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2012年12月17日 イイね!

日本人とセダン

日本人とセダン選挙が終わった。これも民意なんだろうけれど、
3年間て何だったのだろう。
自民にお灸を据えるためだけに国民的実験をしただけ
だったのか。叩かれ過ぎた民主の人たちは、寄せ集めの
軍隊がいかに戦に弱いかだけを見せつけて敗走した。

関ヶ原終われば東軍の圧勝か。西軍(一応大阪だから)
は悲運の将前原を抱える京都と、兵庫で2議席ずつを死守したのみ。
しかし大阪は19選挙区中12で維新の旗が翻ったのに仰天する。
ここは自公の天下ではない! こいつらは真田幸村かい。

さて、きょうもクルマの話にいたします。

昨日、京都に向かう道すがら、日本におけるセダンとは、何だろうと考えていた。
私がもっとマイナーなクーペに乗り続けていて、申し訳ないのだが、セダンは保守か、
保守主義は古いのか、それとも。

外国でも近年はセダンの退潮をかなり明確に意識する。それは日本やアメリカ的な
自動車のトレンドが、伝統的な生活様式を比較的固守するヨーロッパにも
影響を与えているということなのだろう。

日本はそれにしても極端だ。ワゴンブームと20年来続くモノボックス的なファミリーカー
が下は軽自動車から、上は3500ccクラスのエルグランドクラスまでずらりと占めるように
なって久しい。その影響で、ボンネットとトランクルームを持つ3ボックスのセダンは
すっかり影を潜めてしまった。

平凡な5ナンバーセダンがそんなにいかん(イケてない)のかい、と
かつて乗っていたFIAT131のような四角四面のセダンが恋しくなる。
この傾向はどこから始まって何が理由だろうかと、考えてみた。
写真のクレスタ、マーク2系大流行の頃はセダンは売れに売れていた。

ところが昨日亀岡の峠を越え、京都市内に駒を進める頃、1台の白いクルマが
前方を走るのに、目が止まった。何だったけこれは。そうだ日産プレセア、一応名前は
思い出せる。5ナンバーの4ドアハードトップ、これはきれいな後期モデルだ。



それにしても今のクルマと比べると小さい。それなりにスタイルは、まとまっているが
何と小さなクルマに、「美人」のプロポーションを押し付けたものか。
そうやって思い出すと、カリーナED(エレクトリック ディスファンクションでなく、
笑/エキサイティング ドレッシィの略)から始まった、小型4ドアハードトップ
ブームのことを思い出した。

80年代、当時はまだセリカが元気で売れていた。セリカを86レビンより先にFF化した
トヨタは、カムリとビスタの兄弟を四角くして、やたらと室内広さ重視のセダンにして、
残ったカリーナをカムリと分離したものの、位置づけに苦心して、FFの室内を有効活用
せんと、屋根を低くして4ドアハードトップの論法を持ち込んだのである。

トヨタの4ドアハードトップ(センターピラーレスのこと)と言えば、クラウンにも
あったが、主戦場はFRのクレスタ系である。
まだサイドの安全性がうるさくなる前は、5ナンバー枠でも綺麗なセダンはかなり
作られていた。80年代前半のことだ。ローレルもスカイラインもそこそこ見られた。



ところがトヨタのカリーナEDは、一種のセダンの掟を破ってしまった。居住性空間
を犠牲にした4ドアは「どうよ」なのだけど、売れてしまったのである。
だいたいヨーロッパの4ドアセダンと言うのは、室内以上にトランクがバカのように
広い。フィアット131の広さや、初代2代のゴルフ系ジェッタのでかいトランクを
思い出す。

131で当時、お産のお里帰りの荷物一式、ベビーベッドから蒲団に御祝いのプレゼント
など、ごっそり荷物を積んで、実家と新居を往復していたことを、私は鮮明に憶えて
いるし、ヨーロッパのセダンに「やるなあ」と何度も感心したものである。

その前に乗っていたシトロエンBXは、フレンチの5ドア車両で、セダンでもなく、
ハッチバック車と言うには大きい、フランスによく見られる独特の車種である。
それ程不満は無いのであるが、やっぱり荷室と客室が繋がっているのは、ときに便利
なのだが、荷物クルマというイメージが残る。これはフランスが農業国だし、都心で
暮らすパリジェンヌにも農民の血が流れていること感じさせる。

トランク車には、思い出がある。旧い車であるが、PGC10、スカイラインの通称ハコ
が友人の親族実家に残っていた。欲しいと希望していたら、ある日オーナーである人
が倒れられたので、乗っても良いという話になった。
そこで引き取りにいくと、トランクルームの中がオーナーの趣味で釣道具でいっぱい
であった。
釣道具に、海の魚などが積み込まれたトランクと言うのは、かなり臭いが残っている。
趣味の臭いが染み付いたクルマと言うのは、自分一人で乗っているのには構わないが
やはり家族や他人を乗せるなら、客室に臭いが入って来ない方が良い。これが私が
セダンを勧める理由で、ワンボックスなんかに乗れるかと、よく暴言を吐く理由だ。
まあジコチュウなんだろう。けどたしなみはわかっている。

さてカリーナEDのヒットはすぐに他社に影響を与えた。マツダのペルソナ(写真下↓)と
NISSANのプレセアであろう。

私はこうした本来のクルマのあり方を逸脱した工業製品を見ると「小市民的」と批判する。
最近の日本でよく言うところの「ガラパゴス的発達」というのも、これに近い。




それでもペルソナと言うクルマは面白かった。「走る室内空間」と呼ばれ、80年代的
記号論に乗っかったようなところもあったからである。たぶんと、いうか、のちに
ティアナを出す時に念頭にあったのは、「早過ぎたペルソナ」に対抗する意識であろう。

さて低屋根4ドアハードトップブームは、身延線の吊り掛け旧型国電のパンタグラフ
低屋根改造化のように飛び火して、ついにカローラクラス、セレスとスプリンター・
マリノまで出すに至った。
「これは奇形児だ!」と思ったし、150万クラスで4ドアHTと思って買った人は大抵
狭くて後悔していた。これが日本でセダン人気を下げた元凶のひとつ。






もうひとつは、私はランエボに有ると思う。熱血体育会系エボリューシュナルなひと
たちは、「なんで戦犯なんだ、日本車の良さを世界に訴えた国民的英雄に対し!」と
当然怒られるであろう。それを説明したい。

ご存知だと思うが、ランサーは中庸なセダンを世に送り出し、それにハイパーな動力
性能を備えた高性能モデルを設定することで、マーケティングするのが、本筋であった。
お手本となったのはFIAT131であろう。

最初のA73型では、ごく初期に2ドアのGSRモデルが開発が間に合うまでに、4ドア
モデルをチューンして闘ったことがあった。しかし73年後期から77年くらいまで
主戦機は2ドアGSRである。
その後、少し間が開き、2代目ランサーEXは4ドア専用ボディであったため、ランサー
ターボA173からラリーマシンは4ドアオンリーになった。この血脈が92年の初代
エボリューションから受けつがれ、ライバルインプレッサのように2ドア系を持たない
4ドアセダン=WRCというイメージが長年の間に定着してしまった。




ようするに、平凡で地味で、どちらかというと、鈍くさい印象でも実用的で
走らせるとシャンと走る、それが私の思うセダンの理想である。
鈍くさく無いがブルーバードのP510のような理想的なセダンもあった。

ところが日本では、まず「平凡なセダンは売れない」「平凡なセダンは悪である」
みたいな考え方が、どこかにあったのではないか。
スタイリッシュでも実用的なら良い。しかし4ドアハードトップを5ナンバーの
中級以下に持ってきたのは、これは無理があった。

それからスポーティーセダンも、せいぜいツインキャブ時代やAE86の兄弟の
85だったかな、FFのGTというのがありましたが、あのくらいまではよい。
しかし歴代ランサーの場合はエボリューションモデルが売れたものだから
ノーマルモデルが全く霞むようになってしまった。
運転本位のFRセダンを謳ったトヨタのアルテッツアも、結局評価が後になるほど
落ちて行った。これもFR時代のカリーナGTの幻影(3TGーEUTモデルもありました)
などに引きずられていなかったか。

ベーシックモデルを丁寧に作らないと、何のためのスポーツセダンだか、なのである。
だから私は、131ミラフィオーリやプジョー504セダンが判らないのに、131ラリーだ
シムカもベースを知らなくて、1000ラリーだ。ルノーも8ゴルディーニだって、騒ぐ
のは、どうかなあと思う。



日本のセダンが廃れて行った理由の大きな2つは今日書いた次第である。

後はセドグロ系、クラウンなどの大型セダンの考察もしたいので、いずれ続編を
書きたいと思います。

それでは出航してきます。ボンボヤージュ!






Posted at 2012/12/17 12:01:34 | トラックバック(0) | つれづれ日記 | クルマ

プロフィール

「「自動車趣味人」38号に取り上げていただきました。」
何シテル?   06/14 14:37
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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