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イイね!
2013年02月01日

4速と5速

4速と5速 そう、長いこと忘れていたのだけれど
僕のフィアット850クーペは、何の変哲も無い
シンクロメッシュ付き4速ギアである。

今の新車は、オートマが8〜9割で、MT車を
選ぼうにも、中々ベースに無い状態だ。

だから4速、5速論争なんて、30年くらい
忘れていた。

5速というのは2つあって、大抵が4速にオーバートップ
減速比が1.0以下になる歯車が着いた、高速走行用の
+もう1速オプションで設定されたものが多い。

たまに5速が直結、ギア比1.0などというクルマを発見すると
用途はジムカーナやテクニックの居るコース用のスポーツ車
かなと、睨んでしまう。

本来は4速直結で、充分自動車は走れるのである。

360ccの軽自動車の時代、5速があることを自慢していたのは
ホンダZのGSSとGTくらいじゃ、なかったかなあ。
フロンテクーペでも、フェローマックスハードトップGXLでも
4速だったような気がする。間違っていたらコメント下さい。

日本では1970年を境に急に5速オーバードライブ付きが増えた。
日産はサニー110のクーペGXあたりから。
トヨタカローラ系は、20系レビンあたりからじゃ、なかったけ。
セリカでも初代のSTなんてほとんどが4速だと思う。


当時の謳い文句は、「高速道路での余裕」が第一であった。
町中を走るには4速で充分。僕も自動車学校(330セド)の
頃はそう言われて教習したような、記憶がある。

5速が優秀かって、そんなレベルは本質的ではない。
5速が必要ですか?、だったら5速車を購入して下さい。
本来はそういう売り方であったはずだ。

ところが高度経済成長最終コーナーの日本では、若者のスポーツ車、
クーペ・ハードトップにリアテールの「5speed」のエンブレムは
やっぱり自慢しいに受けてしまったのである。
「お、アイツのサニークーペは5速か!、それなら俺も」と数万円の
違いで4速を選んだことを後悔して、わざわざ5速車に買い替える
ようなことも、その時代には本当にあったことなのである。

それが助長して、日本車は最上級グレードから売れるというような
一般風潮に少し繋がりかけたことは、たぶん影響していると思う。

だから1970年代後半になると、まだMT車大半の時代であるが、
日本車の4速は、なんだかぱっとしない営業車や、よほどケチな
ご老人が買われたクルマの様に思えてきたのはホントである。
スターレットKP61などでは、SとかSiグレードは大抵5速で、
DX以下が4速。そこで後年大分経ってから走り屋がKP61を見直すと
もうベースがあまり残っていなくて、営業車落ちのDXなどを発掘して
大抵5速に積み替えていた。

ミッション換装は、街角に解体屋が残っていた時代には、ごく当たり前の
自動車いじりの流儀だったのである。

そのMT優位、オートマは女性ドライバーや運転に億劫な人向きという
イメージを変えたのが、ロックアップ付き4段オートマの登場である。
4速オートマは、セリカXXの初代MA55の2600あたりからだと思う。
MS110系、6代目クラウンも70年代最終で4速オートマだったかも
しれない。それでも「燃費の悪い」オートマにODポジションが付き
高速でロックアップが付いたことは朗報であった。

クレスタの1Gエンジンに多分1年後にロックアップが付いた。
この辺りから、ソアラの登場にかけて、金持ちはもう、5速車より
そろそろ4ATという選択になっていったのである。

一方外車はどうだったか。
旧態としていたことは、確かで、あの憧れのBMWでも初代3シリーズなど
ミッションはまず4速だった。オートマはもっと遅くまで3ATであった。
これには理由と言うか思想がある。本来はエンジニアが「要らない」と思った
ものは付けないのが、外国流であったのである。

それから排気量やトルクに余裕があれば、4速で充分じゃないかという
発想がある。ポルシェ911の930ターボなんかは、なんで旧型に5速が
あるのに、ターボは4速なの?と購入時に悩んだ日本人は多かったかもしれない。

部品点数が増えれば整備性が悪くなる。余計なことはしなくても性能は充分なら
4速で必要は足りると言うのが、本来の自動車のあり方であったのである。
ところが日本車の壊れないという神話と、ご希望は何でも叶えますと言った自動車
作りの論法が次第に海外でも、主流になってきて行った。元々AT比率の高かった
アメリカなどでは特にだ。

その辺りの時代になって来ると、保守的なヨーロッパも、シトロエンBXあたり
から4ATを積むようになってきた。ベンツ190もよく売れた理由は日本人好みの
メルセデスが、登場したからだと思う。



80年代の中盤の思い出になる。
アウトビアンキA112がよく売れたが、アバルトモデルは5速、輸入初期にあった
ハイチューンでないリッターモデルはエリートと言い、5速だったが、後半に入った
廉価盤モデルは903ccのジュニアで4速であった。
僕はこの辺りが純粋な古き良きヨーロッパ車の、4速モデルの最終時代でないかと
思う。

今やもう誰もが顧みない4速ミッション車。
私は長年乗り続けてきて、やはり5速はあった方が良いですかという質問に、
どちらでも良いと答えるような気持ちで乗り続けている。

パンダ45モデルに後半の5速ミッション改造する人は、平気でやっていると思う。
そこに「なんで4速なのかなあ」という必要と充分の発想に頭が行かないのであろう。
自転車のギヤも近年ものすごく多段化した。
僕の若い頃は、5段変速の下に3段変速のスポーツ車もあった。
それにフロントディレーラーが付いて10段で最高級であった。
今は後ろが7段、前が3段くらいのスプロケットがついている。
乗りこなせているのかなあと、心配になるが、大抵プロレーサーみたいなカッコした
人が、クルマに撥ねられそうな細い山道を、悦に入って運転されている。

これも自己満足の世界なのだろうなあと思う。
そんなわけで、きょうはちょっと、多段化の必要性と、自動車の暮らしの中における
意味のようなことを考えてみた。
オートマの多段化も、あくなき競争の様に数字が増えてしまった。
偏平率のめちゃくちゃ低くなったタイヤの高価格化とともに、僕らユーザーは
何かを見失っていないか。

年寄りめいた男の独り言と思って、読み流していただければ、幸いである。





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Posted at 2013/02/01 13:14:36

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