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2013年09月13日 イイね!

クルマいじりと日本社会の変遷を考える

クルマいじりと日本社会の変遷を考えるアメリカから半年前に帰国されたパパンダさんが
日本のオートショップの基本部品の無さに
嘆かれていたので、筆を執りましょう。

私も10年前に異変に気付きました。
オートバックスが増えて、既存の独立系カー
ショップが激減。
そうすると、昭和の時代のような、フォグランプや
フィアム、ボッシュのホーンを売っていたような
風景が無くなり、買いたいモノが殆どない。

役に立たない香水の強いケミカルとか、カーナビ、私の見ない
自動車テレビとか、そんなのばっかり。

「グリス1つ置いてねえんだよ」と多少のDIYの気持ちのわかる
カミさんに愚痴る始末。

どうしてこんな世の中になってしまったんでしょうか。

1つは、クルマはいじって乗るモノでなくなった。
白物家電化の度合いが一気に進んだ。

あとは、昔のオートショップにあった、雑駁な「いかがわしさ」が
社会の透明化で、排除が進み過ぎたからです。

フォグランプ一つでも、昔はピンからキリまでありました。
マーシャル、シビエのフランス勢を筆頭に、ルーカス(英)ヘラ、ボッシュ(独)
なんていろいろありまして、国産の小糸、スタンレーのあたりまでが水準かしら。

PIAA(これ大阪だったと思いますが)、ゾルベとか、怪しくなってくると、ほんと、
わけワカランパーツ業者のものが端の方にあり、ワクワクしながら「怪しいなあ(爆笑)」
と買いもしないのに、日曜ごとにショップに往く楽しみがありました。


京都に、大学の頃から30年以上続いている「小林ドライブショップ」というお店が
北大路の先にあります。
1昨年高雄の帰りに、タイヤの空気が抜けているので立ち寄りました。
おじいさんになったオヤジに、昔ここよく来ましたよー、というと、
「昔は忙しかったねー」とのんびり懐かしむ会話になりました。

その頃はさぞ儲かっていたのでしょう。

12年前に私は旧車のメーリングリストを開設して、こんな文章を書いた記憶があります。

自動車産業は、メーカーが大企業となり沢山の雇用や消費経済に寄与しただけでなく、
ロードサイドの風景も一変させた。
燃料供給のスタンドだけでなく、パーツを扱うカーショップや、自動車で行くレストラン
まで、非常に大きな生活スタイルに影響を与えて、カーショップだけで一家が食える
レベルになり、中にはビルを建てるくらいの経営者も産み出したほどである。
それが今、その時代が終わろうとしている、と。

私なりの自動車社会学の考え方をまとめてみたのでした。

さて、ドライブショップにホース類やコード類に置いてなくても、ユーザーの大半は
困ることもなくなりました。
日本の自動車は、壊れ難くなり、完成度が上がって、バラしたり素人が出来るものでは
次第に無くなって来たからです。

これは日本人の一面、几帳面な良さでもあるのですが、反対にそれで食えていた人たち
を放逐することにもなりました。

時代は進化するのだから当然じゃないか。それが今でも日本人の多くの多数意見だと
思いますが、僕は絶え間なく進化や次のステージを迎えなければならない考え方で、
日本人の多くから、活力が失われつつあることに警鐘を鳴らす立場です。

最近フェイスブックで東欧の自動車好きと繋がるようになり、向こうのカーライフ
風景を見て「まだこんなことやってる!」と驚くと共に、ある種の懐かしさと羨ま
しさも感じています。

私は1971年のままのクルマに27年乗り続けて、「まあこれでもいいんじゃない」と、
平気な所がありますが、本音はこういうクルマに関わる人の仕事を無くしたくない。
発注があれば存続出来るだろう。ならば乗り続けて、そういった職人を残していきたい
というのが、考え方です。

あと、カーショップにとどまらず、自分の手を使うことの大切さ。
日本人はホビーと言うと、収入活動や教育活動より、一段下、無くても良いと思い勝ち
です。それは間違いです。
真に豊かな人間的なライフを目指すのであれば、一生手と頭と、体は使わないと
すぐに駄目になってしまいます。

だから本当はオートバックスを批判したいのではなく、豊かなカーホビーを
続けられるような自動車社会の実現こそが、エコとかで家計と神経をすり減らす
より、よほど人間的な生き方だと思うのです。

だからカーショップも、ぎりぎりの採算ばかりで多店舗化、メガ化をめざす
ばかりでなく、クルマいじりの楽しさや、ホビーライフの豊かさを目指す方向に
シフトして、捨てられるようなケミカル中心から、提案型に行って欲しい。

実は、スーパーオートバックスには、最近は中古パーツコーナーが有り、
この間は自己責任で(笑)軽用のオーディオを2000円で買って来たところでした。


(古い)クルマも喜ぶ。修理工場も仕事が続けられてハッピー。乗っているオーナー
も幸せな気分で乗り続けられる。これが自動車社会の幸福だと、私は考えます。

日本人社会は、これからは、多様性のあるホビーと、維持出来る社会の方を
目指すべきでは、ないでしょうか。




Posted at 2013/09/13 10:19:05 | トラックバック(0) | 思うこと | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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