ｋｏｔａｒｏのブログ一覧

春まだ浅き三宮、
こんな日もあったなと、ふと思う。
これから九州まで長い旅に行く所。
二人の子供を連れて旅立つ、
三人道中の電車を待つ一コマ。

きょうは車の写真はお休み。
私のいくつかある「他の趣味」の中から
モノクロのフィルム写真世界である。

連休を利用して、在来線と新幹線を乗り継ぎ
広島の親戚に寄り最後は、九州でその頃は
元気に一人暮らししていた母に
孫の顔を見せに行っていた。

この頃は車も３台、４台と、趣味の車ばかりで、
九州にも１台置いていて、不定期に入れ換えに
行き、元気な母の姿を確認するのが常だった。

あれから１０年くらいの日が過ぎて
大人になる手前になった子供らと旅をすることはもうない。
母も完全に年老いて、姉の家で静かにくらしている。
九州に旅して会いに行くことはもうない。
故郷の家も今は他人に貸している。

たくさんあった車も整理して、
趣味の車は１台のクーペだけになった。

男は、ふと心に風の立つ日がある。
その風はどこから吹いて来て、どこへ流れていくのだろう。
来し方はあまり見えないが、掌には手あかにまみれた一枚の
切符があり、
この電車はどこ行きなんだろうと、つい飛び降りて確認したく
なるのだが、それも判らない。

ただ人生は旅から旅への繰り返し。
そんな時に古い写真の片隅に、
懐かしい空気を思い出すだけなのである。