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2012年11月20日

望郷の旅 唐津から1日目終点島原まで

望郷の旅 唐津から1日目終点島原まで 一個ポチリが点いたので
気を取り直して書き続けましょう。









佐賀県唐津市に入るのは3度目くらいです。

絲山秋子と言う芥川賞作家がおられます。この人は社会人経験で
設備企業の管理職もした女性ですが、「老後は、唐津に住んでみたい」
と以前新聞エッセイに書いていたことを、私は憶えております。

確か彼女は高崎に住んでいて、一時期はクーペフィアットと
フィアットティーポの2台のフィアットに乗っていたと思います。
少し下の世代ですが、最初に乗ったクルマがMTの初代パンダ。
そんなことを知ってから彼女の作品は少し読むようになりました。

「逃亡くそたわけ」ではこの旅の後の方に出て来る宮崎-熊本
県境を走る山岳国道の265号線が出て来ます。
それを古いルーチェで走るのですよ。

私は絲山さんに直接メールしたことがあります。
幸運にも、フィアットに反応頂き返事をもらいました。

何かこの地球に一時期存在して、何が出来るのだろうと
深く考えるよりも、走り出せ。それが今回の九州グランツーリングでした。
いつもの850じゃなくて、ミラなのですが、弁解というより
この車のドライバビリティについて、触れましょう。



思った以上に伸びるという表現は、半分しかしか言い得てません。
ステアリング特性と、千鳥足にならないのは、アルトに比べて
美点です。軽だけでなく、同時期のストーリア開発を見据えた
設計を感じる部分があります。多分スズキはそれであわてて
スイフトを熟成したのでしょう。

さて唐津に着いたのが昼の12時でした。朝船を降りたのが7時だから
ここまで5時間ほぼ走りっぱなし。途中宗像の道の駅で弁当を買っていました
ので、お濠の見える風景の良いところを見つけて、優雅な平日ランチを
食べ始めたところ、冷たいものが空から無情に下りてきました。

私の不思議な雰囲気を面白そうに見て通って行った、二人連れの
遠来の御夫人二人も慌てて、屋根のあるところに走って行ってしまいました。

旅する気分なんて、日常との落差に面白さがあるのですが、今の私は複雑です。
それでもこういう旅をしたからって、罰は中らないだろうと考えるのですが、
気持ちの良い春の日や、暑い夏ではありません。人生の季節は秋、ところが
温かい九州に憧れてきたところ、今日の気温は12月レベルだといいます。



唐津での「ランチ」がもっとエンジョイ出来ていたら、この日の気分は、穏やか
だったかもしれません。今の私は不安定です。でもそれ程困窮しているわけでない。
だからこういう旅をしてみた。タベログだグルメだのって、そんな小市民的
なことは一切しませんが、見て来て走った大九州交響楽の1章なのです。



これは郵政会館というか旧逓信以来の保養所でしょう。こういうのは泊まってみたい。

1976年の自転車旅行の夜、大きな屋敷の前を通ったら「保利」という表札が
出ていました。家に帰って父に聞くと、自民党の幹部の保利茂の実家だと教えられ
「唐津藩の家老の家柄」と、言われました。今は息子の保利耕輔が議員をして
いますが、世代交替の時期だろうと思います。ところで調べてみるとオヤジが
言ったのは半分ウソですね。「貧しい農家の出」で苦学と書かれていました。
もう〜!

私の文章も、けっこうフィクションが入っているかもしれません。



結局唐津は雨もあり、素通りに近い状況で後にしました。




唐津から先の道の選択に迷います。呼子まで回るとかなり遠回りになり、たぶん
この先はペースも落ちるであろうから、唐津半島の裏側へ、山越えで204号線
方面に出ることに決めました。途中の地名に竹木場というところがあります。
コバというのは、昔の九州に多かった焼き畑のことと教えられています。
南九州に多く、大分側にはあまりありません。佐賀にもあったのか。
地質は写真のように赤土に近い火山土でしょう。たしかにこれは水田には向きません。



海沿いに出ました。採石場の有る島、福島と言います。ここは初めてのような
気がしましたが、調べてみると1978年春に通っていました。橋続きですが、
渡った先は長崎県北松浦郡のようです。もう少し行くと伊万里市です。



伊万里は1999年夏に家族旅行で来ています。このあたりは唐津から始まって
有田、波佐見と陶器の町が続くのですが、何も産業のない都市に比べると明らかに
豊かさを感じる部分が多く在ります。

それは焼き物と言う商品経済のおかげなのですが、日本が近代社会になる以前から
九州の各地は、小さなエリアの藩レベルで創意工夫して特産物を競ってきました。



伊万里付近で急に珈琲が飲みたくなり、道路沿いには全く普通の喫茶店がありません。
やっと有田で見つけたのは高級品の陶器を作っている工房の横に付設された、こんな
レストラン。ここでやっとティータイム。落ち着けました。

今でもこの辺りが経済的に潤っているのは先人の賜物のおかげなのですが、近年の
日本の社会の疲弊ぶりは、自助の前に国が何もしてくれないからと言う不平感が強い。

車で各地を回りながら、福岡の繁栄、前世紀型産業の後退した北九州地区、芦屋の
ように公営ギャンブルが生命線の町、福岡西部の明るい海岸線地区と、先程までの
唐津の印象など1日目だけでこれだけの感想が、53歳の私に残りました。

とくに僕の住む関西は、お江戸に対してはコンプレックスが有るいっぽう、地方に
対してはどうかな、と思うような行動や意識を感じます。異論もあるでしょうが、
大阪や関西には人情はあるけど、近年思いやりが薄いと、今回の旅を通じて反対に
感想を持ちました。それは運転マナーに現れる、「よそもの」へのまなざしです。

旅を急ぎましょう。
波佐見から嬉野に出ることにして、そこからついに高速道路を使いました。
下りたところは諫早です。長崎県諫早市は雲仙の有る島原半島の付け根です。

ここから本日の宿のある島原市まで、1時間くらいの見当をしましたが、
高速を使ったので、諫早市の混雑も思ったほどでなく、少し余裕があったので
諫早湾の干拓地を見てきました。





古い堤防とその内側には、広大な農地が広がっています。
何次にも渡って新田開発を広げてきたのは、江戸時代からの歴史と思います。
奥へ奥へと、車を走らせると、国道が遠ざかり、普通の人が入らない地域になり
今回の干拓事業に関する戸惑いを感じる立て札などが目に入ってきました。

一番奥地の車で行ける限度の所に着きました。



ここから先は、一旦閉めた防潮堤を開門して、水に戻すのか、大変難しい問題です。



最奥地の入植地には、記念碑が建っていました。近年立てられたもので
1963年に入植した、第1世代の労苦を讃えるというものです。
約50年前に、島原半島や長崎県の各地から応募した1期生の方達も、鬼籍に
入られるようになり、その功績を忘れないためにもと言う趣旨のようでした。

胸を張って、ここにきた人たち。その希望に燃えた時代が遠くなり、環境問題
など近年の社会は複雑です。いつの時代にも右往左往するのは、普通の人たち。
私はここを訪ねても良かったのかの、感想が残りました。



旅の疲れがたまって来る日の入りに、気楽に見学する場所でなかったでしょう。
国道に戻りしばらくいくと、古い時代の橋が残っている場所があったので
休憩しました。
その旧道の橋の上に立っていると、横を私鉄の島原鉄道が走っており、良い
シーンだなと思っていると、列車の汽笛が聞こえやがてレールのジョイント音が
聞こえてきました。運良く鉄橋を渡る列車が撮れました。



その後は10数キロ走り、宵闇の下りた島原に到着しました。
この夜のことは特筆するものでもないのですが、寒い夜に疲れていて
軽く飲んだだけが、体調を壊して、宿が寒かったこともあり散々でした。

寒夜の島原の夜景を何枚か写していますので、お目にかけましょう。



夜の魚屋。本当に静かな中に手を動かす音だけが聴こえてきました。



時が止まったような南島原駅。ここから博多や小倉に直通の急行も
かつては出ていました。



一駅だけ列車に乗り、宿の有る島原外港駅に戻りました。



この晩からよく朝にかけて、何だか精神的に凹んでいました。
体調が低下するので、一人の走りっぱなしの旅は、宿で回復できないと
いけないということが、よくわかりました。
食事も、大切ですね。


ブログ一覧 | 日々の旅 | 旅行/地域
Posted at 2012/11/20 05:34:29

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車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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