• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

kotaroのブログ一覧

2011年07月23日 イイね!

和歌山、海南・日方あたり

和歌山、海南・日方あたり








5年ほど前のある日のこと、独りで和歌山まで旅にでた。

その昔、野上電鉄という私鉄ローカル電車が走っていた頃、
始発駅のある海南の町の風情に、魅かれたことを思い出したからである。

夜勤明けの半日と、その翌日しか休みがないことは覚悟だが
天王寺から電車に乗り、降りた町で一夜の宿に投宿した。





半夜の町を徒然に歩いてみる。

知らない町を歩いてみーたーい♪という歌が昔あったが、
私もこの「そぞろ神」に取り付かれて何十年、こういった
気まぐれ旅を人生に退屈すると、発作的に繰り返している。



夜の帳の降りて行くまま、ちょいと怪しい路地裏や、
水路の入り組んだ裏町をあるいていくうちに、この町が
船町であり、かつての栄えと引き換えに失って行った
情緒めいた残滓を嗅ぎ出さんと、どんどん探訪の深みにはまって行く。






水路のほとり、人もこないかつての殷賑であった橋の辻に立ち
私は夢から醒めずに漕ぎ出す舟歌の当てもなく、途方に暮れていた。


やがて1軒の灯りをみつけて、綺麗とは思えないスタンドバアの客となる。

ビールと少々のフードを採り、その町の親父たちの輪に入って行く。
なぜ、こんな芸当が出来るのかというと、私の後ろには放浪者
(ながれもん)の風が吹いているからである。

旅の者(もん)が入れる、ほんの少しの隙間に、風が入れる余地はある。
それは古(いにしえ)からこの小さな元港町が、外に向かって開いていた
名残だと言って良いのであろうか。世界中の町を放浪していても
そんな風が私に向かって吹いて来た時に、旅立ちの日がきたことを知らされる。

その夜の〆は、最後に立ち寄った和歌山風のラーメン屋。
このあたりの店には、大抵カウンターの上に、小腹を満たす
鯖寿司が置いてあるのである。
ラーメンでお腹が膨れた私は、鯖寿司をお土産に宿に持ち帰った。

翌日の二日酔いで、有田から御坊方面に向かう電車の中で
残り物の鮨を喰う。






酸味の利いた少し熟(な)れた米と魚の味が、じわっと体の中を回る。
旅の実感は、何に起因しても良いが、己の体験が昔の旅人に
重なった時こそ初めて「腑に落ちる」のではないだろうか。

私の旅は、まだ続く





Posted at 2011/07/23 16:11:23 | トラックバック(0) | 日々の旅 | 旅行/地域

プロフィール

「残クレアルファード秀逸過ぎて、世相の実態描き過ぎ。トヨタの情弱ビジネス露呈して、一気にアルファード売れなくなり、廃盤に追い込まれるかも。
https://x.com/miofukayax/status/1928279128001659102
何シテル?   08/06 03:43
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2011/7 >>

      1 2
34567 8 9
101112 131415 16
1718 19 202122 23
242526 272829 30
31      

リンク・クリップ

趣味とかその対象はどうなっていくのか 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/04/01 18:15:22
タイ製L70ミラ・ピックアップのすべて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/02/22 10:52:34
春の1200kmツーリング・中国山地の尾根を抜けて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/05/11 05:49:46

愛車一覧

ホンダ スーパーカブ50 プロ ホンダ スーパーカブ50 プロ
中古のスーパーカブを買いました。 原付に乗るのは40年ぶりです。
フィアット 850 車の色は空のいろ。 (フィアット 850)
2016年10月、三年半かかった車体レストアが完了し戦列復帰、その後半年、また以前のよう ...
プジョー その他 26インチのスポルティーフ (プジョー その他)
高校の時から乗っているプジョーです。1975年購入。改造歴多数。数年前に自力でレストアし ...
シトロエン ベルランゴ ゴールデン林檎 (シトロエン ベルランゴ)
還暦過ぎて、最後の増車?!。 見たこともなかった人生初のRV車を、九州生活のレジャーのお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation