• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

kotaroのブログ一覧

2011年10月13日 イイね!

秋の播州平野

秋の播州平野








宮本百合子の「播州平野」は終戦直後に書かれた小説だ。
敗戦の混乱の中、都会を出て田舎に引き上げる女性が、秋の野良道を
牛車か、耕耘機に引かれた荷車で、旅する風情がすがすがしい。

共産党・宮本賢治の妻という先入観でオドロオドロしく思われ
あまり読まれていないとしたら実に惜しい。
私は好きな小説、好きな描写の中で、十指にあげて良いものの一つである。

昨日はこの、大好きな秋の播州平野を旅してきた。
旅と言っても、今度から車を保管してくれる場所まで、下道を使って
大阪府池田市から兵庫県の加西までのんびりドライブをしてきたに過ぎない。
しかし高速道路を使えば、1時間前後の距離を、ゆっくりと風景を楽しみながら
走ることが、実に楽しい。

辿った道はこうである。
池田市ーR176で川西ー宝塚ー峠越えで三田へ
三田市宅原口より県道へ
長尾ー毘沙門ー吉川町大沢、中国道を並走しながら道の駅とうじょうへ
今度は別の県道に入り、小野方面へ
吉井ー曽根、このあたりで県道を見失い、社の市外を迂回しながら
R372に一旦はいる。
社町河高でJR加古川線をオーバークロス
あとは道なりに、北条鉄道の法華口付近に出る筈であったのが再び
道を間違えて、取り入れ風景の中、コンバインの稲穂を収穫する音の
横で写した写真が、今回の写真なのである。

稲穂がたわわに実る頃、左ハンドルの小型軽量オープンカーでこの辺り
を走ることが実に気持ちの良いのは、以前タルボサンバを持っていた
時に覚えた遊びである。
西に走れば県西の雄都、姫路であり、少し駆け上がれば丹波の篠山に出る。

この距離感と言うのは、人間の徒歩旅より、きっと愛馬や、中型以下のオートバイ
で移動した方が楽しいと思われる。だから私は左側に風景の近い、輸入ものの
小型幌車が一番しっくりくる。

今年も米が実り、良い季節、良い一年になったなあと、実感できればそれだけで
嬉しく気持ちの良い日々が過ごせるのである。農村の幸福というのであろうか。
ここをフランスや、スペインの田舎に置き換えて、想像しても楽しい。

今回は車を預ける旅であった。
帰路は、加西の三口という冨久錦酒造の酒蔵がある村から、北条鉄道の法華口
駅まで歩き、粟生からJR加古川線。加古川で銭湯と立ち飲みに寄って旅の
疲れを癒し、JR新快速を三宮で降りて阪急に乗り換えて帰ってきた。

法華口駅まであるく2キロほどの古い駅道の風情がまた格別であったので
少しお目にかける。







前回来た時は、とても辺鄙な場所に、保管庫を借りてしまったなあと、
思ったのであるが、この風景を見ながら、時々歩くことがあれば
これもまた楽しいと思えるようになった。

人間は生きて、生かされているのである。
路傍の名も無い花や虫にさえ命があるように。
今日は少し哲学的になりましたが、これもまた
ひとつの旅の思い出なのである。
Posted at 2011/10/13 06:11:41 | トラックバック(0) | 日々の旅 | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2011/10 >>

       1
23 4567 8
9 1011 12 131415
1617 18 192021 22
232425 262728 29
30 31     

リンク・クリップ

趣味とかその対象はどうなっていくのか 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/04/01 18:15:22
タイ製L70ミラ・ピックアップのすべて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/02/22 10:52:34
春の1200kmツーリング・中国山地の尾根を抜けて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/05/11 05:49:46

愛車一覧

ホンダ スーパーカブ50 プロ ホンダ スーパーカブ50 プロ
中古のスーパーカブを買いました。 原付に乗るのは40年ぶりです。
フィアット 850 車の色は空のいろ。 (フィアット 850)
2016年10月、三年半かかった車体レストアが完了し戦列復帰、その後半年、また以前のよう ...
プジョー その他 26インチのスポルティーフ (プジョー その他)
高校の時から乗っているプジョーです。1975年購入。改造歴多数。数年前に自力でレストアし ...
シトロエン ベルランゴ ゴールデン林檎 (シトロエン ベルランゴ)
還暦過ぎて、最後の増車?!。 見たこともなかった人生初のRV車を、九州生活のレジャーのお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation