート、北岳肩の小屋、北岳山頂、大樺沢ルートの下りは経験済みでしたが、左俣(八本歯)ルート、北岳山荘は未経験でした。これは、八本歯ルートには、連続丸太ハシゴがありここがキツイという話をよく聞くので、嫁さんがここを越えられるか、また自分もテント泊の重装備でバテないか心配だったため挑戦していませんでした。
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北岳アタック
千枚岳で8時間超登山を乗り越えた今こそが、左俣ルート攻略のチャンスとの判断です。
それにしても「八本歯のコル」なんともインパクトのある名前です。
"コル"とは尾根上のピークとピークの間の標高が低くなった箇所という意味です。
"八本歯"は、コルに名前の由来となった歯のような形をした大岩があるそうです。
意識してキチンと見ていなかったので。わかりやすい写真がありませんでしたが、
(1)この岩(左下手前)とか (スマフォ写真)
(2)歯のような岩(右端)が"八本歯"の語源のようです。(スマフォ写真)
北岳左俣コース山行アタックの詳細な様子は、こちらをご覧ください。
【北岳】上り:左俣コース、下り:右俣コース【写真324枚w】
(項「写真」の右端にある「スライドショーで見る」がおススメです)
広河原を6:45に出発。二俣手前の大樺沢での北岳と紅葉。とても綺麗だったので、ここで荷物を降ろしてちょっと撮影タイム。
(3)北岳バットレスを見上げる
広河原から約9時間掛かり、日没前の17:00過ぎに北岳山荘に到着。
早く山荘で受付を済ませないと夕食にありつけないないため、慌てているところに…
(4) おおぉ!初ブロッケン現象!!この時間の無い時にw (スマフォ写真)
山荘受付に駆け込み、テント幕営と夕食を申し込む。なんとか間に合ったw。あぶないぶないw
疲れを癒やしながら夕食をゆっくりを頂いていたら、辺りはすっかり真っ暗にw
初めて暗闇の中テント幕営w いつもと同じ時間で設営できたけど、風が弱かったのがよかった。
(5) 写真は翌朝撮ったもので、青いテントがjtのテント(Dunlop VS30)。(スマフォ写真)
夜通し富士山は見えていたものの、パッとした絵ではなかったので、軽めの撮影に留め、シュラフ(寝袋)に潜り込むもなかなか寝付けず。朝方になってようやく寝付けた思ったら、なんだか外が騒がしい…テントから頭を出してみると…こ、これはヤバい!焼け始めているではないですか!!
(6) 慌ててテント前に撮影機材を準備して撮影開始! (スマフォ写真)
(7) ヤベェー!コレハクル・・・・Σ(;゜Д゜ノ)ノ
(8) キタヨキタヨヽ(゜∀゜=゜∀゜)ノキチャッタヨ-!!!!!!
■ここで1つ失敗がw
自宅に戻ってから判明したことですが、ひと時D850のインターバルタイマー撮影(露出平滑化:ON)を使って、一時停止、撮影再開を繰り返していたが、結果的に露出オーバー写真を量産してしまった。
これは、露出変化の大きい時間帯にインターバルタイマー撮影(露出平滑化:ON※1)を一時停止させ、時間を開けて再開すると、露出平滑化の調整範囲以上の露出変化があるのに範囲内しか露出調整できないため、露出オーバーとなってしまっていた。
いい時間の15分間の写真が全てボツになってしまい結構なショックだった。
→インターバルタイマー機能を使って、時間を開けて撮影する場合は、露出平滑化はOFFにするべきだった。または一時停止ではなく、毎回終了。
※1インターバルタイマー撮影の露出平滑化機能…微速度撮影動画時のチラツキ元凶である露出のばらつきを抑止するための機能。1コマ前に撮影した静止画と大きく明るさが変化しないようにカメラが自動で露出を調整する。
(9) キタ!( ゜∀)キタ!!( ゜∀゜ )キタ!!
(10) キタ━━━━ヽ(゜∀゜ )ノ━━━━!!!!
祭りがひと段落したところで、朝食を頂き、北岳山行とその周辺を探索です。
北岳山荘といえば、2012年に放映された向井理主演のTVドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」を思い出します。ドラマの設定は長野県の架空の山、標高2514mの"稜ヶ岳"ですが、タイトルバックのムービーは北岳山荘と北岳なんですよね~。
テントを撤収し、9:30頃下山開始です。昨晩までは、山頂を踏みながら右俣ルート(草スベリ)を考えていたけど、時間が遅くなったので左俣ルート(八本歯)で下山すべきか悩みます。2014年に来た時は北岳山頂を10:00に出発して右俣ルートで降り15:40時頃に到着した実績がある。今は既に10:30なので、山頂に着くころには11:00だろう。以前より1時間も遅い。嫁さんは昨日の左俣コース上りのダメージが色濃く残っている。やはり左俣コースから降りるべきか。しかし、左俣から次々と登山者が登ってきている。今日は紅葉シーズンの土曜日だから登山者は非常に多いはずだ。連続ハシゴや岩場は擦れ違いできないので上り組と渋滞が発生する可能性が高い。また、嫁さんは八本歯前後のゴーロ帯や連続ハシゴでかなりへばっていた。下りも苦戦するだろう。右俣周りは標準CTで1時間余分にかかるが、諸条件を総合的に加味して右俣ルートで下山することにした。
(11) 山頂が見えてきました。(スマフォ写真)
(12) 北岳山頂標識。2014年に来たときには、全面茶色で真新しかったのに随分と色褪せました。山頂では記念写真を撮ったりしてなんだかんだで15分滞在。(スマフォ写真)
(13) 賑わう山頂。富士山が見えてます。この時は知る由もありませんが、後々巻き起こる大事件のメシアになる2人組(※2)が写っています。(スマフォ写真)

※2 左から3人目(紺のアウター、ピンクのインナー)、4人目(オレンジ色)の2人組
やばっ…時間がない。もう11時を回ってるw 2014年は10時スタートだった。最悪でも16:00には到着したいが間に合うのか?
(14) 白根御池小屋に到着しました。名物のソフトクリームを頂こうと思ったんですが、今年分は売り切れたそうです。残念。(スマフォ写真)
(15) 15分ほど休憩を取って下山開始です。この時嫁さん(右)のスマフォは、右足のカーゴポケット(ふなっしーキーホルダ付き)に入っています。(スマフォ写真)
(16) 広河原に到着です。なんとか15:50に到着です。嫁さんが心配でしたが間に合ってよかった。16:30の乗合タクシーを待ちます。(スマフォ写真)
■最後に3つ事件が!!
○事件1
乗り合いタクシーを待っていると…嫁さんがスマフォをどこかに落とした言い出しました。な、な、なに~~~~!!約6時間かけて下山してきて最終乗り合いタクシーに並んでいるこの状況を理解して言っているのか?ぉぃぉぃぉぃ、バカも休み休み言えよぉ…。
途中の白根御池小屋でスマフォを使っていたのは確認しているので、落としたとしたら白根御池小屋~広河原です。その場で白根御池小屋に電話し、疑わしい所を確認してもらいましたが見つからず。ザックを引っくり返して探しましたが、どこにもありません。
白根御池小屋~広河原間のどこで落としたかもわからない、落とした確約もなく、時間的にも、体力的にも戻るにも戻れず途方に暮れるしかありません。とりあえず、広河原インフォメーションセンターに紛失物届を出して連絡を待つことしました。全くもって困ったものです。
○事件2
2つ目は16:30の乗合タクシーに乗るために並んで待っていたら、前の人で定員一杯になり乗車できませんでした。ええっ~!まじ!!ぉぃぉぃ並んで待っている客見捨てておいていくのか?じゃ、どうすればいいの~~~? (歩く?いやいや、タクシーノンストップで丸一時間かかる距離を歩けるわけがない)
※過去にも16:30の乗合タクシーで帰っているけど、これまでは2台以上のタクシーが待っていたので、てっきり最終便タクシーは、利用客数を予測して増発されるものだと思っていた…。
すがる思いで案内所で聞くと、最終の市営バス16:40に乗る手がありました。これでなんとか駐車場に帰れそうです。バス停で並んで待ちます。スマフォはあきらめるしかないなぁ…。もし落し物で広河原インフォメーションセンターに届いたとしても、また来週、広河原インフォメーションセンターへ取りに来るの?芦安駐車場から乗合タクシー(または市営バス)で1時間かかるんだよ?まったく余計なことをやってくれたものです。ブツブツ…
○事件3
事件続きの山行の最後にサプライズが!!バス停で並んで待っていると、広河原インフォメーションセンターの方が慌てて駆け寄って来られました。何だろうとおもったら、なんと!落としたスマフォが出てきました!!
自分たちより後に到着された方(山頂の2人組)が、道中でスマフォを拾い広河原インフォメーションセンターへ届けて下さいました。
この方々は自分たちが下山途中で追い抜いたぐらいなので、相当に疲労困憊されていたと思いますが、それなのに重い5.5インチスマフォを運んでくださいました。しかもバス時間が迫っている中、拾得物の届け出をして下さいました。適切な感謝の言葉が見つかりません。本当に本当にありがとうございました。なんとか礼金を受け取って頂きたかったんですが受け取ってもらえず、ただひたすら頭を下げるばかりです。本当に助かりました。
自分たちより後に到着した方は、その2人組以外はいませんでした。
・数少ない後進者に見つけられたこと、拾われたこと
・拾われた方がとても良い方で親切な方であったこと
・時間の無い中、広河原インフォメーションセンターに届けてくれたこと(バス時間が迫っていて広河原へ届出できない、または警察へ届出)
※拾得者にすれば、いつ落としたか分からないわけですから、持ち主はとっくにいないかもしれない。すなわち乗り遅れのリスクを冒してまで広河原へ届ける必要はない。
・jtが乗り合いタクシーに乗れずに、バス停で待っていたこと(乗合タクシーに乗れたら、スマフォ届出が間に合わなかったかもしれない)
・広河原インフォメーションセンターの方が素早く機転を利かせ、まだバス停で待っているのではないかと探してくれたこと。
これら全てが偶然にも重なり、スマフォが嫁さんの手元に戻って来たことは、奇跡としかいいようがありません。ひたすら感謝しながら帰途につきました。
山好きに悪い人はいないとよく言われますが、それを身を持って体感した出来事でした