こんにちは jt です。
毎年9月中旬~10月中旬は、高山の紅葉と富士山狙いで登山している。毎年目標を掲げているが、今年(2018年)こそは観音岳(2840m)の紅葉を撮りたいと思っていた。
なぜ今年"こそ"かというと、観音岳はjtにとってトラウマの山だったからだ。
■トラウマの山
○富士山撮影登山の山
鳳凰三山(観音岳)は以下の理由から狙いにくいと感じていた。
・観音山に一番近いのは薬師岳小屋だが、2017年に新装したこともあって非常に人気が高く土日祭日はほぼ予約が取れない。
・鳳凰小屋は予約無しでも泊まれるが、繁忙期は大混雑する。
・稜線はゴーロ帯やザレ場(白砂)になっており、暗闇ではトレースが非常に分かりづらい。またルートが複数あったりするため迷いやすい。
・2人(嫁)で登るので費用的にテント泊にしたいが、テン場は南御室小屋、鳳凰小屋にしかなく観音岳までが遠い。日の出時間に間に合わせるには、かなり早い時間(真夜中)に立たなくてはならない。道迷いも不安。
・トレーニング登山無しでテント泊装備は厳しい、克服していない鳳凰三山であればなおさら。
○トレーニング登山補足
南ア2800m級以上の山は大体がコースタイム7時間を越える厳しいコースなので、
1~2週間前に4時間前後の山へ登りトレーニングするようにしている。
○2014年観音岳挑戦
鳳凰三山(観音岳)は、2014年に中道ルートで挑んだことがあったが、あまりの急登に途中で大バテしてしまい、薬師ヶ岳山頂まで12時間かかった苦い経験がある。
不眠での登山→× ※後半の大バテ
上級者向けルート選択(中道)→× ※身の丈に合うルート選択すべきだった(夜叉神コース等)
荷物量(2ボディ+大三元レンズ)→× ※登山に70-200F2.8G(1.6kg)は重すぎたw
その後、八ヶ岳、北岳、千枚岳と同等以上の体力を要する山を克服してきたが、鳳凰三山(観音岳)だけはトラウマになっていた。今年その鳳凰に再挑戦するにあたり、しっかりトレーニング登山を積んで挑みたいところだったが、8月後半からことごとく悪天候(週末)が続き、トレーニング登山が出来ないでいた。
■2018年観音岳挑戦
そんな時、9/22(土)~24(月)三連休前になった。
○状況
・9/22(土)~24(月)三連休は、9/23(日)だけが好天予報。台風シーズンでもあるし次週9/27,28の予報はいまひとつだった。
・今年は桜にしろ、ツツジにしろ、ホタルにしろ1週間ほど早い。情報がないけどそろそろ紅葉がいいころではないか。
・今年は夏休みを分散して9月に取っていて9/21(金)は休暇だった。いつも登山準備に3時間以上かかってしまうが、今回は準備時間を十分とれる。(ホントは金曜日から登山に出掛けたかったが、天気が悪かった)
○不安要素
・週末の悪天続きで、好天日にはハイカーが殺到するのは必至。1つの布団で2人は避けたい。
・3連休の中日なんて一番混む日であることは明白。駐車場に泊められるのか?
・トレーニング登山なしで、7時間クラスの登山をしたことがない。特に嫁が不安。
・前日だというのに山小屋はどこも予約していない。
・前回中道で大バテしているので傾斜のゆるやかな夜叉神ルートにしたいところだが、泊まれる山小屋は鳳凰小屋しかない。(鳳凰小屋以外は要予約で、念のため電話確認したが空きなし)
・9/22(土)は曇りのち雨予報で、登山中雨に降られるかもしれない。(嫁さんは風邪病み上がり)
・その上自分は一週間前に左ひざの膝蓋骨(しつがいこつ)の上の健を痛めてしまった。膝を少し曲げて体重を掛けると激痛が走る。登山前日時点で激痛は引いてはきたが、健を押すと傷みがある。(膝を痛くしたのは生まれて初めてだった)
不安要素は沢山あるものの、とにかく9月の天気が悪過ぎて、分散夏休みもことごとく悪天だった。千載一遇のこの好天をみすみす逃す手はない。行かないときっと後悔する。これは行くしかない!?
■2018年観音岳ルート選択
鳳凰小屋は予約なしでも泊まれるが、念のため予約を入れておいた。前日でも取れるものだ。
鳳凰小屋への登山ルートは2つあるが、どちらも経験はなく、不安要素が多いだけに少しでも負担が少ない方を選びたい。
・御座石鉱泉コース(ございしこうせん) 鳳凰小屋まで標準CT 5H30M
駐車場:無料 (50台)
登り返し:少ない
前半2/3:急登、後半1/3:なだらか
人気:低い
・ドンドコ沢コース 鳳凰小屋まで標準CT 5H30M
青木鉱泉:P代 1500円(100台)
登り返し:多い ※精神的ダメージが大きい
前半:なだらか、後半:急登
人気:高い
上記の2つでは、人気はドンドコ沢コースのようです。
青木鉱泉→ドンドコ沢コース→観音岳→薬師岳→中道コース→青木鉱泉といった周回ルートが選べるためでしょう。
どちらもCTは変わらないが、ドンドコ沢の方が登り返しが多そうだったのと、後ろがなだらかの方がいいだろうと考えて、御座石鉱泉コースにしてみました。ただし、もし御座石の駐車場が一杯だったら、青木鉱泉に回るつもりでした。
9/22(土) 3:00 御座石鉱泉Pに到着。予想外の一番乗り。3連日雨天影響で車1台も無し(御座石鉱泉の人に聞いた)。明るくなるまで仮眠。
5:30 起床。朝食を取ってから、登山準備開始。
14:30 鳳凰小屋到着。ぶっつけ登山だったが、なんとかバテずに登ることができた。
19:00 夜な夜な出撃するので、その準備をして19:00頃就寝。だけど…いつものことだがjtは一睡も出来なかった。環境の変化があると寝られないw 困ったものだ。睡眠薬が欲しいw
9/23(日) 2:00 不要な荷物は小屋にデポして、観音岳へアタック開始。
急登&荒れ放題の登山道に悲鳴を挙げながら、稜線に出た。
白砂やゴーロ帯は複数ルートあることが多く昼間は遠くを見て正否を判断できるが、夜は遠くが見えないのでどれが正解か判断が難しい。また白色LEDヘッドライトだと色が白飛びしてしまいトレース痕が判りづらく迷いやすい。
そういう状況のため稜線にでてからが大変だった。なにか違うなと感じたら、元のところまで戻って別ルートで進むを繰り返さざるをえなかった。周りが白砂のため方角すらわからなくなることもあった。途中、全く判らなくなってしまいひと時(10分ほど)途方に暮れたこともあった。(方向感覚は自信あるんですが…)
なんとかルートを見つけることができて、夜明け前に観音岳に到着することができた。コースタイムは通常の倍近くかかっていた。
観音岳山行の詳細な様子は、こちらをご覧ください。
【鳳凰山】御座石鉱泉→鳳凰小屋→観音岳ピストン【写真194枚】
(項「写真」の右端にある「スライドショーで見る」がおススメです)
(1) モルゲンロートに染まる観音岳の黄葉と大雲海!これが撮りたかった!
(2) 黄葉も丁度いい時期だったようです。jt好みの大雲海とダケカンバの黄葉、富士山、青空…至福のひと時!!!
(3) いや~実に絶景です。いつまで見ていても飽きません。同じような写真を何百枚も撮ってしまいました。いつのまにか疲れもどこかへ吹っ飛びました。大満足です。苦労して登ってきた甲斐がありました。
(4) 観音岳頂上からの雲海富士!最高の登山日和!
■良かった点
・jtも嫁さんもトレーニング登山無しのぶっつけ登山だったが、2014年時のような大バテはしなかった。登山経験を積んでバテにくい登り方が身についてきたのかもしれない。
→トラウマ克服ができた。
・小屋に荷物デポがよかった。
今回、嫁さんの荷物をデポして空荷で山頂に向かった。自分も必要最低限の荷物にできたので、負担軽減ができたと思う。
元々が撮影登山目的なので、ピストンコースでも問題なし。少しでも体力消耗が少ないほうがありがたい。周回コースだと荷物を全て持って行かなければならないので、小屋にデポして向かえたのは嫁さんにはよかった。
・自分は一週間前に左ひざの膝蓋骨(しつがいこつ)の上の健を痛めて、押すと傷みがあったが、登山には全く影響がなかった。というか登山後に治ってしまった。
■反省
・嫁さんが怪我をしたときに軍手をしていなかった。→ 必ず軍手
・下山時に荷物量を減らすために水を減らしたが、最後に足りなくなってしまった。
・絆創膏はたくさん持っていたが、消毒薬がなかった。
・かかと専用絆創膏(リガードスキンケアーワイド)を嫁さんの両かかとに貼っていたものの、今回もかかとの靴擦れを起こしてしまった。毎回靴擦れしているが今回は症状がかなり酷かったので対策が必要。
・食事がリフィルとコンビニパン&おにぎりでは、ちょっと飽きてしまった。荷物を増やさずバリエーションを増やしたい。
・下山時、アミノ酸を飲み忘れた。(せっかくたくさん持って行ったのに)
■その他
・電波について
- 御座石鉱泉P ドコモ4G 4本
- 鳳凰小屋 ドコモ 圏外~3G 1本 ※実質ほぼ使えない
- 観音岳 ドコモ 4G 3本
・鳳凰小屋の大部屋で飲食禁止はどうかと思った。小屋でコーラを買ったが、そのジュースも部屋へは持ち込み禁止と言われたので驚いた。寝ているときにのどが渇くことは多々あるしジュースぐらい問題ないと思う(水ぐらいOKにしてほしいものだ)。鳳凰三山界隈の他の山小屋ではどうなんだろう?
・下着の着替えを持って行ったが、更衣室が見当たらず着替えられなかった。どこで着替えるの?テント泊者はいいけど小屋泊者は?男性はまだいいとしても女性は?
観音岳山行アタックの詳細な様子は、こちらをご覧ください。
【鳳凰山】御座石鉱泉→鳳凰小屋→観音岳ピストン【写真194枚】
(項「写真」の右端にある「スライドショーで見る」がおススメです)