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2013年09月21日 イイね!

2冊のCAR GRAPHIC

2冊のCAR GRAPHIC知人から昔のカーグラフィックの
記事が読みたいから、探して欲しいと
頼まれたので、工場に置いてある
バックナンバーを2冊借りてきた。

CG’76 3月号と7月号である。
探している記事は、浅間で開かれる
2輪のスポーツ記事。

私も持っていなかった、1976年のこの2冊を読みながら
今朝は、ちょっとした記事を書く。

昭和51年3月と7月いうと、私は高校1年生の3学期から2年生の1学期。

自動車に興味がなく、冷めていた頃であった。国産車は排気ガス規制で、
軒並みパワーダウン。それと48年暮れから始まった石油ショックが49年、
50年と続き、ガソリンスタンドは日曜日は営業自粛するようなのが、
社会モードであった。

しかしカーグラフィックは、冷戦下のようなこの時代に、早くも80年代
を予見していたかのように元気だ。今読んで驚くのは厚い広告層と、やはり
エディター小林彰太郎以下の、不屈の自動車好き感あふれる記事群である。

3月号は、いきなりこんな車をピックアップ。



今でも知る人ぞ知るミッドシップスポーツ、マトラシムカ・バゲーラである。



フランス第4のメーカーシムカとはいえ、こんな珍しいスポーツ。実際に
日本には、殆ど入らなかった超レア車を紹介する勇気と決断。今と違う
情報社会で、「これでいこう」という判断はかなりの思い切った決断で
あったと思う。でも、この号を読んでいて、私は何回も唸った。流石である。
30数年たち、評価に値する雑誌というのは、こういう本作りではないのか。

この号にはこんな記事も載っている。小林エディターの愛車がちょうど
ローバーP6からアルフェッタに入れ替わる際にあたり、比較対照記事を
書いている。



これは、今でもやるには勇気が要る。五月蝿い読者なら「公私混同」とか
噛み付き「なんで新車の『トヨタ』の記事に割かないのか」と言うだろう。

私は慧眼というのは、その瞬間には判らないと思う。今の時代の方がずっと
B層読者が多い。そしてその方向を気にするから、CGも他の雑誌も昔より
コクの無い記事が増えて、読むのが嫌になり買われなくなっていると思う。



この頃の広告を見てみよう。

広告という情報源が、失礼ながら世間に媚びたものになり、広告マンたちが
せっかく築いた、文化的レベルの仕事の誇りをすっかり失い、久しいと思う。

西武自販のシトロエンCX、今見ても惚れ惚れする美しいヨーロピアン
サルーンである。この頃は2200ccで、この美しい車体を引っ張っていた。



この時代に、売れていない外車の広告をこれだけ集めたカーグラフィックの
結集力について考えてみたい。それは「鉄道模型趣味」に全国のショップの
広告が凝縮するのに似ているが、必要な情報源と言う、誇りが保て、
出稿主、媒体、読者にとり大切なパートナーシップが保てたのだと思う。

アルファロメオは、伊藤忠時代の最後を飾るスッドが、登場し、最初期型
が広告を飾る。



ぶーちゃん必見のこの2台。新東洋が、健在であった頃。
XJ6はシリーズ2の時代で、P6の広告は珍しい。小林彰太郎が愛車の
記事を書くというので、代理店が“営業”したのでは、ないだろうか。



この間、話題にしたフィアムの広告が、1/3ページ縦割りの広告で
出ている。さりげないこの程度のアピールに、車乗りたちは眼を凝らした
ものである。



大阪の今も続く、堅実なジロン自動車の広告も、この時代らしくBMW3
シリーズの新古車を販売している。バルコム以外でビーエムをこの頃に
買った人は、本当に一握りの野球選手や、歌手などの芸能人であったであろう。



70年代広告の華か、徒花か。ハマの伝説、シーサイドモータースが2Pの
見開きで出稿している。しかしこの時代は、今見ると大人しい原稿だと
思うが、これでもかなりアグレッシッブな企業であったことが、想像できる。



国産車の新車記事も沢山載っているのであるが、今読むと、この頃の
アコードとかの完成度とか、30数年後に通用するメカニズムか、等と
複雑に考えてしまう。
新車は誰でも嬉しい。だから国産の新型が出ると、良い製品が出たと
当時の国民は誰でも喜んで享受していた。
この時代に外車の記事を書くというのは、かなり車のことを知っていなく
ては書けない。
読む方も、ハイレベルでなければ、ついていけない。
その相乗効果が、極東の島国で40年近く前に、一部で成熟しかけていた
のである。

2013年の僕らは、エンスー車に踊らされるのではなく、そうか、クルマって
こういうものなんだ、と成熟しかけた文化を40年後に味わって飲む、
ワイン飲みのような気分で、記事を読まねばならない。



フォードがグラナダになる前の、最後のタウヌス。



国産車の世界はまだ、こんなシーンである。私の読者なら判ると思う。
これが日本映画のヒーローなのである。

私はローバーP6に9年乗り、その後クルマ選びにずいぶん迷った。
この8月から、アルフェッタを80年代に翻訳したような75に乗り始め
やっぱり小林彰太郎の眼や脳や、手足になった気分で、このクルマを
転がしている。
新車の時には、理解能力が着いていけていなくても、人間も円熟する。

この記事を読んで、クルマの乗り方に着いて、迷ったら古い本を
読むのも一つの方法かと思った。

あなたらしい車の乗り方が、見つかれば、幸いである。(完)

Posted at 2013/09/21 08:30:47 | トラックバック(0) | 昔の記事より | クルマ

プロフィール

「「自動車趣味人」38号に取り上げていただきました。」
何シテル?   06/14 14:37
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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