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2011年02月21日 イイね!

心象風景

アルトで日帰りの旅をした
土曜日の夜のシーン。

帰りの高速代を惜しむというより、僕には時間というお金が
本物のお金の代わりに、少し余裕が出来てきた。



それは例えばこんなとき。
都会を脱出するのに、入り口出口の峠がある。
八王子から山梨甲府へ中央道で数十分で走るのと、
だらだらと談合坂のパーキングでイライラするくらいなら
地道に降りて、相模湖(旧駅名与瀬)や津久井の奥界隈の
きっと小泉今日子が小さい時に過ごした奥相模のへんぴな
風光に、心をなぐませてみるような。

京都から亀岡の間には、老の坂の峠があり、宝塚と三田の間には
名もなき塩瀬の山道がある。
いずれも国道は元国道のような風情になり、みんな高速や
バイパスを通るのが当たり前になってしまった。

僕は当たり前以前を知る、最後の世代だ。

この写真は、スズキアルトで、三田西からまた国道に戻り
いなろく(176)を宝塚に降りて行く途中に写した。

あっ路線バス。
停車中、ごぼう抜きにする車群のやや後ろ、すこしゆったり見ていると
ウインカーが一瞬知覚できたので、僕は減速した。1/1000秒くらいのこと。

バスを前に入れるのは、普段なら追い抜く車に加わるのに、
もう無理はしない、いや路線バス運転手の気持ちがほんの少し
分かる年齢になったのかもしれない。

運ちゃんも、今風にほんの一瞬、ハザードをコンマ1秒くらい点け、
私にだけ、交信したので、私も入れて良かったと感じた。

大きなバスの背中を、小さなアルトから見ている。
ほんの少しだけ、空いたバスに乗っている、帰る家へ向かう人の
気持ちが温かい雰囲気で伝わってくる。

急いで戻らなくても、9時くらいに帰っても誰にも文句は言われない。
そんな自由は、哀しいことでもなく、淡々とした現実だ。

一瞬のすれ違う人びとの中に、きょうの私とバスのような出来事は
数えきれなくある。
でもバスの背中に、家路を急ぐ人の心を見るようなことは、きっと少ない。




豊中まで戻ってきた。
前を行く赤いミニはきっとビギナーの若い女の子であろう。
2011年には2011年の風景がある。
免許を取り立ての31年前には私もこんな初心者風の運転をして
いたのだろうと思う。

あの頃にはあの頃の、街角風景があり、それはそれで楽しかった。
今の私には、まだ走れる気持ちと、
後ろに続いた長い道に思いを馳せるには、やや早いけれど、
きょうもまた、一日の運転の心地よい疲れに身を任せる、
こんな時間があるのである。




Posted at 2011/02/21 04:56:11 | トラックバック(0) | つれづれ日記 | 旅行/地域

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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