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2011年04月13日 イイね!

徳島のフォードコルセア



気仙沼の写真ではない。ショウタン氏を驚かせてしまったこの一枚。
もう20年以上昔に徳島で撮影した写真である。
車が建物の屋根の上に乗っているので、びっくりするが津波で押し上げられた
のではない。そういう例えを禁じるものでないと考えるので、遠慮(遠くから
配慮)しながら、続きを書く。

フォードコンサルというと、コルチナに進化した最強バージョンの“ロータス”
ばかりが有名であるが、(日本の自動車雑誌の悪い傾向。アバルトばかりもてはやし
普通のフィアットのことをきちんと教えようとしない)
このコルセア、コーセアと表記するもあり、はコルチナクラスの上級セダンで
1.5Lクラスだが車長4.4m級のボディを持つ、中型セダンである。

フォードと言っても、アメリカ本国でなく、“植民地モデル”のヨーロッパフォードである
が、この時代は贅沢なことに、イギリスフォードと、ドイツフォードは別々のモデルを
開発する余裕があった。
このコルセアは英国で、ドイツには同じクラスにタウナスがあった。
戦後のアメリカ経済が好調で、フォード本体にも余裕があったからと思われる。

ヨーロッパフォードは、スポーツモデルのカプリあたりから英独共通のモデルを
進める。それからフランスでは、戦前の大型で贅沢な車作りが禁じられたため
アメリカ製のエンジンや、マスタングなどの米国製の大きな車に憧れが集まった。

ヨーロッパは戦後の状態の中で、一つの行き方を探りながら、小型で使い勝手の良い
小型自動車をアメリカに大量に輸出。これがVWの隆盛やプジョーやフィアットの
戦後の復興につながった。
反対にV8エンジンやアメリカ製の大型車は、無い物ねだりのディレッタントらに珍重された。
アルベルト・カミユが立木に激突して事故死したときに乗っていたのはV8エンジンのファッセル・
ヴェガであり、その後、クロード・ルルーシュ監督の映画「男と女」(テーマソング
が日本では有名)の中に、ムスタングとヨーロッパっ子を熱狂させたフォードGTが出てくる。
主人公の一人は、ヨーッロッパフォードの所属レーサーという設定ではなかったか。

ちなみに、当時から仏米の文化的融合は、ジャズが一番強い。
ルイ・マルの映画「死刑台のエレベーター」のテーマソングは、帝王マイルス・デイビスで
あるし、今でもフランスはジャズがコンテンポラリーに存在する。
その結節点は、植民地・アフリカである。パリの町を歩いているとヨーロッパの都会では
一番アフリカ系が多い。

心情的には第二次大戦のレジスタンス運動への共感や、おそらくフランス人の憧れのような
目線の先がアメリカに向いていたのではないか。

なぜこの英国フォードのセダンが徳島県阿南市方面に流れ着き、中古車販売店の「看板」
になったのか、その経緯は知らない。

ただ珍しい輸入車をこよなく愛するディレッタントが、今もこの町に居るということで
伝来の文化は脈づいていると、言えるのではないであろうか。


Posted at 2011/04/13 13:28:43 | トラックバック(0) | うんちく | クルマ

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「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
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