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イイね!
2012年03月24日

岩国と防府

岩国と防府 トップ画像をしばらくは、錦帯橋に変えた。




月曜の朝、デイサービスにいく叔母を見送り、基地の街を出発する。



時間を稼ごうと、高速に乗ろうと思うが、その前に岩国の名所の
錦帯橋の近くを通ってみようと、錦川に沿った川沿いの道に入ってみる。



梅がやっと満開である。
最近の岩国というと、弘兼憲史の漫画、島耕作であろうか。
路線バスの後部いっぱいに島の男前の顔が描かれているのに
後ろから付き合う羽目になり、苦笑する。
いつのまにか島耕作も山口県生まれになったらしい。



あんなに女性関係が奔放なのは、その昔の夜這いの風習でも
あったんじゃ、なかろうかと思われては、長州人は後ろ暗い(爆)。

岩国の殿様は、毛利の分家、吉川(きっかわ)である。
名君かどうかは、ひとの判断に任せるが、この錦帯橋が
江戸時代に出来て、何百年もの間に、知れ渡ることになる。

ただの木造の五連橋といっても、これだけの岩国を知られる
結果になったことは、後世の評価に値する。
すぐに結果を出そうとする、21世紀にもなっても拙速な社会だが
本当に大事なことは、思い切ったことが出来る人と、じっくり
考えて行動に移れることではないだろうか。
決して箱根級の名所や国際観光地でもない岩国に、いちばん
風光の良い地にこの橋を造ったという遊び心が、今に続いている
財産や観光資源なのである。作った当初から目論みがどのくらい
あったにしろ。

徳山(周南)の手前で高速を降りる。
出光石油の石油精製基地で、昭和30年代末から、40年代いっぱい、
おそらくは50年代、昭和の終わりまで、山口県下で一番、景気の
良かった街である。
山陽新幹線の駅も当初から設置され、父の出た柳井が新幹線が
通らなかったため、あっという間に寂れたのに対し、地の利に恵まれ
栄光の時間も長く続くと思われた。



山側の市街を一気に眺望する国道バイパスを通過する。
まだ高速道路も夢のような時代に、膨大な補助金と、企業からの
税収でこの道路が造られた日の、徳山市民の誇らし気な気持ちを
想像してみる。
栄光の徳山の名も捨て、周南市となったが、新参の新南陽以外は
隣の下松も、その隣の光も靡かずに中途半端な合併に終わった。

まだ駅の名は徳山のままだ。反対に長く親しんだ小郡の名を捨て
新山口になった小郡駅とともに、考えさせられる、改名ドラマの裏に
市民感情は、不在だったとは、言えないか。


古都、防府が近づいて来た。

山口県人に取り、押し込められたような山口、徳川にいびられて
追いやられた萩に比べ、古来からの良港であったこの街は
心の故郷のように明るい。新幹線の駅もないのに、いまでもくすまぬ
不思議な、佐波川の河口に開けた歴史豊かな周防の国府なのである。



道路脇にこんどは加藤鷹がこちらを見ている。
不自然なあの歯の白い人は、誰じゃろねーと、こどもやおババに
聞かれたら、加藤隼戦闘隊の関係者とでも答えておこう。
夜の撃墜王というポルノ小説も昔あったっけ。




防府市内に入った。今度はEDである。カリーナイーディーに3ナンバーなんか
あったっけと、不思議な気分だが、あるんだから、これはきっと
4Sの上に、2.4くらいのエンジンがあったのだろう。

島に着いて、橋を渡る。
幼い日から何度か訪れた母方の先祖の土地である。今年も彼岸桜は
咲いたかなあ。



桜は今年は5部咲きと遅い。春は名のみの向島小学校の寒桜。


何を隠そう、この小学校を作ったのは、私の母系の曾々祖父なのである。
学校の沿革史による。

その人の名はあと、ここの65番目に出てくる人である。



残念ながら、5年ぶりの訪問も、満開には出会えなかった。
それでも心あらば、名にし負え、桜の古木よ、春を伝えてと。



駐車場から、遠く眺める桜の木。この木を植えたのは卒業生だと
言われているが、言い伝えははっきりしない。
樹齢90年、その頃はまだ母の生まれた家屋敷が残っていたという。

そして祖父は鉄道省に勤める為に、この地を去り、屋敷を解体した。
もう誰も覚えていない、昭和の初めまでの物語。
昭和48年の年賀状の刷り終わったあとに、祖父は東京で他界。
叔父や伯母も皆亡くなり、最後の生き残りの母も、ものも言えない老女に
なってしまった。
歴史のことは誰も判らない。
ただ静かに古木の桜は、何かを知っているけれど、語らない。
それで良いのだろうと思う。



この島も近年は人口流出が進み、風情のある家屋敷に空家が目立つ
ようになってきた。


丘の上の遥かな斜面から海を見る。
母系の先祖の墓は、もっともっと上の高い所の日向の土地にある。
そこまで上がって、たまたま居られた男性に、墓の位置を聞いて
見つけることが出来た。



私は長らく母方の家系の古い歴史に浪漫を感じていた。
しかし今回の訪問に、「もういいよ」とそちらの墓が言っているように感じた。
たまにしか来ないのだし、私はやはり父系の方が本当の流れだ。

次の訪問は、何年後になるだろう。それは無いかもしれない。
ただ毎年、先祖の思い出の地で桜の古木が咲き、多くの人の
心を癒すのなら、それで良いのではないか。誰がここに来て、
どんな歴史が過去にあったとしても。

さらばと桜の樹に別れを告げて、私はさらに西の町に向かって
クルマのエンジンに火を入れた。


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Posted at 2012/03/24 12:40:25

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