
梅雨に日本列島が入り、エアコンのない旧車には
辛い季節になりました。
しかし日曜日に走ったが、20℃くらいの夕方なら
まだまだ暑くもなく、シュルッとクルマで野山を
駆け回るのは楽しい物です。
さあ今年の前半を個人的なことから、自動車社会や、
世の中の全般まで見比べていくことにしましょう。
1月はNYMの大変寒い寒波の中の開催と、850クーペの東上から始まりました。
今年は会場ではあまり多くの人と賀詞を交換できませんでしたが、長く続いている
行事だけに、個人的にも意義有るものに成長していました。
年々成長しているクラブブースの楽しみ方。しかし一方では仲間うちのはしゃぎも
目立ち、問題は見学者の中に、いろいろなクルマへの思いを持った人を、どう取り
込んで行くことではないでしょうか。近年気になることは、「閉鎖回路」的なネット
型の盛り上がりを日曜日にはどうやってオープンにしていくのか。人付き合いの下手
になった現代人のコミュニケーション能力の達成と、やっぱり普及だと思います。
私も850クラブというのが東京で発足して数年になりますが、あと2台一緒にでませ
んかと呼びかけましたが、用心深い人たちの警戒心を解くことが出来ませんでした。
自分自身にとっても、突破できない壁であったようです。
春は名のみの、彼岸の墓参りは850スパイダーを久しぶりにフェリーに乗せて九州に
行ってみました。
北九州のイデオートに立ち寄りましたが、事前連絡しておらず、ドンに愛車を披露
することままならず。みんから友達にもいきなり連絡しましたが、相手のことも
思いやり不足で失敗いたしました。気を付けないといけないのですが、偶然性に
重ねられて行く部分も有り、一期一会は慎重や慇懃過ぎても堅苦しいものです。
私は「フリー」な人間ですので、企業トップにはなれません。しかし悪意や裏の計算
もありません。どこぞで遭遇したら声をかけて下されば、響き合う音の流れるタイプ
です。
4月の最初は別のSNS系が母体の、六甲アズーリに急きょ参加しました。
大変楽しかったです。この時に声を掛けてくれた124スパイダーの友人とは
つい先日のフィアットフェスタで、関東まで長駆、いっしょに遠征しました。
世界の自動車ファンも、このようなノリ(スタンス)できっと盛り上がって
いるのだと思います。
自動車雑誌について、ここで言いますと、対価、バリューフォーマネーに見合う
情報の価値や、趣味の提案や発案力が低下しています。これでは売れないのも
無理はありません。編集者の能力も、一般マニアでイベントを立ち上げる人より
劣っています。メディアのツール性ばかりに溺れて、人間能力が低下すれば
何かのはずみで、ネットのような武器を一般人が持てば、“主従逆転”が起きても
不思議は、ありません。
近年すごく心苦しいと思うのは、NYMみたいな古いイベントでいまだに
メディアジャーナリストが「審査員」して回って来ていますが、審査されている
のはあなた方ですよ、って、どうして気付かないのでしょうか。
4月の第2週は、友人の個人的繋がりで鳥取のイベントへ。
このあたりから忙しくなりましたが、何とかこなせています。
地方イベントの参加する楽しみは、友達作りのコツでしょうか。
この中心人物とは、もう6年以上前のポンテペルレの大名行列で、岡山の山間
の古い宿場町に愛車を並べたことから始まっています。
10万級のイベントに出ることは、普段一緒に遊ばないクラスのクルマ乗りと
知り合える機会にもなりますが、私は堅苦しいのは、一切ダメ。
もし今後、私が多少有名になっても、堺正章さんや西田ひかる夫妻と「お友達」
申請はないでしょう。掛布雅之の例もありますが、人寄せパンダと趣味の神様
は仲良くしてくれないものなのです。案外、真面目に趣味の道というのは遊ん
でいると時々思いがけない、ご褒美をくださるものなのです。
昨年の暮れから話題になった86を、少し見掛けるようになりました。
これね、乗っているのは中年ばかりという声も聞かれます。
その昔、スカイラインのジャパンくらいの時代の頃、結構新車は高いものでし
た。ところが購買層のなかに意外と若い20代が案外いる。これホントの話です。
それを可能にしたのは自動車ローンなんだけど、私は方式が嫌いで、組まない
(人生の先の部分を「売る」のが嫌だったから)方でしたが、考えてみると
80年代というのは、人間や時代も、将来においてまあ、200万のクルマに
支払い総額300万のローン組ませてみても、何とかコイツは払い続けることが
可能だろう(回収リスクはゼロでないが)という時代だったのです。
これが経済に於ける剰余価値と言うか、不確定だけど、遊びや変動の部分だ
ったのです。大蔵(財務)省や日銀に、私の高校のレベルの人は行ったり
しますが、彼らの仕事はこの部分をオペレートすれば、どのくらい景気が
良くなるのか、といったことを、極楽とんぼのように浮世を飛んでいる私の
ような友人に聞いて「まあ〜いいんじゃない」と言われれば真面目に聞いて
よし、変動相場の調整だ、というふうにやってきたのが、昔の経済でした。
今は老人の年金みたいに増えもせず、遊びもせず、1円でも減ろう物なら
悲鳴が出るような社会に半分なっています。
レバレッジ(てこ原理)とか、金融ITのような高度理論で、一方で時代の
先端を奔ってるつもりの人もいてますが、実際ローン組ませても「たぶん
途中で(仕事クビになって)駄目だろう」の人ワンサカでは、経済は回り
ません。ローンのハードルを下げたら回収率が悪くなり過ぎてアメリカの
馬鹿の二の舞になりますし、投資や資本と言うものは、人間や企業の成長
性にお金を預けるものなのです。
社会の枯渇や硬直性について考えると、今一番見かけ上の回収率が高いのは
ナマポです。ナマポから住宅費をとったり医療費をかけるのは国が払うので
取りっぱぐれがありません。でもこれは元々税金で人の金だし、ナマポは
成長どころかガン細胞みたいなものだから、貧困ビジネスって土台無理が
あります。人間のことを悪く言っているのじゃありません。経済の見方の
説明です。
若い人が、ちよっと無理してスカイラインや、写真好きなら、ゼンザブロ
ニカや、時にはハッセルブラッドを買っていた時代があったということは、
裏返すと、最初から「本格」を知ることにより、より高次な世界に行くこと
が実現可能であったと言う時代の説明なのです。
よく本格派と昔は言いましたが、そういうことで人間は「上には上があるの
だなあ」とベンキョーしてきたわけです。ああハチロク、オナニーマシンに
終わらないで欲しいもの。
5月は臨時で門司の、ネオヒストリックカーのイベントを見て来ました。
少し前の記事ですが、まだ結構読まれています。「古いナベに、シチューの
材料を足すような」に私の願いが込められています。
そして6月は、ワンメイクの19回目のフィアットフェスタを見て来ました。
来場車の減少もありますが、均衡のバランス取れれば、来年も続けて欲しいし
ローバーやオペルより一時期地味であった日本のフィアットが、これだけ
ファンが長持ちするのは、いろんな要因があるからだと思います。
かつては、80年代、
入門編(パンダ、もしくはアウトビアンキA112)
中級編(リトモアバルト130TC)
上級編(ランチアデルタ4WD)
とステップアップして行く人が、たくさんいてました。
特に、A112ーリトモアバルトーデルタ
といった流れは太い、説得力のある、クルマ好きの一つの流派でした。
これにウーノターボも絡んでいたと思います。
時代が20年経つと、ヒエラルキーや上下先輩でなく、各車種が等距離に
置かれて、見ることが出来るようになったのはないでしょうか。
ベクトルの逆も有りで、小さなクルマに戻って行くもよし。
だってかつてのステップアップ論でいくと、最後は学習塾のように
「フェラーリ」しか答えがなかったのですから。
今は楽でしょう。勉強しすぎなくても叱られないし、整備の対応力は
習熟度がずっと上がって、東京や関西以外の地方でも、イタ車のコンデション
はぐっと、良くなりました。
私のような「ティーチャー」も各地におりますし。
さあ、今年の後半に向かって、次の課題を考えて行くことに
しましょうか。