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2025年11月14日 イイね!

【秋の1day街歩き 前編】西条散歩

【秋の1day街歩き 前編】西条散歩下り博多行き「ひかり」は、伊吹山ろくのトンネルを抜けると、刈り取りの終わった田園に一面の靄がかかる幻想的な光景が広がっていました。「おっ!」…思わず身を乗り出してしまいます。

夏の東北遠征以来の数か月、主に公的なスケジュールが目白押しで、ゆっくりできる時間がなかなか取れずに過ぎていきました。
心身ともに疲弊が取れず、どことなく煮詰まった気持ちを少しでも解消したくて、今月になって少しだけできた余裕を狙い、1日有休を取得。
日帰りですがプチ遠征に行ってきました。

11月14日、また暗い朝5時過ぎに出発。日帰りなので荷物はショルダーポーチのみの身軽ないでたち。しかし、さすがにこの時期の朝は空気が冷たく、上着は薄手のコートだけ羽織ってきたことを後悔しながら向かいます。

自由席は結構な乗車率。京都、新大阪と乗客の入れ替えが続きますが満席なのは変わらず、姫路・岡山あたりでようやく少し空席が現れます。

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通勤客が多く行きかう福山駅で下車。素晴らしい良い天気!

新幹線の中は暖かったのですが、外から暖めただけでは冷え切った身体を完全に元に戻すことはできず…たまらずに駅構内のうどん屋さんに飛び込み、七味を多めに振った熱々のうどんをつゆまで飲み干して、ようやく身体の中から暖まって来るのを実感。
ここから山陽線下り普通列車へと乗り込みます。

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尾道駅を通過。
私の街歩き趣味の原点となった尾道。かつては頻繁に訪れていましたが、さすがに最近は訪問頻度が少なくなり、このように素通りしてしまうことも多くなってきました。それでも何年かに1回はゆっくり歩いて見たくなる街です。尾道ラーメンは大好きなので、そのためだけなら毎回でも降りたいのですが(笑)

列車は2駅先の三原駅行きですが、この後の乗り継ぐ列車は次の糸崎駅が始発ですので、糸崎駅で下車。

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糸崎駅ホーム
同じく、乗り継ぎ目的で降車したわずかな乗客とともに佇みます。
晩秋の穏やかな陽光が降り注ぐ駅のホームは静かで、時折駅前の国道を行きかうクルマの音が僅かに聞こえるだけ…。「旅先で何も考えずに過ごす」ことが、今の自分には一番の薬です。

ホームをゆっくりと行ったり来たりしていると、やがてアナウンスが流れ、これから乗る広島方面行の列車が入線してきました。

糸崎の次の三原駅を発車した列車は海と別れて山あいへ。
近く山の色は緑の中に茶色、そしてわずかに赤色の紅葉も混じる秋の装い。
そして、山里の集落には、時折はっとするくらい鮮やかに黄色く色づいたイチョウが現れます。

最近の気候は四季から夏、冬の二季に変わってきているとも言われますが、まだまだ秋の風景は健在。個人的には旅の車窓から見る風景は秋、とくに晩秋の風景が一番好きです。

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糸崎駅を出発して40分ほどで、最初の目的地、西条駅に到着します。

東広島市の中心地である西条の街、別名「酒都」とも呼ばれるくらい酒造りが盛んな街で、白壁の酒蔵を備えた多くの酒造会社が並んでいます。ここから「酒倉通り」として七つの酒蔵を巡る街歩きに出発。

初訪の街を降り立つときのワクワク感はいつもながらたまりません。この感覚を味わうために街歩きを続けているようなものです…。

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駅前広場をすぐ左に入ると、いきなり赤レンガの煙突、そして白壁の蔵がお出迎えしてくれます。こちらは「白牡丹酒造」

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江戸~昭和までの各時代ごとの蔵が並んでいるそうです。

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「賀茂鶴酒造」の見学直売所入り口。

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賀茂鶴酒造の一角に本陣跡(お茶屋)があります。
その昔、このあたりは「西条四日市」と呼ばれ、関西~下関・九州方面を結ぶ西国街道の宿場町でした。今もこうして、本陣の正門が復元されて残されています。

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その反対側を振り返ると、亀齢(キレイ)酒造を裏から望むことができます。

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再び元の方向を向くと、有名な作家たちによる、お酒にちなんだエッセイが並んでいました。読んでいると、こちらも日本酒が飲みたくなってきます。

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「酒蔵通り」をさらに歩みを進めます。

福美人酒造の酒蔵横を通ります。
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こちらは「かわら版」。お酒に関する歳時記や豆知識などが並んでいます。
このような「読み物」も多い街歩きもまた楽しいもの。

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「福美人酒造」の正面入り口。
酒蔵の白壁や赤レンガの煙突だけでなく、事務所の板張りの建物や門の石柱も時代を感じることができて魅入られてしまいます。

ここで右に折れると旧西国街道に辿り着きます。

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賀茂泉酒造
酒蔵には「杉玉」が。「杉玉」は、一般的に「新酒ができた」という合図のためのもので、最初は緑色ですが時間が経つにつれて茶色く変化していきます。

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賀茂泉酒造からまっすぐに続く旧西国街道

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隣接するのが「酒泉館」
昭和初期に建てられた旧県立醸造場の建物は、現在賀茂泉酒造が所有し、カフェとして利用されています。
カフェと言ってもお酒に関連したメニューもあり、飲み比べや酒饅頭などのデザートも用意されている、とのこと。

こちらに限らず、試飲や見学ができる酒蔵も多くあります。
鉄道の旅とはいえ、ここで試飲するとこの先の行程が危うくなりそうなのでここはガマンし、酒蔵からほのかに漂う香りを楽しむにとどめました(今思うと、ちょっと勿体ないことをした…と反省です)

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街道をさらに西へと進むと、市街地では珍しい路地を跨ぐ「くぐり門」。
門の両側は観光案内所とカフェになっている、酒蔵通りの中心です。

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先ほど裏から見た亀齢酒造の正面玄関。
こちらも板張りの事務所と門の石柱。ちょうど中から団体の見学客がガイドさんの案内で出てきて、私もその中に紛れ込んだような格好に。少し心苦しいのでその場から離れます

その離れた先にあったのが、
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「万年亀井戸」。
各酒蔵はそれぞれ、独自の仕込み用の水をくみ上げる井戸を持っています。
西条周辺の地形と地層が程よく合わさり合って、酒造りに丁度いい水質の地下水が汲めるそうです。

さらに西へ数十m
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白牡丹酒造さん(左)と西條鶴酒造(右)さんが向かい合っています。
白牡丹酒造の屋根は、この地方特有の西条瓦という赤瓦が使用されているのがわかります。

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西條鶴酒造の仕込み井戸は「天保井水」。

各酒蔵は近いエリアに集まっていますが、汲み上げている地層が複雑なため、水質に微妙な違いがあり、お酒にしたときの味わいにも酒蔵ごとの違いが出てくる、とのことです。

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酒蔵に囲まれた小さい広場。こちらも酒造会社があった跡だそうです。

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西条の酒造の歴史や、原料となる酒米の精米機の展示、さらには西条瓦の説明なども充実していて、さながら屋外の博物館のようです。
こういう所で佇みながら、街の歴史を知ることができるのはいいですね。

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西条駅を見ながら、駅前の通りを横切ります。
通り沿いの街路樹も赤く染まっています。

飲食店が並ぶ繁華街を抜けると
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酒蔵巡りのトリを飾る、山陽鶴酒造を巡り、こうして酒蔵巡りの街歩きは終了。

普通に歩いて回れる範囲に大きな酒蔵が集中している西条の街は、まさに「酒都」。歩いていても、お酒の香りがどこからともなく流れてきそうな…それはまた、お酒造りとともに歩み続けてきた時の流れを見ることのできた街歩きでした。

駅に戻り、次の街へと向かいます。

後編に続きます。
Posted at 2025/11/16 23:52:18 | コメント(1) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記

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