• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

kotaroのブログ一覧

2012年03月12日 イイね!

引き続き、カーライフを考える

引き続き、カーライフを考える









前回の記事は、途中から完全に行き先がおかしくなった。
それに対し、5名の方が意見を述べて頂いたので
私の感じている「不全感」を補足するなり、対照するなりの
構築を進めていくことにしよう。

日本が変容したのは、90年代に入ってからである。
思考の多様化、価値観の細かいディテールがどんどん細分化されていった。
奇しくも、世界では、社会主義の国家群のドミノ倒し、アメリカとイラク、
クウェートを巻き込んだ湾岸戦争が始まり、これはイスラム圏との報復に
つながり、2001年9.11の悲劇で、人類は新たな火種の扉を開いてしまった。

そのことを想起させるように、コソボに近いユーゴスラビアの隣の
ルーマニア事情を書きたかったこともある。
トルコとギリシアもバルカン半島、非常にいま、キナ臭い。
世界を旅する44loveさんのコメントに近い話は身近に面白い例があった。
私の知り合いのお金持ちのお嬢さんで、あの時代、いつも紛争地帯に
行く、行きたがる女性がいたのである。

彼女は、ジャーナリストではない。だがベルリンの壁のときもあそこに
行っていたし、90年代の終わりの方で久しぶりに梅田の横断歩道で
再会した時には、ヨーロッパのどこかの国で、非正式な結婚生活を送り
「逃げて帰って来たところ」と言っていた。

大柄の美人とはそれ以来再会していないが、あの頃の日本人の魂のゆくえを
考える例として非常に興味深い。
そう、第1次の湾岸戦争の時には、日本は「戦争反対」を唱える知識人が
いた。後に政治に転じた田中康夫らである。
「ファッディッシュ考現学」を連載していた田中が変容するのは95年の
阪神大震災である。
この年にはオウムの大事件と大捜索が行われ、村上春樹が「アンダーグラウンド」
を後に書くほど、精神構造に大きな影響を与えた。

80年代に流布していた「消費の記号論」が吹っ飛んだように通用しなくなり
おいしい生活のセゾンも、価格破壊のダイエーもうたかたのように、表舞台から退場した。
ちょうど私が、マスコミにいて、毎日のように忙しく立ち働いていた時代である。
ここでやっとクルマの話に戻ろう。

1984、85年以前の自動車シーンは国産中心、80年代前半はソアラの飛翔と
白いマーク2やクレスタが売れた国産車の「白の時代」であった。
そこにシトロエンBXとプジョー205が舞い降りて、ほぼ同時期に小ベンツ190が
街の風景を切り取り始めて、日本人は普通の人でも「外車にのって良い」時代に
突入した。
自動車雑誌が加速をつけ、媒体がどんどん充実して行った。
クルマに詳しい若者にも職が与えられ、彼らが読者を代表するような形で
「夢を実現」していったのではないか。

しかし世界は、日本人の思うところとは全く反対に、急旋回していたのである。
それが「90年代の現実」だ。
2010年代に入り、やっと日本人一般が意識し出す為替(カレント)の問題が始まった。
私は何度か、仕事で行ったアジアで、為替の現実に目がくらんだ。為替は潮の満ち干で
押し寄せた後は一気に引く。
昨年の津波の映像、いや現実も見た人は多いが、あのショックは自然界の現象に
留まらない。
バブル崩壊から、昨今の円高まで、日本人は原罪のように苦しんだ、世界の出来事を
やっと体感的に理解出来るようになったのではないか。

さてさて、クルマ趣味というのは個人の内面の問題である。が、通貨や為替の
問題の上に乗っかって、押し寄せるものでもある。やっとご理解いただけたであろう。
粋なクルマ趣味とは何であろうか。
非常に上滑りしやすい自動車のシーンの中で、自分のポジションを保持することでは
ないか。私は偏屈に見られがちな乗り換えないオーナーのひとりだ。
たしかに、80年代や90年代の初頭に、街中で見掛けたクルマのシーンに、釘付けに
なったり、心の中に感興や感銘も湧くことが、しばしばあったと思う。
それは何かと言うと、その瞬間におけるそのシーンの中にいる車のレゾンデートル
(存在意義)というものであったのではないか。

古くはスーパーカーブーム、にわかに湧いた「作られた空騒ぎ」に眉をしかめる
大人もいた。大昔のカーグラフィックがそうである。この温度差や落差というのは
感じるものの感性の電位差である。
そうやって考えてくると、21世紀の10年代、20年代の「粋なカーライフ」の姿が
おぼろげに見えて来るのではないか。

私がここまで書いたことは、誰かが同じようなことを書くかもしれないし、引用
されても構わない。50年生きて来た日本人の一人として、見聞き体験したことを
重ね、通じ考えて来たのである。
年代、地域(ロケーション)、希少性(再現=可能性)などによって、それらは
異なる。
しかし世界のどの地域、どの辺境にいても、車趣味というものは、面白いものでは
ないか。
 この文が皆さんの一考に賛助出来るものであれば、書く者として幸甚である。












Posted at 2012/03/12 05:51:53 | トラックバック(0) | 思うこと | クルマ

プロフィール

「ビッグモーターから残クレアルファードまで http://cvw.jp/b/176891/48584333/
何シテル?   08/06 05:00
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2012/3 >>

    12 3
45678 910
11 1213 14 1516 17
18 19 20 21 22 23 24
25 2627 282930 31

リンク・クリップ

趣味とかその対象はどうなっていくのか 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/04/01 18:15:22
タイ製L70ミラ・ピックアップのすべて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/02/22 10:52:34
春の1200kmツーリング・中国山地の尾根を抜けて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/05/11 05:49:46

愛車一覧

ホンダ スーパーカブ50 プロ ホンダ スーパーカブ50 プロ
中古のスーパーカブを買いました。 原付に乗るのは40年ぶりです。
フィアット 850 車の色は空のいろ。 (フィアット 850)
2016年10月、三年半かかった車体レストアが完了し戦列復帰、その後半年、また以前のよう ...
プジョー その他 26インチのスポルティーフ (プジョー その他)
高校の時から乗っているプジョーです。1975年購入。改造歴多数。数年前に自力でレストアし ...
シトロエン ベルランゴ ゴールデン林檎 (シトロエン ベルランゴ)
還暦過ぎて、最後の増車?!。 見たこともなかった人生初のRV車を、九州生活のレジャーのお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation