ヤマハRZ250のミニチュアを手に入れました。
私は23年前、このミニチュアと同じ色のRZに乗っていました。
10数台のバイクを乗り継ぎましたが、コイツが一番印象深いバイクです。特に初めて触れたときの衝撃が忘れられません。
高校卒業と同時に2輪の免許を取り、初めて買ったバイクはホンダVT250Fでした。
250cc最速の座に君臨していたRZ250に、4ストロークながら同じ35馬力をたたき出し真っ向勝負を挑んだ、いわばRZのライバルとして生まれたバイクです。
ですから、街中でもRZと並べば、必ずといっていいほど信号グランプリになりました。
でもね。同じ馬力のはずなんですが、腕の差を差し引いても向こうのほうがどうみても速いんですよ。
革新的なVTのスタイルに比べれば、平凡なデザインに思えたRZですが、バイクに目が慣れてくると、コンベンショナルな中に作りこまれたそのカッコよさもわかるようになりました。
いつしか、RZは「ライバル」から「憧れ」に変わっていったのです。
そんなある日、バイク乗りの叔父が、知り合いのバイク屋に中古のRZがあるらしいから見に行ってみたら、と紹介してくれたのです。
早速地図を頼りに行ってみました。
小さなバイク屋の片すみに置かれたRZ。
RZのカラーリングは年式別に3種類のパターンがあります。そこにあったのは、初期型のものでした。私はこのカラーリングがあまり好きではなかったのでちょっとがっかりしたのですが、そんなことは吹っ飛ぶくらいの魅惑的な秘密がありました。
このRZ,エンジンは350ccに改造してある、というのです。兄弟車のパーツを流用して350にボアアップするのは当時ポピュラーな改造ではありましたが、それが今現実に目の前にある…。
エンジンを掛けてもらいました。
…ボロッ、ボロッ、ボボボン!
250とは明らかに違う、野太い音です。
ブリッピングのたびにブルブルと車体を身震いさせる振動、そしてもうもうと立ち込める白煙、オイルの燃える匂い。
機械としては明らかに未完成と思える、その野蛮なまでの存在感。
未熟な自分には手におえない、荒馬の挑発。
コイツを自分のものにしない、という選択肢はありえませんでした。
それからは、すっかり走り屋気取りでした(^^;
奥多摩有料(当時は有料道路でした)に通うようになったのも、RZを買ってからです。
当時大学2年。青春の真っ只中、今までの人生で一番輝いていた時期に花を添えてくれたバイクです。
今では滅多に見かけませんが、縁があればもう一度乗ってみたいです。
いつか、同じ路上で。
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Posted at
2008/05/31 23:24:19