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2013年12月27日

山陰紀行/朝の米子駅にて

山陰紀行/朝の米子駅にて 朝になりました。
今日は山陰線を宍道まで乗り
そこから木次線という前から
乗ってみたかった路線で
はるばる広島を目指すことに
します。



朝のラッシュが終わった米子駅。
ラッシュアワーはないのかも。
この駅がこんなに立派なのは、国鉄時代に全国に11くらいあった鉄道
管理局の一つが、このビルの上部に入居しているからです。

最初の写真のモニュメントは、「山陰鉄道発祥の地」と言う意味でした。



昼夜を駆け抜けて、東京からこんな賓客も到来します。
特別急行「サンライズ出雲」



ゆったりとした空間を持つ最新の電車寝台列車。
といっても登場から10年以上経つけど。



ああ素敵です。この電車寝台特急は、あと、四国行きの「瀬戸」に使われ
ています。


0番1番ホームに立って、この優雅な列車を撮影していたら、向こうの
車内の乗客も、山陰まで来ている鉄道マニアが珍しいのか、こちらに
カメラを向けているではないですか。



何だか嬉しくなって、出雲まで旅する女の子たちに手を振っていたら、
撮影対象はホームにいる、“妖怪”たちでした。



「俺になんかようかい?」と、オヤジギャグをかますと、夢のような
特急列車は八雲の国に雲のようにするりと去って行ってしまいました。



朝のホームにひとり佇み、機関区や構内にいる列車を撮影しています。

珍しいのは直流用の大型の電気機関車EF64がいます。



伯備線が電化されて、岡山と米子・出雲市までの区間に棲む山岳機です。
形式名が往年のブルトレ牽引機EF65より古いのは、最初のEF64は、
確か奥羽線の板谷峠がまだ、直流時代にEF16では高速運転できないので
作った形式だったからで、側面窓のデザインの大きく異なる1000番台
は、事実上、最後の方の新鋭直流機のひとつでしょう。



昨日乗ったのと同じステンレスのディーゼルが、待っている女の子たちの
前に滑り込んできました。



彼女らが乗り込むと、ほら、もうホームには人が居ない。
これが山陰のターミナル風景なのです。

米子という駅は、電化区間であり、しかし非電化の車両も多く見られ
そのバラエティが、私が育った1970年頃の大分みたいです。
ディーゼルの向こうに、切り妻運転台をさらした、伯備線各停用の
115系の成れの果ても見えます。



EF64をカラーで見せると、綺麗でしょ。むかし名古屋に居た
スペシャルトレイン用のユーロライナー牽引機みたいです。
不細工な魔改造と呼ばれる115は不遇です。



岡山から、伯備線の特急「やくも」も滑り込んできます。
381系は中央線の「しなの」に続いて紀勢線の「くろしお」と同時代、
国鉄最後の先行投資で、振り子特急化が実現して、30年経ちます。



車両を、そろそろリプレイスしないといけないのですが、JR西はお金が
無いので、ローカル区間はなかなか近代化しません。それにしても国鉄
時代に出雲大社まで行っていたのを、廃止したのは損だった。

その後のブームで、今はすごい人気スポットなのに、出雲市駅からバス
とは情けない。
右寄りの今の政権時代に、鉄道だけでも復活させられないものでしょうか。



これも冬の山陰ならではの風物詩、ラッセルを前後に付けたDE15が
待機しています。



よく見ると、その背景には、綺麗な傘雲を被った純白衣装の霊峰大山が
そっとこの場所を見下ろしています。



これをご覧下さい。
当駅から出ている列車種別に、東京行きの「サンライズ出雲」が含まれて
いる。



昭和60年ころ国鉄最後の時間に、京都の大学関係でやった忘年会で、
酔った勢いで数名の者が、廃止になる夜行列車の「山陰」に乗ろうと
言い出して、そのまま倉吉まで旅をしたことがある。

倉吉で朝一番の倉吉線(これも3月のダイヤ改正で廃線)に乗り
往復で倉吉駅に戻り、頭の上に吊られている国鉄の列車名票を見ていると
「先輩、ここは東京直通列車が出ているのですね」と、後輩が声を上げた。

彼は愛媛の宇和島の出身で、今でこそ「サンライズ瀬戸」が松山まで
走るようになったが、四国は長い間「陸の孤島」で、東京に行くには
飛行機以外は直通が無かった。

彼は今、神戸新聞で働いているが、東京直通があることは、倉吉の方が
宇和島より都会に繋がっていると、それを讃えていたのである。
東京直通の鉄道が、一本のレールで繋がっている。新幹線に置き換わって
行く今の時代には、ナンセンスと言われても、その列車を走らせるまで
先人らの血の滲むような労苦があり、実現したのである。

ちなみに、「出雲」の歴史は、昭和の大典後に走り出した「大社行き
準急」がルーツだ。
僕はこういう歴史のあるものを、易々と廃止するのは、反対だ。

僕も35年前に、東京行きの上り「富士」に乗って東京の大学受験を
しに行った。その時には、「男子郷関を出れば」の漢詩を胸に秘めて
帰り来ぬ時は、引退か死ぬ時くらいの気持ちで、故郷を後にした。
こういう出世列車、上京列車を見ると万感の思いがある。
5分おきに走る「のぞみ」の時代に、なんと古くさいと思われてもよい。

男なんて、浪漫が無かったら、何の値打ちも無い生き物だ。
ホームの向こうの側線には、沢山の列車が並び、ラッシュの緊張の終わった
ターミナル機関区では、きょうも車両を磨いている人たちの姿があった。
山陰の鉄道は、ダイヤが過密でない分、車両が綺麗に思われた。
僕はそんな一昔前の当たり前の風景を見つつ、ここに今立っていることを
ゆっくり味わって、下り列車に乗り込んだ。

(米子駅編おわり)



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Posted at 2013/12/27 11:33:13

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