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2012年09月04日

人生のストックについて

人生のストックについて 人生設計に就いて、ご立派な考えの方も
沢山あると思う。私はこの数年、いや2001年9.11あたりより
隠居哲学とも言う行動の仕方で、ゆっくりとなだらかに
山を降りていっている。
でも踊り場や、再び軽い山を登ることがまたあるかも
しれない。それは車に対しても同じ事で、全く枯れ切って
いるわけでもないといっておく。

とりあえず9月で今の仕事が終わることになった。
昨夜は盟友が日が暮れてから、遊びに来てくれた。

僕らは1959年の4月以降と60年の早生まれの
同じ世代だ。皇太子世代でもあり、青春期を過ごしたのは
70年代から80年代という頃になる。

「きょうはちょっとクルマで行きますね」ということで
やってきたのは10万km走った10年以上前の
ダイハツネイキッド。



運転してみます?ということで、私がハンドルのある
側に座る。
細い路地を抜けながら、北摂の奥方面に向かうことにする。
カーオーディオから流れているのは、一番初期の頃の
稲垣潤一だ。

この車は、彼が修理に入れている工場の代車である。
少しだけタバコの臭いがするのが、家族に不評で、友人が
一人で原付やバイクのように乗り回しているらしい。

僕らはあと7、8年でいわゆる還暦という齢になる。
こんな20代のようなことを、それも肩のこらないオンボロ(失礼)
軽自動車でやるようになることは、10年前には無理であった。

お互い仕事が忙しかったし、車も絶対軽に乗るようなことはしない
妙なポリシーがあった。
私が一足先に隠居めいた一人暮らしを家族と少し離れて始めた
時には、いろんな憶測が言われた。
世捨て人、何かあったの、等々。

「もう十分」と思ったので、前の仕事に見切りをつけた。いつまで
経っても若い人の雇用が、試用みたいなままだったこともある。
その後正式採用された何名かのひとが、激務になったとたんに
辞めたという話に苦笑いもしたが、おっとりしたお嬢さんには
雇用均等法だけで務まる職場ではなかったからだ。

私は今、この学生気分をどう捉えるかで、思考しつつ、新しい時代の
風にも吹かれながら歩いている。

夜に友達同士で車に乗り、あてどもなくガソリンを使いながら
男同士の話をすることも、いいものだ。



車は完全に、脇役に徹している。
初めて走る道に案内し、「走る風土記」と言われた博覧で、
歴史地理を案内してあげるのもよし。このあたりの山道は
夜に走るのもお誂え向きだからである。

この度のこと、いろいろありましたな、で友が来てくれた
のだが、ここでちょっと注意が要る。
社会を立ち止まり考えることは、悪くは無い。しかし
社会のせいや、自己を全否定することからは、何も生まれない。

私が言いたいのはそのことだけである。
窓の外に、夜の遅くまで開いている、ベーカリーカフェが
目に付いた。
そこで車を止めて、ティータイムにする。

今夜は飲まなくても、眠れる夜になりそうだ。
もう秋は奥地まで着かかっており、冷たいドリンクはいらない。
紅茶を飲みながら、いろいろな話をする。
駐車場を出ると、攻守交替で、私が助手席に移りCDをチェンジ
する。

音楽の話も深くなり、道の方も一番の奥地の高台を極めたので
少しずつ戻っていきながら、様々な話題を昔話にからめながら
続けてみる。



友とふたり、夜間、車を走らせながら、だんだん若い日の
ような擬似感覚になっている。そこにあるのは、一昔まえの
ような青春アゲインではない。
僕らにあるのは、知識や経験と言ったストックだ。
そこを照らしながら、60歳への夜道を走る。

僕が持っていった最近のCDを取り出して、再び友のCD
ケースから山下達郎をかけてみる。
私は大ヒットする前から、聞いていたので、ムーングロウの
時代から着目していた。

誰もが山下達郎になれるわけではないが、そんな話をしながら
夜の道を降りていく。
きょうも長々と、日記めいたものを書いてしまったが、
夜風の中で、僕は忘れかけていたものを、少し思い出した
気持ちで、帰っていく友を見送っていた。









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Posted at 2012/09/04 23:05:08

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この記事へのコメント

2012年9月5日 12:26
キチガイ受験少年院に馴染めなかった高校時代から、私の友人は世捨て人見たいな連中ばかりになりました。
いわゆる世間で言う優等生や受験エリートとは正反対の人生を歩んできました。
それなり以上の大学に進んだ友人も、会社を辞めて講談師や役者、作家、有名デザイナー、工員、職人、無職、バイト生活、、「東大こそがすべて」とお題目を唱えていた狂師どもには想像の付かない行く末ですね(笑)
私もその中で海外放浪をして流れ流れて今の仕事についています。
そういう風に数十年生きてきたので、全うな人生計画とか、まったく無縁で考えたこともありませんでした(苦笑) 英国での大学講師時代は、少ない時は月収6000円相当でしたし。。(笑)
ひとつだけネガティブな点があるとすれば、将来の見通しが全くつかない連中ばかりでしたので、ごく一部の例外の連中を除いては所帯を持てなかったことでしょうかね。持っても無理だったとか。
はじめから(高校時代から?)そういう価値観だと、特に寂しくなったりもしませんね(笑)
まあ、そこが一番の問題なんでしょうけど(苦笑)
コメントへの返答
2012年9月6日 7:53
私の高校時代も、最初は似たような理由で苦しかったです。卒業後も地元を遠ざかり、接点が戻ったのは、50歳前でした。やつと若い頃の自分に向き合うことが出来るようになりました。

44love 様は、お友だちよりファンの方が多い、プロ並の人気と言うことに気づいていました。決して貴方は孤独じゃないと思います。

今は誰でも羨む海外渡航の第一任者です。いろんな角度から、原稿が書けるアドバンテージと、文才と表現力と語学力。
それを活かされて、精進されて下さい。

私が舌を巻く数少ない書き手のひとりなのですから。

ただ、言葉と言うのは魂のこもるものであり、大事にしておかないと、いつか言葉に、逆襲されることがあるかもしれません。

どうぞよろしくお願いいたします。
2012年9月5日 13:41
昨晩は楽しかったですね。
同じ時間を共有しても、これだけ考えさせられる文章を書けるkotaroさんに、感嘆いたしました。でも、この文章を書く触媒に成れたことを、心から喜んでいます。

ありがとうございました。
コメントへの返答
2012年9月6日 4:49
丁寧な応対もありの「我が良き友よ」でい続けましょう。
翌日から、早速就職活動を始めました。

軽自動車開眼は、自分の今の身の丈を気付かせて、くれました。

これも50歳代の現実ですね(笑)。

昨夜のドライブは、一つの達した境地と言うことで、いかがでしょう。これもシニアへの“進化”と言うことで。
2012年9月5日 18:10
わたしゃ~ね、そんなストックより
13歳ぴちぴちモデラーの新陳代謝に憧れる(笑)

ストックといえば、
パーツストックが役に立った試しがない。
今回のDINOも200万ほどパーツストックして
使わずに売却した人にあげた。

”準備とは一見無駄に見えることを用意する事だ”

・・・心に染みわたる。うぅ。

あ、脱線したw

グラス片手にストック品評会しようではありませんか。
コメントへの返答
2012年9月6日 7:55
おお、いつもながらに鋭いところを読み取っていますね。

13歳の彼にあるのは、恐るべき才能をどう活かせるか、と言う問題です。

私の方は、これまでのキャリアを活かし切っていない。開き直りをやめて、人の為に今後役立てられるかです。

みんから道場で、皆さんに揉まれることは、決して損でないと、思っております。
2012年9月5日 18:39
こんばんは、、

人生計画とか、、全くの無縁な生活です。
レストラン経営してた時にロシアのレストランでお菓子の作り教えて、、楽しくなり
縁合ってスイスで働き、、当地で寿司シェフになって、、イタリアとノルウェイで働き、、
東京で、ギャラリーの設営とか企画して、、現在は露天商みたいなもんだもね、、(笑)
一時クルマから遠のいてましたが、、現在整備中
やっぱりクルマが好きだしね、、クルマが好き位かな、、数十年変わらないものは、、
住む所も環境も家族も変わるけどね、、まぁ気楽に死ねればいいね
コメントへの返答
2012年9月6日 5:12
こんにちは。

僕はtakkeysさんには、お会いしたことがありますので、次回はいろんな話が、出来ると思います。

アートの前は、フードのキャリアをお持ちです。それもとびきりの海外体験したものばかり。

凄いと思いました。
そしてクルマに関するかなりのストック。将に今回のテーマにピタリの方と考えます。

ここからどういった枝が、広げられるか。

花実の咲く一本の木になれると、私は思っていますよ。
2012年9月6日 8:27
ご丁寧な返信有難う御座いました。

>言葉と言うのは魂のこもるものであり、大事にしておかないと、いつか言葉に、逆襲されることがあるかもしれません。

頭では自覚しているのですが、、、
ちょっと知的な(当時の年齢としては)自虐や皮肉を楽しんでいた高校時代から周りの仲間が変わっていないのですね・・・
そろそろ大人にならなきゃならない年齢なのですが、
立場を考えずにはしゃいでしまう性格はたぶん変えられませんが、自省することを学ばねばなりませんね・・(自戒・・)
コメントへの返答
2012年9月6日 20:22
とんでもございません。私のブログもはしゃぐ時もあります。
大人にならないといけないのは、
案外私のほうかもしれません。
でも44Loveさんが真っ先に読んでくださるのも嬉しく思っております。

私はコメント欄は使っていただくことで
自分なりに面白かったのはどこだろうと考えるリトマスと思います。
これからも独自な世界と哀愁のある文体に期待しております!

プロフィール

「昔の記事を読んでもらえるという喜び http://cvw.jp/b/176891/48658131/
何シテル?   09/23 05:35
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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